完璧ママな霊に憑かれてる完璧美少女です   作:ぷらーね

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完璧美形な双子と完璧美少女です

 

 

 

 見知らぬ室内、見知らぬ玄関、胸に抱えている幼児。しっかりと記憶にないのは理解しているけど何かしらの既視感を感じる場所。

 

 五感全て機能しているが意識だけは混濁しているが辛うじてこれが夢だと理解できる。

 地面に散らばる花の香り、瞳に映る悲痛な顔を浮かべる幼児、口の中に広がる血の味、腹部に感じる突き刺すような痛み。

 回っていない頭で状況を理解しようと頭を上げようとするが何故か私の意志に反して体は全くいう事を聞かない。

 

 「ごめんね...多分これ無理だぁ」

 

 体に走る痛みを感じながら私の体意は思に反して幼児を抱きしめる腕に力を籠め言葉を紡ぐ。

 

 「そっちで何が起きてるの...?」

 「来るなルビー「ねぇってば!!」

 

 凭れ掛かっているドア越しに幼い声が聞こえ、腕の中にいる幼児が拒絶の声をあげるがそれを遮るように悲痛な声で叫ぶ。

 

私の体は自分の意志に反して言葉を紡ぐ。

 

 「私さ、ルビーももしかしたらアイドルになるのかもって思ってて」

 

 「いつかなんか上手くいったら親子公演みたいなさ」

 

 「楽しそうだよね」

 

 今までの思いを吐露するように瞳は何処か遠くを見つめているが、その腕に抱えている力はより一層力を籠め存在を確かめる。

 

 「アクアは役者さん?」

 

 「アクアは私と違って常に冷静でいられるからどんな役でもこなせそう」

 

 「えっと...他に...」

 

 思いの丈を言い終えたのか、先ほどまで遠くを見つめていた瞳は力なく周りを見渡し、そこで腕の中にいる存在を再確認し同時に一番言いたい言葉を思い出したのか入らない力を振り絞って体を回しスモークガラス越しにいる幼児を見つめる。

 

 「あ...これは言わなきゃ」

 

 

 あっ...駄目...それは...それだけは

 

 

 「ルビー」

 

 

 たとえそれが私の体だとしても...

 

 

 「アクア」

 

 

 私自身が言わなきゃ...

 

 

 

 『「愛している」』

 

 あぁ...やっぱりこれは本当だ。

 

 私の体は何かを喋っているが何も聞こえない、聞きたくもない。

 

 私の本当を奪う事は絶対に許さない。

 

 私の家族は私だけの...

 

 そこで私ははっとした。

 あれ...?私の家族はママとパパだけ、ましてやこんな小さな娘と息子何て。

 

 だけど私の記憶が、理性が、これは誰かの追体験だと伝えてくる。

 しかし、感情が、本能が、これは本当だと伝えてくる。

 

 何が…一体…?

 

 体、記憶、心、全てが違う行動をしていて私はまるで体が引き裂かれるような感覚陥って恐怖したが直ぐにその恐怖心が消えた。

 さっきまで思考は出来る位意識は保っていたが意識の混濁具合がどんどん酷くなってきたのだ。

 私は消え行く意識を何とか堪え意識を体の方へ向けるともう殆ど心臓が動いていないことに気づく。

 

 「アイ!アイ!」

 「ママ!ママ!」

 

 消える寸前に聞こえる声。

 五感が全てが消失していたがその声だけは何故か聞こえた。

 

 どうしたの、アクア、ルビー?

 

 私の返事は二人に届かず、遂に私の呼ぶ声すら朧げになってきた。

 しかし最後、意識が完全に消える瞬間

 

 

 

 …返して…

 

 

 

 何かが耳元で囁いた。まるで私を呪うような、妬むような、体中が総毛立つ不気味な声。

 だけど…

 

 

 この声は何処かで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「聞いた事あるような」

 「何が聞いた事あるの?」

 

 次の瞬間五感全ての感覚が戻り、同時にいま居る場所が自分の部屋だと気づいた。

 私はやっぱり夢だったと少し落胆し、一緒に横になっているアイに目を向ける。

 

