フーシャ村を出た後、再び船上。私は前から目を付けていたあれを改めて抑える事にした。
「すみません、海賊が見えたのでちょっと潰して来ます」
「わっはっは、それなら好きに行って来い」
ガープ中将に断りを入れて飛行開始。目的の島には直ぐに着いた。上陸して翼を閉じる。
「……見つけた、首領・クリーク」
目的はドンクリークの確保。可能ならスカウトするけど、それが不可能なら殺す。
島内を歩いて移動、目当ての建物に着いて、ドアベルを鳴らす。
「初めまして、こちらに首領クリークはいらっしゃいますか?」
「その前にお前の名は何だ」
「分かりました。私は海軍大将の赫鳥、アルメリア・ファイスと申します」
「な、何!?」
「押し通ります」
「あっ待て、ぐぇぁぁ!?」
「押し通ると言いました」
守衛を押し退けた後、ドアを超えて無理矢理入る。そのままドンクリークの部屋へ。
「随分だな、強盗野郎」
「強盗、海賊がそう仰いますか?」
「はっまあ良いさ。何が望みだ」
(思ったより冷静ですね……)
ドンクリーク、相変わらず無駄に歯が白い彼は、取り乱さずに応対してみせる。クリークの手配書は確認済み。彼は既に賞金首だ。賞金首の目の前に海軍大将が来たというのに、彼は冷静を通している。中々骨があって面倒ですね。
対面の椅子に座った後、ドンクリークに彼の手配書を見せ、そして私は言う。
(懸賞金額は300万ベリー、ちょうど東の海のアベレージですね。このくらいなら引き込んでも大丈夫)
「実は、貴方を海軍にスカウトしたいのです。首領クリーク」
「何だと!? 、はっ、海軍大将が直々にか。俺も随分と買われたもんだな」
「断ったら貴方を殺します。海軍に入るか、ここで死ぬか、選んで下さい」
「はっ、まぁ良いさ。構わないぜ、海軍大将がそこまで言うってんなら、俺も海軍に入ってやる」
「では、交渉は成立ですね。これから宜しくお願い致します、首領クリーク」
「ああ。宜しく頼むぜ赫鳥」
ドンクリークの引き込みは成功。それから幾許かの必要な話を付けて、それからまた船に戻る事にした。
「実は、私はワンピースが必要だと思っているのです。貴方には是非とも海軍の為、ワンピースを見つけて欲しい」
「何だと? 海軍がか?」
「ええ。海軍がワンピースを求めては可笑しいでしょうか。大海賊時代を終わらせるには、切っ掛けになったワンピースが必要である。そう考えるのも普通ではありませんか? ……海賊にワンピースは与えません。手に入れるのは、我々海軍と言う訳です」
「成る程、そう言う話か。良いぜ、中々面白え事考えるじゃねえか」
「と言う訳で、こちらがドンクリークです」
「ドンクリークだ、改めて宜しく頼むぜ」
「わっはっは、まさか海賊を倒すどころか仲間にするとはのう、中々どうして成長したわい」
ドンクリークのスカウトに成功した後、ガープ中将にも事のあらましを伝えておいた。ガープ中将は笑っていて、随分と面白がっているのが分かった。
(後は、どうなるか……まぁ、取り敢えずはリバースマウンテンでラブーンにもう一度挨拶、ですかね)
「最近、名前を知らない海賊が増えてきました」
最近、原作でも登場していない海賊が増えて来た。余りに多くの原作キャラを殺した影響か、原作で芽の出ていなかった海賊が台頭して来たのだろう。
(しかし、海賊全体のレベルは間違い無く下がっている。海賊は衰退傾向にあります。悪くは無い筈です)
それでも海賊全体のレベルは低下気味。何はともあれ望ましい傾向です。例えば、コイツもその結果なのでしょうね。
「四皇、ボロボロの実のバーニー……えっと、もう四皇から落ちたんですか?」
パラミシア系ボロボロの実を食べた腐食人間、四皇のバーニー・キトラス。前任者が白ひげ海賊団にやられて居なくなったせいで、繰り上げ式に四皇になった補欠枠。下手に四皇になってしまったせいでビッグマム海賊団に目をつけられ、ビッグマム海賊団幹部のカタクリが率いる艦隊と激突、そして大敗。率いていた海賊団は壊滅し、最終的にビッグマム海賊団の傘下に入らざるを得なくなったらしい。その経緯がさっきニュース・クーが持ってきたばかりの世界経済新聞に書いてある。
