東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜   作:文才の無い本の虫

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作者「どうしてこうなっ(ry」

トウマ&アカコ「「自業自得だな/ですね」」


14「日常」

 

 

諏訪子の国に来てから数年が経った。

 

最近、僕は『柏手様』として諏訪の国で活動している。

そのせいもあってか諏訪子の神社――諏訪神社には『柏手様』の摂社が建てられている。

 

週2〜3回の頻度で神社には人が来る。

目的は様々で諏訪子への参拝や『柏手様』への頼み事、他にも恋愛相談とかまである。

・・・・・恋愛相談は何故か僕が対応している。

『柏手様』は縁結びの神じゃあ無いんだけどなぁ。

 

そんな感じで僕と梅は諏訪神社に住まわせてもらっている。

 

エディも偶に遊びに来るので退屈はしない。

諏訪子もいて居心地も良いしね。

 

 

ある日、神社の縁側で諏訪子と日向ぼっこをしていると諏訪子が唐突に言った。

 

 

「前々から思ってたんだけどさ、黒って綺麗だよね」

 

 

「ん?諏訪子の方が綺麗だと思うけど?」

 

 

「あーうー。黒にそう言われると照れるなぁ・・・・・話がズレたね。それでさ、黒には女の子の格好も似合うと思うんだ!」

 

 

「はい?」

 

 

「くふっ面白そうだね?」

 

 

背中にエディが寄っかかる様に現れる。

 

彼女も乗る気のようだ。

 

 

「エディ、協力してくれる?」

 

 

「いいよ、やろう。こんな服はどうかな?」

 

 

「いいね!黒は髪も長めだし、この髪留めが似合うと思うんだ」

 

 

「いえ、主様にはもう少しこういったものが似合うのでは?」

 

 

梅まで参加し、エディや諏訪子は僕の女装?について話していく。

 

何処からともなく化粧道具や服を取り出していく彼女達に言う。

 

 

「・・・・・僕に拒否権は?」

 

 

「無いよ♡」

 

 

「無いかな?」

 

 

「すみません、主様」

 

 

じりじりと彼女達が寄って来る。

 

逃げられそうに無い。

 

 

「・・・・・なんでさ」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「・・・・・エディ」

 

 

「・・・・・何かな、諏訪子」

 

 

「・・・・・黒って女の子のだっけ?」

 

 

「・・・・・奇遇だね。私も同じことを思ったよ」

 

 

「・・・・・主様、とても美しいです」

 

 

彼女達の前には黒髪に水色の瞳をした美女(女装させられた黒)が出来上がっていた。

 

黒の髪は梳かれ結われているだけで顔には化粧が薄く施されている。

その様相は声を除けば絶世の美女と言っても過言では無い程に美しい。

 

 

「・・・・・あのさ、酷くない?僕、強制的に君達の着せ替え人形してたんだけど?」

 

 

そう不満をこぼす黒を置いて彼女達は黒の女装を見ていく。

 

 

「くふっ。可愛いっていうより美しいね」

 

 

「美しいって言われても嬉しくないんだけど?」

 

 

「主様、とても似合ってますよ?」

 

 

「女装が似合うと言われてもね・・・・・」

 

 

「そうだ。黒、変化魔法を使って声を変えてみてよ」

 

 

エディは女装させた黒に変化魔法で声を変えてみるように言う。

 

黒はため息を付いて渋々変化魔法を使う。

 

 

「はぁ・・・・・――Change(変化)。これで、いいかな?」

 

 

「「「・・・・・」」」

 

 

黒を除いた三人は息を呑む。

 

鈴の音のような声、黒曜石のような美しい髪、透き通った水色の瞳、均衡の取れた整った顔。

 

彼女達の前には絶世の美女が現れたのだ。

 

 

「・・・・・黒、お洒落の勉強もしようか」

 

 

「・・・・・拒否権は?」

 

 

「勿論無いよ♡」

 

 

そうして偶にエディが来るときに僕は着せ替え人形になることになったのだ。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

女装を解いた僕は縁側に座り、梅に淹れてもらったお茶を飲んでいた。

 

 

「・・・・・疲れた」

 

 

「お疲れ様です、主様。ですがとても綺麗でしたよ?」

 

 

「そうだよ黒。綺麗だったよ?」

 

 

「くふっ・・・・・食べちゃいたいくらいにね?」

 

 

諏訪子に関しては巫山戯ている目だったが、エディに関しては本気の目をしてたから勘弁してほしい。

 

 

「っていうか僕の血を吸ったんだからそれで満足してくれよ・・・・・」

 

 

諏訪子は力を節約しているからエネルギーとしてちょくちょく僕の血が必要なのはわかるけどさ、エディが偶に僕の血を吸う必要ってあります?

