数百年後の世界で、数百年後のchatGPTを搭載したアンドロイドが100年前に学習した曾祖母の思い出を語る系の概念   作:◆Qj467Lt3/E

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数百年後の世界で、数百年後のchatGPTを搭載したアンドロイドが100年前に学習した曾祖母の思い出を語る系の概念

「ねぇ、ナビさん。この秋吉台? ってなぁに?」

 

 倉庫から発掘した、私が生まれる前に描かれた地図を取り出して、ナビちゃんに聞いてみる。地図には他にも聞いたことがない地名が描かれているが、そこだけが大きく赤い○で囲われていたから、なんとなく気になって聞いてみた。

 

 自立型アンドロイド、制御ソフトはchatGPT200……最近201にアップデートされたんだったっけな? まぁ、とにかくGPTが搭載された我が家のアンドロイド、ナビちゃんが紫色の髪の毛を静かに揺らして、こちらに振り向いた。

 

「秋吉台。山口県にあるカルスト台地の名称です。かつて、日本にはいくつもの道路があり、当時は景勝地として有名だったところのようです」

「こんなところに道路があったの? シティからすっごく離れたこんなところに?」

「はい、その通りです。現在では日本の居住地は3箇所のシティを残すのみですが、当時の日本は人口が1億を超えており、様々な場所に住居がありました」

「へー、昔の人はそんなにいろんなところに住んでたんだねー……友達と遊ぶのとか大変そう」

 

 パラパラと地図をめくると、他にも四国カルストとか角島大橋とかよくわかんないなんたら滝とかに赤い○がつけられている。なんでこんなところに赤い○をつけてるんだろ?

 

「ねね、ナビさん。これってなんで赤い○つけてんの?」

 

 ナビさんが「ふむ」とでも言いたげに顎に手を添えて考え込むポーズを取った。白黒のメイド服と合わさって、我が家のアンドロイドながら可愛らしい。

 因みに、このポーズはデータ検索中に取るよう設定されている。というか私がナビちゃんに頼み込んでそうするように設定した。

 

 ナビさんが検索を初めて一分経った。検索時間かかってるなぁ……。こういう時は大概、個人情報に関係するため、お応えできませんとか、不明ですが恐らくこういう事だと思いますとか言って、当てにならない仮説をいくつか教えてくれる事が多い。

 

 うーん、駄目そうだし質問キャンセルしたほうがいいかも。

 

「んー、ナビさん。質問キャン――

「チドリ様のひいお祖母様が、旅をした。その当時の記録ですね。この地図を持って、日本中を巡って、行った場所にはこうやって赤丸をつけていました」

「……ひいおばあちゃん?」

「はい。チドリ様の曾祖母であるツバメ様が使っていた地図ですので、正確性は高いと思われます」

「こんなところに何しに行ったの? ……というかどうやって? えっと、おばあちゃんが生きてた頃ってまだ道路があったの?」

「いいえ、当時はすでに道路の維持は放棄され、道路だった残骸が残るのみでした」

「じゃあ無理じゃん」

「はい。無理です」

「はへっ?」

 

 行くのが無理って、じゃあなんで赤丸がついてんの? ナビさんを見つめても、特に何も言わず洗濯物をパタパタとたたむ作業に入ってしまった。

 

「チドリ様。そろそろスクールの時間が迫っています。準備をお勧めします」

「あー、うん。そだね。じゃ、行ってくる」

 

 いまいち釈然としないまま、ナビさんが用意してくれたカバンを持って家から出る。うちの家の前には大きな道路が通っていて、配送用のロボット達が忙しそうに走り回っている。

 こうやって一軒一軒ずつ運んでくれているんだけど、この子達めっちゃチョコマカしてるのによくロボット同士でぶつからないな。

 

 歩道を歩いて5分もすると、白い大きな建物、モールに着いた。ここにはスーパーや病院、映画館や学校だって詰まってる。私からすると当然の事だけど、大昔は色んな場所に施設が散らばっていたらしい。

 多分、当時の人たちはすっごく不便だったと思われる。

 

 学校の扉を開けると、ちらほらと同級生の姿が見える。私の学年はなんと総勢100名もの大人数だ。これは3シティの中でも一番多い人数なんだとか。私が生まれた当時は、偉い人なんかが少子化解消の希望とか言ってたらしいけど、翌年からは普通の出生数に戻っちゃったらしい。

 

 ディスプレイが備え付けられた机に座ると、隣にとすんと誰かが座ってきた。

 

「チドりーん。おっはー」

「今日はお昼登校だったから、おっはーって時間でもなくない? けどおっはー」

「おはおっはー。いやー、お昼登校だしギリギリまで寝ちゃったよー」

 

