隣の部屋の前に黒ずくめがいたから金○を蹴り上げてやった   作:ハッピーエンド大好きクラブ

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闇の底から救いあげて

 

 

きさらぎ @UVpgj54

今ガチガチファンとして言わせてください。

あなたは最初から影が薄いままで何事もなく終わってくれれば良かったのにどうして虎次郎くんの顔に傷を付けて終わるんですか?

今まであなたと虎次郎くんを応援していたのに心の底から軽蔑します。

本当に番組の迷惑。#今ガチ#黒川あかね

 

 

MAGO @k24gptja

底辺アイドルのままで終わってくれたら良かったのに。

手をあげちゃったらもう人生終わりですね(^3^♪

二度と人前に出てこないで下さい。

#今ガチ#黒川あかね#番組辞めろ

 

 

こんなの氷山の一角 @konnne2gqt

あかねは屑。きっとカメラ回ってないところでは虎次郎に酷いことをやってるに決まってる

#今ガチ#黒川あかね#屑

 

 

赤信号 @signalRedVL

黒川あかね、ナチュラルに性格悪い

人間性が腐ってる

 

 

虎次郎ガチ恋勢 @qnda5t47

まず黒川あかねは第一印象が生理的に受け付けられない。劇団ララライで若き天才とか呼ばれているけど本当は演技なんて虎次郎さんの足元にも及ばないし、なんならそこら辺の素人よりも酷い。

ドブネズミの癖に役者やってますなんてゴミ以下のプライド引っ提げて生きてることに本当に腹が立つ。

なんでお前みたいな屑が虎次郎さんの愛らしい肌に傷をつけてんだよ。ふざけんなよマジで。死ね。汚らわしい豚が。

#今ガチ#黒川あかね#番組止めろ

 

 

びゅーき @2yic9mfh

最初から今の今まで超面白かったのにお前のでしゃばりのせいで一気に萎えたわ。ただただ虎くんが可哀想。早く消えたらいいのね!(笑)

 

 

ALIia @CPlfCRX

事故と見せかけた悪意ある犯行。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

 

 

S・S @mTpqMbj

今ガチ見てて一番不愉快だった。こりゃ虎次郎のファンもブチ切れて当然だよ。今後の活動に支障が出るかもしれないんだから。

 

 

赤ミモザ @G24nnA3q

女ってお前みたいなやつばっかりだよな。マジでキモい。さっさと消えてどうぞ。

 

 

 

 

 

──────やっぱりと思った。

事故とはいえ虎次郎君の頬に怪我をさせてしまったことをネットは許さなかった。

ちゃんと謝れば許してもらえると思って謝罪ツイートを投稿すると、それが合図のように私への批判は大きくなった。

 

始まりは虎次郎君のファンを名乗るユーザーが私を罵倒するツイートをして、それに感化された人達が拡散していって…………虎次郎君のファンの人達が炎上を起こした。

こうなって当然だ。だって私は虎次郎君に怪我をさせてしまった。

 

事故だったことを主張しても、「怪我」をさせたことは本当のことだから。私の謝罪なんて言い訳にしか聞こえない。

 

私は悪いことをしたから当然だ。これは皆の意見。目をそらしちゃダメだ………………。

私は批判の意見もできるだけ目を通した。

 

 

 

 

 

 

炎上は、真面目な子ほどダメージが大きい。批判は自分の価値観にそぐわなかった人間の腐った言葉だ。

気にしなくていいし、わざわざ時間をかけて目を通す価値すらない。

黒川あかねは真面目にも全ての意見を真正面から真摯に受け止めようとした。

 

だから、精神が少しずつ擦り減っていく。

 

目を瞑れば炎上のことしか考えられなくなって、朝になれば全部収まっていると自分に言い聞かせて強引に眠る。

 

そんなことがあるはずもなく、理不尽な現実を突きつけられる。

食事も喉を通らなくなっていき、母親が声をかけてくれるがあかねは大丈夫だと虚勢を張る。

今の現状を知られてしまったら、きっとショックを受けるから何も言えない。

 

批判は関係のない母親や事務所にも飛び火する。学校へ行ってもクラスメイトの陰湿な陰口や冷たい視線が向けられて、あかねはなんでこんなことになったんだと何度も呟く。

 

番組が注目される限り炎上は沈静化なんてしないし、これからの芸能生活にずっと付き纏う問題になる。

 

洗面所の鏡に写る自分の顔はまるで死人のように生気が見られなかった。眠れない日が続いて目の下には隈ができているし、頭の中には自分を罵倒する人達の声が聞こえる。

 

あかねの精神は、もう崩壊寸前にまで追い込まれていた。何もする気が起きず、スマホを覗けば罵詈雑言の嵐。

 

「………………………電話……」

 

誰かから通話がかかってきた。確認してみれば相手は虎次郎からだった。そういえばあの収録から会ってないし、連絡も取り合ってない。

 

あかねは無意識に通話を始めていた。スピーカーの奥からは虎次郎の心配そうな声が聞こえた。

 

『黒川、炎上のことなんて気にすんなよ?ありゃぁわざとやったことじゃねぇんだからな。一回現場に顔出してくれよ。皆も心配してる。ていうかお前、ちゃんと飯食ってんのか?』

 

「虎次郎君……………ごめん…………私のせいで」

 

