大砲鳥は凶気を運ぶ 方針:海賊絶許   作:Delphinus

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突入 ミニオン島

 部下には待機を命じて、私はその時間を待つ。時間と同時に翼を広げて突入。

 

(ヴェルゴは暗殺済み。海軍にスパイを入れるのは不快ですから)

 

 ヴェルゴは入隊前に暗殺してある。だから奴の心配はしなくて良い。

 

(突入先は、ミニオン島。見聞色に反応あり……こっちがロシナンテ、こちらがローですね。そして海賊が多数……これなら、予定通り行ける)

 

 ミニオンが視界内に入り、一定範囲の音が消えた領域も確認する。ロシナンテ、これですか。

 

「突入開始!」

 

 全速で突撃しつつランチャーを乱射。海賊を片っ端から始末しつつ、八咫烏の炎を纏ってミニオン島に上陸した。

 

「な、何だお前『死ね!』グギャァァァ!」

 

 オペオペの実を取引していた海賊を片っ端から始末し、ロシナンテに接近する。

 

「あ、貴方はまさかファイス少将!? どうしてここに」

 

「見聞色です、どうやら銃傷を受けていますね。何処の所属かは知りませんが、直ぐにここから帰投しましょう。そちらの子と、その悪魔の実も回収しますよ」

 

「すみません、どうか頼みます」

 

 ロシナンテの銃傷は浅い。1〜2発受けただけで収まったようだ。このくらいなら問題無く治療出来るだろう。

 八咫烏で燃やさないよう注意を払いながら、持ってきた医療用キットで最低限の応急処置。そのまま2人を背負い、島外に脱出しようとして

 

「フッフッフ、よりによって凶鳥が来るとはな。想定外も良い所だ『死ね』ぐぉぉっ」

 

 チッ、何でドフラがここに。想定外です、私が動いたせいでドフラを刺激しましたか? ロシナンテとローを一旦降ろして急上昇。ランチャーをチャージ、即座に放射。躱された。

 

「折角ですドフラ。死になさい、死ねよ」

 

「フッフッフ、まぁそう言うなよ『煩い死ね』全く、取り付く島も無い女だ。仕方無い」

 

 2撃目の放射も躱される。仕掛けて来た寄生糸を燃やして、翼から無数の誘導放射を浴びせた。

 

「16発の聖なる凶だ『死ねぇ!』ぐぁぁっ」

 

 誘導放射も躱し、反撃を図ったドフラに対し、回避位置を予測した先へ覇気と核熱を乗せた六王銃を発射。当たった。殺す。勢いのまま一気に接近して、腹部にランチャーを叩きつける。先端部の射突杭を展開。

 

「死ね、死ね、死ね、死ね! 死ねよドフラッ!」

 

 そのまま覇気と核熱を乗せた最大威力のパイルバンカーをショット。何度も何度も何度も撃ち続けて計11発撃つ頃には、ドフラは既に絶命していた。

 

「死ね、ドフラ。さぁ、急ぎ帰投しますよ。傷の治療を」

 

「は、はい……これがファイス少将。何て殺意だ」

 

 

 

 

「あっお母さん」

 

「どうしましたか、ウタ」

 

 ウタはいつの間にか、私を母親呼ばわりするようになっていた。何故かは知りませんが。

 場所はマリンフォードにある私の自宅。マリンフォードの家屋は大半が和風だけど、私は和風が嫌いなので洋風の家屋。ウタの事は、家を空けがちな私と、ブルックに、それからメイドを雇って面倒を見させている。将官なので金だけは無駄に有りますから。使う機会の無い金ばかり。

 

「貴方をロシナンテに引き合わせます。これから貴方の面倒を見てもらうよう言っていますから、仲良くして下さいね。同年代の子もいますから」

 

「はぁーい、でもロシナンテって誰?」

 

「すぐに分かります。ナギナギの実の能力者です」

 

(私なんか、母親面する程御大層な奴じゃ無いのですが……)

 

 正直、私はウタを信用していない。下手に原作通りルフィと引き合わせれば、いずれ海賊になる可能性が高いと踏んでいる。信用していないからこそ、手元に置いて監視しているのだ。それに、もし原作通りにトットムジカを起動してしまったら……私はウタを殺す。海賊になっても殺す。こんなの母親としては失格なのでしょうが、別に知った事では無い。毒親? 知るか、どうでも良い。

 

(シャンクスを殺した以上、トットムジカの対処は難しい。面倒ですね。エレジアには近づけたくない)

 

 下手にトットムジカを起動してしまった場合、手が付けられない可能性が高いと踏んでいる。そう考えると、エレジアにだけは行かせる訳には行かない。

 

「さ、行きますよ」

 

「はーい、お母さん!」

 

「だから母親ではありません」

 

 

 

 

「お久しぶりです。ロシナンテさん。傷は癒えましたか」

 

「ファイス少将! ようこそお出でで。お陰で傷はこの通りですよ。所でそちらは例の?」

 

「わあいピエロじゃん」

 

