「クロコダイルは殺した。モリアは殺した。後はミホーク。でもミホークは殺す機会が乏しい……厄介ですね」
「それに、何より4皇です。4皇を殺さない限り、大海賊時代は止められない……はぁ」
クロコダイルは真っ先に殺した。放っておけばクロスギルドを作るであろう危険因子。私は、懸賞金掛けられる事だけは絶対に避けたいのですから。
(ニコ・ロビンが既に居ない以上、クロコダイルがミスオールサンデーと約束を交わさず、アラバスタに居座らない可能性がある。もし古代兵器を求めてグランドラインを進むなら、本編以上の脅威になるかもしれない。つまりは殺すしか有りません)
「大海賊時代を潰すには……ロードポーネグリフの確保が必要。ポーネグリフ、写しを取られると面倒。原本を奪えば……やはりゾウの国、モコモ公国に行くべきでしょうか」
ポーネグリフ、回収しておかないと写しを取られる。そうなると鬱陶しいだろう。幾らオハラの残滓を潰したとは言え。
ロードポーネグリフを持つのは4皇、それに光月家の所蔵品。それとモコモ公国。モコモ公国のポーネグリフは神聖視されている。奪うのは少し面倒ですが、4皇から奪うのはもっと面倒。光月家に手を出せばそれより早くカイドウと戦争になる。さてどうした物か。
「後は……麦わら大船団か……、八宝水軍、バルトロメオ、それにキャベンディッシュ……こいつらも殺せる内に殺しましょう。特にバリバリの実は面倒」
バリバリの実は面倒ですが、対策はあります。寝ている間に奇襲するか、バリアを張った先を炎で満たしてしまえば良い。
バリアは無限に持つ訳じゃない。消耗戦になれば、いずれバリアを解除しなければならない時間が来る。或いは、島ごと焼き滅ぼしてしまうか。
「そして麦わら……、ロビンは殺した。ブルックは引き込んだ。最悪の世代……もう少し後でも良い。それに」
後は、その、山賊ヒグマ? ……い、いや、ヒグマとかどうでも良いでしょう。良い、ですよね?
(どんなに調べても、60皇とか言うギャグは存在しない。だから56皇殺しのヒグマも有り得ない。えっと、有り得ない、ですよ、ね? ……い、一応確認しておきましょう。ええ、一応です)
「それに、空島にも行かなければ……」
「はっ? 空島? 少将、それは本気ですか?」
「ええ、本気ですよ。少佐」
少佐、前まで大尉だったけど何やかんやで昇進した私の部下は、訝しむように言う。
「空島……は、そもそも実在するのですか? それで、例え存在するとしても、どうやって行くんです?」
「あ、ああ、そうでしたね……確かに存在しますよ、空島は。空島へは飛んで移動します」
「は、はぁ……成る程」
少佐は半信半疑のままだった、私は気に留めないでおく。
(ああ、そう言えば、空島は伝聞の存在でしたね……)
それにしても、失念していた。この世界において空島は伝説上の存在だった。考えを改めなければ。
(それに……)
「少佐、戦闘準備を。どうやら敵が来ます」
「は? わ、分かりました。各員戦闘準備! ファイス少将の命令だ! 急げ!」
見聞色の反応が来た。こっちに近づいて来る。どうするか。
(さて、迎え撃つか、それとも逃げるか。迎え撃つなら罠を張るか、先制攻撃か……。決めました)
「相手は魚人です。水中から来ます。警戒するように」
「はっ? ぎ、魚人? 、わ、分かりました。総員、相手は魚人だ! 水中に気をつけろ!」
「私は先制して仕掛けます。船を任せましたよ」
「は、お気をつけて」
ランチャーを受け取り、八咫烏の翼を開いて飛び上がる。遥か遠く、敵は捕捉済み。水中から高速で近づいている。移動中の海上に向けてランチャーを向ける。
「海ごと焼き尽くしてやる。終末放射」
海に向けて、最大出力でランチャーを放った。凄まじい水蒸気が燃え上がる。海が一気に爆発する。水が余りに蒸発し過ぎて、遂には海底が露出して焼け爛れる程の高熱。魚人の大半が一撃で壊滅。
それでも、突っ込んで来た奴らがいる。敵は、どうやらジンベエのようだ。アーロンもいる。それに、こっちは知らない奴、魚人じゃない? 人間。何だ? 目的は、恐らくフィッシャー・タイガー殺害の報復。それと……。
「少佐、アーロンは抑えなさい。私は残りを」
「はっ分かりました」
部下にはアーロンを抑えさせて突撃。空中から核砲撃を撃ち下ろす。海水が一気に高温化、蒸発。更には凄まじい爆発まで。ジンベエは、これも躱したか。面倒。
「凶鳥、覚悟ぉ!」
「死ね」
別の魚人が水中から撃水を放って来る。回避して、そのまま翼から核砲撃を乱射。殲滅を確認。
「なぜタイの兄貴を殺した『知るか、死ね』やはり聞く耳持たずか、凶鳥!」
槍波を見聞色で回避しつつ、潜伏した地点を海ごと蒸発させて燻り出す。炙り出しと共にチャージしたランチャーを放射。紙一重で躱された、でも想定内。回避した先に最大威力で覇王色の砲撃を叩きつける。これは直撃。
「覇王色纏い……じゃあ良いですよ。死ね」
覇王色を纏い、赤黒く発光するランチャーを再びチャージ。そして発射。ジンベエが蒸発する、しかしその寸前で
「ふざけんな、てめぇこのニワトリ!」
「……誰です、貴方?」
どうやら、ぎりぎりの所で誰かに助けられたようだ。その誰かを見る。……魚人じゃない。人間ですけど、いや、本当に誰?
