アサシンとアーチャーの力を使うエミヤ   作:影後

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イリヤスフィール命名

「……巫山戯ているのか」

 

「助けてアーチャーさん?!」

 

「……いや、私のマスターが君の敵なのにどうして助ける理由がある。しょうがない、麻婆食べるか?」

 

「この状況で何考えてるの馬鹿!」

 

俺はイリヤに泰山で売っていた麻婆を食べさせようとしている。

勿論、甘口だ。でないと死ぬから。

カレンと言峰なら……いや、食べるシーンなんて見たくない。

 

「……ふむ、あからさまな罠なのだが…どうする。マスター」

 

「うん、取り敢えず殺しましょう!アーチャー!!」

 

「……すまない、私は選択を間違えた」

 

「えぇ…お前の事だ、イリヤスフィールを心配にソチラにつくことは理解できた。それ以上に、私の鞘が入っていることを忘れたか。シロウ」

 

「…アルトリア」 

 

「コスプレか、忌々しいアーチャー等……前回は許したが今回は許さん」

 

「ちっ…投影開始」

 

俺は赤い外套を脱ぎ捨て、白い死装束を纏う。

 

「…行くぞセイバー!魔力の貯蔵は十分か!」

 

「こい、シロウ!」

 

射殺す百頭を投影し、セイバーの約束された勝利の剣と打ち合う。あたりが衝撃波で倒れるが、今はセイバーを抑えることが重要だ。

 

「イリヤスフィール!選べ、イリヤを殺すか、どうするか、俺はセイバーを抑える!他は所詮雑兵だ!お前ならできる!」

 

「シロウ!イリヤを殺すつもりか!」

 

「なら、イリヤスフィールはどうなる!切嗣はあの娘を殺すぞ!」

 

約束された勝利の剣を防ぎながらセイバーを説得するために何度も話しかけた。

 

「お前なら判るだろう!衛宮切嗣は正義の味方だ!何処まで行ってもソレが変わることはない!君が一番…よく知っているだろう!!」

 

「だが…この世界のキリツグはシロウ、お前の事も愛している!ならば」

 

「……はぁ!!!!」

 

「くっ…強い…何故ここまでの力が……シロウ!」

 

「根源接続者なら、出来るんだよ。セイバー!!」

 

「くっ…シロウ!!いい加減にしろ!何を急いでいる!!」

 

「姉さんだ!守れなかった!それが…今眼の前にいた!!なら、今度こそ守りたい…そう思っても良いだろう!!」

 

「シロウ!!!死んだんだ!イリヤスフィールはギルガメッシュに殺された!!お前が…お前が最後を看取ったのだろうに!」

 

セイバーの剣撃が鋭く、素早くなっていく。

 

「お前は…ただあの黒いイリヤにイリヤスフィールを重ねているだけだ!それに…守れなかったのは私も同じだ!」

 

「!」

 

「約束された勝利の剣!!!」

 

「熾天覆う七つの円環!!」

 

セイバーの約束された勝利の剣を受けた俺は、満身創痍だ。あの日、セイバーと出会った時と同じように。

 

「…シロウ、もういい。………今は休め」

 

「……セイ……バー」

 

――――

「さて…尋問しましょうか、と言いたい所だけど黒いイリヤの前に尋問しなきゃいけない相手が居るのよね」

 

「……何も話さんさ。その子の正体もな」

 

「衛宮君、あなたに拒否権はないわよ。自分の妹を殺そうとする存在に協力するなんて」

 

「どうかしてるか?なら、ヒントをやるさ。イリヤスフィールは嘘をついていない」

 

「どういう意味よ」

 

「そういう意味だ」

 

「Mr.それでは理解できません、何か」

 

「…お兄ちゃん、教えて。この子は誰」

 

俺はイリヤスフィールとアイコンタクトを取る。

 

「……イリヤスフィールだ」

 

「だからそれは私」

 

「イリヤ、わかった。お兄ちゃんの言葉の意味が」

 

