アサシンとアーチャーの力を使うエミヤ   作:影後

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衛宮士郎はカレン・オルテンシアとアルトリア・ペンドラゴンを連れ、冬木の大聖杯に向かった。
かつての地、しかしそこではあの男が蘇らんとしていた。


英雄王〘ギルガメッシュ〙対偽物〘フェイカー〙

「ククッ……クハハハハハハハ」

 

「なんで……どうして」

 

「我!復活!!」

 

「少しは黙っててくれないかなぁ?!」

 

俺が大聖杯につくと全裸の女性と少年が言い争いをしている。

 

「ほぉ……偽物〘フェイカー〙ではないか」

 

「………おかしい、お前はそんな笑う奴だったか、てか……性転換したか?」

 

「フッ…我の身体に男も女もないわ!この姿すら何物よりも素晴らしき財なのだからな!

しかし……良いぞ…良いぞ、偽物よ!貴様、言峰のように愉悦を知ったか!良いぞ、贋作者のアーチャーとは違い貴様はやはり我が財に相応しい」

 

「……」

 

「お久しぶりね、偽物さん。すみません、大人の僕が」

 

何故かテンションMAXな英雄王と大人の僕という言い方からして子供の英雄王。

この二人を見ているとあのシャドウサーヴァントだった英雄王に向けた殺意が湧かない。

それどころか、近所の笑える馬鹿とそのお目付け役という感じすらある。

 

「……あらあら、英雄王が面白いこと」

 

「……何故貴様がいる」

 

「……フフフ」

 

「嫌な予感が」

 

カレンは嘲笑うとマグダラの聖骸布を二人に巻きつける。女の英雄王には効かないはずだが、何故か解けていない。

カレン、何をしたんだ。

 

「……何処から出した」

 

出したものを見て怯える英雄王達。

ソレは何よりも赤く、そして数多の人間の意識を奪う麻婆。

泰山の激辛麻婆だ。

 

「やめろ!もう、唇が腫れるのも!お腹がゆるくなるのもの嫌だ!ムグ」

 

「待ってください!僕は関係なマグ」

 

「……憐れな」

 

そう呟くのはアルトリアだ。

見るからに悶絶している二人の英雄王、しかし身動きは取れない。

 

「フフフ………」

 

「よせ……ソレはあの狗めに」

 

『んだとてめえ!!』

 

何故か何処からともなくランサーの声が聞こえた気がする。アルトリアはキョトンとした顔をしている。

 

「俺の……俺の、決意って何だったんだ?」

 

死ぬ気で復讐しようとしたら、相手がこんな感じになってて、拍子抜けと言うか、毒気が抜けてしまった。

 

「しかし、偽物よ。面白い身体になっているではな」

 

「まだあります」

 

「むがががぁぁ………」

 

言葉にならない悲鳴をあげる英雄王に愉悦を感じない。

 

「……カレン?」

 

「貴方の分もありますから」

 

「シロウ、私もだ」

 

英雄王達の前で泰山のあの赤黒い麻婆を食べてやると二人は血の気が引いた顔をしている。

 

「……偽物よ、何が……何があったのだ」

 

「なれた」

 

「モキュモキュ」

 

信じられない物を見たという二人が可哀想になり、市販ながら自販機で炭酸を買ってあげた。

 

「感謝するぞ、偽物よ」

 

「大人の僕がすみません」

 

残った麻婆を食べるが二人は顔を青くしている。

理解できなくもないが、食べれてしまうし、以外に言峰も外的要因で嫌いになれない男だし、義父には違いないし。

 

「………それで、偽物よ。面白いことになっているな」

 

「あぁ、模造聖杯を心臓にな。こっちに来てからアカシックレコードに接続できるようになってな、俺の可能性だけなら観測できるんだ」

 

「ほぉ…自分に対しての千里眼とは」

 

「アンタには負ける、だから……俺の知らな俺の記憶すら有る」

 

ギルガメッシュは炭酸を飲みながら話を聞く。

 

「ふむ……己だけの千里眼か、ならば何故常に使わんのだ」

 

「未来を知っても、面白くないだろ。たとえソレが決められた道筋でも、俺は無知で進む。ソレが、俺だ」

 

だからこそ変わらない。

俺の抱いた痛み、苦しみ、憎しみ、だからもう一度再燃させる。

憎悪の炎がこの身を焦がす。

 

「……ほぉ、偽物よ。我とやり合うつもりか」

 

「贋作者では無いか……つくづく忌々しいよ。

英雄王、さぁ………御遊びは終わりだ」

 

王の財宝が展開される、子供の英雄王の方は傍観者に徹するようだ。

 

「行くぞ、英雄王。武器の貯蔵は十分か?」

 

投影魔術を使い、銃剣としたアロンダイトを英雄王に向ける。

奴はニヤリと笑うと財宝を放ってきた。

飛ばされた財宝を足場にしながら空を飛ぶ英雄王に迫る。

 

「やはり貴様は良い……その眼差し、その姿。

現代の英雄に相応しい」

 

「俺が英雄だと?巫山戯るな!俺は……俺はそんな安っぽい存在になる気はない!」

 

現代にとって英雄の意味は違う。

初戦、何かのプロパガンダだ。俺は、絶対にならない。

 

「ほぉ……、面白いぞ、偽物!!