「この子がウタ、私が海賊船から偶然回収して来た子です。現状私が養育者となっています」

 

「ん? そいつ誰だよ?」

 

 トラファルガー・ローは訝しむ素ぶりでウタを見ている。ウタと同じく小さなローは、既にオペオペの実の能力者になっているようだった。珀鉛病の治療も完了したらしい。

 

(一先ずは計画通り、ですか)

 

 少し安堵する。遊び始めたウタにつっかかられて面倒臭そうなローを尻目に、私は中佐に話しかけた。

 

「ロシナンテ中佐、改めてウタについてですが」

 

「話は聞いています。ウタウタの実の能力者だとか」

 

「ええ、その通りです」

 

 ロシナンテ中佐に、ウタについての必要事項を話しておく。ウタウタの実の危険性。映像電伝虫を通じる事で能力が世界中に伝播する事。そしてエレジアに眠るトットムジカとの反応の可能性についても一通り説明した。

 

「貴方のナギナギの実であれば、ウタウタの実の危険性を抑え込めます。ですから気にかけてやって欲しいのです」

 

「そう言う事ですか……分かりました。俺で良ければ」

 

 ロシナンテ中佐、ああ、もうすぐ潜入調査の功績で大佐になるらしい……は、私の言葉に同意してくれた。少し安堵する。

 

「ヨッホホ、こちらにいらっしゃいましたか」

 

「あっブルック。凄いんだよこのローって言う奴」

 

「ん? 何だよこのガイコツ」

 

「ヨッホホ、ガイコツとは失礼な。私は歴とした人間ですよ、もっとも骨だけですが」

 

「それこそガイコツじゃん」

 

 

 

 

(ああブルック、貴方も来てくれましたか)

 

 ブルックはウタとローと一騒ぎ起こしていた。正直騒がしくて鬱陶しいですけど、まぁ、安心はする。

 

(ウタ、どうなるでしょうか……)

 

 ウタがこの先どうなるのか、正直私にも分からない。海賊になるのか、海兵になるのか、ただの歌姫になるのか、新時代を築くのかも。これら全部の未来が断片的に見える。そうして、思案を巡らしていると、

 

「な、なぁ、アンタ、ファイスさんって言うのか? 頼みが、あるんだ」

 

「ん? どうしましたか。トラファルガー・ロー」

 

 未来予知の中で、突然ローが私に話しかけて来ると知った時は動揺した。正直考えていなかった。虚を突かれながら急いで応答する。

 

「頼む、俺を鍛えてくれ。俺、もっと強くなりたいんだ。強くなって、俺もコラソンを助けたい」

 

「……はっ?」

 

 一瞬、何を言っているのか分からなかった。内心取り乱した。な、何でよりによって私なんでしょう。か、海軍には教官なんて幾らでもいる。それこそ、ゼファー先生にでもお願いすれば良いだけの筈だ。

 

(私、指導とかは今一つやった事が無いの、ですが)

 

「海軍には優秀な指導者が何人も居ます。望むなら紹介する事も可能です。そして、私に指導の経験はありません。それでも私が良いのですか?」

 

「そんなの、決まってる。アンタはドフラミンゴを倒した。凄かった、あの時の戦い方。今でも忘れられないんだ。それに一番、アンタの殺意が」

 

「殺意……、そ、そうですか」

 

(殺意を褒めるって何ですか……)

 

 殺意を褒めるってどういう意味だろう。私、もしかしてそんなに殺意塗れに見えるんですか? ……正直理解出来なくて困った。これをどう考えればいいのか。

 

「ファイス少将、俺からも頼みます。ローの事、どうか鍛えてやってくれませんか?」

 

「ロシナンテ中佐まで……はぁ、分かりました。それならやっては見ましょう。ただ、オペオペの実の能力者の教育はかなり特殊です。私から出来るのは基礎的な覇気と、戦闘法の訓練になります。それでも宜しいですか?」

 

「それでも構わないから、頼む」

 

(それにしても、これからどうなるんでしょう……)

 

 ウタウタの実の懸念事項も多いのに、ローの教育を私が担当するなんて。全然予想が付かなかった。本当どうなるんでしょうか。

 

「あっそうだ。ロシナンテ中佐、サインを頂けませんか?」

 

「はっいや、少将? どうして俺のサインを」

 

「ええ、趣味なんです、サイン集めるの」

 

「はぁ、俺なんかで良ければ……」

 

(やりました。ロシナンテのサインゲットです!)

 

 ロシナンテ中佐のサイン、結構嬉しかった。

 

「ああ、ローだけ狡い!私も覇気教えて!ね、お母さん!」

 

「はぁ…ちょっとだけですよ」

 

ウタの教練は、もう少し保留したい。




ドフラミンゴ:享年28歳。41歳にもなれず毎日新聞も読めずに死ぬ。可愛いそうな^_^41歳。
ロシナンテ:生存。もうすぐ潜入任務の功績で大佐になる。主人公は助けて貰った恩人だが、肉親を殺した張本人なので内心複雑。
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