「先輩!新しいサーヴァントの方が!!!」
「マスター、まさか……」
「誰でも良いので来てください!」
「マスター、女難は諦めろ」
俺は藤丸立香、人類最後のマスターやってます。
色々大変な事がおこりすぎて、このカルデアで頑張っているんですけど………
女難が酷くて...今回はエミヤとマシュと一緒にまともな男性サーヴァントに来てほしくて召喚してます。
「安珍様!」
「マスター君!」
「マスター!!」
「我が夫」
色んな...主に女性サーヴァントと関係というか、知らない内に色々あるせいで色んな意味で死にそうです。
「……はぁ、まともなサーヴァント来ないかな」
「あれ、マスターさんだ!」
「イリヤちゃん……それに、クロエちゃんに美遊ちゃんも」
「召喚サークルが光ってて、まだ来ないの?」
「うん、なんか凄い遅くて……」
「…………赤い、弓兵だと?」
「マスター伏せろ!」
はぁ、色んな意味で死にそうです。
生前の禍根とか普通にあるの忘れてた。
そうだよね、常識人のエミヤでも……生前色々とありそうだし。
「……アーチャー、今度こそ……今度こそお前の四股を剥ぎ、蛆虫の餌にしてくれる」
「くっ!!ヨリにもよって貴様か!」
「……お兄ちゃん!!!!」
「クロエ!」
そしたらクロエちゃんが叫んであの人に抱きついた。
でもそれを受け止めて、片手で何か剣を振るっていた。
そしたら、エミヤの干将莫耶が凄い速度で弾かれて、エミヤが壁に縫い付けられてる。
「……ごぶ」
「死にはしない…手当はしてやらんがな。しかし、クロエに美遊か。どうした?お前が愛してやまない衛宮士郎では無いんだが?」
「お兄ちゃん……お兄ちゃん………」
「クロエ、どいて」
「シドお兄ちゃん」
「イリヤか、ふむ……クロエ、美遊、あそこの害虫を殺すから退けて」
召喚したサーヴァントから明確な敵意は始めてだ。殺される。
「……良く見たらお前、冬木で見たマスターか。つまり……カルデアか、そうか」
「え?」
なんか急に武器をしまった。
「もしかして、アイドルの」
衛宮士郎さんですか?って声をかけようとしたら、静謐ちゃんがナイフを構えて立っていた。
「お前がマスターを」
「ほぉ、この俺に向かってくるか?実力の違いも判らず、哀れにも俺に向かってくるのか」
「近づかなくちゃ、貴方を殺せない」
何処かのラスボスみたいな口調で衛宮さんに、俺を守る為に来たであろう、静謐ちゃんが段々と近寄っていく。
「妄想毒身」
「静謐の……首を出せ」
「なっ」
衛宮さんだったのが急に山の翁になって
「信託は下った。」
「聞くが良い。晩鐘(ばんしょう)は汝の名を指し示した。告死(こくし)の羽――首を断つか、『死告天使(アズライール)』……!!」」
「オーダーチェンジ!」
「あん、マスター何が」
ごめん、ランサー!でも、仕方がないんだ。
俺の前でランサーの首が飛んだと思ったら血を流す事なく、消えていく。
「山の翁!止めてくれ!」
「馬鹿だな、俺は山の翁では無い」
「貴様……益々実力が上がっているか!」
「ランスロット卿のクラスカードは実に使い勝手が良い。姿を変えられるのはな」
とにかく、ランサーが一度死んだことでカルデアが警戒態勢になった。
警報が鳴り響いて………
「マスターさん!私!黒い、黒いアルトリアさん達を呼んでくる!だから、マスターさん、クロと美遊も、どうにか頑張って!」
「逃げた!」「イリヤ!!」
黒いアルトリアさんに何があるのかわからないけど、兎に角イリヤちゃんに任せるしかない。
「エミヤ、今応急手当使うから」
「すまないマスター、だが……援軍が来たようだぞ」
「懐かしい気配を感じてきてみれば……最後の弟子が居るとはな」
アーチャーが視線を向けた方向にはスカサハ師匠がいた。え?最後の弟子って……まじ?
