さぁみんな、『100カノはいいぞ』。これを合言葉に盛り上げていきましょう。
「えっと……と、り、あ、え、ず。……解散しましょう。……ね?」
おれこと、青井春人は手で抑えるジェスチャーと共に、そう宣言した。
「うん。アイツもこんな二人から一遍に告白されたらね? 二人ともかわいいからね? 迷っちゃうわけですよ? だから……ん、アイツどこ行った」
「あれ? 確かにいないわね」
「一体どちらへ……?」
おれ達が三人で辺りを探していると。
「みんなぁ~!! 『君の事が大大大大大好きな100人の彼女』アニメ化が決まったよ~!!」
どこからか戻ってきた恋太郎が、『アニメ化!』の看板を持って笑顔で走ってきた。
周りには二名の小さい女の子と長髪の女性が隣に立ってクラッカーを破裂させている。
「えっ、うそっ、マジで!?」
「おめでとうございます!!」
「やったじゃない!!」
「「「いやこのタイミングでやるぅっ!?」」」
※ 原作「君の事が大大大大好きな100人の彼女」をこれからもよろしくお願いいたします。
※ この作品はあくまで二次創作であり、作者は集英社の回し者ではありません。
「何やってんのお前!? よりによってなんでこのタイミングでやってんの!?」
「だって決まったしお祝いしないと!」
「まぁ、すーーーーんごいありがたいことだけどな! でもな! 今回華々しくもアニメ化されたタイトル言ってみろ!」
「『君の事が大大大大大好きな100人の彼女』……でしょ?」
「正解。でっ、お前の彼女今何人?」
「……二人かな?」
「返事もまともにしてないもんを勝手に計上するな。……『まだ』ゼロだよな?」
「……だね」
「……」
「……」
「……はっ!?」
「ばーかばーか!! 今のお前のどこに100人の大好きな彼女とやらがいるんだ!? 一人でもいんのかぁ!? あぁん!! だーかーらぁ、祝うタイミングがおかしすぎなんだよ!! せめてもう少し待てよ!!!」
「しまったぁぁぁ!! 俺はなんてことを……! 花園さん、院田さん、ちょっと彼女作ってくるね!」
「そういう問題じゃねぇ!! 本末転倒にもほどがあるだろうが待て待て待て待てどっか行くな!!」
服を引きずってでも止める。
確かに混乱させちまったのはおれかもだけど暴走はするな!!
「とりあえず、そこの謎に祝っている三人の女を連れて帰れ!! そもそも誰だお前ら!? とりあえずそっちのお二人も……お二人さん?」
「100人の——————???」
「彼女——————???」
「そりゃそうか!? よく考えたらそうだな!! 思考停止してらっしゃるぅっ!」
『100人の彼女』って百股確定みたいなタイトル見たらそりゃ脳内が応答しなくなるわ!!
二人そろって白目向いてる彼女(仮)達に何か弁明をするべきなのだろうと思うが、こっちも残念ながら余裕がない。
アニメ化。は、おめでとう。
恋太郎はマジで落ち着いてくれ。
頭を抱える事態で地獄絵図となっている裏庭ピンククローバーの広場。
どうすりゃいいんだ、としばらくうなだれていると背中をつつかれる。
「ん?」
「……」
無言で小さい女の子から渡されるカンペと謎の薬が入っている試験管。……何この薬?
