アサシンとアーチャーの力を使うエミヤ   作:影後

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イリヤの帰還

「ごぶっ……」

 

「Arrrrrrrrr!!!!」

 

「なっ!ランスロット!!!」

 

俺の肉体を何かが貫いていた。

あり得なかった、その存在が。

居るはずのないサーヴァントなのだから。

 

「Arrrrthurrrrrrr……!!」

 

背中からアロンダイトが抜かれ、俺は吹き飛ばされる。身体の再生が始まるが動けない。

 

「くっ……ランスロット…貴様ぁぁぁあ!!!」

 

セイバーはランスロットと打ち合いを始めた。

狂っていても彼はランスロットだ、その技量は円卓最強と言われたほどだ。

 

「お兄ちゃん!」

 

「美遊、くそ!熾天覆う七つの円環」

 

肉体の再生の方に魔力が行っているのか力が出ない。熾天覆う七つの円環も2枚の花弁があるだけだ。

 

「■■■■■■!!!」

 

もう…やるしかない。出ないと、危なすぎる。

みんなが、みんなの命が危ない。

何故、何故現れた。俺のせいか、俺というこの世界の異物を殺すために、あのランスロットは召喚されたというのか。

 

「Aaaaaaaaa!!」

 

「くっ…ランスロット、だが……貴様に負ける訳にはいかんのだ!ストライク…エア!」

 

セイバーのストライクエアは迫るランスロットに当たった。当たったはずだった。

 

「Arrrthurrrrrr!!」

 

だが……アロンダイトを抜いたランスロットには大したダメージになっていない。

 

「ぐっ……」

 

「ルヴィア!やるわよ!Anfang――!!」

 

「えぇ、遠坂凛!!Zeichen――!!」

 

それは二人の合体魔術

 

「轟風弾八連」「爆炎弾八連」

 

「「炎色の荒嵐」」

 

それは二人の現在の最大火力、だが…それは本来無意味に等しい物。

 

「ナイスだ……

I am the bone of my sword.

ハルペー」

 

不死殺しの鎌、俺はソレをバーサーカーに向かって投げた。回転し、まるでブーメランのように飛翔しながらハルペーはバーサーカーの首を取ったのだ。

 

「……美遊、遠坂、ルヴィア、俺とセイバーを置いて逃げろ」

 

「そんな、衛宮君貴男は」

 

「Mr.それは」

 

「俺が彼奴の魂をできるだけ削る!再戦しろ、コレは……」

 

「駄目!お兄ちゃんは死ぬ、私は絶対に」

 

「……クソ!」

 

俺は3人を押し退けバーサーカーと対峙する。回復も間に合わない……それよりも、俺の左手…何処行った?

駄目だ、左手がいや左腕がない。

 

「美遊……様」

 

意識を失っていたのか、左腕から流れ出る血で水溜りができている。幸い、全て遠き理想郷が何とかしてくれたようだ。左腕があれば後でくっつけよう。

 

「美遊……ここには良い人しかいないだろ?口は悪いけど、遠坂も、ルヴィアも良い人だ」

 

「待って…待って!!!」

 

「こんなとき、こう言うらしい。

………死ぬには良い日だ!」

 

俺は絶世の名剣を投影しバーサーカーの右腕を斬り落とした。サファイアを美遊へと蹴り飛ばしバーサーカーに迫る。

 

「シューーート!!!!」

 

「ぐはっ……」

 

上からレーザーが飛んできた。そして俺はあろうことがランスロットの方に飛ばされる。

 

「シロウ、その腕は……」

 

「まぁ、なんとかなるさ。ボロボロだけど、ってセイバーもか」

 

「……シロウ、行けるな」

 

「勿論だ」

 

俺は絶世の名剣をランスロットに投げる。

勿論、掴むよな。

 

「壊れた幻想」

 

「シロウ、えげつないな」

 

壊れた幻想を受けたランスロットの右腕が消えた。あとは殺すだけだ。

 

「セイバー、令呪を持ってめいずる。宝具を開放せよ」

 

