隣の部屋の前に黒ずくめがいたから金○を蹴り上げてやった   作:ハッピーエンド大好きクラブ

2 / 44

細かいことは気にすんな!!考える前に感じろっ!!
星野家が幸せならそれでいいだろみんなぁっ!!



妖怪重曹ペロペロ女

 

虎次郎がアイの自宅前にいた不審者の金○を蹴り上げ、木刀で殴りまくって沈黙させた日から数年。

超人気アイドルグループ「B小町」解散を告げるネット民を震撼させる大事件が起きた。解散理由はもう十分にアイドルとしての役目を果たしたと。

ニュースに報道されるや否や解散に否定的な意見やまだまだ応援していたいとの言葉が事務所に大量に届いた。

中には解散に肯定的なファンもいたがそれはごく少数。

 

アイドルグループが解散となると、メディアやマスコミが大体的に取り上げる。

 

 

それでも東京ドームで行われた「B小町」解散ライブは史上最多動員数を記録し、ファンに惜しまれながらもめでたく解散となった。

アイドルを引退したアイは事務所の正社員に就職し、芸能界から姿を消した。

また時は流れ、アクアとルビーは高校受験を控えた中学3年生に。

 

ルビーは母親と同じアイドルを目指すと口にし、苺プロダクションと契約を結んだ。

アクアというと、具体的な将来はまだ決まっていない様子。

 

クラスメイトの虎次郎は、母親から大反対を受けつつもやはり役者を目指すようだった。

 

「アクア!俺と一緒に役者目指そうぜ!」

 

アクアの机に片足を乗せて二時の方向へ指を差して声高らかに叫ぶ。

 

「お前はもう片足突っ込んでるだろ」

 

なにしろ昨日から放送されたアクションドラマ「ディアボロ〜特別犯罪対策処理班〜」に虎次郎は主人公の相棒役として出演している。

犯罪を犯す者、犯した者でも生きるチャンスはあると正義を信じて戦う主人公秋津正義。

主人公とは正反対の、犯罪者は生きる価値なしと命を奪う虎次郎演じる悪鬼羅刹。

 

相反する二つの正義が行き着く先は………といった物語だが、緊迫感伝わるアクションシーンがこれでもかと盛り込まれており、ド迫力の肉弾戦に視聴者は度肝を抜かれるだろう。

実際視聴していた星野一家はエンディングになるまで口をぽかんと開けて見入っていた。

 

「ていうかよく母親から許可もらえたよな」

 

「意外と息子の涙には弱いからなあのクソババア」

 

虎次郎は母親を泣き落としてドラマ出演の許可を貰ったのだ。

 

「ドラマが人気になったら俺が陽東高校受験するって言っても文句言えねぇしな」

 

「将来有望な役者をみすみす手放すわけにはいかないだろうしな。俺は一般科かな」

 

「なんでだよ!俺と一緒に芸能科入ろうぜ!俺達ならすんげぇ役者なれるってアクア!」

 

虎次郎は知らない。アクアが何故役者になることに乗る気ではないのかを。現実は厳しい、目の前に絶対超えられそうにない壁がいては特に。

嫉妬…………妬みでもない、単純に夢を諦めさせる程の実力を虎次郎は持っていた。ただそれだけのことだ。

 

「役者になっても、俺はお前みたいに上手く演じられないよ」

 

子役時代から付き合いのある五反田監督の作品に端役として何本か出させてもらって分かったこと。

自分には演技の才能がない。頑張ってるが売れない役者という世の中に腐るほど居る人間の一人でしかない。

 

「俺はアイみたいに特別な才能がない。不相応な目標は持つべきじゃないんだ」

 

机から足を下ろした虎次郎は今度はドカッと乗っかった。

 

「役者なるのに才能がいるのかよ。違うだろ、なりたいって気持ちが大事なんだろうが」

 

「………………」

 

「覚えてるか?園児だったとき、クソババアに夢否定されて、泣いてた俺にお前はこう言ってくれたじゃねぇか」

 

──────夢は諦めなきゃ叶うよ。才能なんかなくたって、強い意志さえあれば。

 

アクアは朧気な記憶を思い出し、そういえばそんなクサイ台詞を言ったっけなと頬を掻いた。

 

「俺さ、すっげぇ励まされたんだぜ?お前のおかげで、誰にどんだけボロクソに言われようが役者の道進むって決めたんだ。才能がない?努力しても成功しない?んなもんそうなってから文句言えよ。第一お前は」

 

右手でアクアの両頬を挟み、俯いていた顔を無理矢理上げる。

 

「役者になりてぇって顔してるぜ?アクア」

 

