東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜 作:文才の無い本の虫
松&竹「出番は?」
作者「済まんな、当分無い☆」
※松&竹は黒が作った式神。今は【銀木犀の箱庭】で畑の世話をしている。
あれから数十年が経った。
僕達は旅の道士一家?として人里を転々としていた。
立ち寄った人里で医者の真似事をしたり、妖怪退治を請け負ったりして過ごした。
幸いなことに紫は人を食べる妖怪ではなかったたし、妖怪を退治することに抵抗は無かった。
紫はすくすくと成長していき、今では梅と同じ位の身長の美少女といった感じに成長した。
傍から見ると美少女が少し上の青年に「お父様!」って言っているということだ。
それを見た人間は不思議なものを見たような顔をするのだが僕達からしたらこれが普通なのだ。
今でも紫は僕の可愛い娘だしね。
それはそうとして、紫は天才だった。
■■■の言葉を借りるならスパコン並の処理能力を持ってるし、霊術や妖術、魔法さえも僕と同じ位使えるようになっている。
・・・・・僕、それらを習得するのに数十年掛かったんだけどなぁ。
さらに紫は【境界を操る程度の能力】という規格外の能力を持っていた。
この能力は僕の持っていた物理や科学などの知識と組み合わせると最強と言っていいほどの万能性を持っていた。(エディの【全知全能】を除く)
熱の境界を操り、温度を変化させる。
形の境界を操り、対象の形を変える。
結界の境界を操り、結界を自由自在に改竄する。
今は未だ未熟だが自他に流れる時間の境界を操り、自身の時間を相対的に加速させる。(魔法の『固有時制御』と原理が同じ)
正直言って即死攻撃無しの本気の僕でも負けるかも。
だって僕の【虚と実を操る程度の能力】は戦闘じゃせいぜいが防御に使ったり、攻撃を無視出来る程度だしなぁ。
近接格闘術、体術はまだまだだけどね。
・・・・・綿月姉妹を思い出すなぁ。
最初の頃はだめだめだったのに、数年で上達したんだったな。
紫もきっと数年で上達するだろう。
・・・・・あれ?
このままだと僕、すぐ負ける?
・・・・・。
紫が少し前に言った「わたしのお父さんはとっても強くて格好良いの!」という言葉を思い出す。
あの時の紫の目はとてもキラキラしてたなぁ。
・・・・・もっと強くならなきゃな。
父親の威厳もあるし、もしものときは紫と梅を守れるぐらいは出来るようになっておかないと。
『都』の時の原因不明の攻撃という前例もあることだし。
その日から僕は魔法や霊術、妖術、喧嘩殺法の修行をし始めた。
こうなったら努力あるのみ!!
エディに基礎と応用は教えてもらったし、後は極めるだけだ!(ヤケクソ)
◇◇◇◇
「紫、弾幕が薄いよ?」
「流石お父様!」
僕は紫が放つ妖術を躱す。
今僕は紫と手合わせをしていた。
ここ数十年で紫はとても強くなった。
【境界を操る程度の能力】を完全にものにし、通常攻撃は効かないとかいう可笑しな存在と化している。
僕でさえかすり傷程度は効くんだけど?
・・・・・論理的創造と破壊とか巫山戯てるのか?!
まぁイメージを現実に引っ張り出せる【虚と実を操る程度の能力】も似たようなものだが。
「お父様、これならどうですか?――
紫の行動速度が10倍程に加速し、多種多様正確無比な攻撃を放ってくる。
いや、相対的に加速して見えると言うべきか。
僕が使える魔法である固有時制御は強力な反面、反動がえげつないのだが紫は能力を併用することで反動なしで使える。
魔法と【境界を操る程度の能力】の相性が良すぎないか?!
しょうがない。
こっちも使うか?
・・・・・実験ということで。
僕は紫の攻撃を躱しながら自身の躰に魔法を掛ける。
「――
四つの魔法を重ねて束ねた僕の躰は青白い燐光を放つ。
名付けるなら、そうだな。
肉体を酷使する攻防一体の複合魔法――『
底上げされた身体能力で紫の正確無比な攻撃を避け、時に蹴り飛ばす。
・・・・・やっぱ
「毎回思うけど魔法や妖術を蹴り飛ばすとかお父様ってデタラメよ?!」
「多種多様、正確無比な攻撃を放っている紫も大概だと思うけどねっ!――
紫に向かって地面を蹴り、その速度を魔法で増強する。
「四重結界っ!」
紫が咄嗟に結界を張る。
・・・・・咄嗟に四重ってどういうこと?
