大砲鳥は凶気を運ぶ 方針:海賊絶許   作:Delphinus

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カライ・バリ島崩壊

「不味いぞ、こいつは」

 

「ど、どう言う意味……ぐえぇ」

 

「赤髪が死んだ。ワノ国でな。赤髪だけじゃ無い、ローとキッドとか言うガキも。麦わら海賊団も崩壊したらしい」

 

「な、なんだってええぇ!?? 赤髪ってシャンクスがぁァッッッ!!??!?! 、う、嘘だろ、それ、そんなの、よぉ」

 

「そうか、赤髪がな」

 

 縛り首にされたバギーを尻目に、クロコダイルとミホークは話し合いを続ける。カライバリ島にある大テントの内部。

 

「アルメリア・ファイス、世界最強の賞金稼ぎと名高い女だ。奴がワノ国に首を突っ込んだ」

 

「赤髪を殺害し、トラファルガー・ロー、そしてユースタス・キッドをも殺害。そして麦わら海賊団を崩壊させた……麦わら本人以外は全員殺害、或いは捕縛……、そして麦わらだけが逃走、か。とんでも無いな」

 

「アルメリアっていやあ、た、確かあの西の海の女王だろ? それで、宇宙に行くとか言って、最近賞金稼ぎは休業してなかったか?」

 

「馬鹿野郎、聞いていなかったのか? 世界徴兵で海軍に招聘されたんだよ。あの女は」

 

「本当かよ……そんなの。世界徴兵がここまで派手にヤバいなんてよぉ」

 

「それにしても、白ひげ海賊団を崩壊に追いやった張本人が動き出すか……。これは当てが外れたな」

 

「当て? 当てって何だよ」

 

「奴をクロスギルドに招聘する気だったのさ。アクションは起こしたが音信は不通。つまり、これが答えと言う訳だろう」

 

「これはいよいよ派手にヤベえか?」

 

 早速逃げ出そうとするバギーに黒刀が押し付けられる。ぐべぇあっ、と派手な音を鳴らして倒れるバギー。

 

「それで、どうする気だ? クロコダイル」

 

「最悪の場合、カライ・バリ島は放棄する可能性も考えた方が良いだろう。女王様はお怒りのようだ」

 

「……ふむ」

 

 ミホークはそう言って黒刀を降ろす。バギーはひえぇっ、と怯えながら必死に座り直した。

 

「奴は、アルメリア・ファイスは自分の会社と海賊との取引を禁じている。海賊だけじゃなく、マフィアともだ。奴の拠点がある西の海のデロイア島には、どんな海賊も接近しただけで撃沈されるのさ。だから安全な場所を求めて、デロイア島に移住する一般人も多い」

 

「だから西の海の女王と、そう言うのだったか」

 

「実に大層な海賊嫌いだ……。如何にも海賊の天敵と言った所か」

 

「そんなバケモンの相手なんか出来る訳ねぇ、さっさとずらからねぇと『良いから止まれ』ぶげぇぁっ!?」

 

 バギーはまた吹っ飛ぶ。今度はクロコダイルに掴まれて無事脱水された。

 

「それに『へえぇ、それ、私の話してるんですか? ゴミ共』!!? 、何」

 

 大テントの裏に、彼女は佇んでいた。身長300cmを超える高身長。長い黒髪と赤い目が印象的な、背中に巨大な翼を広げた絶世の美女と、そう言って良い女。

 

「態々殺しに来てあげましたよ。では死ね」

 

「ま、待てよ、お前何が望みなんだ、金なら出す、だから『死ね』ギャァァァァァ!??」

 

 バギーはあっさりと焼き滅ぼされる。後は2人だけ。

 

「クハハハハハハ、これは丁度いい。西の海の女王、アルメリア・ファイス、お前も内に来い。十分な待遇を約束するぞ?」

 

「断ります、海を荒らしたゴミ共の分際で。カライ・バリ島ごと滅ぼしてあげますよ」

 

 

 

 

「成る程、革命軍がレヴェリーを狙う。そう言う訳か」

 

「ええ、それが未来視の情報です。早い内にマリージョアの防備を固めましょう」

 

 元帥にそう進言し、マリージョアの防備を要求したのが二週間前。私達世界徴兵組の海軍大将は、この日マリージョアに参集した。

 

「さて、来なすったか」

 

「何、奇襲が読まれたのか?」

 

「各国の代表者が集う世界会議を狙う以上、容赦はしやせん。覚悟して下せえや」

 

