「あ、ここのハンバーガー結構大きめだからマスターはともかくゆかりちゃんは厳しいかも」
「マジですか」
「マジです」
「どいつもこいつもいい値段してるからな……つーかマスターはやめろ東北」
普通のハンバーガーですら九百円。チーズバーガー千円。スペシャルバーガー千五百円。その他諸々。
まさかぼったくりって事もないだろうし、値段相応の量にはなるだろう。そうなってくると結月には食いきれないかもな。
「……チーズバーガーのオニポテセット、ドリンクはアイスコーヒーで」
「ゆかりさんはこのハウスサラダとアイスティーを」
「……ご一緒にずんだシェイクはいかがですか?」
「悪いけどいらねえ」
「あ、じゃあアイスティーやめてずんだシェイクでお願いします」
「ご注文承りました」
心なしかしょんぼりした様子で下がっていく東北。すまないとは思うが……。
「折角ですし、ずんだバーガー注文してあげればよかったんじゃないですか?」
「流石に練乳まで入ってるとちょっとな」
甘じょっぱい感じ、になるんだろうか。これっぽっちも味の想像ができねえ。
吉田とか高橋連れてきてあいつらに食わせるか?伊織は……あいつも甘いの苦手だしなぁ。
「雰囲気のいいお店ですし、あかりさん連れてきてもいいかもしれませんね」
「財布が滅茶苦茶薄くなりそうだ」
花見の時の紲星の食いっぷりを思い出す。この店であれだけ食ったら一万円超えそうな気がすんだよな……。
「お待たせしました、ハウスサラダとずんだシェイクのお客様ー」
「あ、はい」
注文してた品物を持ってきてくれたのは東北とは別の店員さんだった。
ショートカットの金髪に、ラフに着崩した格好。身長は小さめで――。
「マスター?」
「何も言ってねえが!?」
そもそもチラッと見ただけだぞ!
「ではこちらずんちゃんの御主人様ー」
「待てコラ」
何かとんでもねえ風評被害すっ飛んできてねえ!?
「あ、間違ってたね?……こほん、ずんちゃん『達』の御主人様ー」
「違えよ!」
「そうですよマスターはゆかりさんだけのマスターです」
「お前ちょっと黙れ結月……!」
お前が話すと話がさらに拗れるから口出すんじゃねえよああもうクソ視線が痛え……!!
「東北とはただの同級生で、マスターってのはあだ名で」
「そう呼ばせてる、って事?」
「呼ば『れ』てんだよっ!」
やめろって散々言ってんのにさぁ!本当にさぁ!!
だからこういう時に妙な事になるんだよなぁ!!!
「まあいいかご注文の品でーす」
「店員の対応クソ適当すぎんだけど大丈夫かこの店」
「は?ONEは副店長だが?」
「なおさら大丈夫かこの店!?」
ぱっと見俺らより年下に見えんのに副店長!?て事は年上か!?嘘だろ!!?
「はいはい店内ではお静かに」
「誰のせいだと思ってやがんだ……!」