それは近いうちに業火となり、新たな焔となるだろう。だが、ソレを支える木々は既に無い。
「……ゲホッゲホッゲホ」
ビチャリと当たり一面に赤黒い液体が広がる。
月明かりに照らされたそれが何なのか、自分自身が良く理解できている。
「お兄ちゃん?」
「イリヤか、志戸お兄ちゃんとは呼ばないんだな」
「……」
俺はキャンプ用品を投影し、手頃な家から盗んだココアを作る。
「星、いっぱいだね」
「街明かりが少ないからですね」
ルビーの言葉に頷く、それだけじゃない。
「冷たいっていうのもあるかもな、大気中の水蒸気がなくなって星がより綺麗に見えるんだ」
だが、イリヤはそんな話をしたいのではないだろう。
「もう…帰れないのかな」
「並行世界とか、正直SFすぎる話なんだけど」
「こうして、真っ暗な街を見ていると……」
「もう、私達の知ってる街は無いんだなって…」
「家も、家族も、友達も……」
「皆……いなくなっちゃって………」
「…もう、会えないのかな」
俺はイリヤの頭を撫でる。
衛宮士郎の様にイリヤに優しく接した記憶はない。俺が、割り切れなかったから。
「……ゴホッゲホッゴホッゲホ」
「お兄ちゃん!!!」
激しい苦しさにその場に倒れ込む。
吐血し、イリヤの服にもべっとりと自分の血がついてしまう。
何時から居たのか、クロエが出てきた。
「……やっぱり、お兄ちゃんはもう…」
「クロ?!兎に角早く皆を」
「呼ぶな……俺は……俺はまだ戦える」
「……止めて、もう…良いよ」
クロエは恐らく知っているのだろう、俺の身体のことを。
「もう……休んで……私が、私がお兄ちゃんの代わりに頑張るから。だから……もう……良いよ」
「クロ、どういう……」
「イリヤ!わからないの!お兄ちゃんは、お兄ちゃんはもう…居ないの!お兄ちゃんは」
「居るよ!ここに……今も話して」
「死んでるの!既に!死んでる筈なの!!!」
俺はクロエを優しく起こし、イリヤの隣に立たせる。
「生きてるさ、全て遠き理想郷の力で。死ぬ寸前だがな」
「………そんな」
「なら、もう休んでも」
「大丈夫だ、俺はまだ戦える。お前たちも、皆も、家に帰れる。俺が戦えばな。大丈夫だ、必ず帰す。美遊も」
「でも……お兄ちゃんが」
「クロエ、俺は所詮並行世界の衛宮士郎だ。あの世界には、あの世界の衛宮士郎がいる。衛宮士郎は二人もいらんだろ?」
俺は笑顔でそう伝え、校内に戻る。
「…コトミネ」
「バゼット、俺が死ぬまでの時間は分からない。宝具でも、俺の身体は治せない。だから…言わせてもらうぞ。妹達を頼む」
「駄目です、自分の力で護りなさい」
翌日、俺は灯油ストーブを修理していた。
「終わりだ、付けてみろ」
「凄い!手入れもされてなかったのに」
「前の世界だと、今の衛宮士郎の様に修理したりしていた。形も、構造も同じだ。間違えることはない」
「いやはや…バラされてからもう、自分を偽る気は無いですね、偽物さん」
「限られた時間なら、有意義使うさ。英雄王」
「シロウよ!朝食を作れ!あの腐れ麻婆拉麺は食べたくない!」
「食材がない、諦めろ」
英雄姫(並行世界の英雄王らしいから)から駄駄を捏ねられるが、食材がない。
「そう言えば、お兄ちゃんはお風呂作れる?」
「……できるかと言われたら無理だな。俺ができるのは宝具の投影と簡単な物の投影だ」
「それ、ベッドとキャンプ用品と日用品作り出した人が言う言葉なの?」
そっぽを向くと英雄王と目があった。
「なら出しましょうか?お風呂。屋上で良いですよね?」
英雄王が温泉を出した、そんな宝具があるのかと思ったが俺も投影できそうだ。
「……まじかぁ」
「いやはや……温泉、気持ちいいですね、偽物さん」
「あぁ…傷だらけの身体が」
「ほぉ、その肉体、その―――流石だな!シロウ!」
「何入ってきてんだ馬鹿姫!女湯は隣だぁ!」
「良いではないか!我が肉体美にてお前を虜に…美人局という奴だ」
何してんだよと殴りたくなったが、眼の前にクロエが飛んできた。
「貴女はこっちだ!」
「よせ小童!貴様らの肉体ではシロウを囲い込む事など不可の」
「もいでやろうかしら」
「…女の僕がごめんなさい」
「……英雄王、お前も苦労してるよな」
「そう思うなら、財になってあげて下さい。もう、僕はつかれた」
「ノーコメント」
俺達は一時の休息を受け入れた。
そう、一時の休息だった。
再生の為に俺は眠った、眠っていたのだが、
何かが俺の心に響いた。
―――――
勝てない、地力が違いすぎる。
田中さんが何かして私達は解放されたけど、動けない。
イリヤを助けたいのに動けない、嫌だ……家族を失いたくない。
「お前……俺の妹達に何してる」
来てほしく無かった、希望だけどその希望は既に風前の灯火なのだから。
「くくっ……ハハッ……フハハハハッ」