「仕方ないか……投影開始」
ゲイ・ボルグが衛宮さんの腕に握られてる。
そして、地面に紋様が浮かんだ。
「アトゴウラか……行くぞ」
「……この頃、命のやり取りが好きなんじゃないかと思い始めててな、丁度いい死んでくれ」
「マスター、すぐに避難しろ」
「え?なんでなのさ、師匠なら」
「スカサハは……負ける」
「ありえません!スカサハさんはカルデアの最高戦力の一角で」
「貴様は獣に堕ちたのか」
ゲイ・ボルグ同士の打ち合いが段々と変化していく、スカサハ師匠が、少しずつ 少しずつだけど、押されている。それどころか、苦しそうな表情になっていく。
「……対人理、人理に組み込まれし者達は俺には勝てんか」
「それって、どういう」
口に出た言葉を紡ごうとするけれど、死が近づいている事が理解できなかった。
マシュが守ってくれなければ……そう思わせる殺気だ。
攻撃は俺に向いてないけど、今までの経験が死を連想させる。
「冗談抜きで不味い!」
「マスターさん!連れてきたよ!!!」
「師匠!皆が来たよ!!……師匠!?」
「敗北か……久しき……感じ」
「惨たらしく死ぬではなく、槍を持ったまま死んだか………師よ、見届けたぞ」
スカサハ師匠が死んだ、でもすぐに復活はしてくる。
流石の皆もスカサハ師匠が死んだとなったら目が変わる。
「さぁ、美遊、クロエ、邪魔をするなよ。そこの赤い弓兵を」
「「「何をしているのだ、シロウ」」」
「あ、」
「酷いなぁ……私達じゃ止まらないのに」
「「「もう一度いう、何をしているのだ。シロウ」」」
「……違う、違う筈だ、いや……だが君は」
「こい、シロウ。我が鞘」
「巫山戯るな、シロウは私のものだ」
「私だ」
「お兄ちゃんは私のお兄ちゃんなんですけど」
「違う、私のお兄ちゃん」
何処か見覚えのある修羅場が眼の前にある。
違うのは血濡れの衛宮さんが何処か絶望仕切った目をしていることと
「あら、シロウじゃない。神父してるって本当だったのね」
「むむ?何故か見たことがあるような……無いような……う~ん」
「……」
「イリヤ、お兄ちゃんの心壊れる」
「だって近くに居たんだもん、シトナイさんと、ジャガーマンさん」
「アルトリア、イリヤスフィール姉さん、藤ねえ、イリヤ、美遊、クロエ」
「シロウ、何してるのよ」
そこで自分が血塗れだって気付いたんだと思う。
「違う、違う……死んでいる。姉さんも……藤ねえはここに居るはずがない……ありえないだろ!それに……それに……アルトリア達もだ、何故!何故記憶を」
「なんかわからん!でも言わなきゃいけない気がする!!コラ、シロウ!セイバーさんやイリヤちゃんに迷惑かけて!何考えてるの!」
ジャガーマンさんの言葉で衛宮さんが手に持っていたゲイ・ボルグが床に落ちて霧散していく。
今にも死にそうな顔で、ボロボロと涙を流している。
「シロウ、直せ。お前が壊したんだ」
アルトリアセイバーオルタの言葉で機械が動き出すみたいに、衛宮さんが動き出した。
「済まなかったな人類最後のマスター、つい堪忍袋の緒が切れた。許してくれ、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も殺しに来たクソ野郎を見てしまったら怒りが治まらなかったんだ」
衛宮さんは一瞬で召喚ルームを修復して、俺に手を伸ばしてきた。
「聞こう、君が俺のマスターか?」
爽やかな笑顔が血に濡れて、何処か狂気を孕んでいるように見えてしまう。
「うん、俺がマスター、藤丸立香です」
「契約成立だ、だが気をつけて欲しい。俺に令呪は効かないぞ?」
「わかりました」
「マスター!!!!」
そうだよね、終わらないよね。カルデアが警戒態勢になったし、師匠とランサーも倒れたし……
「それで、君はアルターエゴのサーヴァント。衛宮士郎であると?」
