今までもそうだったのですが、先が分からなくなってから、話を強引に畳んで、そして公開を止めるという事をけっこうしてきました。
あんまりよろしくない気分でもありますが、とはいえ私自身、なかなか本命の長編とは別にネットに麻雀小説を上げるのは、ハードルが高い事でもありました。
この数年で多少は成長しているつもりですが、まだ麻雀は難しいです。
そういうわけで、この小説は消去はしませんので、今あるままで、引き続きお楽しみください。
またきっと、ほぼ間違いなく、麻雀小説は書くでしょう。
また、よろしくお願いいたします。
両軍の残りライフ。
清澄軍:189万点
赤木軍:195.6万点
急遽、清澄軍の本丸、宮永咲が卓に入る事になった。
「まあこんな、必然とか故意とか、私が言うのも変かも知れませんが」
卓に着く前、宮永咲はそんな事を言っていた。その意味、とは。
第二回戦。
起家:赤木しげる
南家:井川ひろゆき
西家:片岡優希
北家:宮永咲
赤木しげる、配牌。
{12345689中中北南東}
「チー」
赤木しげる
{横789}
一見役が無さそうな789の仕掛け。それでも無い訳はないんだから、片岡優希は想像する。この鳴きからあり得るもの。赤木しげるの手の内。まず一通。次に三色。その次あたりが、役牌かチャンタ系。ただし、これらは複合しうる。ドラが{2}である事も考えると、ソーズ。この色が絡んでいただけで、飛躍的に得点は上がってしまう。
8巡目、片岡優希。
{②②③④④999九九九東中} {東}
一盃口のテンパイ。しかし、待ちは悪い。それに、この手は一手変わりで四暗刻になる。
「リーチ」
{横中}
「ロン」
赤木しげる←片岡優希
{123456中中東東} {中} {横789}
「中ホンイツ、一通ドラ1。満貫」
後ろで見ていた原村和。
「今のはダマテン……じゃ、ないんでしょうか……」
竹井久は答える。
「いいえ、今のはリーチよ。優希はあれでも良い流れ。東場だものね。赤木さんに切り切れない役牌に苦しんでいたところに、{東}が重なってのテンパイが入った。ならばあそこはリーチ。勝負に行くべき{中}切りのケース。もし重なったのが逆で、{東}が吐き出されていたら、赤木さんの手はダブ東が付いて跳満だった。だからあの{中}は仕方の無い放銃。それに……」
ダマテンというのはあり得ない。そう久は言う。何故か分かるか?和に問う。そして。
「一盃口で浮いていた{③}は、生牌だった」
あっ……
「宮永さんのカン材……!」
「そ。どのみち四暗刻を待っても、その時に吐き出される{③}で咲がカン。そして嶺上でアガリ。流石に咲は赤木さんの高打点には気付いている。だからいくら安くても、味方からでも、そうなってしまったらあがらない訳にいかない」
一本場……!
「カン」
{裏77裏}
{裏裏五5裏裏裏}
惜しい。カンドラ乗らず。そして嶺上も無し。咲の暗槓は空振りに終わる。
流局。
「ノーテン」
「ノーテンです」
全員ノーテン。親が流れて、東二局二本場。
ひろゆきの親番!ここが勝負所!
「チー」
井川ひろゆき
{横③②④}
「チー」
{横五六七}
「ツモ」
井川ひろゆき
{6788⑥⑦⑧} {5} {横③②④} {横五六七}
「500は2500オール」
三色など全く必要無い。着実に積み棒を取りに行く。
勝負所だったひろゆきの親番。しかしまず一本先制を取られてしまう。
次こそ!三本場!目指すは流局!それも、親ノーテンでの流局!
四巡目。
「リーチ!」
片岡優希、リーチを宣言。
捨て牌
{北一二横四}
まず本命は{三}-{六}。そう考えると、この早いリーチに対しては比較的対応がしやすい。
しかし、その赤木たち、いや、赤木は違ったとしても、特にひろゆきの弛緩していた考えを、咲が、砕く。
打{六}。リーチの一発目に打{六}。
え……?
分からない。攻めている?宮永咲は攻めている?ひろゆきの手牌には{七九九九九}があった。{九}が四枚見えているから、一応スジの{七}は安全度が増している。それに、この形、できればカンはしたくない。ならば、{九}をのちのち一枚外すか、あるいは、暗刻と順子の{七八九九九九}の形にできなくもないが、そんな強引なカン{八}は待ちたくない。
ひろゆき、打{七}。
「カン」
「えっ?」
宮永咲←井川ひろゆき
{七横七七七}
{裏裏白白裏裏裏}
片岡優希のリーチを後押しする大明槓。しかしここでも、咲、嶺上開花は成らず。
さすがにこれを受けて、ひろゆきは降りる。そして、流局。すると。
「テンパイだじぇ」
片岡優希
{四五122334789發發}
え……?
アガリを見逃してのフリテン待ち?{三}-{六}……?
ひろゆきは考察した。確かにこの麻雀。味方からの出あがりの意味は薄い。だから思い切ってフリテンリーチ?両面ならどうせ引けると思った?いや、一応、自分だったらそうするかと考えた時、そうならなくもない理由が存在した。まず、この手はリーチドラドラ。{發}が雀頭だからピンフは付かず、出あがりでは5200点。ツモで初めて満貫になる。そういうことか……?
いやいや。
「そんなんじゃ、ないじょ。きょーたろー、タコスを持ってきてくれ」
この局の命題は、親のひろゆきをノーテンにして流局する事だったのだ。
よって、次。片岡優希の親番。
点数状況。
赤木しげる:33500
井川ひろゆき:31500
片岡優希:13500
宮永咲:21500
この状態で優希の親。東三局、四本場。
「ロン」
片岡優希←井川ひろゆき
{①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑨⑨一三} {二}
「3900は……15900だじぇ」
そう。目標、標的はここにあったのだ。
咲が入って、清澄軍は確実に強化された。もっとも、その全貌は、未だ明かされず。
実らない嶺上開花。咲のテンパイ前のカン。謎めく麻雀。戦いは続く。