 「いや、何でもないよ。夢の事だし、なんとなくしか思い出せないから…」

 「そう?ならいいけど、怖い夢ならママに抱き着いていいからねー」

 

 此方を茶化すように心配してくれているアイを尻目に私は起き上がり着替える。

 今日も休みだが、平日に関しては毎回遅刻ギリギリで起きているので起きたらまず着替えるが習慣になっている為だ。

 着替え終えて何処か違和感がないかを確認する。

 後ろでアイからの視線を感じるが勿論幽霊なので鏡には写らないのでどんな表情かは解らないが、長年一緒にいるので脳裏に浮かべる事は容易だ。

 

 多分微笑ましい者を見る感じだろうなーと思い、服装チェックも終わったので振り返りアイの表情を確認する。

 

 …あれ?

 

 そこには私が想像してた表情ではなく、何故か申し訳なさそうにしているアイがいた。

 

 「あい、今日幽霊仲間が成仏しちゃうから最後に打ち上げしよーって誘われてて…」

 「ゆ…幽霊仲間?えっとよくわかんないけど行って来たら?」

 

 幽霊仲間…初めて聞く単語。

 というかアイはほぼずっと一緒にいたから友達作る時間あったのだろうか?

 

 私が何んとも思ってない感じに手をヒラヒラさせ許諾すると、先ほどまで罪悪感で染まった顔を輝かせ私に抱き着いてきた。

 

 「あい、ありがとう!お土産買ってくるからいい子にしててね~!」

 「はいはい、私の事気にしなくていいから楽しんできてね~」

 

 お土産?浄土の特産品とか?…怖!

 

 私が幽霊のお土産に恐怖していると満足したのか抱擁をやめ、壁をすり抜け外へ出た。

 私は窓を開け、空中に浮かびながら距離が離れていくアイを見送る。

 

 しかしある程度進んだ後少し心配になったのか、移動速度はそのままで振り返って来た。

 私が見送ってくれている事に気づいたのか先ほどと同じように満開の笑みと共に大きく手を振って来たので私は小さめに振り返す。

 アイの姿が見えなくなるまで見送り窓を閉める。

 

 そのまま部屋の方へ振り向くとそこにはいつもより寂しい、静寂の空間が広がっていた。

 思えば初めてアイに会ってから一人になるのは初めてだ。

 

 …寂しいな…

 

 私はこの久方ぶりに生まれた感情を消し去るために一階へおりた。

 この時間はママが料理してる時間かなーと数分ぶりに温もりを感じれると思い、鼻歌を歌いそうな気分を鎮めながらリビングの扉を開いた。

 

 しかしそこにいはママの姿はなく、代わりに置手紙が一枚あった。

 

 「『今日ママは予定があるので夜まで帰らないからご飯は自分で食べてね ママより』」

 

 手紙を取り、読み上げた後に裏面に重なっていたであろうもう一枚の紙らしきものが落ちる。

 まるで私の感情みたいだなーと少し自虐思考で落ちている紙を拾う。

 

 …一万円…?

 

 一万円、いちまんえん…一万円!?

 

 「いっちまんえ~ん♪」

 

 私は学んだ。

 

 

 寂しさはお金で解決できるものだと。

 

 

 

 

 某大型ショッピングモール。

 

 一階にあるフードコードにて、私は食べ歩きをしていた。

 片手には骨付きチキン、片手にはスマホで次の目標を定めながら歩く。

 食べ物はある程度満足二階へと足を進め、雑貨品が並んでるコーナーへやや冷やかし気味に除いて、退店を繰り返したらサバイバルグッズコーナーで見知った人を見かけた。

 

 そこには見るからに丈夫そうなロープを手に持ち強度を確認している少女とそれに対して他のロープを吟味している兄妹らしき人。

 切羽詰まっている表情でロープを持つ姿はどう見てもこれから犯罪起こす3秒前といった感じだ。

 

 私は見つからないように目線を外しながら強張った体に鞭を入れ、サバイバルコーナーを通りようとする。

 

 「あっママー!!」

 