「あぁ、教会の雇われ代行者。アイドルの衛宮士郎、顔は色々あります。レオナルド・ダ・ヴィンチ、以後よろしく」
「……まぁ、自己紹介ぐらいはしてもらうよ」
そんなこんなで食堂だ。
「ふむ……シロウ・A・コトミネ・オルテンシアだ。この様に神父をしている、尊敬している聖人、聖女の方々にお会いできて光栄だ」
「……坊主、俺の事殺しやがったな」
「ランサー……そうか、食べるかね?」
「てめぇのその感じアイツを思い出すぜ」
「ふむ……だが、何時でも戦おう。私は負けないのでね」
「良いぜ、師匠の弟子らしいからな、本気で行くぜ?」
クー・フーリン達の目が怖い、次は
「貴方はマスター様の敵ですか?」
「敵対者なら沢山いるのではないかね?少なくとも、始めから仲間などという存在の方が少ないと感じる」
「嘘ではありませんね、しかし……私は信じられません」
「信じてもらおうとは思っていないのでね、鐘の中で死ぬのは避けたい、特に蛇に焼き殺されるなんてナンセンスだ」
「⁉」
清姫の顔の警戒心が強まる。それもそうだ。誰も真名を言ってないのに真名を当てている。それに所々に視線を向けてる所もだ。
「アンタ、歪んでる」
「存在自体が歪んでいるような聖女に言われる筋合いはないな。それに、神父だが生憎私も無神論者だ。とある方に神に祈るのは止めろと言われてね。まったく、懐かしいことだ」
ジャンヌオルタのことも...正直、道満と違う警戒心が湧いてくる。...ゴージャスが来る気配を感じる。
「ほぉ、偽物(フェイカー)か」
「お久し振りです、私が感謝し、憎悪する御方」
「くくっ…良いぞ。貴様は変わらず道を見つけているようだな」
「人形を卒業しました、何故か女体化した貴方様に襲われようともしましたが」
「……やめよ、我としても奴は置いてきたのだ」
何故か英雄王が遠い目をする。
それどころか何処か疲れたような。
「懐かしいですね、偽物さん」
「ギル君も懐かしゅう、所で何故お二人はつかれた顔を」
「ほぉ、我を封印したかと思えば我の財が居るでは」
「マジで何なのさ!これが僕の未来だと?!色ボケにも程がある!!」
「知るか小童!我としても何故こうなったのか予想ができん!」
「女帝、お前何処にでもいるな!」
「ふっ、シロウよ。貴様もセイバーと共に我が財と」
「「「渡さない」」」
アルトリア達と美遊、クロエが防いでる、衛宮さんはため息をついているし……
「まず言おう、衛宮士郎とかそんな名前...少なからず生前関わりがあるサーヴァントが多数いるように感じるが……まぁ、興味はない。信用しろとも、信頼しろとも言わん、俺は力を貸すだけだ。平行世界の事などどうでもいい、召喚された理由は何かに引っ張られたからだ。じゃあな」
「…待ちなさい、シロウ」
「「待て、シロウ」」
「んぐっ……」
あからさまに顔色が変わってアルトリア達から詰め寄られてる。
「大変だなぁ」
《士郎》
「……聞かせてください、貴方はシロウなのですか」
「はぁ…青い騎士王、君の思うエミヤシロウに近いのは赤い弓兵だ。俺じゃない」
「「「シロウ」」」
「アルトリア、やめてくれ」
疲れている、そう感じるのだが変わらない笑顔が嬉しくそして……
「…私は」
「セイバーさん、俺は貴女を知らない。俺が知るのはアルトリアだけだ」
だからこそ、拒絶する。
彼女は俺の知るアルトリアじゃない、俺の知るアルトリアは黒くなり、ジャンクフードと俺の手料理を嬉しそうに食べてくれる。
彼女達だ。
「……仕方ない、料理でも作ろうか」
「ジャンクか?」
「アルトリアは俺の手料理は嫌いか?」
「…好きだ」
「あの!私も」
「セイバーも食べるだろ?」
昔の、俺が衛宮士郎という人間を演じていた時の顔を向ける。
セイバーは俺に右手を伸ばし、左手でそれを引っ込める。