 

 

「だって美味しいんだもん♡」

 

 

・・・・・僕の血は嗜好品ですか?

エディって魔法使いだよな?

吸血鬼では?

 

僕の背中にしなだれかかっているエディの吐息が首筋に掛かる。

 

 

「・・・・・あの、エディ?」

 

 

「くふっ♡・・・・・頂きまーす」

 

 

がりっ。

 

 

最近、エディは血を吸うのが上手くなった気がする。(エディが血を吸うときは噛んで出た血を飲む)

あんまり痛く無い気が・・・・・慣れただけか。

 

 

こくこく・・・・・。

 

 

んっく。

 

 

「エディ、そろそろ僕貧血になりそうなんだけど?」

 

 

「・・・・・ぷはっ。ご馳走さま♡」

 

 

やばい、くらくらする。

 

蓬莱の薬の効果でゆっくりと血が補充されている感じはするんだけど、やっぱ慣れないなこの感覚は。

エディに前調べてもらった(お代として血を吸われた)ところによると、僕の変質した妖精(僕が妖精だったことを初めて知った)の躰の性質と蓬莱の薬の効果が影響し合い、エディでも『化物』としか言い様のない体質に成ったらしい。

外傷内傷は程度に関わらず修復され、血なども5分10分あれば完全に補填される。

さらに魂が自らの存在の主軸となり、肉体が消滅しても魂が別の場所に新たな肉体を作り直す事で蘇る事が出来るようになるとか言われてもね・・・・・試したくないよ。

・・・・・エディも同じ事ができるらしいけど。

 

そんなことを考えていると横に居た諏訪子が僕のことを引っ張る。

 

 

「ずるい。お腹が減ってきたし私も貰おうかな」

 

 

「いいよ〜」

 

 

その言葉にエディが返事をして僕の背中から退く。

・・・・・僕の意志は?

まぁ良いけどさ。

 

諏訪子は此方に両手を広げる。

 

 

「黒、抱っこ」

 

 

「はいはい」

 

 

僕は諏訪子を持ち上げて膝の上に載せる。

こういった時には躰を鍛えておいて良かったと思うね。

 

諏訪子は僕の背中に手を回し、僕の(エディが噛んだ方とは逆の方の)首筋に牙を立てる。

 

 

かぷっ。

 

 

ちゅう、ごくごく。

 

 

諏訪子の吸血はエディとは違い、自身の牙を変化させて牙から血を吸う。

吸血鬼の生態から学んだとか何とか。

少しの間、痕は残るが傷が小さいのは助かる。

 

あ、血を失い過ぎた。

 

 

「・・・・・梅」

 

 

「此処に。主様、後はお任せを。おやすみなさいませ、主様」

 

 

察してくれて助かる。

 

ああ、眠いなぁ・・・・・。

 

 

「おやすみ、黒」

 

 

僕はゆっくりと眠りに落ちていった。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「諏訪子、黒が寝たから私は帰るね?梅、黒によろしくね」

 

 

「またね、エディ」

 

 

「はい、エディ様。言われ無くともと言うやつです」

 

 

黒が起きていた時とは打って変わり、ピクリとも表情を動かさずに梅は言う。

 

 

「・・・・・君、結構変な方向に成長したね?」

 

 

「お褒めに預かり光栄です」

 

 

「はぁ・・・・・」

 

 

そうしてエディは帰って行った。

 

梅は寝た――休眠状態に入った黒を持ち上げて、予め敷いておいた布団に運んで寝かす。

 

台所から諏訪子の声がする。

 

 

「梅、晩御飯を作るから手伝ってくれる?」

 

 

「はい、今行きます」

 

 

梅は基本的に黒が寝ている時は無表情だ。

彼女は黒の所有物であることを至上の喜びとしており、その表情も黒のためだけのものであると決めている為だ。

唯一、紫の前では無表情を崩す。

それは紫が黒の(大切)であること、自身を姉と慕うものだからである。

 

その為、対象外である(黒の大切だが気に入らない)諏訪子の前では彼女は無表情で事務的だ。

 

 

「そういえば梅って黒が居ないときは何時も無表情だね」

 

 

「はい。私の全ては主様のモノです(は貴女が気に入らない)ので」

 

 

寧ろ貴女には名前すら呼んで欲しく有りません。

ですが主様の為なので我慢します。

ええ、主様には後で撫でてもらましょう。

さて、早くこの女との共同作業という悍ましいモノを終わらせて主様の警備に(寝顔を見に)戻らなければ。

 

 

「・・・・・さっさと晩御飯の用意をしようか」

 

 

「はい」

 

 

彼女は「主様が誰とヤろうと誰と結ばれようとどうでもいい」とは言ったが、その誰かを気に入る(認める)とは一言も――微塵も思っていないのだ。

 

・・・・・紫が黒に手を出せば話は別だが。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「『柏手様』、どうか、どうか!この娘をお願いします!おらのことはどうでもいいです!どうか、どうか!」

 

 

柏手様の面を被った僕の前には死にかけの男が緑色の髪の赤子を僕に差し出している。

男の話によると近くの村の出で、母を殺して産まれてきた赤子の髪の色で「化物だ、殺せ」と迫害された様だ。

その迫害がら逃げ、『柏手様』の話を思い出して此処に来た様だ。

・・・・・その村の住人は大馬鹿者か?