 このゆるい感じの茶髪巨乳のギャルはナツ。隣同士の保育器に入れられた頃からの付き合いの幼なじみだ。同じカンサイシティで育ったから当然幼稚園、小学校、中学校と一緒である。

 多分、これからもずーっと一緒なんだろうなという予感がする。他のシティにいく理由も特にないしねー。

 

「んあ? チドリんカバンからはみ出てるそれなに?」

「ありゃ、持ってきちゃったか。なんかねー、うちの倉庫に入ってた本、どうも地図っぽい」

「とりんぐ……マッパー? なんか変な表紙だねー。よくわかんないヘッドパーツつけたアンドロイドが、何かに乗ってるのかなこれ?」

「なのかなぁ? なんか、うちのナビさんが言うには私のひいおばあちゃんが行った所に印を付けた地図らしいんだけど……」

「へー、どれどれー?」

 

 ナツがパラパラと本のページをめくり、あるページで急にその手を止めた。視線は一箇所を凝視している。

 

「どったの?」

「……すっっごくきれい」

 

 視線の先には、一枚の写真が貼られていた。数十年、下手したら100年は昔であろう、その写真。

 

 白い雲海の中に、満開の桜が植わった古城跡が、まるで世界から孤立したかのように浮かび上がっている。言葉では表せられないような、幻想的な風景。確かに、目を見張るほどの美しさだ。

 だけど……うん、これはアレだな……。

 

「確かにきれいだけどさー……これって、合成画像でしょ? 100年前にはもうこういうの作れてたらしいし」

「あっ、そっか。いやー! 綺麗すぎてなんか思考止まっちゃってた。こんな景色ありえないよね」

「そだよ、実際にあったら凄いとは思うけどねー。こんな景色あるわけがない」

 

 

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「これはツバメ様がお撮りになった写真ですね」

 

 家に返って、ナビさんに写真について聞くと、思いもよらぬ答えが返ってきた。

 

「ナビさん、もしかしてエラー起こしてない? これどう考えても合成画像だと思うんだけど」

「いえ、これは実在する場所の写真ですよ。ほら、小さいですけど……この写真の端っこ見てください」

 

 ナビさんに言われるがままに写真の端を見てみると、前後にタイヤがついた白い何かが写っている。なんだこりゃ? タイヤが2個しかなくてすっごく不安定そうなのに、何故か大量の荷物がくくりつけられている。

 

「なにこれ?」

「これは――わかりませんね。当時の何かしらのオブジェである可能性があります」

 

 あ、なんか規制に引っかかった感じだなこりゃ。ナビさんに搭載されているchatGPTには検閲フィルターがかけられていて、たまーにこんな感じに知ってても教えてくれなくなる事がある。

 

 こーいう時は直接聞いても駄目だから……。

 

「ねぇ、ナビさん。この写真は私のひいおばあちゃんが撮ったんだよね? この時、ひいおばあちゃんはどんな乗り物でここまで来たの?」

「はい。この写真はツバメ様が撮られました。この時、ツバメ様がお乗りになっていた乗り物ですが……二輪自動車、通称バイクと呼ばれる物です」

「ばいく?」

「はい、ツバメ様は非常に好奇心がお強いお方で、博物館の奥底で眠っていたこのTrere-400GTを引きずり出して、乗れるようにメンテナンスを施し、愛車としておりました」

「……へっ!? こんなちゃっちい奴を乗り物に!?」

 

 写真を改めて見る。細いフレームにエンジンをくくりつけて、タイヤを前後につけて、ついでにライトとか色々つけてみましたっていう程度のコレのどこに乗れるような場所が……ん?

 

 今しがたナビさんに見せていた本の表紙を改めて見直す。2つのタイヤ、エンジンをくくりつけただけのようなフレーム、そして、それにまたがる……人!?

 

「まさか、エンジンのすぐ真上に座ってんの!? 危ないってレベルじゃないよコレ! こんなのに乗るとかッッ――バカじゃん!?」

「えぇ」

 

 この時、感情なんてあるわけがないアンドロイドのナビさんが何故か少し嬉しそうに。

 

「ツバメ様は、非常におバカでございました」

 

 アンドロイドが言うはずがない、人をけなす言葉を放った。

 

 

 

 

 

 

 




 この後、なんやかんや主人公のチドリちゃんがひいおばあちゃんのバイクを見つけ出して、ナビさんから頑張って情報を引き出しつつシティにいたままでは決してみる事のできなかった景色を求めて出発する感じのを読みたい。時間が作れたら書く。



誰か、その家族の事を恐ろしく昔の頃から知ってるAIが子供に対して「あなたのひいひいひいお祖母様も、このお菓子を美味しいと言ってくださいましたねぇ……。ほんと、愛しいお方達……」みたいな事言ってる系の概念を書いてくれ。
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