「そう言う訳だよ。革命軍のカラスとか言ったか、死んどきな」

 

「こいつは……」

 

 マリージョアの防備が万全だった事に、革命軍はたじろぐ。だが、それだけで作戦は終わらない。

 

「どきなさーい男子達ー、止めるなんてサイテーなんだからぁー」

 

「最低なのはそっちじゃねえか? モーリーさんよぉ」

 

 藤虎が落とそうとした隕石を、意味不明な服装と口調をした巨人族が押し退ける。オシオシの実のモーリーだろう。だが、こいつの来襲も想定済み。

 

「それで、赫鳥はどうした、居ないのか?」

 

「教える必要は有りやせん。あんたらぐらいあっしらで十分って事でさ」

 

「それは、まさか?」

 

 

 

 

「ぐ、ぁぁぁっうぅ『死ね、ジュエリー・ボニー』ああぁっ、う」

 

 ジュエリー・ボニーを消した後、死体は残ると面倒いから、完全に焼滅させる。ナイフを戻して一息ついた。場所はマリージョアの城内。

 

「見聞色……反応あり。サボは、見つけました。ここですね」

 

 目標は、マリージョア城内に入り込んだサボの始末。これを早くやらないと、世界政府の機密情報が露呈する。それは不味い。ボニーの死を確認してから移動を開始。

 

「それにしても、サボ、速いですね。こんなに速いなんて。メラメラの実の能力を上手く使っている」

 

 見聞色による探知で分かったのだけど、サボはメラメラの実によるロギア化を使って、入り組んだ通路を巧妙に移動しているらしい。気体の性質を活かして道無き道を進み、壁の僅かな隙間や割れ目すら使って移動する。こいつは思っていたより面倒い。

 

「面倒な鬼ごっこですが……早く終わらせましょう。この状態なら追いかけるより、待ち構える方が早いでしょうか」

 

 

 

 

「貴方には、ここで果てて頂きます。理由はお分かりですね?」

 

「っ!? ……よりによって赫鳥、西の海のアルメリア・ファイスが。待ち伏せされたのか、ここまで来て」

 

 五老星の居場所まで後一歩の所で、やっとサボを捕捉出来た。内心少しだけ安堵する。海楼石の弾丸を籠めた、拳銃を向けながら告げる。

 

「革命軍参謀総長サボ。貴方には、貴方にだけは歴史の真実は与えない。何も知らないまま死になさい」

 

「クソ、だが、ただではやらせないぞ」

 

 竜爪拳で攻めかかってきたサボ。覇気と炎熱を込めた竜爪拳を躱し、カウンターにストレートの蹴り上げを叩き込む。

 

「ぐぁぁぁっ、こ、この」

 

「この程度ですか、では死ね」

 

 態勢を崩した所に銃で狙いを付ける。そのまま海楼石の銃弾を連射。6発撃って弾が切れると、再装填してまた6発。計24発撃ち込む頃には、サボはもう完全に動けなくなっていた。

 

「う、うぐぅ、くそぉ……」

 

「サボの身柄、確かに頂きました。では、公開処刑の日までお楽しみに。エースが待っていますよ」

 

「エースは、関係無いだろっ、ぐあぁっ、うぅ……」

 

 サボの身柄を連れて移動する。目標は壁の裏。目視でも標的を捕捉した。

 

「ワポル王、そちらで何をしていらっしゃるのですか?」

 

「こ、これは、どうして海軍大将が? い、いや、何でも無いさ、あは、あはは」

 

 壁穴の先を覗こうとしていたワポル王に圧力を掛けておく。イム様の存在……まだ気付かれていない。大丈夫。

 

「所で、そ、そちらは?」

 

「革命軍参謀総長のサボです。先程マリージョアの中枢に入り込み、機密情報を奪おうとしていました。現在、マリージョアは革命軍の襲撃を受けています。我々は全力で対処に当たっていますが、万が一と言う事も有り得ます。ワポル王もどうか早くお下がりください」

 

「は、はははは。ではそ、そうさせてもらう、そ、その、さようなら」

 

 ワポル王は逃げ出す。私は安堵した。これで残りの心配は、強いて言うならビビくらいでしょうか。

 

「早く行きましょう。サボの身柄も引き渡さないと」

 

 

 

 

「さ、サボォォッッッ」

 

「あぁ、そんなにお仲間が大切ですか」

 