 

 

「・・・・・『柏手様』、おらの、おら達の娘をどうか、お願いします・・・・・」

 

 

男は息絶えてしまった。

 

緑色の髪の娘を遺して。

 

(八雲黒)は――(柏手様)はこの男の名を知らない。

だが、この名も知らぬ男が最後に残した願いだ。

神として、一人の親として気紛れに叶えてやろう。

 

私は面を外し、何時もの様に頭の左側に浮かべる。

最近、この面を被っている間は神としての力が使えるように成ったんだよな・・・・・エディ曰く土着神の一種に成ったとか。

 

そんなことは置いておいて。

 

僕は柏手を打ち、父親の肉体を祓う。

・・・・・少しだけど名も知らぬ君の冥福を祈る。

君のことをこの娘に伝える気の無い僕を恨んでくれても構わないよ。

 

僕は遺された緑髪の娘を抱き上げる。

 

先ずは名前を付けてあげなきゃね。

 

緑・・・・・は安易過ぎるしな。

そうだね、この娘には美しく風のように強かに育って欲しい。

この娘の父親は東から来たから・・・・・。

 

 

「よし、決めた。君の名前は東風谷 美舞(コチヤ ミフ)だ!」

 

 

すると、美舞は目を開けて僕をその水色の瞳に写した。

 

 

「あうあ!」

 

 

「よろしくね、美舞」

 

 

僕と似た水色の瞳をした美舞は僕の指を力強く握りしめ、笑顔になった。

 

・・・・・もう少し諏訪の国に滞在する理由が出来たな。

 

梅にどう説明しようかなぁ。

 

 

 

 

 

 

「主様、また拾ったんですか?・・・・・成程、娘にするつもりですね?紫が泣きますよ?」

 

 

「うっ・・・・・」

 

 

「あう?」

 

 

※黒が気紛れに何かを拾うのは紫を含めて4回目(紫、行き倒れの老人、怪我をしていた野狐、緑髪の娘)

 

 




『黒/柏手様』
:気紛れにものを拾う癖がある。柏手様の性質に「気紛れ」がある為その癖が悪化した。最近は二本の角が付いた一つ目の面――通称「柏手の鬼面」を頭の左側に浮かべている。偶に一人称が私になるようになったのはエディに女装させられたときに喋り方を強制的に変えられた名残が「柏手の鬼面」に染み付いて・・・・・。「育児は確か・・・・・」

『梅』
:変な方向に成長した式神・・・・・式神?蓬莱の薬の効果で不老不死に成っており、戦闘能力は高め。【等価交換をする程度の能力】で自身の使わない魔力と『今、黒が考えていること』を等価交換している。黒の血を吸い、黒の心を揺さぶる諏訪子とエディが嫌い。「はぁ・・・・・しょうがない主様ですね」

『諏訪子』
:黒の血を吸ってエネルギーにしている。実はもう必要ないが美味しいから吸っている。牙はエディから聞いた吸血鬼の牙の構造を参考にした。諏訪神社は諏訪子の能力で簡単に改築できる。台所や居間は改築によってできたもの。「黒、黒と瞳の色が似ているその娘は何?(浮気かな?)」

『エディ』
:梅が目下の不穏分子。黒の変な神化が進んだ原因はエディ。理由は「面白そうだから♡」。黒の血は嗜好品。黒の女装が案外上手く行ったのでちょくちょく黒に化粧などお洒落の知識を仕込んでいる。近い将来、その知識を役立てる時が来る・・・・・かも。「梅をどうしようかな?」

『東風谷 美舞』
:黒の娘その2。知らずに妹ができて、寿命で死ぬであろう紫は泣いていい。現人神の素質があり、柏手様(黒)を親と認識している。本当の父親の存在は彼女から忘れ去られた。哀れ。「あうあ〜」

バッドエンド見たいですか?

  • 見たい!!(旧作の様にEX√として書く)
  • 見たくない!!(旧作に載せるかも?)
  • メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
  • ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
  • 個別!!(コメント下さい。書きます)
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