「え?美遊どういうこと?」

 

「お兄ちゃん、美遊にヒントあげすぎよ」

 

確かに、そうだと思うがまだ無理なはずだ。

 

「……ごめんなさい、まだ話せない。ごめんなさい、イリヤ」

 

美遊は完全に気がついている、いや…まだ完全ではないか。

 

「……フィール」

 

「お兄ちゃん?」

 

「フィール?なにそれ」

 

「俺はもう話さん。それ以上は雇われ代行者と殺し合うつもりで来いよ」

 

俺が本気で殺気を放つと遠坂もルヴィアも何も言わなくなる。だが、遠坂はニヤついてイリヤに注射を……

 

「な!遠坂、なんて物を」

 

「流石の衛宮君も理解してるのね。コレは一方的な痛覚共有」

 

「しかも…主の死すら伝えるものだ。お前、それがどんな相手に……くそ、今はそうだったな」

 

目の前で行われた悲劇に俺は何も言えない。  

 

「えぇ、これで安全よ。アナタがイリヤを殺せばアナタも死ぬ。でも、イリヤがアナタを殺してもイリヤは死なない」

 

「…クソッ……」

 

「お兄ちゃん…本物なの」

 

「本物だ、俺も昔使ってたからな。殺す魔術師を使い捨てにするときにだ。くそ……厄介すぎるぞ」

 

「…流石代行者、えげつないわね」

 

「目の前で家族にやられる方が胸糞悪いけどな」

 

まぁ、イリヤとイリヤスフィールの殺し合いは起こらないだろう。

 

「それに……黒いイリヤに効果的なのは人質よね」

 

「……は?」

 

「……ってことで当分の間衛宮君はルヴィアの使用人となります」

 

「……何故ですか、Mr.の姿が似合いすぎて」

 

「魔術師の暗殺も行った、一通りのマナーもマスターしている。安心しろ、外で俺がいや…私が衛宮だとバレることはない」

 

「……お兄ちゃん!!!!」

 

「美遊、同僚か。イリヤスフィール、好きにしろ、私は当分使用人の身だ。だが……問題あるまい」

 

そうだ、ルヴィアの使用人を務めるのも二度目。

今更なことなのだから。

イリヤスフィールが士郎に迫ったそうだ。

そしてイリヤが……フフ…これが愉悦?

いや、駄目だ。あの親子に毒されたらまずい。

――――――

 

「志戸お兄ちゃん!どういうこと!あの黒いのが」

 

「やはり出たか…安心しろ。私はイリヤスフィールの部屋に近づく事はできない。もし近づけば……私の右腕は爆発四散し金輪際義手生活だ。まったく、この前は左腕で今度は右腕が危機に瀕するか……笑えん」

 

俺の顔を見たんだろう、二人は何も言わなくなる。

 

「でも…今日、学校にクロが現れたんです。イリヤの従兄弟を名乗って来週転校してくるとまで」

 

「あっ…あと私の友達に片っ端からチューを」

 

「はぁ…やれやれ、地下は完璧でしたわ。それこそ、Mr.が助け出さない限り。しかし、Mr.はずっとオーギュストの下で動いて居ました。地下に行く時間はありませんことよ」

 

そしてなんやかんやあってイリヤスフィール改めてクロエが俺の妹となり、学校に入学することになった。身分証?ルヴィア、俺、オーギュストさんが偽造した。

美遊の時と同じだ。

だが……ここで不味いことが起こる。

俺の家系図だ。

 

父衛宮切嗣 

母アイリスフィール・フォン・アインツベルン

弟衛宮士郎

妹イリヤスフィール・フォン・アインツベルン

妹クロエ・フォン・アインツベルン

妹美遊・エーデルフェルト

 

クロエと美遊を妹とした事で親父からつながる所でおかしなこととなる。

まぁ、何かあれば俺が手を出すだけだ。

―――

「はい、エーデルフェルト邸に何か御用で」

 

「え?志戸?」

 