 城外に出た後、改めて状況を確認。周囲に天竜人は居ない。事前に退避してあるから。藤虎と緑牛は思いっきりやれていて、戦況はこちらが優勢。そんな状況で、サボを連れて現れた私は注目を集めた。

 

「サボぉぉ! 今助けに行くわよ『死ね』ギャァァァァァ」

 

 助けに入ろうとしたモーリーを射殺。巨人族であっても、倒れる時は呆気ない物です。

 

「も、モーリーいいぃっ!」

 

「さて、全員仕留めてしまいましょう。良いですか緑牛、藤虎」

 

「おう、構わねぇぜ。派手にやろうじゃねえか」

 

「承知しやした。もう一つ隕石落としやす」

 

「や、止めろっ、止めろおぉ『黙れ』ぐぇぁぁっ」

 

 騒がしいサボを黙らせる。そして隕石が落着。大爆発が起きる。革命軍の隊員が次々と消し飛んだ。そして態勢を崩したカラスに緑牛が畳み掛ける。

 

「こんなもんかぁ、カラスさんよぉ!」

 

「く、お、おのれ……」

 

 ススススの実のカラスを緑牛が追い詰める。煤を吸収する新種の植物を作り出して煤を呑み込み、動きを奪って、最後に。

 

「あばよ、革命軍」

 

「クソ、や、やられる、訳には……」

 

 養分を奪われたカラスは、絡まった木の根に縛り付けられた。さて、取り敢えずこんな物でしょうか。

 

「では仕上げです。捕らえた革命軍を引き渡しますよ」

 

 

 

 

「……なんて、そんな事も有りましたか」

 

「う、ぐぁぁ、くっ」

 

 クロコダイルの首を締め上げる。流桜で覇気を流し込み、動きを潰しておいた。

 

「この程度の奴が19億ですか。懸賞金って強さ議論には不向きなんですよねぇ」

 

 そのまま首を刎ね飛ばす。クロコダイルも死ぬのはあっさりだった。

 

「さ、貴方も死にたいですか? ミホーク」

 

「その刀、閻魔か。どうやらおでんの物を奪ったようだな」

 

「おや、ワノ国のおでんをご存知ですか。これはおでんから子へ伝えられ、海賊狩りのゾロが秋水との交換で得た物。それを頂いて行きました」

 

「ゾロ……貴様、私を倒すのでは無かったのか」

 

 夜と閻魔が激突する。閻魔を黒刀化し、大量の覇気を吸わせて、際限なく斬り付けて何度もぶつかる。

 

「剣士でも無い者が黒刀を使う。底知れん女王だ」

 

「そうですか。では死になさい」

 

 覇王色を纏わせ、触れない覇気を発動。触れない覇気で黒刀を極限まで延伸。島一つ滅ぼす程に巨大化した剣を振り上げる。

 

「神避ぃ!」

 

 縦に振る神避。島ごと夜を引き千切って、ミホークすらも、殺した。

 

「見事、だ」

 

「それはどうも、そしてさようなら」

 

 神避を受けてカライ・バリ島は真っ二つにカチ割れ、崩落を始める。パニックに陥った夥しい人々の声が聞こえる。カライ・バリ島の住民は、ほぼ全員がクロスギルドの信奉者、つまり海賊です。ですからこの島と運命を共にして貰いましょう。

 

「島民の皆様は、クロスギルドと心中して下さい。ではさようなら」

 

 翼を展開して飛び上がる。捕らえられた海兵は別ルートで救出済みだ。上空から神避を乱射。カライ・バリ島を完全に破壊し尽くす。僅かな生存者も残さない。それでも脱出しようとした僅かな人々には、ホーミングレーザーをロックオンしてぶち当てる。人が次々と死んで行く。

 

 何度も放たれる神避によってカライ・バリ島は破壊され、やがて完全に沈没した。生存者は、ついに1人も居なかった。

 

「屑共を、1人残らず殺し尽くして、ホント馬鹿みたいに死んでさあ。あはは、これも海軍に懸賞金なんか掛けるからですよ」

 

 私の事、性格悪いって思われるでしょうか。でもどれだけ繕った所で、私なんて所詮はこんな物です。悪いとは微塵も思わない。

 

「この世界に海賊王とか要らないんですよ。居ても邪魔なだけでしょうに。ねぇ、バギー」

 

「……後は黒ひげを。そしてルフィ。エッグヘッドへ向かえば、或いは」

 

 

 

 

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