アサシンとアーチャーの力を使うエミヤ   作:影後

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第三戦予想外の使者

「夢幻召喚(インストール)アーチャー」

 

まるで神父のような黒いハーフジャケットの様な物で何故か裸体になっている。隠されているのは乳と脇のみだ。

 

「二度とお前は使わねぇ」

 

だが、使ってしまった物は仕方がない。

俺はルヴィアとの合流地点に向かった。

案の定

 

「キャァァァァ!!!」

 

「……お兄ちゃん、近づかないで」

 

「……なんでさ」

 

「志戸様、そのファッションは些かルヴィア様と美遊様に刺激が強すぎるかと」

 

「泣きたいのは俺もだよ」

 

取り敢えず投影したマグダラの聖骸布をマント替わりに使う。なんで黒くなった俺(アーチャー)は露出狂みたいにはなったんだあのバカは。

 

「……時間だ、」

 

「速攻ですわ、開始と同時に距離を詰め、一瞬で仕留めなさい」

 

「はい」

 

「あと、可能ならドサクサに紛れて遠坂凛も葬って」

 

「なら、それは俺がやるか?」

 

冷たく言放つ、流石に二人も俺の顔を見てきた。

 

「あの…志戸様?」

 

「サファイア、驚くな。ただの冗談だ、俺が狩るのは化物と下衆のみだ」

 

干将莫耶を投影して装備する。銃剣となっているが、まぁ使えるだろう。

 

「ジャンプ……か」

 

俺達3人は鏡面世界に侵入した。

イリヤと遠坂の姿も確認できる。

 

「キャスター……ルヴィア」

 

「どうしました?Mr.」

 

「負けたな」

 

「障壁展開!」

 

ルヴィアと美遊は魔術障壁で守っているようだが、時間も無いだろう。

 

「熾天覆う七つの円環」

 

熾天覆う七つの円環を展開しながら射撃を行うが、やはりというべきか、当たり前だと言うべきか、キャスターに弾かれる。

 

「全く…度し難い」

 

「最大出力、砲射(シュート)!!」

 

美遊の放ったビームがキャスターに向けて飛んでいく、イリヤとルビーも褒めているようだ。

どうせ、無駄に終わるが。

 

「さて、Mrs.、美遊、遠坂凛、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。撤退をオススメする。コレは負け戦だ」

 

「何故ですのMr.!あれなら……」

 

「……っ!」

 

「なっ、弾いた?!」

 

「あれは…魔力指向制御平面?!まさか…これ程の規模で」

 

キャスターの竜巻に囚われる、だが俺には無意味だ。

 

「さっさと逃げろ、ボロ雑巾の様になる前にな」

 

「アンタは!」

 

「サファイアちゃん!」

 

「ルビー姉様!」

 

俺は意図的に転移陣から離れる。

 

「え!そんな…待って!」

 

美遊達が消えたのをの確認し、静かにキャスターを見る。

キャスター、彼女達との出会いも俺が衛宮士郎であった頃からの違いだろう。

葛木先生とメディアさん、出会って間もない頃はただお似合いの夫婦としか感じなかった。

俺が料理を教えたりした。

裏で何をしていようが変わらずの態度で付き合ってくれた二人が俺は好きだった。

姉と兄ではなく、まるで父親と母親に叱られている様な気分にすらなれた。

死んだ爺さんのかわり、その思いが強かったが……

 

「キャスター、俺はアンタに感謝してるさ。アンタと葛木先生が居なくちゃ俺は助からなかった。セイバーもだ、アンタと葛木先生を祝福したかった。アンタと…葛木先生は俺の……第二の両親だよ」

 

「………」

 

黒化英霊のはず、言葉も届かないと理解していたのだが、キャスターは魔術の発動をやめた。

何故か、理解できないが、俺はまるで追い出されるかのように鏡面世界の外に出た。

 

「……破戒すべき全ての符、何故俺に渡したんだ。キャスター」

 

出る瞬間、何かが懐にあった。

投影したものではなく、本物の破戒すべき全ての符。

 

「アンタは…俺が楽にしてやる」

 

 

 

「さて、ボロボロの諸君等は下がるべきではないのかね?私としてはクライアントを守るだけで精一杯なのだが」

 

「あの……貴方は?」

 

「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、先ずは自分から名乗るものだよ」

 

「え?でも……」

 

「イリヤ…そいつは衛宮志戸、なんでここに居るのかしらね?ねぇ……」

 

「ほぉ……知らん名だ。俺はアーチャー、ただのサーヴァントだ」

 

「凛さん、あり得ないよ。だって、あの堅物で女っ気がなくて、セラとリズにすらアッチだと思われてて、何時もパパに目を向けてて」

 

おかしいな、心はとっくに捨てたのに……凄い痛いよ。なんでだろう

 

「イリヤさん、イリヤさん、あれ」

 

「お兄ちゃん、大丈夫?」

 

「あぁ、俺の妹は美遊。お前だもんな」

 

「うん」

 

「な……そういえばエーデルフェルトって」

 

「ってことはまさか…」

 

「なにを考えているか知らんが、遠坂凛か………冬木のセカンドオーナーだがここで葬るのも手か?」

 

俺の言葉に遠坂の態度が変わる、俺に遠坂や皆を殺せるはずがない。なのに、彼女達に俺は衛宮士郎に見えないんだろう、もう俺は俺(衛宮士郎)じゃないんだ。

 

「ふっ…冗談だ、どうやら遠坂のセカンドオーナーは自分の立場からこのような言葉を向けられることもないほど蝶よ花よと育てられたらしい。ふふっ…いやはや実に」

 

