東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜   作:文才の無い本の虫

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作者「胃が・・・・・」


▷『裏側の魔女』がアップを始めました

▷『式神』は困惑している

▷『霊物』は舌舐めずりをしている

▷『変態』がアップを始めました(←?!)


作者「誰だよこの闇鍋作った奴」

トウマ「お前だよ」


6「また何時か」

 

 

あぁ、あゝ、嗚呼。

 

堕ちていく、狂っていく。

 

理性が溶けて、本能が出てくる。

 

――ごめんね、黒。

 

――嫌われたくないけど、もう我慢出来ないよ。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

目が覚める。

 

周りを見渡すと居間は綺麗になっており、僕と諏訪子は布団に寝かされていた。

どうやら『梅』がやってくれたみたいだ。

 

ん?

・・・・・布団?

何処から?

 

 

「『梅』」

 

 

「此処に」

 

 

「この布団って何処から出したの?」

 

 

「私の【等価交換をする程度の能力】でそこの空樽と交換して用意しました。・・・・・お邪魔でしたか?」

 

 

「いや、助かったよ。ありがとう」

 

 

「いえ、主様のお役に立てたのなら」

 

 

そういえば『梅』は能力が使えるようになったんだった。

・・・・・僕の能力より使い勝手良さそうだな。

 

そうだ、こういうときにはスキンシップが重要だって■■■も言ってた。

 

そう思い至った僕は『梅』を呼ぶことにする。

 

 

「『梅』、膝の上においで」

 

 

「・・・・・失礼、します」

 

 

『梅』は僕の膝の上にちょこんと座る。

 

僕は彼女の頭の上に手を置き、髪をぐしゃぐしゃにしないように優しく撫でる。

 

 

「・・・・・あの、主様」

 

 

「ん?嫌だった?」

 

 

「・・・・・いえ、不快ではありません」

 

 

「そっか。それなら良かった」

 

 

そうして暫くの間『梅』を撫でる。

・・・・・何というかサラサラとしたこの感触、癖になりそうだ。

 

少しすると『梅』は「し、失礼しますっ」と霊体化してしまった。

どうしたんだろう?

 

まぁちゃんと労ったし、感謝も伝わったと思うからいいかな。

 

 

「くろぉ〜」

 

 

すると後ろから諏訪子の僕を呼ぶ声がした。

僕は振り向く。

 

 

「諏訪子、どうし――」

 

 

「えいっ」

 

 

軽い衝撃で中途半端な体勢が崩れ、布団に背中から倒れる。

 

起き上がろうとするも、すかさず腕が拘束され諏訪子が上に伸し掛かる。

体勢的には押し倒された形だ。

 

諏訪子を見るとその息は荒く、頬は紅い。

 

何というか昨日の諏訪子と雰囲気が違う。

まるで空腹の獣の様な気配。

 

もしかして、理性が蒸発している?

 

抜けようとするが、何故か抜けられない。

地味に力が強いな?!

 

すると黙っていた諏訪子が口を開く。

其処からは長い牙が覗いていており、その視線の先には僕の首筋がある。

 

 

「おいしそう」

 

 

「ゑ?・・・・・っ?!」

 

 

諏訪子はがぶりと僕の首筋に咬み付いた。

 

我慢出来ない程では無いが痛い。

 

諏訪子は僕の腕を離し、僕を締め付ける様に腕を回してくる。

 

首筋に諏訪子の吐息がかかる。

・・・・・これが美味しく頂かれるってやつかぁ。

 

少し向こうで『梅』がオロオロしているのが見える。

僕は『梅』に手振りで何もするなと伝える。

どうやら理解してくれたようで『梅』は霊体化した。

 

・・・・・さて、この状況どうしよう。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「黒、ごめん・・・・・」

 

 

暫くして諏訪子は正気に戻った。

口元が僕の血で真っ赤な状態でオロオロしていたのが可愛いと思ったのは秘密だ。

 

どうやら■■■の知識がこの世界の酒にも適用されるなら「神酒」は種類によっては神じゃないものが飲むと正気を失うらしい。

・・・・・僕は無事だったんだけどなあ。

 

そして状況を把握し口元を拭った諏訪子は僕に謝っている。

そんなに謝らなくていいのに。

 

 

「黒・・・・・私を嫌いにならないで」

 

 

とうとう諏訪子はポロポロと涙を流し始めた。

・・・・・震えてる。

きっと怖いんだ。

 