図星を突かれたような変な感覚が背筋に走る。

 

そうだよ、そのとおりだよ。俺は役者になりたい、お前のような人を惹き付ける役者に。

アクアは歯を食いしばって、やっと本心を打ち明けた。

全部しっかり聞いた虎次郎は満面な笑顔になって拳を突き出した。

 

「お前の夢は俺の夢だ!俺たち二人でスーパースターになろうぜ!目指せハリウッド進出!」

 

「夢が肥大化してってないか?」

 

「いいじゃねぇかっ!夢はデカけりゃデカいほど叶え甲斐があるってもんよ!」

 

「そうだな。いっちょ頑張るか」

 

「おう!その意気だぜ、アクア!」

 

拳を突き合わせた二人は最後にこれでもかと笑い合う。

 

 

 

「ただいまー」

 

「ママただいまー!」

 

家に帰るとアイドルから母親に戻った星野アイが嬉しそうに「おかえり」と言って抱きしめてくれる。

これは虎次郎が守ってくれた幸せだ。あの日、もしも虎次郎が遊びに出かけていなかったらアイは不審者に殺されていた。

 

だからこそ、虎次郎には夢を叶えてほしい。その夢を叶えるために、自分が必要なのなら。

 

「母さん、俺…………役者目指すよ。虎次郎と一緒に」

 

「アクア…………うん!それがアクアのなりたい夢なら、お母さん全力で応援するよ!」

 

「え!?嘘っ、お兄ちゃんズルい!私まだ夢叶えられてないのに!」

 

「ルビーは歌が下手だからこれから頑張らないと」

 

「うぐっ!?ママ……鳩尾に鋭いボディーを」

 

ルビーはノックアウトされた。

 

 

 

 

一瞬の間にやってきた高校受験。虎次郎、アクア、ルビーの三人は日本で数少ない芸能科がある陽東高校を選び、そこへ受験を受けた。

 

「くそっ!噛んだ、自己紹介で噛んだ!やっべぇ、ルビーちゃん俺落ちるのかなぁ!?」

 

芸能科面接会場で少しでも印象を残そうと張り切った虎次郎はやる気がから回って自己紹介のときに盛大に舌を噛み、床をのたうち回った。

そこからはもうぐだぐだで、立川明美の息子という点と偏差値が60あるという二点にしか大した反応を貰えなかった。

虎次郎はもう落ちたも同然とルビーの足にしがみついて泣き出す始末。

 

「お前すげぇ緊張してたもんな」

 

アクアは笑い出すのを我慢しながら口を開く。

 

「撮影とは違うもんだなぁ……ルビーちゃんとアクアは偉いよなぁ、一言も噛まずに面接いけたんだから」

 

「多少の違いはやっぱりあるよな。あといい加減ルビーから離れろ」

 

「ぬぐぐぐっ!お前が落ちる理由って名前くらいしかないもんな!」

 

「あはは!確かに、本名アクアマリンだもんね。皆面倒くさがってアクアって呼ぶけど」

 

「────────アクアマリン」

 

三人の横を通り過ぎた女子生徒がアクアの名前を呟いて振り返った。

 

「星野アクア!?」

 

とても驚いた表情でアクアの名前を何度も口にして近づいてくる。

とうのアクアは彼女が誰だがわからないようだ。

 

「誰だっけ…………」

 

「あっ、あれじゃない?重曹を舐める天才子役」

 

「十秒で泣ける天才子役!映画で共演した有馬かなよ!」

 

即座に訂正を入れる元天才子役の有馬かな。アクアとは子役時代に五反田監督の作品で共演したことがある。

まさかこんなところで再会するとは思っても見なかった。

 

「妖怪重曹ペロペロ女じゃん」

 

「「ブッ────!」」

 

虎次郎の一言に双子は同時に吹き出した。

 

 

 

 






虎次郎が出演した「ディアボロ〜特別犯罪対策処理班〜」はCRISISとSPを足してアクションシーンを倍プッシュしたような感じ。一癖も二癖もある役を完璧以上に演じて中学生とは思えない身体能力で肉弾戦をこなした虎次郎は主役を喰らう悍ましさを見せた。
続編が期待されているけど虎次郎はもう出る気はないみたい。
母親は息子に役者になってほしくないけど嫌われたくないから強く押されると首を縦に振ってしまう。因みに息子の演技は心の中で大絶賛してます。


あかねにドロッドロに依存される展開を早く書きたいぃい!!!!
あかねが推しなやつ感想で教えろ!!俺は好きすぎてあかねしか考えられない!!
送ってくれた感想は気が向いたら返信します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。