「………志戸?誰でしょうか、私の名はアーチャー。このエーデルフェルト邸にて使用人見習いを務めさせて頂いています」

 

士郎は俺の存在に驚いているが納得したようだ。

だが、やはりセラとリズか。

 

「それで…風呂を借りに来たと」

 

「うん、お風呂壊れた」

 

「……城を使えば良いだろうって…そうか、手入れしてないのか」

 

「……やはり志戸、貴方は魔術を」

 

「少なくとも小学生の頃からだ。むしろ、気付かなかったのか?夏休み教会で過ごしていた時点で怪しまれていたと感じたが」

 

「……礼拝の知識や聖書に詳しくなっていたので純粋に」

 

「夏休みでイギリスに行く時点気付け、元アインツベルンだろうに」

 

「シド、やっぱり詳しい」

 

「…親父からその内聞かされるさ。母さんも知ってるから、まぁ……兎に角だ。俺は魔術師じゃなくて雇われ代行者。でなきゃリズのハルバートを防げないだろ」

 

「………固有結界持ってるのに」

 

「やめろ、声で出すな。封印指定されたら時計塔滅ぼすぞ」

 

「別にいい。それよりも……戻る気は?」

 

「今更か…俺が居なくとも士郎が居るだろうに。まったく」

 

俺はそれだで会話を切る。それ以上話すことがない、話す理由もないからだ。

いい加減、姿を消すべきかもしれない。

アルトリアと旅に出るもの良いかもしれない。

美遊は……どうするか。

 

「………一人、全裸か。風邪を引くぞクロエ」

 

「……ねぇ、お兄ちゃん。元の世界って…何?

元の生活って」

 

「……イリヤに言われたか。いくぞ、クロエ」

 

「お兄ちゃん……は?」

 

「今更右腕も惜しくない、ほら手を取れよ」

 

投影した干将莫耶で自分の右腕を斬り落とす。

勿論、スーツやシャツは畳んであるし血も魔術で止めてある。

 

「……なんでそこまで」

 

「妹がだからな、お前は」

 

投影で義手を作る。蒼崎の所に行かなければ行かなくなったが、仕方ない。

 

「……今日はキャンプだな」

 

「ここって」

 

「良いだろ?海も見えるし、街の光もない。

テント張るぞ、手伝ってくれ」

 

「うん」

 

虫除けスプレーを散布して、ランタンを焚く。

他にも虫除けライトもきちんとつける。

 

「ねぇ、お兄ちゃんは……」

 

「クロエ、今は考えるな。星を見てみろ、無限に広がる星空ってのをさ」

 

「…綺麗」

 

「どうだ、イリヤから見るんじゃない。自分の目で見て、感じるのは。ほら、ココア出来たぞ」

 

「ありがとう……お兄ちゃん」

 

「あぁ…良かったよ」

 

俺はテントで静かに眠るクロエを撫でる。

 

「……アイリスフィール・フォン・アインツベルン。お前はクロエをどうする、もし受け入れないなら、俺が守る」

 

その日夢を見た、俺の…悪の敵としての始まりを。

 

「僕は、正義の味方になりたかったんだ」

 

「なれるよ!父さんなら!諦めないでよ!僕も…そうだな………父さんが正義の味方だから悪の敵!格好いいでしょ!」

 

「あぁ、そうだね。士郎……昔、僕が話したことを覚えてるかい」

 

「魔法使いって話?」

 

「あぁ、士郎。僕は君を魔法使いにする、そして……士郎に頼みたいんだ。士郎、君の姉を助けてあげてくれ、間に合わない…僕の代わりに」

 

太陽が登っている、クロエはまだ寝息を立てていた。

 

「…守ってやる、3人とも……俺の妹だから」

 

家族も守る、愛する人も守る。

その為なら、この身体は惜しくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あれ?
おかしいな、何か書いててオリぬシロウが正義の味方とは違うベクトルで壊れ始めたぞ。
いや、前々から壊れては居たけど……両腕義手だし……Oh
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