《王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)》」

 

「投影開始」

 

放たれた宝具と同じものを投影しぶつける。

魔力に限界はない、英雄王の宝具が尽きるまで俺は戦える。

 

「第2宝具解放!

〘縛鎖全断・過重湖光

(アロンダイト・オーバーロード)〙」

 

地面から全力で飛び上がり、英雄王の肉体を裂かんと俺は迫った。

 

「熾天覆う七つの円環」

 

「やはり!守られるか……この」

 

自分の技量は常に搦手とともにある。

二手三手、先を行くことだ。だが、今はそれができない。

 

「くそ………」

 

「偽物よ、そろそろ良いか?」

 

「剣山だと?!」

 

全方位から放たれる宝具を干将莫耶で弾いていくが、肉体は限界だ。

 

『宝具二重解放!I am the bone of my sword. So as I pray,時ある間に薔薇を摘め』

 

加速し、動けない英雄王を斬りつける。

破戒すべき全ての符、無毀なる湖光、干将莫耶、

と何度も武器を変えながら、身体が限界を迎えるギリギリまで斬りつける。

 

「終わりだ」

 

固有結界弾を装填したコンテンダーの引金を引く。

 

「良い……良いぞ、数多の英霊を其身に宿し、死力を尽くし戦う。貴様こそ、真に現代の英雄よ」

 

英雄王は霊核を破壊したにも関わらず、生きている。流石に予想外だ、心臓を破壊したにも関わらず生きているだと?

こんなの、どうやって殺せば良い。

 

「認めてやろう、我の負けよ。今はな」

 

体内から固有結界を暴走させ、刺さった剣山を打ち消す。

 

「シロウ、無理をするな」

 

「アルトリア、だい…じょうぶだ」

 

全て遠き理想郷による回復が始まる。

更に根源からの魔力を流し込み、増幅させる。

 

「ほぉ、根源へと至ったか?」

 

「……根源と繋がったんだ。至った訳じゃない」

 

俺、アルトリア、英雄王が話していると残りを連れたカレンが来た。

 

「……あらあら、益々人間ではない何かに」

 

「人間だよ、でなければ、狩りはしないさ」

 

「……お兄ちゃん?」

 

「おめでとう!エミヤ・シロウ!!」

 

小さな英雄王が俺を称える。

そして……繋がる言葉にバゼット、イリヤ、クロエ、ルヴィアがなんのことだと考えている。

知っている遠坂と美遊は……

 

「流石だよ、聖杯戦争の勝者にして、セイバーのサーヴァント。アーサー王のマスター!認めるよ!僕も!!」

 

「……黙れ、なんのようだ。ギルガメッシュ」

 

「ふっ……我の名を言うか、良いだろう。負を認めたのだ、許すぞ」

 

「……話したいのは平行世界の英雄と、平行世界のお姫様とですよ。ねぇ、衛宮士郎、美遊ちゃん?」

 

美遊はセイバーのクラスカードを夢幻召喚し、英雄王に斬りかかる。

 

「よせ、俺も万全でない。この状況で勝てると思うな」

 

美遊の剣を干将莫耶で受けとめる、英雄王が何をするか判らない以上、止める他ない。

 

「ねぇ……お兄ちゃん、平行世界って」

 

クロエが声をかけてくる、その目はまるで捨てられる子犬のようだった。

 

「わからぬか、雑種よ。貴様の境遇、この男が泣かぬはずがない。何よりも、平行世界の貴様である聖杯の外装を殺したのは我だ。貴様は所詮、この男」

 

「……兄だからだ。家族だからだ、家族だから、守ると誓った。英雄王、もう一度だ、貴様をここで殺してやる」

 

俺の中で憎悪が蘇る、駄目だ。

殺してやりたい、コイツを……喰らってやりたい。

 

「シロウ!!」

 

「……俺は」

 

「ククッ……そうか……貴様、貴様は何と…貴様も聖杯であったか。贋作ではなく、貴様もこの冬木の聖杯であるか」

 

「なんだ、何を……何を知っている!ギルガメッシュ!!」

 

「知らぬが仏よ、セイバーよ。我はこの男に興味が湧いたぞ。死なせるでないぞ、此奴が死ねば、この世に〘獣〙が産まれ堕ちるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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