「可哀想ですが、同情はしませんよ。いい気味です、海賊共」
記事によると、次の四皇はゾオン系ネコネコの実、モデルライオンの能力者。獅子海賊団のジャガー・ワインスタインらしい。こいつも百獣海賊団にやられるんでしょうか。
(最近の四皇、こんなのばっかりですね……)
補欠で四皇に成り上がっては、直ぐに蹴散らされて別の四皇の傘下に入ったり、海軍にやられてインペルダウンにぶち込まれたりする。最近は似たような泡沫四皇が次々と現れては消えまくるので、把握するのが大変なんです。
(逆に言うと、泡沫四皇が次々と現れては消える度に、既存の四皇が強大化している。安心していられる話では有りません)
シャンクスと言う海のバランサーが居なくなった結果、この海は良くも悪くも荒れているのだ。特に新世界の荒れ方は酷い。
(ですが、シャンクスの存在による不利益は大きい。奴は海軍の作戦に好き放題介入し、海賊を守っていた。殺した方が、世界全体にとってのメリットも大きい筈)
でも、後悔はしていない。シャンクスは、やはり殺した方が良かった筈です。
(それでも、海を荒らした責任くらいは取らなければ。それくらいしなければ、海軍大将の名折れです)
市民を守る為、できる限りの事はしなければならない。そのくらいの義務感情は有る。海を荒らした責任は取ります。四皇を地上から消し去る事で。
「四皇、全て滅ぼしてやる。……なんて、今考える事では無いでしょうか」
「お久しぶりですねラブーン。ヨホホ、元気にしていましたか?」
イーストブルーの旅路は終わり、今は帰り路の途上。ここはリバースマウンテンの麓、双子岬。ブルックはラブーンと何やらお喋りしている。私は椅子に座って新聞を読みながら、コーヒーを飲んで休憩中。
「うおおー! これがラブーンかぁ、すげー!」
「うわぁでっかい。こんなクジラ見た事ないよ!」
ルフィとエースとサボは、皆んなでラブーンの威容に驚いていた。ルフィだけじゃ無い。エースとサボもマリンフォードに連れてくる事になったのだ。
(これで深刻な懸念事項が3つ消えました。後は様子見でしょうか)
懸念事項が消えて私は深く安堵した。エース、ルフィ、サボ、3人ともが原作の中心人物に当たる。ワンピースと言う漫画のストーリーはこの3人を中心に推移するのだから。それを身内に引き込めれば、まあ安心ぐらいします。
「はぁぁ、ラブーンは凄いなぁ。所でねぇお母さん。さっき四皇は全て滅ぼすって言ってなかった?」
「ええ、言いましたよウタ。四皇は全員消します」
「うわぁ、お母さん超怖い。こんなのに狙われる海賊が可愛そう」
ウタは海賊を哀れんでいた。全く、あなたはどちらの味方ですか。
「はぁ……あなたはどちらの味方ですか」
「そんなの、海賊は許せないけど、でも最近思うの。お母さんって流石にやり過ぎなんじゃない?」
「海賊相手にやり過ぎなんて有りませんよ。殺さなければ殺されるだけですから」
「そ、それが一番怖いんじゃ」
ウタはそう言って怖がった。私は気にしないでおく。
「はぁ……」
そのあと、ウタもラブーンの方に向かった。私はまた1人になった。そして
「なあ、シャンクスとバギー、殺したのはお前か?」
「誰のことですか? クロッカスさん」
「ふん、そうか」
クロッカスさんの問いに、私はしらを切った。
「シャンクスとバギーが誰かは知りませんが、恐らく海賊なのでしょう。海賊を殺してはならないのですか?」
「いや、悪いとは言わんさ。あいつらも海賊なんだ。道半ばで、果てる覚悟はあっただろう」
「だが、まぁ良い。せいぜい今後に気を付けろ」
「はい。ではそうさせて頂きます」
礼を言って私は下がった。内心は酷い緊張がしたまま。
(やはり、バレましたか? シャンクスとバギーを殺した事)
彼もロジャー海賊団の船員だ。見聞色を通じて事実が露呈する可能性は充分にある。欺瞞は、しましたが。
(ですが、悪いとは思いませんよ。いずれは四皇として、海を荒らすだろうゴミ共。早い内に始末するのが、世界全体にとっての利益に叶う筈です)
悪いとは、微塵も思わない。思いませんよ、ええ。
