隣の部屋の前に黒ずくめがいたから金○を蹴り上げてやった   作:ハッピーエンド大好きクラブ

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新生B小町、センター争奪戦勃発!

 

 

「あーあ、今ガチおわってもうたな〜」

 

寿みなみは残念そうな声色で隣の席のルビーへ話し掛けた。

実際学校では「今ガチ」の話題で持ちきりだ。ついに虎✕あかがくっついたことで女子達が熱を上げている。ルビーはというと、虎次郎に彼女ができたことは嬉しいけど同時に寂しさを感じて複雑な心境だった。

 

話を続けているとそこへ不知火フリルが入ってきた。どうやら彼女も「今ガチ」を観ていたようだ。

 

「イケメン美女だらけでほんと目の保養だった」

 

「目の保養!?」

 

クールな彼女からは考えられない発言にルビーは声を荒げてしまう。

 

「トップスターもそんなこと言うんやなぁ」

 

「顔が良い人が嫌いな人なんていないでしょ?本当に目に良かった。多分視力0.5ぐらい良くなったと思う」

 

そして口にすることが面白い。フリルは個人的にMEMちょの乙女ヅラが見たかったと続ける。彼女のプライベートな一面が垣間見えたことにルビーは驚きを隠せない。

 

「虎次郎さんとアクアさんの知り合い目線もあるかもだけど凄く楽しめた。虎✕あかは超ドキドキしたし、くっついて本当に良かった。多分みんなもそうなんじゃないかな」

 

フリル目線だと学校で一番イケメンなのは虎次郎とアクアで同列らしい。

ピュアさも加えると虎次郎が圧倒的に勝利するみたいで、フリルは「あの可愛さは反則」と真顔で口にした。

 

「二人共かなりモテてるみたいやで」

 

「普通科でも気になってる人はいるみたいだから、アクアさんに彼女が出来るのも時間の問題かも」

 

「えぇ……………なんかムカつく」

 

言われてみればアクアの容姿はかなりレベルが高い。アイの血が流れているから当然と言えば当然なのだが…………その点ルビーは母親に似てモデル顔負けの顔の良さとスタイルを引き継いでいる。

もしもアクアに彼女ができたら、考えただけでもゾッとする。

 

「今ガチ」の注目度はかなり高くて、アクアの今後に関わる大きな番組になったのは否めないが、それは新生「B小町」にも大きな影響を与えた。

人気ユーチューバーにしてインフルエンサーのMEMちょの加入により、新生「B小町」公式チャンネルは凄くソレっぽい動画を作れるようになった。

まだ自己紹介動画程度しかアップできていないが、ライブ配信などで着実に登録者数を伸ばしていく。

 

楽曲周りなどは壱護社長が知り合いのアーティストにお願いしているみたいだが、B小町にはアイが活躍していたときの楽曲が多く残っている。

MEMちょの提案で過去の曲の振り付けを練習することになった。

 

「アイドルのお仕事その1!アイドルの華であり最もシンドい部分!ダンスのフリ入れ始めるよ!」

 

過去のB小町がリリースしたフリ付きの楽曲は30曲もある。

レッスン室でルビー達はライブ映像を細かく確認しながらフリ付けの練習を始める。

休憩を挟みながら2時間ほど練習を続けて、かなはため息をつきながら廊下へ出た。

 

「はぁ…………ドルオタ二人のモチベーションにこっちは合わせられないってのよ」

 

二人と違ってかなにそこまでモチベーションはない。

 

「なんでアイドルやるなんて言っちゃったんだろう」

 

「有馬、おつかれ」

 

後ろからアクアに声をかけられた。ポカリスエットを渡されて、かなは「ありがとう」と礼を言う。

 

「フリ付けの練習はしないのか?」

 

「そこまでやる気ないわよ。何事もモチベーションが大事なんだから」

 

「けどフリ付けは必要だろ。有馬は顔が可愛いだけじゃなくて、飲み込みも早い。俺としては頑張ってほしい」

 

「────ッ。しょ、しょうがないわね!そこまで言うならもう少しだけ頑張ってやろうじゃないの!」

 