まあ、多分大丈夫。
「甘い!」
僕は勢いのままその結界を蹴り砕く。
「は?!」
それを見た紫は唖然とし、僕はそんな彼女の額を優しく突く。
「はい、僕の勝ち」
「むぅ・・・・・また負けた!」
「あはは。一応僕にも父親としての意地はあるからね」
僕はむくれる紫の頭を撫でる。
そうして紫を撫でていると下から僕達を呼ぶ声が聞こえる。
「主様、紫ー!晩御飯ができたので降りてきてください!」
「梅、今いくよ」
「梅姉さん、今行くわ」
紫は今、数え歳(名前をあげてから)で100歳くらいだ。
口調は変わり、今では僕を「お父様」梅を「梅姉さん」と呼んでいる。
・・・・・偶に「お父さん」呼びに戻るが。
下に降り、梅の頭を撫でる。
「梅、ありがとう」
「いえ、当然のことをしたまでです・・・・・後でもっと撫でてください」
反面、僕と梅はあまり変わってない。
梅は相変わらず『都』に居たときのままだし、僕もあまり変わっている感じはしない。
最近は週2回位の頻度でエディが遊びに来る。
・・・・・何か紫の仕草が偶にエディの仕草に似てることがあるんだよなぁ。
すると背中に誰かがしなだれかかる。
銀木犀の匂い。
僕は梅を撫でるのを辞め、背中の彼女に向けて言う。
「やあ、エディ。三日ぶりだね」
「くふっ。黒、さっきの見てたよ?また強くなったね」
「そう?あんまり実感は無いんだけど」
「くふふっ・・・・・【銀木犀の箱庭】に来なよ。紫と一緒に鍛えてあげる」
「え?いいの?」
「うん。久し振りに黒の料理も食べたいしね?」
「じゃあそのお誘いに乗らせて貰おうかな」
「くふっ・・・・・じゃ、行こっか?」
エディが指を鳴らす。
僕達の周りに転移の魔法が展開される。
・・・・・エディ、何時もいきなり過ぎだよ。
梅や紫の方を見ると彼女達も同様に魔法が展開されていた。
「3名様ご案内〜ってね?」
あ、梅の作ってくれた御飯食べ損ねた。
僕はそんなしょうもないことを考えながら【銀木犀の箱庭】へと転移した。
◇◇◇◇
彼女は自身の躰の残り香を頼りに闇に紛れながら上空を飛んでいた。
「王様の匂いがする・・・・・」
ルーミアは少しに黒達が居た場所に来ていた。
そこには何者かの戦闘跡と美味しそうな匂いを漂わせる鍋が置いてあった。
彼女はその鍋に近づき、それを覗き込んだ。
「これは?」
そこにはまだ少し温い雑炊があった。
「美味しそう・・・・・?」
それは彼女にとっては初めて感じるものだった。
彼女は産まれてこのかた何も食べたことが無かった。
彼女はとある『化物』と『式神』の血から産まれた妖怪。
それ故に周囲の神秘や穢れだけで活動が可能だった。
彼女は鍋を抱えて座り、中身の雑炊を手で掬って口に運ぶ。
「むぐむぐ・・・・・美味しい」
彼女はあっという間に雑炊を残らず食べ尽くした。
一息ついた彼女は立ち上がり、途切れた自身の王の匂いを探し始める。
「王様、何処にいるのですか?」
『黒』
:自身の娘が天才過ぎて幼い紫の夢を壊さない為に修行を開始。地味に『都』で梅が死にかけたのを気にしている。エディによる拉致は実は3回目。
『梅』
:密かに能力の修練中。ポテンシャルは高い。最近は料理の腕が上達した。
『紫』
:エディの影響を受け、ゆかりんへと成長中。作中最強のエディに並ぶレベルのバグキャラになる予定。
『エディ』
:何時もいきなり。今は【全知】を使っていないためルーミアの誕生に気付いていない。
『ルーミア』
:闇を纏っている間はありとあらゆる干渉観測を無効化する。黒と梅に依って産まれ落ちたイレギュラー。今の口調は梅と似ている模様。
バッドエンド見たいですか?
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ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
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