「まあ良いでしょう。死ね」
「忘れたとは言わせねぇぞ! どうしてディアブロ海賊団を滅ぼした!?」
「知るか、死ね」
ああ、成る程、ディアブロ海賊団の関係者ですか……じゃあ死ね。
核砲撃をぶつける。そいつはあっさりと死んだ。
「殺した。ジンベエ、お前も死ね」
「ふざけた真似を『死ね』ぐぉぉ」
蒸発した水蒸気を利用して、更に打撃を叩きつけようとしたジンベエ。
それを見切って覇王色を纏った核融合砲弾を放射。正面から水の原子ごと分解、全てを蹂躙し尽くす。
ジンベエは今度こそ耐えられなかった。核の炎に飲み込まれて死んだ。
「死にましたか……それにしても少佐は、早く帰還しましょう」
「く、くそおぉ……」
「大人しくしろ、ノコギリのアーロン!」
アーロンと一党の魚人達は、少佐達に抑えられていた。おや、思ってた以上にやりますね。
「貴方も死にたいですか? アーロン」
「ふざけるな凶鳥、お前が、お前がぁ」
「知りませんよ。少佐、アーロン達の処遇は任せます」
「はっ、海賊共を本部に連行する。準備急げ!」
(アーロン達は生き延び、インペルダウンに送られる……それにしても、はぁ、復讐ですか)
「復讐には復讐で答えますよ……。私は死にたくないので」
「それにしても凶鳥、私も随分な名前が付きましたね……」
「良いですか? 覇気は合計で三種類有ります。一つ目は武装色、二つ目は見聞色、三つ目は覇王色。まず武装色についてですが……」
場所はマリンフォード。私は折を見て、トラファルガー・ローに覇気と戦術の訓練を施すようになった。
(私風情が、原作の重要人物相手に師匠キャラ気取りですか……たかが底辺の派遣社員なのに、随分とまあ出世した事です)
「えっと、こ、こう、か?」
「違いますね。でも、もう少しですよ」
(それにしても、ローは筋が良い)
「一説によると、覇気こそが全てを凌駕するとも言います。海軍の戦闘術である六式も、武装色の覇気を応用した物です。覇気を用いれば出来る事は多い」
「そ、その、うわっ」
「まあ先は長いのです。気長にやりましょう」
未来は、果たしてどうなるのでしょうか。ウタは既にウタウタの実の能力者だ。それに、海賊になる可能性はまだ高い。でも
(私には分かりませんね)
なにせ、複数の未来が見えるんです。
私の見聞色は既に、断片的ながら何年も先の未来が見える程に異常発達している。探知範囲は全世界に及び、最早見聞色から逃れられる奴は見聞色殺しくらいしか居ない程。まあ、結局内心は読めないんですけど。
(見え過ぎるのも、面倒な事です)
これも全て、転生の際に与えられた貰い物の力だ。覇気の才能も、八咫烏の能力も。ですから、別に誇りはしません。
(死なない為に、使える物は使うだけですから)
私は死にたく無いんですよ。
「むー、ローだけ狡いよぉ、お母さん私も教えて、お願いだから」
「そうですか、まあちょっとだけですよ」
(ウタも、来ましたか)
随分と悩んだけど、私はウタにも覇気を教える事になった。
クロコダイル、モリア:雑処理されてしまう。クロコは徹底的に付け狙われた挙句仲間毎皆殺しにされた模様。不幸だが海賊なので死が当然って主人公は思ってる。
ジンベエ:仇討ちを図って惨殺される。仇討ちの途中で主人公にやられた人間の子供を偶然引き取っていたらしい。
アーロン:主人公憎しの一念で腐らず必死に修行していた。原作より圧倒的に強かったが、しかしモブ海兵にやられると言う悲しみ。