貰ったポカリを半分ほど口にして、かなは立ち上がる。さっきまで沈んでいた気分が一気に急上昇してかなはやる気に満ち溢れた。

レッスン室に戻ったかなを他所にアクアは心の中で「ちょろ……」と呟く。

 

フリ付け練習は順調に進む。そんなある日、MEMちょのスマホへとある人物からメッセージが届いた。

 

「「ジャパンアイドルフェス!?」」

 

「うん。今ガチでお世話になったプロデューサーがコネあって……興味があるなら捩じ込んでくれるって」

 

とある人物とは鏑木Pのことだ。彼が来月開催されるジャパンアイドルフェス、通称JIFに新生「B小町」を出すつもりでいるようだ。

 

「無理無理無理!全然準備出来てないじゃない!私達みたいな新参者がいきなりそんな大きなステージ……」

 

「やろやろやろやろ!」

 

JIFはそこらのアイドルが何年も必死に活動してやっと立てる舞台。

なんのキャリアもない新生「B小町」がいきなり大きな舞台に立ってしまえば間違いなくコネだと気づかれるだろう。

周りのアイドルから妬みを買うことになるし、何よりも「B小町」として認められるかが怪しい。

 

慎重派のかなは大きなリスクを背負ってまで出る必要はないことを述べる。

しかしMEMちょはどっちに転んでも世間に与える影響力はあることを口にした。

あの伝説的アイドルグループ「B小町」が新規メンバーで復活したとなれば、かつてのファンを大量に獲得できるかもしれない。

 

どちらにせよ、出る価値はある。

 

「はー………やるっていうならやるわよ。これも仕事だし」

 

「「よし決まり!!」」

 

そうなると、ハッキリさせなければならないことが一つ浮上する。

 

「じゃあ、B小町のセンターを誰にするか。これを決めないとだね」

 

新生「B小町」のセンターを誰にするか。今から時間をかけて話し合う。

 

「それってそんなに大事?誰でも良くない?」

 

「「大事だから!」」

 

「センターってのはアイドルの花形!」

 

「歌って踊れて可愛い子が立つグループの顔!」

 

一番大事なポジションとMEMちょとルビーは口を揃える。

案外仲のいい二人に対してかなは誰にするのかを質問した。

 

「べっ……べつにやりたいわけじゃないけど…………皆がどうしてもって言うならぁ…………」

 

「やっぱりここは年の功なのかなぁ。やりたくないけど私の人生経験がグループを一つに…………」

 

「どっちもめちゃくちゃやりたそうな顔してるわよ」

 

かなのツッコミが決まったところで新生「B小町」のセンター誰にするか問題は全く話が進まず、論点がズレてかなが子役時代にリリースした曲「ピーマン体操」の話になってしまった。

このままでは埒が明かないと判断したルビーは、虎次郎へ救援要請を発信する。

今日は休日だし、この時間帯なら家で寛いでるはずだ。

 

「もしもし虎!急にごめん、今すぐ事務所に来てくれる?頼みたいことがあるの!」

 

『あー、可愛いルビーちゃんの頼みでも今日は無理だぞ。今黒川とデー……黒川の買いもんに付き合ってっから』

 

『虎次郎君、誰から?』

 

『ああ、俺の妹みたいな奴からだよ』

 

『──────は?』

 

突然通話が切られた。ルビーは頼みの綱だった虎次郎からの助けは来ないことにちょっとだけ絶望する。

 

「くっ………!こうなったらカラオケの点数で高い方がセンターやるってどう!?」

 

「望むところだ!」

 

結局新生「B小町」のセンター誰にするか問題はカラオケで決めることになった。

大事なポジションをそんな簡単に決めていいものかとかなは疑問に思うが、やる気満々の二人を見てもう考えないようにした。

 

 

 

 






現在虎次郎はネットやユーチューバー等で「ピュア次郎」との愛称で存分にいじられているようですねぇ。
明美は毎日「ピュア次郎」のピュアなシーン集なる動画を視聴して心を癒やしております。
本人に「愛してる」って言えればいいのにね。多分ピュア次郎が死んでも言えないかも。

それはそうと次回は虎次郎とあかねのデート回です。あかねのドロドロした一面が出るので皆さん注意してください。
次回をお楽しみに。

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