大砲鳥は凶気を運ぶ 方針:海賊絶許   作:Delphinus

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会敵 グランドライン2

「センゴク元帥、新しい悪魔の実を回収しました。こちらに」

 

「ご苦労、相変わらず凄まじい精度だな。実はいつも通り保管しておく」

 

 見聞色が全世界に及んでから、私は世界中から悪魔の実を回収して来るようになった。悪魔の実が生ったら即座に急行し、回収して海軍本部に収める。単純な作業を繰り返すだけで、既に数十個もの悪魔の実を確保している。

 

「それと、新しい未来予知の情報ですが……」

 

「ふむ、拝聴しよう」

 

 センゴク元帥には、未来予知と称して原作由来の情報も少なからず流した。例えインサイダー情報でも、有益に使えればもっと多くの海賊を潰せるかもしれない。

 

(インサイダー取引が良いだの悪いだの、言ってられる段階じゃありません)

 

「成る程、ウタはトットムジカを起動し、エレジアを、更には世界を滅ぼすかもしれないと。しかしトットムジカを手懐け、エレジアを守る可能性もある」

 

「はい、その通りです。ですから私も対応を決めかねています」

 

「分かった、良く覚えておこう」

 

(バルトロメオは殺した。八宝水軍も壊滅。キャベンディッシュも消した。原作の麦わら大船団はほぼ崩壊させた。4皇を除く脅威は大体排除。後は最悪の世代、空島、そして山賊ヒグマ……い、いや、ヒグマを気にする必要ってそもそもあるんですか?)

 

 山賊ヒグマ。後回しにしているけど、そろそろ取り掛かるべきでしょうか。正直ほっといても良い気がするんですが……。

 

「後、すみません元帥。海軍に緋熊という方は居ませんか?」

 

「緋熊? いや、そんな奴は居ないが。どういう意味だ?」

 

「……な、何でも有りません」

 

(海軍大将緋熊……流石に虚偽ですよ、ね?)

 

「さて、話はこの辺りにしようか。改めて任務がある、ファイス中将。いや赫鳥」

 

「はっ、拝聴します」

 

「先にも言ったな。シキについてだ」

 

「先日、赫鳥から与えられた情報を元に、改めて観測隊を送り込み調査させた。その結果、確かにシキの本拠地、メルヴィユの存在が確認できた。そこでだ」

 

 後は、前に昇進して中将になった事くらいか。昇進するに当たって、赫鳥と言う新しい名前も与えられた。これからの私は、海軍中将赫鳥と名乗る事になる。

 

(赫鳥……正直、中々恥ずかしいですね)

 

 私は、他の将官とは違って大した努力なんかしていない。ガープ中将には結構、いや非常に、いや途轍も無く締められてるけど、強いて言うならそれだけ。

 私の全ては貰い物、貰い物の赫鳥。能力も覇気も人格も、本来ならこの地位に到底相応しくない存在。でもそれで良いと思う。

 

(努力の影響なんてたかが知れてるんです。努力努力と鬱陶しい、前世では腐る程いた連中。叩き潰すのも結構楽しいですからねぇ)

 

 思考を一旦捨てて、センゴク元帥から任務の詳細を聞く。どうすれば良いのか、私は考えた。

 ああそうだ、最近余裕が出来たので占い覚えました。ホーキンスとはちょっと流派が違いますけど、精度は抜群ですよ。

 

(この身体は無闇に学習能力が高いですから……この調子でジャンゴの催眠術と、後キングパンチと、後威国も覚えられれば……はて、出来ますかね? 知りませんけど)

 

 

 

 

「ねぇ少佐、どう思いますか?」

 

「は? どうとは、何なんですか?」

 

「私、どうしてもドンッて言うのが出せないんです。この世界って居るでしょう? 重要なセリフを喋ったり存在感を発揮する時に、ドンッが付いてくる奴って」

 

「ドンッて、どうすれば出せます?」

 