『この薬あれば記憶なくすので、細かいことは抜きで!!』と、大きな紙に書いて見せてきた。
「……いや、こわっ」
「……(ぐっ)」
「いや『ぐっ』じゃないのよ、なにサムズアップしているんだちっこいの。てかなんか喋ってくれ不安になる。あとなんだそのハート形のサングラス、それで変装でもしているつもりか」
「……(立ち去る)」
「待て待て待て」
少し離れて荷物を漁った後、『頑張れ兄弟』と書かれたスケッチブックを持ってくるグラサンっ子。いやだから喋れって。まぁいいけど。
横を見れば花園と院田にアホ毛がチャームポイントのちびっこが薬を渡している。こっちは星形のサングラスをかけている。
「これを終わった後に飲むのだ」
「これは一体……?」
「なんなのよコレ?」
「……………………怪しい薬ではないのだ」
「「 ほ ぼ 自 白 」」
サングラス越しでも分かるくらいに視線を反らすのはやめて差し上げろ、ちびっこ。
恋太郎の方に視線を向けると長髪の綺麗な女性が薬を渡していた。こっちは三角形のサングラスをかけている。
なんでこいつらはサングラスで変装しきれていると考えているんだろうか。
「これは特別企画。あとでこれを飲めばもとに戻るから……」
「あ、えっと……ありがとう……っ」
「あと、飲むのに抵抗があるなら言って。対処する」
「……なんでハンマーを持ってるの?」
「……これを使う方が効率的」
「そっちを使われる方に抵抗があるよ???」
やべぇ奴らしかいねぇじゃねぇか。
効率を求めて倫理をすっ飛ばすな。やめろ素振りをするな。こっちを見るなぁっ!
「あなたも開き直るべき。その方が効率的」
「開き直させる方法がほぼ脅迫だから、それ絶対他のやつにするなよ??? いや、二度と肩にハンマーを掛けながら要求をしちゃならん、わかったな?」
「……わかった」
「どこにしょんぼりする要素があった?」
と、いうわけで。
「えー、祝! アニメ化記念!! ということで魅力を伝えられるような企画をやっていきたいと思いまーす!」
「「「「「イエーイ!」」」」」
「司会はおれ、青井春人がお送り……って、コレおれなの司会!?」
「愛城君はこっち側にいますね」
「なにか大いなる力を感じる」
「こういうのって主人公が仕切るもんじゃないのか!? いいのかおれで!?」
「ぶっちゃけ、原作一話以降出番のないやつが魅力を伝えるのは微妙だから司会でもさせとくかって、この創作の作者が言ってたのだ」
「 そ れ は ど う し よ う も な い じ ゃ ん 」
マジで影薄いのは知ってたけど! 知ってたけどっ! 出番が原作でも欲しいとは思うけども!
顔を上げるおれ。見上げてないと目から何かが零れる気がする。
「……しっこ漏れそうなのだ?」
「うるせぇだまればーかばーか」
【みんなが考える、この作品の魅力とは???】
「よし、おれは正気に戻った。じゃあ、恋太郎から順番に答えていってくれ」
~愛城恋太郎~
「やはり可愛い彼女達ですね。動く彼女たちにトキメク事間違いないと思います」
「……と、まだ彼女無しの男が言ってます、ってね」
「出番無しの男が言うと言葉の重みがあるよな」
「あ?」「は?」
「……友人同士のじゃれあいは置いて先に行くべき」
~花園羽香里~
「可愛いだけが女の子の魅力じゃありませんっ! 愛城君に向ける恋愛要素だけじゃなく、彼女同士の関係も大事なポイントですっ!」
「男女の関係だけが全ての作品ではない、ということだな。いい感じの回答だ」
「…………多分、そうだと思います!」
「そりゃそうだ。まだ恋太郎と恋人になってすらないもんな。頑張ろうな」
~院田唐音~
「べ、別にこの作品に魅力なんか感じないんだからねっ!!」
「そんな人達に少しでも魅力を知ってもらうための企画デース」
~本好きの女の子~
『魅力多くて語れぬ』←スケッチブックにて回答
「あ、君らも参加すんの!? まぁいいけどさ」
