東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜   作:文才の無い本の虫

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作者「済まんが古代はダイジェスト?」

作者「描写力が欲しい・・・・・」


7「転機、暫しの別れ」

 

 

エディが創り出した異界【夢現】で黒と諏訪子が過ごし始めてから丁度九十九年と十一ヶ月が経った頃。

 

終わりが近付いてきた【夢現】に最近話し方が変わった(・・・・・・・・・・)『裏側の魔女』が訪れた。

 

 

「「エディ、どういうこと?!」」

 

 

黒と諏訪子が声を揃えてエディに詰め寄る。

 

二人に詰め寄られたエディはニッコリと愉しそうに笑って言った。

 

 

「くふっ。だから、黒と諏訪子は今後千年位は現世で逢えないってことよ」

 

 

エディの重大発表に諏訪子が「あーもうっ」と地団駄を踏む。

 

 

「だから私は何で黒と逢えないのか聞いてるの!!」

 

 

「エディ、どうしてなの?」

 

 

「それは黒と会ったら諏訪子が月の女神に殺されるからよ」

 

 

エディが急に真面目な顔になって言ったその言葉に黒は絶句する。

 

 

「・・・・・エディ、その話は本当?」

 

 

「ええ。流石に私でもこんなことで嘘は言わないわよ?それに手紙に書いてあったでしょう?"諏訪子が可哀想だったから"って」

 

 

そう言うエディに諏訪子は自身が殺されることは嘘ではないと判断し、エディに問う。

 

 

「っ・・・・・なんで月の女神が私を殺すの?」

 

 

「ツクヨミは・・・・・黒には嫦娥って言った方がいいかしら?ツクヨミは『穢れ』を嫌ってるの。だから昔『穢れ』から産まれた黒を殺そうとした。今は黒が生きていることに気がついてないけれど、『祟り』っていう『穢れ』に似て非なる力を持つ諏訪子と会うと捕捉されてしまうわ」

 

 

「・・・・・嫦娥、か。エディ、僕がもし嫦娥と戦ったらどうなる?」

 

 

黒の問にエディは少し嫌なものを思い出したかのような顔をして言った。

 

 

「・・・・・真面目に戦えば黒の圧勝よ。でも奴は全知を使わない私から逃げられる程逃げるのが上手いの」

 

 

エディは不機嫌そうに「前に殺し損ねたわ」と言う。

 

黒は月の女神が全知を使わないとはいえ全能であるエディから逃げることができるという事実に驚愕する。

 

エディは魔法使いだが、片手間で神を殺すなど造作もない。

 

魔法使いとしての腕だけで黒の数十倍は強い。

 

それから逃げることができる月の女神とはどれ程しぶといのだろうか。

 

 

「・・・・・エディ、その嫦娥とか言う女神が殺せないのはわかったよ。千年経てば黒と会っても良いんだね?」

 

 

「ええ、保証するわ。何せ数千年旅をして鍛えれば黒は世界を滅ぼせる位に成長できるから」

 

 

「世界を滅ばしてくれた方が面白いのだけれど」と笑いながらエディは言う。

 

黒は嫦娥によって傷つけられた純狐と伯封に梅を思い浮かべる。

 

 

「エディ、僕を鍛えてくれるかな?」

 

 

「裏側の魔女の授業料・・・・・高く付くわよ?」

 

 

「大切な諏訪子や純狐達を守る為なら安いものだよ」

 

 

「黒・・・・・」

 

 

「くふ。良いわ。鍛えてあげる」

 

 

黒の言葉に諏訪子は黒の手を強く握りしめて「守られるだけじゃ嫌だ」と思う。

 

黒は諏訪子の手を握り返しながら、エディに向かって言う。

 

 

「・・・・・それにエディの隣に立ってみたいしね」

 

 

その言葉にエディは目を細め、とても上機嫌そうに笑う。

 

 

「・・・・・くふっ期待してるわ♡」

 

 

そうしてエディは黒に軽い投げキッスし、「残りの一ヶ月、楽しむことね」と言い残して去って行った。

 

 

それから一ヶ月の間、黒と諏訪子は残りの時間をゆっくりと過ごし、そうして最後の日がやって来た。

 

 

「ねぇ、黒・・・・・私との指切り、覚えてる?」

 

 

「うん。忘れる筈が無いよ」

 

 

黒は諏訪子との指切り(契約)を思い出し、諏訪子に微笑む。

 

そんな黒の様子を見て、諏訪子はそっと黒の手に自身の手を重ねる。

 

 

「・・・・・そっか」

 

 

あの時、黒と諏訪子が交わした指切り(契約)

 

 