(誰であっても、世界政府に逆らう者には死を)
「ねぇ、お母さん。お母さんはどうしてクロッカスさんを殺さないの?」
「彼はもう海賊を止めています。ですから別に殺す必要は有りません」
「ふぅん、お母さんって怖いのに変な所甘いの」
イーストブルー行きが終わり、私達は再びマリンフォードに帰ってきた。そして
「ねぇお母さん。私海兵学校に行きたいの」
「おや、海兵になりたいのですか? ウタ」
「うん。だってルフィも行くって言ってたもん。エースもサボも行くって。私だって負けてらんない」
私の自宅に戻って来た後、ウタはそう言った。
「そうですか、分かりました。入学の手続きはやっておきます。ウタは試験の勉強に集中しなさい」
「うぇっ、し、試験あるの?」
「有りますよ、海兵学校にも」
(それにしても、思っていたより感慨深いですね、中々)
少しばかり感慨があるようだ。ウタは海兵になる事を決めた、その事に。
(長く一緒に過ごしていると、少しは情が湧くのでしょう)
「うぅ、試験有るなんて……やっぱり学校なんか止める」
「試験くらい大した物では有りませんよ。そこまで恐れる事は有りません」
「ううぅ……」
不満げなウタ。私は言った。
「試験については後で改めて話しましょう。今は気にしないで良いですよ」
「うん……あーうぅ、試験」
「ああそうです。ウタが海兵になったら、エレジアに行っても良いですよ」
「えっホント?」
「本当です。ただエレジアには、貴方のエレジア行きを止めていた原因が封印されています。貴方のウタウタの実と関係の深い遺物です」
「ウタウタの実と、関係の深い遺物?」
「いずれ話しましょう。貴方がもしエレジアに行くなら、必ずその遺物に対処しなければなりません」
「遺物に、対処……」
ウタはぼんやりとして呟いた。実感が無いのだろう。
(まあ、良いでしょう。まだ何年も先の事です)
「まあ、今は遺物より目先の試験です」
「むー、試験やだぁ」
「そうですか。ですが、試験は嫌でもやる物です」
(トットムジカの対策、そろそろ本格的に考えなければ)
トットムジカについては、正直今まで野放しにしていた。他の海賊に掛り切りでそれどころでは無かったのだ。しかし、今の海軍本部は戦力にも余裕がある。そろそろ取り掛かるのも悪くない筈。
(どうしましょうか……後で元帥にも相談しましょう)
海上から船をまるごと持ち上げると、私はそのまま飛び立つ。そして一気に飛行開始。辿り着くまでは10分程だった。
「うひゃぁぁ、こ、ここが空島ぁ……。雲の上、俺立ってるよ。本当なの、これ?」
「ヨホホホ、これはまた凄い場所ですねぇ」
部下は随分と驚いている。場所は空島だ。前から調査して、目を付けていた島になる。ジャヤの上空、エネルの居た場所とはまた別の空島。
(目標はウルージの確保。それ以外は、まあ後でも良いでしょう)
目標はウルージの確保だ。可能ならスカウト、不可能なら殺害。他にも目標は有るけど、そっちはまあ後でも良い。
「では船を固定して下さい。移動開始しますよ」
「了解。よし、船を固定するぞ! 作業開始」
部下達が乗って来た船を雲の大地に固定する。後はこの場に船番を置いて移動開始。
「空島には現地民もいます。対応は慎重に。武器は向けないようにして下さい」
「了解、全員、武器の扱いは気を付けろ。下手に向けて刺激するなよ」
部下には武器の扱いを注意して空島を歩く。そうして暫くして、
(見つけました、僧正ウルージ)
見聞色に反応あり。ウルージを確認し、移動する。
(ウルージの手配書は確認済み。行きましょうか)
「こちらです。向かいますよ」
そして
「南無」
(これが……僧正ウルージ)
原作で知っている通りの巨漢だった。私の身長よりも高い。海兵達は浮き足立った。私はウルージの手配書を見せ、ぺこりと頭を下げて言った。
「初めまして、僧正ウルージ。私は海軍大将の赫鳥、アルメリア・ファイスです」
「えっいや、こ、こんな奴相手に呑気に挨拶して良いんですか? こんな奴さ、さっさと拘束した方がぁぁ」
「気にしないで良いですよ、そんな事」
「海軍大将とは。厳しい物よ」