「形だけか?」

 

「懐かしいだろ?」

 

「ふっ……良いだろう約束された勝利の剣!!」

 

蹲るランスロットに向けて約束された勝利の剣が放たれた。黒い閃光が全てを飲み込み、残るのは灰だけだ。

 

「……しかし、左腕の変わりを探さんとな」

 

「冗談にしては笑えんな、シロウ」

 

「そうかい」

 

―――

「イ……イリヤ………どうしてここに」

 

居ないはずのイリヤが私の前に現れた。何かとても良くない事が起こった気がするけど、今は気にしちゃ駄目だ。

 

「……ルビー、今志戸お兄ちゃん居なかった?」

 

「……あ~あ、イリヤさん前科付きますね、コレは」

 

「どうしよう!!!って!美遊大丈夫?!!って違う!こんなことを言いたいんじゃない!

わたし―馬鹿だった。何の覚悟もないまま、ただ言われるがままに戦って、美夢、志戸お兄ちゃんだけじゃない。凛さんとルヴィアさんにも迷惑をかけた」

 

イリヤは泣きそうだけど、話を続けている。

何故か、バーサーカーもイリヤを見るなり攻撃をやめた。

 

「戦ってて、何処か他人事だった。こんなの現実じゃないって。ウソなんだって……」

「でも……、そんなウソみたいな力が自分にもあって、あんな事になって…全部が怖くなって……」

「でも…それでも、友達を見捨てられない。私、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが前に進むのに、友達を見捨てるなんて出来ないから!」  

 

「□□□□□□□ッ!!!!」

 

バーサーカーが咆哮を上げた、でも…心なしか今までと違う気がする。

 

「美遊、終わらせよう。二人で」

(そして、前に進むために)

 

ルビーとサファイアが共鳴していた。そして、セイバーのクラスカードが並列限定展開される。

 

―――――

私は見た、この世界のお嬢様を。

いくら世界が違おうと私は消して見間違えない。

何故かあの小僧も居るようだ、なら今の私は必要ないだろう。

私が傷付けていたあの少女を助ける為、現れたのお嬢様。

ならば、私がすることは決まっている。

お嬢様の階段になることだ、ここのお嬢様はまだ幼い、だが掛け替えのない物を今掴もうとしておられる。

 

「□□□□!!!!!」

 

お嬢様、私は貴方のサーヴァントで良かった。

私は貴女に倒されて満足です。

お嬢様を守れず、お嬢様の期待に答えることも出来なかった私をお許しください。

 

「そんなことないわよ」

 

(お嬢様)

 

「ねぇ、バーサーカー!遊びましょ、一緒に」

 

(……お嬢様)

 

「この世界の私は幼いのね、シロウ」

 

「……何故俺まで呼んだ。姉さん」

 

「むっ…やっちゃえ、バーサー」

 

「待て!左腕無いしバーサーカーにボロボロに負けたばっかだ!やめてください!」

 

「はぁ……待ったくー。バーサーカー、バーサーカーは私のサーヴァントよ!だから……一緒に居てくれるわよね」

 

(お嬢様)

 

私は歓喜の涙を流す、お嬢様はお嬢様であられた。

 

「バーサーカー、シロウ、一緒に見ましょ。まるで、万華鏡みたいね」

 

「……kaleidoscope、なら俺の仕事は」

 

「護りなさい、私にはバーサーカーが居るもの」

 

(お嬢様、お供します)

 

小僧は私とお嬢様を見ることなく、背中を向けた。お嬢様は微笑んでいた、だがわかる。

小僧も、お嬢様も、悲しんでいると。

 

「バーサーカー、行きましょう」

 

光に飲まれた私は、お嬢様を肩に載せて光を進んだ。

 

「来たか!ヘラクレス!!!」

 

とりあえずお嬢様と離れ離れにされたのに腹がたった私はイアソンの顔を殴った。

手伝いはしてやろう、だがまだ殴らせろ。

 




ここのヘラクレスはこのあとオケアノスに行きました。
イリヤやシトナイ化している予定です。
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