「…………(いそいそ)」
「焦りながらペンは走らせなくていいぞ。ゆっくりでいいから」
『 全 部 ! 』
「……(ドヤァ)」
「うん、かわいい!」
~クールな美人~
「これを読めば効率的に知れる」
「原作を持ってくんな」
~元気なアホ毛っ子~
「これを飲めば好きになるのだ」
「劇薬を持ってくんな」
【こんな彼女は嫌だ!? ……どんな彼女?】
「はーい、大喜利ですね。まぁ気楽に考えてもらえれば、と思いますよっと」
~愛城恋太郎~
「どんな彼女だろうと俺は愛して見せる!」
「覚悟を聞きたいわけじゃないんだよ」
~花園羽香里~
「私たち誰かの……妹さんとか、血縁が来たらさすがに驚いちゃいますね」
「恋太郎の家族に姉妹はいなかったはずだし……そんなことはそうそうないだろうね」
「お母さんとか、さすがに無いですよね!」
「そうだな。まさかそこまでのおかしな集団にはならんだろ」
「うふふ」
「あっはっは」
「なんかすごい嫌な予感が背筋に過ったので次に行きましょう」
「大丈夫かー、顔が青褪めてんぞー」
~院田唐音~
「どんな子かしら……。気持ちをストレートに伝えられない子……とか?」
「鏡見て言えお前は」
「べ、別に自分が素直な人間だなんておもってないんだからねっ!」
「大正解じゃねぇか。その通りだよ」
『青井さんはどこへ?』(きょろきょろ)
「あれがハルだったものだよ」
~本好きの女の子~
『優しい人なら嬉しいです』
「何だお前、生粋の天使か?」
~クールな美人~
「どんな異物でも愛城恋太郎はおそらく愛せる」
「反対に、恋太郎に愛されるやつは大概やべーやつ認定してない? 特大ブーメランが飛んでこない? ねぇ???」
~元気なアホ毛っ子~
「ババァなのだ」
「端的かつ多くの女性たちを敵に回す答えをありがとう」
【最後に一言!】
「彼女達をよろしくお願いしますっっ!!」
「是非とも、私たちのイチャラブを楽しみにしててくださいね!」
「絶対面白いから、期待してなさいよね!!」
『どこも見逃せないぜ、ヒャッハー!』(にこにこ)
「円盤を買うのが、布教には効率的」
「みんなで見るのだー!!」
「じゃあ、そういうことで今後の『君の事が大大大大大好きな100人の彼女』をよろしく——————」
「ハル!」
「——————なんだよ?」
「お前からも一言ないと!」
「…………いいよ別に。おれ、モブキャラだぞ?」
「それがなにか問題か?」
「たかが友人Aだぞ?」
「俺の友人なら、言ってほしいな」
「うわ、言い方ずっる」
照れる顔を隠すようにそっぽを向く。その視線には五人の集まっている女の子達が目に映る。それぞれがそれぞれの表情をしているが、おれに向けている感情は同じものなのだろう。
観念したようにため息を吐いて、大きく息を吸った。
「おれの髪の色とか服のデザインが早く知りたいんで、アニメ制作頑張ってください…………っ!」
「 カ ラ ー で 書 か れ た こ と の 無 い 弊 害 」
「さぁ!! 改めましてぇ!!」
「「「「「「アニメ化、おめでとうございまーす!!!」」」」」」
この後全員ハンマーで殴られ、薬を飲んで記憶が飛んだ。
おしまい! ちゃんちゃん!
次こそ後半につづくよ!
皆さんの推し彼女は誰ですか?
是非感想欄に情熱を込めて紹介してくれると、作者の尊みが爆発するので助かります。
ちなみに作者は凪乃寄りのなのしず派ですかね。単推しよりは箱推しなので基本みんな好きですが。無表情なのに感情が分かりやすいタイプのクーデレが特に刺さるだけなんです。
あと創作のためによく原作を読み直して書くのですが、最新話と比べて性格や立ち回りが変わっていっているのも読んでて面白いですね。根本は変わってないけど少しずつ感情を表に出せたり、優しくなれていたり。そういった小さいところもこの作品で上手く描写したいものです。
さぁ、早く全巻揃えてイチから読むんだよっ!! さぁっ!!!