ウルージはそう言う。実に何とも言えない表情だった。
「実は、貴方にお願いがあって参りました。貴方を海軍にスカウトさせて欲しいのです」
「なんと、私をスカウトとな」
ウルージは、果たして驚いたのだろうか。何とも神妙な表情で、考えが読みにくい。
(私には内心が分かりません。こういう交渉の時、見聞色のネックが出ますね)
「断われば貴方を殺します。スカウトを受けるか、ここで死ぬか、選んで下さい」
「むうぅ、何と……南無」
ウルージの相手は面倒臭い。何とも言えない間の空いた言い方でこちらの考えを惑わしてくる。どうした物でしょうか。
「ああ、そうです。スカウトを受けて下さるなら、その鉛筆に合う鉛筆削りを見繕わせて頂きましょう」
「ええっ嘘ぉ!? それ鉛筆何ですかぁぁっっ、棍棒じゃなくてぇぇ!?」
海兵が驚愕した。あの鉛筆、棍棒だと思っていたらしい。確かに棍棒にしか見えないから、否定はしない。
「何と、鉛筆削りを……承知した。そこまで仰るのなら、私も海軍に入ろう」
「ふふ、では交渉は成立と見なします。宜しくお願い致しますね、僧正ウルージ」
「うむ」
ウルージの引き込みに成功。一安堵する。
「さて、目的は達成しました。帰りますよ」
「えええそんなぁっ! 、折角空島まで来たのに!? もう帰るんですかぁ!? 、変な坊主連れてくるだけで!??」
「はぁ、では、少し遊んで帰りましょう」
「わーいやったー、よーし遊びだぁぁ!!」
「成る程。では私が空島を案内致そう」
「お、やってくれるんですかぁっ、じゃあお願いしまぁーす!」
(はぁ……)
結局、かなり遊んで、ダイアルを一通り回収してから空島を降りる事になった。これ、一応軍務中なんですが。
空島みたいな閉鎖環境で幾ら遊んでも、監査役にバレる可能性なんか無い? まあそれはその通りですけど。
「見つけた、バジル・ホーキンス」
向かう先はノースブルーの一角。今回の目的はバジル・ホーキンスの確保になる。
今の私は単独で行動中。カームベルトを超えてノースブルーに入った。
(バジル・ホーキンス、まだ海賊では有りません。海賊になるより先に交渉を付けてしまいしょう)
ホーキンスはまだ海賊では無いらしい。手配書は入念に探したけど、彼の物は無かった。今なら引き込むのも簡単だろう。
「ん? そちらは……」
「初めまして、私は海軍大将の赫鳥、アルメリア・ファイスと言います」
「何だと……か、海軍大将が。これが今朝の占いの内容か」
早速占いを弾き出し始めたホーキンス。私は言う。
「実は、今日は貴方にお願いが有って来ました。貴方の腕前を頼んで、是非とも海軍専属の占い師としてスカウトさせて欲しいのです。バジル・ホーキンスさん」
「スカウトを受けた場合、メリットになる確率……100%? ああ分かった。その話、是非とも受けさせて欲しい」
「ふふ、有難うございます。これから宜しくお願いしますね」
ホーキンスのスカウトにも成功した。安心する。私は言う。
「そう言えば、私も占いを覚えているんです。少し見てくれませんか?」
「本当か? なら是非とも見せてくれ」
「ふふ、ではこれです」
私の占いは、原作のホーキンスが見せた物程精度が高く無い。流派も違う。それでも
「まさかこれ程とは。中々優れた占い師なんだな、大将は」
「おや、それは有難うございます」
「だが、幾つか問題点も見える。まず流派が違うようだが……」
その後、少しばかり占い談義をやった。私の占いは我流で覚えたらから精度に不安があったのだけど、これで少しは精度も補正出来た。
(さて、良い成果になりました)
その後、ホーキンスさんはウルージ僧正と同じく、マリンフォードまで連れて行く事になった。
「初めまして、リク王陛下。本日は拝謁を許していただき感謝します」
「こちらこそ、赫鳥。貴方のご活躍はかねがね聞いているよ」
新世界に駐留している間、この日は前から気になっていたドレスローザに向かう。リク王にも挨拶した。一通り口上を述べると、ドフラミンゴについて必要な事項を聞いておく。
「それで、ドンキホーテ海賊団がこの国に干渉した事は有りましたか?」
