清澄軍:10枚(10万点) 赤木軍:16枚(18万点)
清澄軍VS赤木軍の戦い。試合は二回目の半荘の東二局に入る。親は井川ひろゆきである。
親:井川ひろゆき
南家:原村和
西家:片岡優希
北家:赤木しげる
「ツモ」
赤木しげる
{1234445679①②③}{8}
「ツモ一通ドラ3。跳満」
赤木、順当に不要牌を整理していった結果、最高の形を引き入れ、3000.6000のツモアガリ。
点数状況
井川ひろゆき:19000
原村和:22000
片岡優希:22000
赤木しげる:37000
次局、原村和の親番。東三局。ドラは{9}
原村和、配牌
{1299①③一三七九西西北}
ブロックを六ヶ所持ったチャンタ系統の配牌。もしこれを、最大限に高望みするなら、リーチ、チャンタ、三色、ドラドラ。これにツモが付けば倍満である。
しかし。
(そういう状況では、ないようですね)
何しろこの局、赤木の第一打が{⑤}である。次が{八}。次が{6}。
国士……
しかし、一方で和は考えた。自分の手はチャンタ系。幺九牌をごっそり抱えている。そう考えると、赤木の国士は実らない。
そんな、考え事を、していた、時に。
上家のひろゆきから{3}が出る。
「チー」
ペンチャン。急所の鳴き。鳴きのチャンタ三色ドラドラ。これでもどうせ満貫。何より雀頭がドラであった事がとてつもなく大きい。
……しかし、和は考えた。
「あの……ごめんなさい、このチー、取り消してもいいですか?」
はあ。
和は、ひろゆきの打{3}にチーと発声し、既に手牌から{12}を晒している。
しかし、鳴いた後の打牌はまだしていなかった。
一般的なルールに乗っ取れば、罰符として千点を供託すれば、このチーは取り消せる可能性が高い。
幸いそれがこの場でも認められ、和の今のチーは取り消しという事になった。
勝負続行。つまり、和は、赤木の国士がどうせ実らないなら、ここは面前チャンタを狙ってやろうと考えたのだ。
しかし、少しでも、ほんの少しでも気配を見せてしまった事。ペン三索のチーを晒してしまい、そして、やっぱりやめると言ってしまった事。
デジタルの正解を取ったつもりでも、赤木には心まで読まれている。
つまり、その局、国士気配だった赤木は途端に挙動を変え。
「リーチ」
そして。
「ツモ」
赤木しげる
{1199西西北北⑦⑦發發中}{中}
リーヅモ七対ドラドラ。跳満。
点数、チップ状況。
井川ひろゆき:16000
原村和:15000
片岡優希:19000
赤木しげる:50000
清澄軍:10枚(10万点)赤木軍:20枚(23万点)
30枚目のチップも取られ、赤木軍に差をつけられた清澄軍。このゲームも後半戦に入っている。
東四局。片岡優希の親番。
片岡優希、配牌。
{白白白南南一九19①⑨⑨五}
く……なんだこれ……
国士? いや、八種しか無い。では……?
混老頭、七対子?
前局、赤木がやったように?
いや、待て……
ざわざわと、息を殺して。
猛毒の葉っぱみたいなテーブルの上で。
優希は思い出した。前局の赤木のアガリの形。
{1199西西北北⑦⑦發發中}{中}
混老頭七対子に見えて、一組だけ{⑦⑦}が紛れ込んでいる。だからこそ、必要に応じて赤木はこの手をリーチした。
つまり?
こだわらない事。
そうか、少し気付いたか? 嬢ちゃんよ。
今お前、なんとか頑張ろうと思っていただろう。
そうじゃないのさ。ここで試されるのは平常心。ほら、お友達にもさっき言われただろう? ただ、普通に、いつもの打ち方をする。
今は東場だ。見失うなよ。自分を。
優希、第一ツモ。
{白白白南南一九19①⑨⑨五}{五}
この手はっ!
{白白白白南南南⑨⑨⑨五五發發}
「カンっ!!」
龍が、龍が、龍が、地を割った……!
{南南南⑨⑨⑨五五發發}{五} {裏白白裏}
「四暗刻……!!」
東四局、片岡優希の親番での出来事であった。