ボイロ高校のマスターくん   作:楠瀬ハジメ

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おうちデート ②

「「ごちそうさまでした」」

 

 昼飯食って。皿洗って。部屋に戻って。

 

「このまま晩飯まで食ってくのか?」

 

「お義母さまとお母さんの許可は頂いてます!何ならお泊りさせてくれてもいいんですよマスター!」

 

「空き部屋はねえからお前の寝場所は廊下な」

 

「そこは『俺のベッド使えよ』くらいの優しさを見せてくださいよマスター」

 

「無許可で居座ってる奴が何か言ってやがらぁ」

 

 ひとまず元に戻った結月に、またため息を吐く。

 

「さて、マスタニウム充填百二十パーセント。ゆかりさんオーバーロードモードの爆誕です」

 

「そのまま爆弾みたいに爆ぜ飛んでろ」

 

 百パー超えてんのはもう色々とダメだろ。

 あいも変わらず結月に俺のベッドの上を占領されているので、俺は床に座っている。別にいいけどよ。

 

「で、その溢れそうなエネルギー抱えてどうしようってんだ?外には出れねえだろ」

 

「構ってください!今すぐ!なう!さもなくば……」

 

「さもなくば?」

 

「ゆかりさんがマスターに襲いかかります」

 

「出来るのかよ」

 

 コイツの貧弱すぎるパワーで襲われたとこで対処するのに手間取るとも思えねえんだけど。強いて言うならうるせえってくらいか?

 

「ふっふーん、ゆかりさんをなめきってますねマスター?」

 

「完璧にやられ役のセリフじゃねえか」

 

「まずゆかりさんはマスターより高い位置にいますので位置エネルギーで勝ってます」

 

「数十cmの差で何でそこまで勝ち誇れるんだ」

 

 ベッドの上に立たれたらそりゃ俺より高くなるけどよ。

 

「一メートルは一命取る、だそうですよマスター。工事現場の看板に書いてありました」

 

「頭突きでもかます気か?」

 

「そしてリバースカードオープン!過充電したマスタニウムの効果によりゆかりさんのパワーは普段の倍になります!」

 

「今さっきそれ発動宣言してたろうが」

 

 あのカードまだ続いてんだよな……もうルール複雑すぎてついてけてねえんだけど。

 去年吉田と隣のクラスの阿部が昼休みに教室でやってたの見せて貰ったんだけど……何がどうなってどうしてんのかさっぱりだったわ。

 そしてバカ二人は学校におもちゃを持ち込むなと没収されてた。当たり前だバカ。

 

「そしていつもの三倍のゆかりさんのラブパワーを込めれば……マスターを上回る千二百万パワーです!!」

 

「ミラフォで」

 

「ぐわーっ!」

 

 飛びかかるような動きを見せた結月をぺしりとはたいてやれば、アホは大げさな声を出してベッドに沈み込んだ。頭は……流石に打ってねえな。よし。蹴っ躓いて転んだらシャレにならねえんだからもう少し気をつけろバカ。

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