『だーかーら、謝んなって言ってんだろ。たくっ、お前はなんも悪くねぇんだから』

 

「もう────疲れた」

 

『────は?おい、黒川。お前変なこと考えてんじゃねぇだろうな』

 

窓に打ち付ける雨。天気予報では台風が来ているから外出は控えたほうがいいと言っていた。

外はバケツをひっくり返したくらいの大雨が降っていて、風も激しく吹き荒んでいる。

外には出ないほうがいい。けれどよほどの理由があるなら、別に構わないだろう。

 

あかねはもう冷静な判断ができないでいた。

 

『おい黒川!返事しろ!それだけは止めろ!テメェを嗤う奴等の思うツボだ!おい、聞こえてんだろ!あかね!おい!!』

 

虎次郎は優しい。あかねを引き留めようと必死に叫んでくれる。

あかねは涙を流して最後の言葉を遺す。

 

「ありがとう虎次郎君…………さようなら」

 

『クソッ────!!!!』

 

あかねは下に降りて母親に気づかれないように外へ出た。近くのコンビニへのルートに歩道橋がある。

そこから飛び降りれば車に轢かれて即死するはずだ。

きっと死んでも誰も悲しまない。邪魔者が消えたくらいで、逆に喜ばれるくらいだ。

 

歩道橋の階段を登り、手すりの上に立ってどの自動車に当たれば楽に死ねるかを考える。

向こうから走ってくる大型トラックが見える、あれだ、あれにしよう。あれなら一瞬だ。

死のうと決めたら何故か涙がとめどなく溢れてくる。

足が震える。背筋が凍りついて息がうまく出来ない。

 

一歩だ、たった一歩前に踏み出せばそれだけで全部終わる。

 

「私……………なんのために役者になったんだろう…………」

 

あかねは前に踏み出そうとした────

 

「あかね────!!」

 

虎次郎の絶叫が激しい雨音を貫いて耳に届く。あかねは落ちる寸前で踏みとどまって、声がしたほうへ顔を向けた。

 

「来ないでっ!!!!!」

 

そう叫んでも、虎次郎が立ち止まることはない。

 

「──────馬鹿野郎がぁ!!!!」

 

「来ないでって言って────あ」

 

足が滑って、体が手すりの底へ引っ張られていく。自分が望んだことなのに、あかねの心には恐怖が湧き上がった。

 

死ぬ。確実な死がゆっくりと迫る。あかねの脳裏に浮かんだのは、クッキーをあげたときに子供みたいに喜んでいた虎次郎の笑顔だった。

 

「────ぁ──────」

 

「あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"!!」

 

道路へ身が投げ出される直前で、虎次郎はあかねの手首を掴んだ。そして力の限り引っ張り寄せる。

 

「あっぶねぇ!!あー、あぶねぇ!!マジでギリギリだったな……………!」

 

引きずり戻されたあかねは安堵している虎次郎の顔を見つめる。

死のうと思ったのに、邪魔された。それも憧れの虎次郎に。

あかねは涙を堪えて今まで我慢していたものを思い切りぶち撒ける。

 

「なんで邪魔したのっ!私のことなんか何も知らないくせに!そんなつもりはなかったのに私が悪者になって叩かれて!炎上して、謝っても謝っても許してくれなくてお母さんやマネージャーも批判されて、ありもしないことを散々言われて!学校でも独りぼっち!友達みんな私から遠ざかっていって!なんで私に優しくするの!?こんな私に…………私なんか…………死ねばいいのにっ!誰も困らない!誰も悲しまない!虎次郎君だって私が居なくなっても────」

 

────ぎゅっと抱き締められた。ぶち撒けていた言葉が止まって、我慢していた涙が頬を伝って流れ出す。

 

「ごめんなぁ………なんも気づけなくて。辛かったよなぁ苦しかったよなぁ…………そりゃ死にてぇって思うよな…………でもさ、お前は大事な友達だから、死んでほしくないんだよ。嫌なこと全部、俺にぶちまけていいからさ、こんなことはもう止めてくれよ」

 

絶対離さないと言わんばかりに力強く抱きしめられたら、自殺なんて考えが頭の中から自然と消え去っていく。

 

「私…………最低だ…………君に…………八つ当たりして…………」

 

「いいよ。お前が生きてりゃそれで」

 

「ちょっと君達!何してるんだそんなところで!危ないでしょう!」

 

近くを巡回していた警察官が駆けつけてきた。虎次郎はあかねから離れて立ち上がる。

その時、あかねは虎次郎が靴を履いていないことに気がついた。

それに傘もないしポンチョも着ていない、虎次郎は通話を切ってから急いで家を飛び出した。

 

 

────あかねを助けたい一心で。

 

 

涙が雨と一緒に流れていく。虎次郎はあかねへ手を差し出す。

 

「ほら、行こうぜ。こっから忙しくなるだろうし」

 

「うん……………」

 

手を握る。雨が降って、風が強く吹いていて体は氷のように冷えているのに、虎次郎の手のひらは温かった。

 

 

 






シリアスはこれで終了だ。ここからあかねの虎次郎依存ルートが始まります。
そりゃもうドロッドロに依存しますよ、ええ。
で、なんとお気に入り登録者数が2000人を突破したぞぉおお!!
みんなありがとうー!!!!


次回の更新はかなり遅くなると思います。首を長くしてお待ち下さい。

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