東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜   作:文才の無い本の虫

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作者「スラアアンプ!!」


15「変化」

 

 

「柏手さま!」

 

 

トテトテと小さな巫女服を着た緑髪の少女、美舞が僕の方へ歩いてくる。

 

美舞は縁側に座っている僕の前に着くと僕に何かを見せてくれた。

 

 

「できたんです!」

 

 

彼女の掌の上には風が渦巻いている。

 

今は彼女の【風を司る程度の能力】の制御を練習させているところだ。

 

どうやら上手く行ったみたいだ。

 

 

「おお、凄いね。美舞、諏訪子や梅にも見せてきたらどうだい?」

 

 

「梅さんにはもう見せたんです!凄いですねって褒められました!」

 

 

「そっか。良かったね、美舞。よしよし」

 

 

僕はご機嫌な美舞の頭を撫でる。

 

人の成長は早いなぁ。

少し前は「あうー」って言ってたのに。

 

後は梅は紫の時みたいに美舞には甘い。

本人曰く「優秀な子に育ててみせます!」って言ってたけど・・・・・。

普通にいい子に育って欲しいかなぁ。

 

 

「柏手さま、諏訪子さまに見せてきます!」

 

 

「うん、行っておいで。きっと喜ぶよ」

 

 

美舞は僕の方へ来たときと同じ様にトテトテと歩いて行った。

 

諏訪子は自分の神社の巫女の成長をきっと喜ぶだろう。

 

美舞は彼女の要望「かしわでしゃまのみこになるの!」と諏訪子のお願いにより、諏訪神社の巫女をやっている。

まだ見習いだが、ゆくゆくは『柏手様』の仕事(主に恋愛相談)も代行出来るようになってもらいたい。(女の人の恋愛相談はキツイものがある・・・・・てか諏訪子にしろよ)

まぁそれよりも幸せになって欲しいが。

 

さて、数年後が楽しみだな。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「黒、お祭りに行こう!」

 

 

「お祭り?」

 

 

「近々五穀豊穣を祈るお祭りが開かれるんだ。・・・・・一緒にどうかなって」

 

 

諏訪子が上目遣いに聞いてくる。

 

お祭りか・・・・・行ってみようかな。

 

 

「うん。行こうかな」

 

 

「やったぁ!」

 

 

と言う訳で僕は何時もの道士服ではなく白と黒の着物を着て神社の前で諏訪子を待っている。

 

暫くして神社から3つの人影が歩いてくる。

 

その内の一人、紫と白の着物を着た諏訪子が駆け寄ってくる。

 

 

「黒、待たせたね・・・・・どうかな?」

 

 

諏訪子は袖を持ち上げてくるりと回る。

 

・・・・・紫と白の着物は諏訪子の金髪と合わさり、幻想的な美しさを醸し出していた。

 

心做しか僕は諏訪子みたいなのを女神って言うんだろうなと思った。

 

 

「うん、よく似合ってる。綺麗だよ」

 

 

「えへへ、照れるね。黒、行こうか」

 

 

僕と諏訪子は手を繋いで階段を降り始めた。

 

神輿?や踊りは活気があって見応えがあった。

他にも市場のようなものが開かれていて、楽しめた。

 

・・・・・まぁ諏訪子に意識を割いていたからあんまりちゃんと見てなかったんだけどね。

 

 

 

 

 

 

「梅、今日は月がよく見えるね」

 

 

「はい。永琳様を思い出します(あの頃は邪魔者が少なかったのですが・・・・・)」

 

 

「永琳、元気かなぁ」

 

 

「片付け以外は完璧なお方なので・・・・・少し心配ですね」

 

 

「・・・・・ちょっと心配になってきた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――カチッ

 

 

「あ、これは不味いわね」

 

 

「何してるんですかお師匠様?!」

 

 

「床に落ちてた何かの起爆装置と思わしき物を踏んだわ」

 

 

「何故、そんなものが落ちてるんですか?!」

 

 

――ボンッ

 

 

※研究所は爆散しましたが永琳と依姫は無事です

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「柏手様、梅姉さん。おはようございます!」

 

 

「おはよう、美舞」

 

 

「おはようございます、美舞」

 

 

美舞を拾ってから十数年が経った。

 

美舞は元気ないい子に育ち、今では立派に諏訪神社の巫女をしている。(柏手の巫女、風祝を兼任)

妖怪退治等はまだ梅や僕の同伴が付くがとても良い腕だ。

 

因みに恋愛相談は相変わらず『柏手様』に来る。

だから『柏手様』は縁結びの神じゃ無いんだが・・・・・解せぬ。

 

お洒落はエディから仕込まれた知識があってとても助かった。

美舞には普通の女の子の道も作ってあげたかったからね。

・・・・・それに好きな人ができたみたいだしね?

後でどんな奴か見に行くか。

 

 

「お供します、主様。妹の相手は見定めなければ」

 

 

「うん。ロクデナシじゃあ無いことを祈るよ」

 

 

そんなことを考えていると慌てた諏訪子と美舞が走ってきたことにより、僕達の平穏は崩れることになる。

 

 

「柏手様、梅姉さん!大変です!」

 

 

「どうしたの美舞?諏訪子まで慌てて」

 

 

「黒、これ見て!」

 

 

諏訪子は手に待っていた手紙を差し出してくる。

 

何々・・・・・長ったらしい!!

 

要約すると八坂神奈子という大和の神が諏訪子にお互いの信仰を賭けた戦を申し込んだってことか。

あと我が軍門に下れって書いてある。

 

・・・・・大和の神ねぇ。

 

てか日時と場所を明記しろよ。

大和の神は交渉もろくに出来ないのか?