案の定というべきか、先ほどまでロープの強度を確かめていた少女が此方に気づくとロープを置き腕を千切れんばかりに手を振り此方へ走って来た。

 

 「人違いですー!…ぶへっ!」

 「俺たちがアイの事見間違える訳ないだろ」

 

 私は持っていた食べ物直ぐに食べてゴミ箱に捨て、捨て台詞を吐き全力で逃げようとしたら、いつの間にか先回りしていた少年に激突してしまった。

 激突の衝撃で私が倒れないように衝突の瞬間半歩引き衝撃を和らげ、両腕を私の背中に回す。

 

 いきなりの状況に目を白黒させ、抜け出そうとも奮闘するが後ろから追いついたであろう少女に羽交い締めにさ

 れ尚の事脱出不可能になる。

 

 「ママ~どこ行こうとしてたの~?」

 「いや...別に...その...」

 

 ママの匂い~と言いながら私の首筋に顔を埋めてきた。

 

 「ちょっ...やめて...」

 「えぇ~でも昔はよくやってたよ?」

 「おい、アイが嫌がってるだろ」

 

 正面にいた少年が見かねて、離れるように促してくれるが聞こえていないのか無視しているのか、更に顔を埋めてくる。

 でも私の事知らないのに私の名前知っている事とおそらく兄妹であろう事。

 多分アイの家族なのだろう。

 

 「あの...もしかしてルビーさんとアクアさんでしょうか?」

 「もぉ~さんとか辞めてよママ!」

 「ん?…ルビーちょっとこっちにこい」

 

 私は半分確信を持って聞くと、他人行儀に意を唱えたいのか言葉尻を強めた少女...ルビーさんだったが、何か思い当たる節があるのか少年...アクアさんは独りで納得すると私を開放し、ついでにルビーの首根っこを掴み離れてしまった。

 

 「何アクア!今からママの味確かめる所なんですけど!?」

 「味を確かめたい気持ちも解るが...多分あの子はアイじゃない」

 「ママじゃないってどういう事?…あ」

 

 離れている為話の内容は解らないが二人は少し揉めた後納得がいったのか二人は足並み揃えて此方へ戻って来た。

 

 「ごめんねー?知り合いに似てて勘違いしちゃった」

 「俺からもすまんな」

 「いえ、凡そですが事情は分かりますので…」

 

 二人は謝罪をした後にルビーは明暗が浮かんだのか、手をポンと叩き

 

 「そうだ!謝罪も込めてご飯でも奢るよ!」

 「あ...いや先程食べたばかりなので」

 「おぉいいな!俺も良ければ一緒に奢るぞ」

 

 ルビーさんの妙案にアクアさんは普段からは想像つかないノリを見せた。

 

 …あれ?私アクアさんと初めて会う筈なのに普段と違うアクアって何だろう?

 二人の顔を見て確信してアクアさんとルビーさんって分かったし、今のご飯の誘いも普段なら人見知り効果と十分お腹が膨れているので即答で拒否しているのに何故か内心嫌と思っていない。

 今日のアイの行動も然り、何か変わろうとしている気がする。それがいいのか悪いのかは正直解らないが。

 でも、

 

 「…分かりました良ければご馳走になります」

 「本当!それじゃあ今から家にいこー♪」

 「その前に一階のデパートコーナーで食材買ってからにしよう。あいは何か嫌いな食べ物あるか?」

 「いえ、アレルギーも無いのなんでも大丈夫です」

 「ならなら、カレーにしよっ!後は~デザートとーお菓子とー」

 「おいおいルビー、アイドル目指してるならそんな太る物食べるべきじゃないぞ」

 「へーん!お菓子とデザートとママは別腹ですー!…いや、ママは本腹?」

 

 二人は私の了承の意を確認すると痴話喧嘩のような事をしながら歩きだした。

 私は二人の少し後ろを陣取り時々来る会話に相槌をしながら足を進める。

 

 

 二人と喋り、過ごし、語り合えば今起こっている事、アイの事も知れるであろう。

 

 

 

 私は生まれて初めてするであろう本心を隠し、相手を半ば利用する…嘘をしていることに無意識の違和感を抱えながら歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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