「……ローストビーフサンド、野菜ジュース、しかし、食堂にこんなにサーヴァントが残ってるとは思わなかった」
「坊主の飯だろ?美味えんだよな!」
「何、貴様が何れ程腕を上げたかな」
「あら、坊やじゃない。来てたのね」
「士郎!ご飯食べさせて!」
「……お兄ちゃん!」
「シドお兄ちゃん、私も手伝う?」
「良いさ、この程度なら簡単だ。舐めるなよ、晩餐会を開いて全員毒殺した事すらある」
「ゲブっ!坊主!」
「クー・フーリン、毒なんて入れてない。犬もな」
知り合いのサーヴァント達も続々と出てくる。
「あら、衛宮くんじゃ...違うわ。誰?」
「……遠坂じゃないな、神か」
遠坂だけじゃない、パールヴァティー、BBやら俺の知りたくないサーヴァントが多数いる。
「うそ…これだけの人数を一人でさばいてる」
「おかわりだ」
「アルトリア、少し早いな。予想外だ」
「何を入れたのだ、私が腹半分まで溜まっているぞ」
「昔、英雄姫から貰った調味料だ。減らないし、魔力も十分にあってな。それを使えばこの様に魔力を食事で補給するサーヴァントなら満腹感を得られる」
「そうか、だが私はまだだ」
「できた、みんなの分もだ」
机に戻り、アルトリア達が食事を始めている。
「「モキュ……モキュ……」」
可愛いな
「お兄ちゃん、手伝うわ」
「お兄ちゃん、私も手伝える」
「クロエ、美遊、なら皿洗いをしてしまおう」
「私も手伝うよ」
「貴女は…ブーディカだったか」
「えぇ、君もそうとう」
「アルターエゴよりも正直、アベンジャーの方が相応しい気がするね。何分、自分は別側面でもない、衛宮士郎に違いないのだら」
「君は、何がそんなに」
「……全てかな、俺を作り出した存在も、俺を殺そうとしてきた未来の俺も、俺を召喚したマスターも……所詮、敵でしかない。協力関係だけど、俺の大切なものを奪うすべてが敵なんだ。俺からの何かを奪うなら…俺は……そうだね。すべての敵になろうか?」
俺が放った言葉で食堂の音がなくなる。
「お母さんを殺すの?」
「へぇ……君は生まれなかった魂の集合体か……殺さないさ。敵対しなければね」
小さな少女の頭を優しく撫でる。
「泣いてるの?」
「……嫌だね、思い出すのはさ。君、名前は」
「ジャック」
「そうか、ジャック。これをあげるよ、友人がいるなら友人達と食べるといい」
元はアルトリアの食後のデザートにしておこうと思ったクッキーを渡し、離れていく姿に何処か苦しさを覚える。
「……子供は良い、善悪なんて関係ない。子供特有の純粋さがあるから。まぁ、だからこそ面倒だけど」
「ねぇ、君は………子供を殺したことがあるのかい」
「………!!!」
サーヴァントならできるはずだ。
俺は…誰とも話すべきではない。
駄目だ、思い出したくない。
霊体化させ、この場から消える。
誰にも見られたくない、嫌だ…………
英霊になっても変わらない、あの時手を掛けた子供の吐き気。
敵対者でもない、被害者だった。
エインワーズのゴミとは違う、被害者の子供。
それを殺した記憶が、思い出したくない記憶が、フラッシュ・バックされる
「くそ……」
「………ほぉ、君は?」
「サーヴァントアルターエゴ。コトミネ神父だ」
「いやはや、懐かしい顔を見たな」
「……言峰」
「衛宮士郎、君も私と同じ壊れた男だ」
「お前と違うのは、人の喜びも理解できること。同じことは人の不幸に愉悦を感じること。そして、人を殺すことに躊躇いがないのは衛宮切嗣譲りさ」
「やはり、お前は私と同じだな」
「……俺は、いや、同じだな。食べるか?」
「……頂こう」
泰山の麻婆を言峰に渡し、自分の分を食す。
考えたらこの男の義子だが、何かした覚えはない。
むしろ、ギルガメッシュと共に壊れていた頃の俺を何かと導いてくれていたとも感じる。
不思議なものである。
「衛宮士郎、君の願いは叶ったかな?」
「…さぁな」