 

取り敢えず話さ無いと始まらないか。

 

 

「諏訪子、どうする?」

 

 

「え?」

 

 

「この一騎討ちをうけるかってことだよ。少し気に入らないから僕が八坂神奈子を倒してきてもいいけど?」

 

 

「・・・・・受けるよ。黒、これは私の喧嘩だ!」

 

 

「そっか。じゃあ、僕が返事をしてくるよ」

 

 

「・・・・・黒、お願い」

 

 

「任された。梅、留守は頼んだんよ」

 

 

「御意」

 

 

「柏手様、行ってらっしゃい!」

 

 

「うん、行ってきます」

 

 

外に出た僕は(いつの間にか三重の光輪に成ってた)羽を展開し、大地を蹴って飛翔した。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「見つけた。此方の方角か」

 

 

僕は手紙に残っていた八坂神奈子の神気から居場所を特定し、上空を飛んでいく。

三重の光輪の形をした羽は飛びやすくて助かる。

 

もたもたしていると変えるのが夜になりそうだ。

少し急ごう。

 

僕は八坂神奈子のいる場所に向けて音速を飛び越えた。

 

が、

 

 

「あ、着地考えて無かった」

 

 

そして僕は多分八坂神奈子の眼の前に(石畳を陥没させ、砂煙を立てて)着地した。

 

砂煙の向こうから女の声がした。

 

 

「誰だ」

 

 

相手に見えない様に僕は『柏手の鬼面』を被り、八雲黒から『柏手様』に切り替える。

 

僕は砂煙を祓い、砂煙の向こうから現れた綱を背負った青髪の女性に問う。

 

 

「問おう、君が八坂神奈子か?」

 

 

「如何にも。我が八坂神奈子である」

 

 

「そうか。私は柏手。大和の神、八坂神奈子。君に諏訪の神からの返答を預かってきた」

 

 

「貴様は諏訪の神の縁者か。して、返答は?」

 

 

「"戦を受ける"とのことだ。だが、君も此方も人民に被害は出したくあるまい。1ヶ月後に平原での一騎討ちで構わないか?」

 

 

「ああ。もとよりそのつもりだ・・・・・ふむ。柏手、私の軍門に下る気は無いか?」

 

 

何を言っているのだろうか?

私としては八坂神奈子のことは好きでも嫌いでもないが、僕としては諏訪子を危険に晒すコイツが気に入らない。

きっと対象が諏訪子じゃなく、梅やエディでも同じ様に考えたと思う。

 

だけど、今の僕はあくまで諏訪の国の縁者としての『柏手様()』。

まぁ警告位はいいだろう。

 

 

「すまないが断らさせてもらう・・・・・八坂神奈子、一つ言っておくことがある」

 

 

「何だ」

 

 

「諏訪の神を殺すな」

 

 

「何故だ?貴様の嫁だとでも言うのか?」

 

 

「・・・・・諏訪の国には神が敵わない程の『不死の化物』が居る。『化物』は諏訪子の意志を尊重するが、諏訪子が死ねば軽く国の2,3個は滅ぼすだろう」

 

 

多分、出来る。

今の僕なら国の2,3個は更地に出来るし、1秒もなく眼の前の八坂神奈子の心臓を潰すことも出来る。

 

・・・・・ああ、今僕は怒っているのか。

 

八坂神奈子が表情を固くする。

 

どうやら殺気が漏れていた様だ。

 

 

「むっ・・・・」

 

 

「そのことをよく覚えておくことだ」

 

 

僕は八坂神奈子に背を向け、飛び立った。

 

変える途中で八咫烏?というのに襲われたが、適当に羽をもいで地面に転がしておいた。

 

さて、帰ろう。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「くふっ・・・・・漸く、漸くだね?」

 

 

【銀木犀の箱庭】で黒の思考を覗いていた彼女は笑う。

 

 

「漸く黒に『怒り』と『大切なモノへの欲』が産まれた。前々から『自分のモノへの独占欲』はあったけどね。くふっ・・・・・これで、黒を捕まえられるね?」

 

 

黒を手に入れる――独占するために諏訪子との協定も破りさり、全てを引っ掻き回す為に『裏側の魔女(Joker)』が動き出した。

 

 

「手始めに・・・・・強敵を創ろうかな?」

 

 




『黒』
:今迄感じたことのなかった『怒り』が芽生える。諏訪子や梅、エディへの認識が変化している。今のところ、月ぐらいなら単騎で滅ぼせる戦闘能力を持つ。永琳が心配。「諏訪子は助けられるけど、永琳には直ぐに助けに行けないしなぁ・・・・・」

『梅』
:美舞を妹のように可愛がっている――が、何時でも切り捨てることができる。あくまで美舞を可愛がっているのは八雲紫の姉である梅という『仮面』。彼女は私情のために仮面を被る。「有象無象は嫌いですが、主様の為にも演じてみせましょう」


『諏訪子』
:この世界の諏訪子はミシャグチを従えておらず、彼女自身が『諏訪子』という霊物を主軸に置いた様々な信仰の複合体。故に一部考え方や性格、魂が変質している。「一騎討ちかぁ。まぁ、神霊程度ぷちって殺れば良いかな」

『エディ』
:黒幕。圧倒的悪役。ラスボス系ヒロイン。黒に『怒り』と『欲』が芽生えるのを待っていた。『裏側の魔女』はそれを利用して黒を独占するために動き出す。「くふっ・・・・・」


バッドエンド見たいですか?

  • 見たい!!(旧作の様にEX√として書く)
  • 見たくない!!(旧作に載せるかも?)
  • メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
  • ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
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