「ドンキホーテ海賊団? いや、単に壊滅したとしか聞いていないが……その海賊団が何か?」
「いえ、何でも有りません。有難うございます」
ドンキホーテ海賊団の干渉は受けていないらしい。一通り調べたけど、おもちゃも活動していない。ホビホビの実の影響も無いと見て良い。
(ドレスローザはもう大丈夫のようですね、なら良いでしょう)
「あと、今回はこの国を観光してから帰りたいのです。どこかおススメの場所など有りませんか?」
「そういう事なら、この国には面白い物が沢山有ってね。きっと気に入ってくれると思うよ」
「そう言う訳です。モネ、シュガー。今日はドレスローザを観光して、また明日に帰りましょう」
「えっ良いの? 今日は遊び放題?」
「ええ、そうなります」
「わーいやったー!」
はしゃぎ回るシュガー。モネも嬉しそうにしている。私は一息ついた。
(シュガーは既に、ホビホビの実の能力者です。それに)
彼女達を回収したのは、ウタと同じで偶然だった。摘発した海賊船に偶々乗せられていたのだ。その後、モネの事は私のメイドとして雇い入れ、ブルックと一緒にウタの面倒を見させる事になった。そして彼女達も、やがて海軍に入りたいと言った。シュガーはまだ様子見だけど、今は私の麾下で預かっている状態になる。
「モネ、イトイトの実はどうですか?」
「それが、本当に大変で……。イトイトの実は制御が難しくて」
「成る程、では後で見てあげましょう」
モネには、回収したイトイトの実を与えてある。ユキユキとか言うヒエヒエの実の下位互換よりは、恐らく使い易いはずです。
「イトイトの実は応用性に長けた実です。鍛え方次第で、出来る事が何処迄も増えます」
「そう、言われても、正直困るのよ……」
「ふふ、分かっていますよ。ですから見てあげると言いました。ともあれ、今は観光です」
今この場には、私とモネとシュガー以外にも、部下の海兵が一通り居る。その皆んなで遊ぶ事になる。
(ホビホビの実は確保、リリーカーネーションも確保。後、厄介なのはヤミヤミの実くらいでしょうか。しかし、どうしてもヤミヤミの実は見つかりません。サッチを待つしか有りませんか)
「…ああ、そう言えば、この国にはとても美味しいクレープが有るそうですよ」
「ええっクレープ? 何処? 何処にあるの!」
「そうですね、後で行きましょう」
そうして、遊んでいる合間に
「見つけたぞ。アンタだな、赫鳥」
「貴方は……まさかロブ・ルッチですか?」
「その通りだ。アンタの、ファイスの再来、第2の天才なんて言われてるロブ・ルッチさ」
ドレスローザの市街地で意外な相手に会った。ロブ・ルッチが向こうから接触してくるなんて、正直思っていなかった。
ロブ・ルッチは原作と違って、いつの間にかファイスの再来などと呼ばれるようになっていた。私の再来なんて、別に良い物でも無いでしょうに。
「それで、ご用件は?」
「何でも。任務の序でに顔を拝みに来ただけだ。任務はもう終わったからな、俺はもう帰る。この場で騒ぎは起こさねぇよ。だが、一つだけ言っておきたい事がある」
「言っておきたい事ですか。それは?」
「俺はアンタを超える。真の天才は俺だと証明する。それだけだ」
「成る程、良いでしょう」
「これ以上言う事は無え、じゃあな」
「後、少しだけ待ってくれませんか?」
「なんだ」
怪しむルッチ。私は言う。
「貴方のサインが欲しいんです。ロブ・ルッチさん」
「はっ? ……いや、何でだ」
「私の趣味なんですよ、サイン集めるの」
「……」
サインを貰った後、ロブ・ルッチは月歩で去って行く。私はそれを見送った。
(それにしても、私を超えるですか)
少しばかり感慨があった。私なんかでも、どうやら超えられるべき目標になる時が来たらしい。
(でも、貴方には超えさせませんよ。ロブ・ルッチ)
「あっさっきの奴、もしかして敗北者のロブ・ルッチじゃ無かった? お母さんに何一つとして勝てない自称天才、ゴミ山大将敗北者のロブ・ルッチだって」
「流石にゴミ山大将敗北者は無いでしょう、シュガー」
シュガーの言い方、流石にちょっと酷く有りません?
しれっとホビホビの実もリリーカーネーションも回収してくる邪悪さについて