「は? いや、そんな事言われても……そもそもドンッて何ですか……」

 

「ドンッはこの世界で一番重要な感嘆詞です」

 

「そんなの全然聞いた事無いんですが……」

 

 アルメリア・ファイス中将、最近赫鳥の名前を与えられた新人気鋭の中将は、偶に突拍子も無い事を言う。多分これもそうなのだろう。

 トリトリの実の幻獣種という希少な悪魔の実の能力者。313cmの超高身長。高過ぎるようだが、海軍将官ならこれで案外普通だ。黒髪の長髪と赤目の途轍もない美人。もうすぐ30歳だが男の噂は全く無し、女の噂も無し、ついでに胸も無し。

 

(ドンッて、そもそも何なんですか……)

 

 ドンッなんて今まで聞いた試しが無い。一体何なんだ、いきなり。

 

「なぁ、どう思うブルック。ドンッていうのは」

 

「ヨッホホ、そうですねぇ」

 

 こう言う時はブルックに聞けば良いって、まあ色々あって学んだ。

 ヨミヨミの実の能力で死から復活し、骸骨になったと言うブルック。最初は不気味で不安だったが、いざ接してみると思ってたよりずっと凄い奴だと気付く。能力者なのに海の上走れるって何なんだ? 

 

「強いて言うなら、中身が重要なのではありませんか?」

 

「はぁ、内容、ですか。私は無内容……、そうですね……」

 

 気落ちして呟くファイス中将。少し残念な気はしたが、ドンッなんて正直聞いた事がない。何て言えば良いのか。

 そう思っていると、ファイス中将はいきなり表情を変える。

 

「いやこれは……少佐。船を返してこの海域を脱出しなさい。船ごと切られますよ。ブルック、貴方が船を守って下さい」

 

「はっ分かりました。ただちに」

 

「ヨホホ、お任せを」

 

「私は迎撃に行ってきます。敵は鷹の目のミホークです」

 

「は? み、ミホーク!? に、逃げロォ! すぐにダァぁぁぁァ!?」

 

 ミホークはまずい、非常にまずい。絶対死ぬ。間違い無く死ぬ。

 

「ランチャーを下さ『あ、どうぞお嬢さん』ありがとうブルック。時間は稼ぎますから急ぎなさい。では」

 

「ヨッホホ、後パンツ見せて下さい」

 

「死ね」

 

 飛び立つ中将。こんな時でもパンツ見せて欲しいとせがむブルック。しかしもう気にしていられない。1秒でも早く逃げなければ。

 

「まずいぞお前ら! 脱出だ! すぐにこの海域を出るんだぁ、海兵狩りのミホークが来るぞぉ!」

 

「は、はい、分かりましたぁ!?」

 

 船は最大速度で海域を脱出。やがて、水平線の遥か彼方で爆発が見えた。戦闘が始まったようだ。ひたすら無心で逃走し続ける。

 

 

 

 

「こちらに戦う理由はありません。どうか下がっては頂けませんか? 鷹の目のミホーク」

 

「意外だな。海軍最大の過激派が、まさか和解を乞うとは思っていなかった」

 

「はぁ、海軍最大の過激派? いつの間に……そんな評価に」

 

「自覚も無いとは、実に意外だ」

 

 棺船を見据える。相変わらずの小舟だ。あんな船でグランドラインを彷徨う奴の気が知れない。

 

(正直、ミホークの相手は荷が重いんですが)

 

「何が目的です」

 

「目的は貴方だよ、赫鳥のファイス」

 

「は? なぜ?」

 

「そこも自覚が無いのか。良いだろう」

 

 見聞色で斬撃が来ると分かった。斬撃より先に核砲撃を放つ。砲撃と斬撃が衝突する。激しい衝撃波が散らばった。

 

「貴方とは前々から手合わせしたいと思っていた。少しばかり相手をして貰いたい」

 

「私は剣士では有りませんよ」

 

「剣士では無くとも戦士ではある。そうだろう?」

 

「チッ死ね」

 

 もう良い。最大出力で砲撃。翼全体から数千万の誘導火線を乱射。これも捌かれた。鬱陶しい。

 

「海ごと蒸発させてやる」

 

「良いだろう、来い」

 

 最大出力で逃げながら、ランチャーを後ろに構えて引き撃ち。海を消し飛ばして蒸発させる。棺船は燃え尽きて灰になった。でも夜で空気を切って追いかけてくる。しかも速い、面倒ですよ。

 

(持ち堪え、られますか?)