僕は震える諏訪子を抱き寄せて、落ち着かせる様に優しく頭を撫でる。

 

 

「大丈夫、大丈夫だよ」

 

 

「でも、傷跡が」

 

 

「まぁ、跡は残るかもしれないけどそんなことを一々気にしないよ」

 

 

大丈夫だということを伝える為に諏訪子に優しく言う。

 

 

「だから、いいんだ。これぐらい大したことないし、僕は諏訪子を嫌いになったりしないよ」

 

 

「・・・・・うん」

 

 

僕は諏訪子が泣き止むまで彼女を撫で続けた。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

そうして諏訪子を慰めたあと、僕は居心地が良くてそのままずるずると3ヶ月程滞在してしまった。

 

ソレは暫しの間の感情が欠けた化物と愛情に飢えた霊物の居心地が良い共同生活。

化物は今日で終わりのその関係に名残惜しさを感じる。

 

今日は此処を発つ日だ。

 

その為、僕と諏訪子は湖の畔に来ている。

横を見ると見送りに来てくれた諏訪子はとても寂しそうだ。

僕だって寂しい。

 

だけど、僕は『価値観』を見つけなきゃいけない。

 

これは今生の別れでは無いし、きっとまた会えるだろう。

 

 

「黒、本当に行っちゃうの?」

 

 

「うん。僕には見つけなきゃいけないものがあるんだ」

 

 

「そっか・・・・・でもね、黒。必ずまた会いに来てね?」

 

 

「もちろん」

 

 

「・・・・・黒」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「こっち向いて」

 

 

言われた通りに諏訪子の方を向くと諏訪子に引っ張られ、抱き寄せられる。

 

あ、既視感。

 

諏訪子の唇が僕の息を塞ぐ。

それは甘い口づけ。

 

暫くして諏訪子の顔が離れ、腕が解かれる。

 

 

「ぷはっ・・・・・黒、必ず逢いに来てね?」

 

 

諏訪子の水色に変化した(・・・・・・・)双眸が僕を見つめる。

 

 

「・・・・・うん。必ず、逢いに行くよ」

 

 

「うん。じゃあね、黒。また何時か」

 

 

「うん。諏訪子、また何時か」

 

 

僕は諏訪子に見送られながら歩き出す。

振り返らず、僕だけの『価値観』を見つける為に。

 

何となく、首筋に有る傷痕が寂しさを紛らわしてくれる様な気がした。

 

 

「行こうか、『梅』」

 

 

「はい、主様」

 

 

僕は湖が見えなくなった辺りで『梅』を呼び出し、進み続ける。

答えを求めて。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「・・・・・黒の血は未だ私でも飲んだこと無いのに。あまつさえ痕を付けるなんて!私だって黒とイチャイチャしたい!!」

 

 

【銀木犀の箱庭】で黒を見守っていた彼女は暫し嫉妬に身を焦がす。

 

だが自身が用意した「お土産」と今度会いに行こうとしていたことを思い出して心を落ち着かせる。

 

 

「・・・・・まぁお土産も出来たし、今度会いに行くときにたぁ~っぷり貰えばいいかな?」

 

 

尚、この時黒は凄まじい悪寒に襲われたそうな。

 

 




『八雲 黒』
:正常な恋愛観は既に(主にエディのせいで)無い。3ヶ月の間に諏訪子へLikeはLoveに成りそう。別れを悲しめない化物。名残惜しさしか感じ無いことを嘆いた。化物は歩く。新たな出会いを求めて。

『諏訪子』
:愛に飢えた霊物。3ヶ月の間、黒と過ごした。ただ生活していただけだが彼女は満足している。黒の血を飲んだことで少し強くなっている。黒の料理により胃を掴まれ、料理に興味を持った模様。瞳の色が変わった。

『梅』
:黒に撫でられて何故かは理解らないが「ぽかぽかする」していた。「し、失礼しますっ」と何故か恥ずかしくなって逃げてしまった。度々黒や諏訪子に撫でられている。地味にやばい能力が開花した。

『エディ・オスマンサス』
:嫉妬に身を焦がす『裏側の魔女』。黒のために【銀木犀の箱庭】にある黒の畑のものを取り寄せられる魔法の袋を作成。近頃黒のところに遊びに行く予定。黒の命運や如何に。

バッドエンド見たいですか?

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  • メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
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