アサシンとアーチャーの力を使うエミヤ   作:影後

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志戸は力を手にし、アルトリアとの絆を深めた。
しかし……それは終わりへの序曲に過ぎない。
悪の敵の最後は近い。


第9の英霊

時計の秒針が刻一刻と12時を刻もうとしている。

俺とアルトリアは完全武装の状態で仲間達の前に現れた。

 

「……アルトリア、いやセイバー。唇を」

 

「わかった」

 

俺は仲間達がいるというのに口吻を交わす。

 

「なっ……衛宮君なにを!」

 

「令呪が戻った、完璧だ」

 

「あぁ…シロウ。最後の聖杯戦争だ」

 

それの意味を知るものは少ない、だが遠坂凛、イリヤ、クロエ、美遊の四人が反応した。

 

「バゼット…来たか」

 

「……流石ですねコトミネ。完全な状態とは」

 

「フラガラックは十分か、今回のアーチャーは……只者じゃないぞ」

 

「えぇ、わかっています」

(何故、アーチャーと?)

 

時間となり、鏡面世界へと俺達は飛び込んだ。

 

「セイバー!令呪をもって命ずる!!宝具を開放せよ!」

 

「あぁ、マスター!二人で行くぞ!!」

 

「『約束された勝利の剣

(エクスカリバー……モルガーーン)』!」

「『唯一つ忘れられない絆の剣(エクスカリバー・ブライダル)』」

 

2つのエクスカリバーによる斬撃が世界を破壊する。

 

「何をしている!彼奴はこの程度で倒せん!さっさと続けろ!」

 

続くように遠坂とルヴィアによる協力魔術が放たれた。

 

『打ち砕く雷神の指』トールハンマー

 

北欧の雷神トールの持つ神器の名を冠した魔術は俺とアルトリアのエクスカリバーに続くように放たれた。

 

「マスター!共にやるぞ!!」

 

「えぇ!アーチャー!!!」

 

「「投影開始」」

 

「偽・約束された勝利の剣」

「偽・螺旋剣」

 

赤黒い弓兵と幼き弓兵の二人による矢が同時に放たれた。

しかし、それは見慣れない盾により阻まれる。

 

「くっ…腐っても奴か!遠坂、ルヴィア、3人を頼むぞ!セイバー!バゼット!突貫するぞ」

 

「言われなくとも!」

 

「先陣は切らせてもらう!」

 

だが、それは罠だった。

 

「衛宮くん!罠よ!!」

 

知っている、俺とセイバーは。だから回避できた。だが、隣でバゼットが串刺しとなっている。

ルーン魔術で強化していたらしい礼装もあれではゴミ同然だ。

 

「…まさか蘇生のルーンとは」

 

放たれた宝具を干将莫耶で弾き、撃ち落としながらバゼットの行動を称賛する。

 

「何を……くそシロウ、任せるぞ」

 

「任せろ、アルトリア」

 

「熾天覆う七つの円環」

 

それは更に進化した盾である。花弁は9枚に増え、既に元の性能を超えている。

 

「くっ!今なら!」

 

「馬鹿…死ぬ気か?」

 

「くっ……シロウ、宝具を使うぞ」

 

「まじか……辛くなるか?」

 

「『卑王鉄槌』、旭光は反転する。光を呑め・・・!

約束された勝利の剣(エクスカリバー……モルガーーンッ)!!!」

 

上空に放たれた約束された勝利の剣で宝具の大群を打消す。だが、バゼットの頭に1本の短剣が迫る。干将莫耶ですぐさま撃ち落とそうとしたが、その前にクロエに撃ち落とされた。

 

「まったく、世話が焼けるわ」

 

「バゼットさん!お願いします!!」

 

バゼットの速度が上がる、心臓を抉るつもりなのだろう。

奴を殺すには……それでは不十分だ。

 

「不様だな、」

 

「コトミネ!何故知っていた!!あれが……あれがアーチャーだと!!!」

 

「フン……バゼット。貴様如きに話す理由などあるわけ無いだろう。しかし……自分自身も奴に染まったか?お前が苦しむ姿が実に……ククッ」

 

敵対者の苦しむ姿に愉悦を感じている。

駄目だな、感性が死んできてる。

 

「……セイバー、予定変更だ。此奴を起こす」

 

「シロウ、何を」

 

「………使ってやるぞ、貴様をな」

 

鏡面世界にヒビが入る。

それは俺の力じゃない、奴が出ようとしている。

 

「…乖離剣エアか。おい、Mrs.と遠坂、逃げろ。死にたくなければな」

 

エアが振るわれると鏡面世界が砕かれる。

 

「ヴィマーナで行ったか、セイバー出るぞ」

 

「わかった、次は本気で殺す」

 

俺とセイバー、その他が外に出ればヴィマーナに乗り消えるアイツが見える。カードを外し、普段の神父服になる。

 

「無様に負けたわね、忠犬」

 

「何を……これからだ、奴は外に出た。なら、聖杯戦争の再開というわけだ。カレン、頼むぞ」

 