 

 船が逃げるまで時間を稼げれば……そう思って、いたのだけど、

 

「時間稼ぎのつもりだろう?」

 

「何の事です」

 

 追いつかれた。ランチャーを圧し斬られる。斬られて爆発するランチャー。投げつけて核爆発を叩きつける。これも捌かれた。

 

 腰に下げていたナイフを取り出す。これも一応、技術部の特製だ。弱くは無い筈。

 

 翼から砲撃して牽制、六王銃も発射。これも切り落とされる。更に、近づかれて、

 

「ああ、もう良い、死ねよ」

 

 もう形振り構っていられない。最大出力で覇王色と武装色を纏わせた核融合爆発を引き起こす。半径数十kmが全て消し飛ぶレベルの砲撃。その爆発の中を、ミホークは更に踏み込んで来る。

 

「頂く」

 

「煩い!」

 

 もう良いか。思いついた。覇王色を纏わせてナイフを成形。1500m以上の巨大な大剣を出力する。振り下ろす。

 出力が飛躍的に上がる。島だろうが、全て消し飛ばしてやる。

 

「死ねよ!」

 

「口の悪い事だ」

 

 振り下ろす。黒刀と核のナイフが衝突。大爆発を起こして周囲一帯が炎上。海が激しく蒸発し、海底までもが露出する。

 

(遊びには付き合わない)

 

 衝突の隙を突いて翼から核砲撃を乱射。覇王色を纏った超高熱の核の炎が、遂にミホークの黒刀を、夜ですら溶かした。

 

「夜を、溶かすか」

 

「知るか、死ね」

 

 溶けて溶解する夜を投げ捨てて、しかし更に突貫。まだ2本目の剣があるらしい。

 ナイフを構える。ナイフより剣の方がリーチが長い。ナイフなんてあくまでサブウェポンだ。不利なのはこちら。

 後退しながら、ああもう良い、不完全ですがアレをやります。

 

「カッコ悪い構えですが」

 

 覇気と核の炎で2人目の私を実体化させる。2人で同時にナイフを構える。それはエルバフ最強の槍、覇国の構え。本当は覇海を再現しようとしましたが、それは結局出来ませんでした。代わりに出来上がった、覇国でも、覇海でも無い中途半端な再現品。名前は、さしずめ……

 

「死ね、覇天!」

 

 取り敢えず覇天としている。白熱化した覇国の砲撃が全てを滅ぼし尽くす。ミホークは、チッ、これも止めた! まあ良い、態勢は崩せた。翼から全開で炎を放ち、最大推力で突進。

 

「死ねよ!! 死ねぇ! 、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇ!??」

 

 そのまま、覇王色を纏わせたナイフで全身をズタズタになるまで引き裂いた。引き裂いて、切り裂いて、砕き裂いて、無心でひたすら切り裂き続けて、気が付いた時にはもう、ミホークは惨殺死体と化して死んでいた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……死ねよゴミが」

 

 疲れた、何も考えられない。もう無理帰る。




バルトロメオ、キャベンディッシュ、八宝水軍:雑処理されて可愛そう
ミホーク:決闘相手が足りなくて技量が下がっていた所を惨殺される。可愛いそうに
主人公:必殺技は必死になってナイフで滅多刺しにするだけ。名前も付いていない模様
これで後の七武海を6枚抜きしてしまった主人公。七武海は候補者不在で廃止か?
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