「くっ…アンタは」

 

「しかし…キャスターが飛べるのは意外だった。いや、神代の魔術師なら飛ぶことは容易いか」

 

「そうか、飛んじゃえば良かったんだ」

 

その一言で振り返るとイリヤが飛んでいた。

あれ、飛行魔術的なのってかなり高度じゃなかったか?前に時計塔でそんなことを

 

「魔法少女って、飛ぶものでしょ?」

 

イリヤの思い込みで飛べるのなら苦労はしない。

 

「くっ!負けてられませんわよ美遊!今すぐ貴女も飛んでみせなさい!!」

 

ルヴィアが言うが当の美遊は

 

「人は飛べません」

 

それに怒ったルヴィアは俺と美遊の首根っこを引きずりながら消える。おかしい、俺は鍛えているからかなり重い。軽く80はあるのにどうして……

 

 

翌日、俺と美遊は空の上にいた。これも美遊を飛ばすためだ。

 

「……志戸様、本当にやるのですか」

 

「Mr.貴方の妹に対する信頼は素直に感激しますが………」

 

「Mrs.、サファイア、大丈夫だ。紐無しバンジーだと思えばいい」

 

「死にますから!」

 

美遊が叫ぶが俺は静かに頭を撫でる。そして、俺の所持するクラスカードを美遊にルヴィアにバレない様に手渡す。

 

「待って…本当に待って」

 

「美遊、これで俺を守る物はない。Mrs.先に逝くぞ」 

 

「お兄ちゃん!!!」

 

ヘリコプターからダイブする。ここで美遊が飛べなければ俺は死ぬ。

固有時間制御で伸ばしても地面につくまで大体10秒台。

 

「駄目……嫌だ、お兄ちゃん」

 

「美遊様!志戸様を殺す気ですか!速く飛ばないと!!!」

 

「お兄ちゃん!!!!」

 

着々と地面が近づいている、今見えたヘリコプターから飛び出す美遊が。

 

「…もう、遅いな」

 

こうして死ぬのか、馬鹿みたいだな

 

「お兄ちゃん!!!」

 

泣くなよ、おかしいな。俺じゃない俺(衛宮士郎)の妹の筈なのに……まるで天使に見えてしまう。

 

「飛べたじゃないか」

 

「あっ……」

 

だが、その時間が一瞬で終わった。

恐らくは火事場の馬鹿力のようなものなんだろう。

 

「あれ、志戸お兄ちゃん」

 

「コレは……禁断の恋ですよ!イリヤさん!魔法少女とそれに救われた一般人!あの娘は誰か?と空想したら偶然学校でばったりと」

 

(美遊、すまない。俺は寝る。イリヤに気付かれる訳には行かないんでな)

 

「えっ…どういう」

 

俺は固有時間制御で自身の肉体活動をむりやり加速させ、疲労困憊の状態にする。

 

「あの…美遊さん?」

 

「この人、気絶してた。貴女の家族?」

 

精一杯、美遊はそう言ってごまかす。

家族、最愛の人。一緒に暮らして、自分を守ってくれる人。

それをあたかも、他人かのように扱うのは心が痛かった。

案の定、俺は衛宮家に連れて行かれた。

その頃には疲労も回復しており、すぐに起きる。

 

「志戸お兄ちゃん」

 

「イリヤか」

 

頭を軽く撫でてやる、イリヤに愛情を与えられるのは俺じゃない。俺にとってイリヤは姉なのだ、俺の知らない切嗣を知っていて、俺が守れなかった存在。

 

「志戸、武家屋敷ではなく此方で」

 

「セラさん、俺に居場所はないよ」

 

「志戸!」

 

美遊とイリヤは魔法少女のアニメを見ている。

さり気なく、家を出るとリズが懐かしい服装で武器を構えていた。

 

「志戸、お仕置き」

 

「どうしたんですか、リズさん。そんな玩具を」

 

いや、確信しているんだろう。だから、俺にレアメタル製のハルバートを振り下ろしてきた。

明確な殺意、だからこそ俺は動いてしまった。

 

「固有時間制御二重加速」

 

「それ、旦那様の魔術。何処で習った」

 

「……」

 

「志戸の秘密主義、治す」

 

「ならリズには見せるよ。初めてだ、人を飲み込むのは。

『I am the bone of my sword

 

(体は剣でできている)

 

Steel is my body,and fire is my blood.

 

(血潮は鉄で心は硝子)

 

Standing on many corpses

 

(いくつもの屍の上に立ち)

 

Imprisoned for eternity

 

(悠久に囚われる)

 

Still I seek meanin in my life

 

(それでも我は生涯に意味を求める)

 

That’s my why this body

 

(だからこそ、この体は)

 

”Infinited sword works”

 

(無限の剣でできていた)』」

 

「……固有結界」

 

「わかるだろ、リズ。俺の邪魔はしないでくれ」

 

リズを気絶させ、衛宮家に戻る。

『顔のない王』を投影し、姿をくらましながら進む。廊下に座らせるようにして、俺はまた消える。そして、戻るは武家屋敷だ。

 

「来たわね、まさか…ここまでアナタが優秀だとは思わなかったわよ」

 

「どうやら、とことん俺の邪魔をしたいようだな。遠坂は」

 

顔のない王を剥がした瞬間、ガンドが飛んできた。懐かしい、聖杯戦争のときのような苦しみが俺を駆け巡っている。

 

「冬木のセカンドオーナーとして、聞かせてもらうわよ。衛宮志戸、貴方の秘密を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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