「衛宮士郎……面白い、此方の衛宮士郎よりも強く!そして、真に英雄となる男!!!」
「ダリウスだったか?小悪党に多そうな名前だ、笑えるな」
「貴様、エインワーズ家の当主であるこの……」
「は?」
「コトミネ…それは」
その時、ダリウスの両手が消えた。
バゼットさんも見えなかったと思う、驚愕していた。私と同じ干将莫耶を投影して、血をはらっている。
「……先ずは両手だ。次は……両足か」
酷く冷たい目だけど、暖かさを感じた。
私達に向けられる暖かさを、
「何故だァァァァァ何故貴様の力は!!!!ありえん、こんなの私の舞台には」
「まって…パパを殺さないで!」
お兄ちゃんは少女事殺すきだったと思う。
でも、私達が向けた視線で気が変わったのだろうか。
「消えな……ガキに免じて助けてやるよ。まぁ……次は殺すがな」
「グッバイ……ダリウス」
____
偽・螺旋剣を投影し、2人のエインワーズを神の鎖で繋ぐは英雄王にキレられるかもしれんが、今だけだ。
「まって…その子は」
「死ぬか生きるか…運次第だな」
二人はそのまま何処かに飛んでいく。
まぁ、目的地はエインワーズの工房だが。
「壊れた幻想」
肉片となるなら問題ない、しかし……奴の宝具は何なんだ。
「コトミネ、助かりました」
「バゼット、じゃあ後任せるわ」
俺はまるで肉体が張り裂けたかのように血を噴き出して死にかけた。
バゼットが治療のルーンをかけてくれた事で、何とか一命をとりとめた。
「……シロウよ、我の蔵にはアンブロシアに近しいものがある。取り敢えず食せ」
失敗した林檎の様な果実を食べる。
アンブロシアではない為に不死にはなれないが、
肉体の回復には役に立つ。
「……凄いな、英雄王の蔵の果実を食べたというのに俺の身体はボロボロのままだ。このまま行ってもあと、どれだけ持つかな」
この言葉を受けて、イリヤとクロエは顔が歪んだ。だが、仕方のない事だ。
「……」
「ねぇ、お兄ちゃんは」
「死は誰にも訪れる、人間は生まれる場所や時間、人種は選べない。始まりは選べない、だが……終わりは選べる。俺は……俺は俺らしく、自分の意志で終わりに向かう。イリヤ、クロエ、それがお前達にとってどう思うかは関係ない。
俺は、俺らしく死んでやる。悪の敵、家族の敵を滅ぼす存在、ここならエインワーズを殺す存在。俺は衛宮士郎だからな」
場がより一層重くなった所で俺は英雄王二人に問う。ダリウスの使った宝具についてだ。
「……わからない」
「私もだ、心当たりがない。我等が知らないとはそういう事だ」
「……面倒な事になった」
「コトミネ、どういう」
「…英雄王には
『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』という宝具がある。それは全ての英霊達の宝具の原典となる物を所持している事だ。まぁ、神造兵器は流石にないだろうが」
「誰が神の僕の物など」
「兎に角だ、その英雄王が知らないと言うことはまったくオリジナルの宝具という事だ。性能も不明、能力は氷が?いや、もっとあるかもしれん。聞かせろ、エヌマ・エリシュは撃てるのか」
「…世界を滅ぼす気か」
「……つまりだ、今現在戦力として使えるのは英霊二人、死にかけ一人、封印指定執行者一人、少女二人、ここに喧嘩っぱやい時計塔の二人と俺の最愛の人を追加したい」
「……お兄ちゃん、惚気けないで」
「アルトリアに寿命の話をしなくちゃいけない。しかも1ヶ月と自分で言ったがそれ以下の可能性の方がでかいんだ。会いたくなっても良いだろうに」
完璧に打たれるのは確定している。だが、それでも、逢いたいんだ。
「……兎に角、明日だ。良いな、明日から行動開始だ。戦力を整え次第、美遊を奪還し、エインワーズを一人残らず殺した後に、帰還する。無論、そこに俺が居ない場合の為の切札は後で英雄王に渡しておく」
「面倒な事を」
「全員、今は安め。俺は言峰綺礼の拉麺屋から出前を頼んでくる。…所で、麻婆は何個欲しい」
俺は自分が食べたいからから聞いたが全員からドン引きされた。
わかる、確かに最初は死ぬ程だった。
だが、何時しか旨く感じる。
「行ってくる」
俺は金貨を投影した。
衛宮士郎(オリぬ士郎)
クラス アルター・エゴ (□□□)
混沌・善
好物、泰山の麻婆。
嫌いな人 英雄王
苦手な人 英雄王
好きな人 セイバー
嫌いな事 子供を殺すこと
ステータス
筋力B 耐久EX 俊敏B 魔力ー 幸運E 宝具EX
この場合のーはEXを通り越し、あり得ないの意
対魔力A(EX)
単独行動A(単独顕現EX)
根源接続A
クラスカード使用
クラスカードを使用し、自身のクラスを追加する。
宝具選択
自分のコマンドカードが宝具攻撃となる。
ゲームだと1キャラでエクストラまで含めた宝具連発するクソキャラになる。
QUICK2 Buster2 Arts1