「待ちなさい、カレン・オルテンシアを知っている?シロウ・コトミネ、貴方は」

 

「バゼット……バゼット・フラガ・マクレミッツ。残念だよ、見せたのに。何故思い出せない、クー・フーリンが泣くぞ」

 

「黙れ……彼は………違う……違う、何……この……記憶」

 

やはり、バゼットは完全に記憶と別れたわけじゃない。刻まれたか。

 

「彼女はカレン・オルテンシア。俺のパートナーの一人だ、表向きは初等部の保険教諭をしている」

 

「忠犬の医療担当のカレン・オルテンシアよ。

……さて、忠犬。今回、死ぬつもり?」

 

「ふざけるなよ、アイツが相手で死ぬだと?舐めるな!どんな手を使っても生き残り、彼奴の亡骸を…………」

 

「シロウ、落ち着け」

 

「待って……志戸お兄ちゃんはカードが何なのか、聖杯戦争が何なのか知っているの?」

 

「当たり前だ、それに……クロエ、お前今気付いたな?」

 

そう、話していてクロエの視線が俺と交わった。

その時、驚愕した顔をしていた。

 

「混ざり合って……分からなかった。でも……ありえない!なんで……なんで……聖杯があるの!ママは」

 

「簡単だ、バゼットと戦った俺は死ぬ寸前だった。どうあがいても、な。だが………俺には無尽蔵の魔力がある。クロエ、アーチャーの奴のクラスカードがあるお前なら理解できるな?」

 

「嘘……作り出したの?聖杯を?!」

 

「正解だ、今俺は聖杯の外殻。無論、贋作だがな、しかし……贋作聖杯がある限り、俺は根源との繋がりがより強固となり、更に代償がない。さて………話は終わりだ。ここからは………な?」

 

「カレン、頼むぞ?」

 

「それは聞けないわね、あくまでも中立だもの」

 

「残念だ、さて、正直に話そう。足手まといはいらない。君達は邪魔だ」

 

「何を……」

 

「…フラガラックでも倒せんよ。俺は……俺の天敵は衛宮士郎だけだ」

 

俺はセイバーに視線を送る。約束された勝利の剣が俺とカレン、その他を示す。

 

「さて、監視者としては困るのだけれど」

 

「修繕費は持つ、セイバー、カレン。英雄王を殺しに行くぞ」

 

「えぇ、わかっているわ。忠犬」

 

「カレン、守ってはやれんぞ」

 

「セイバー、貴方が守る必要はないわ、忠犬がいるもの」

 

「…了解だ」

 

 

 

―――――

 

「くそ……まさか、裏切者だなんて」

 

「違う!お兄ちゃんは……お兄ちゃんは私達を裏切ったりしない!」

 

「美遊!でも、志戸お兄ちゃんは私達を」

 

「イリヤ、この場に居ない3人は誰も私達を殺そうとはしていないわよ。裏切者というのは早慶よ、遠坂さん」

 

「む……クロエ、ならなんで……」

 

「簡単ですわ、あの方は代行者。人ならざる者を殺すのが仕事」

 

「……コトミネは任務に実力不足が現れれば無力化し、自分一人で任務遂行をすると聞いた事がありますが……あの男、私もだと?」

 

皆がそれぞれに思いをいう、勿論私もだ。

志戸お兄ちゃんはなんのためにしていたのか……

 

「しかし、わかったというよりもコトミネの言葉とアレで理解できました」

 

バゼットさんが決まり顔で話し始めた。

 

「恐らく、あの3人は最初から知っていた。」

 

「そう、それがここで行われた聖杯戦争。7騎のサーヴァントと7人の魔術師による殺し合い」

 

そう話し始めたのは美遊だった。

 

「なんで………知ってるのよ」

 

「クロエがテントで寝てた日、お兄ちゃんに教えてもらった」

 

「なんで話さなかったのですか!」

 

「聞かれませんでしたから」

 

美遊はそう言うと私とクロエの手を取った。

 

「ルヴィアさんと凛さんも。大丈夫です、お兄ちゃんが、2人とバゼットさんを裏切っても、私達3人を裏切る事は絶対にないので」

 

「……何故でしょう、美遊の言葉が理解できますわ」

 

「考えたら美遊の為にルヴィアに協力して、イリヤと美遊を守りたくてバーサーカーに一人で突貫、片腕斬り落とされて、クロエの為に片腕切り落として、3人の為にバゼットと殺し合って、腹を貫かれて……」

 

「お兄ちゃん、考えたらよく生きてたわね」

 

「うん、志戸お兄ちゃん、もしかしたらアレかも。ターミネーター」

 

「……イリヤ、クロエ、お兄ちゃんは機械じゃないよ」

 

「ターミネーター、確かに、任務の為なら……」

 

「取り敢えず、皆いきましょう!志戸お兄ちゃんの場所は、ルビー!」

 

「はい、お任せを!」

 

いくら足手まといでも構わない、志戸お兄ちゃんも、お兄ちゃんだから。

私も、美遊も、クロエも、皆傷付いて欲しいなんて思ってないから。

 

 

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