『・・・・・そっか。じゃあ、指切り(契約)しよう

 

 ――指切りげんまん(諏訪子の名に於いて)帰って来なかったら(私のモノにならなければ)、黒をぐちゃぐちゃにして(祟って)私のモノにしちゃうからね(食べてしまうよ)?』

 

『うん――指切った(同意する)

 

 

諏訪子の「黒は私のモノ、絶対に手放さない」という宣言であり、黒の「諏訪子の全てを受け入れる」という誓約。

 

諏訪子は黒の手に指を絡めながら黒のことを上目遣いで見つめる。

 

 

「少し・・・・・ううん、ものすごぉーく不本意だけど待つよ、私は」

 

 

「ごめん、僕のせいで」

 

 

申し訳無さそうに言う黒の口に諏訪子の人差し指が触れる。

 

諏訪子は少し頬を膨らませながら黒に言う。

 

 

「もうっ!黒はそんな気にしなくていいの!悪いのは月の女神だし、元々何千年も何万年も待つつもりだったし・・・・・それに、黒はちゃんと帰って来るって約束してくれたからね」

 

 

にこりと微笑みながら「だから気にしないでね?」と言う諏訪子に黒は笑顔を浮かべる。

 

 

「うん、ありがとう諏訪子」

 

 

「ふふっどういたしまして・・・・・うん?」

 

 

「どうしたの?」

 

 

諏訪子はいきなりきょろきょろと周りを見回す。

 

黒も釣られて周囲を見るが何も変化はない。

 

暫くすると諏訪子は少し不機嫌になり、空中に――そこで覗いているであろう魔女に向けて――声を発する。

 

 

「覗いてるでしょ?」

 

 

「・・・・・エディ?」

 

 

黒は諏訪子の言った覗くという言葉から犯人――というかほぼ確定――を思い浮かべる。

 

すると諏訪子の見つめている先からエディがその長い銀髪を靡かせながら現れた。

 

 

「あら?黒でも気付かない様に隠れていたはずなのだけれど・・・・・どうしてかしら?」

 

 

「女の勘」

 

 

「・・・・・勘、尖すぎないかしら?」

 

 

エディは諏訪子の勘の尖さに驚きを浮かべる。

 

諏訪子は真剣な表情になり、エディに問う。

 

 

「もう時間なの?」

 

 

「ええ。夢は覚めるものでしょう?・・・・・あ、ここは夢だけれども、この【夢現】で過ごした記憶は忘れないわよ」

 

 

「なら良かった。黒、待ってるから逢いに帰って来てね?」

 

 

諏訪子の姿が足元から薄くなって透けていく。

 

夢が覚める時が来たのだ。

 

黒はゆっくりと【夢現】から退去する諏訪子を抱き寄せる。

 

 

「ちょっと遅くなるかもしれないけど、絶対に逢いに行くよ」

 

 

黒の言葉に頷いて、諏訪子は自身の愛する者を強く抱き締めて愛を囁く。

 

 

「うん・・・・・待ってるよ。黒、愛してる」

 

 

「ああ、僕も愛してる」

 

 

諏訪子の姿はもう殆どが透けて、退去が進んでいく。

 

諏訪子は最後に黒に向かって微笑んで退去が終わった。

 

黒の背後で沈黙を貫いていたエディが黒の背中に抱きつく。

 

 

「お別れは済んだかしら?」

 

 

「うん・・・・・一つ聞きたかったんだけど、その喋り方どうしたの?」

 

 

「くふっ・・・・・わからないわ」

 

 

「おい」

 

 

「前の方が良かったかしら?」

 

 

エディのその問いに黒は苦笑しながら応える。

 

 

「いや、どっちのエディも僕は好きだよ」

 

 

「くふっ・・・・・そう。じゃあ、行きましょうか」

 

 

「うん。よろしく、エディ」

 

 

「ええ。黒、貴方を超一流の魔法使いにしてあげるわ」

 

 

そうして黒とエディも【夢現】から去って行った。

 

この後、黒は【仙界】で数千年程の修行を経てエディに言われて現世に赴くことになる。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

(旦那様)、気を付けて。偶には帰って来い・・・・・伯封は仕事で居ない(・・・・・・・・・)しな」

 

 

「うん。百年毎には帰ってくるよ」

 

 

見送りに来た純狐の言葉に黒はそう応える。

 

この【仙界】での数千年で黒と純狐の息子の伯封は成長し、今ではヘカーティアの紹介で地獄の閻魔の補佐をしている。

 

一方黒はエディの言った通り超一流の魔法使いとなっていた。

 

帰ってくると言う黒の言葉に純狐は頷き、黒を抱き寄せる。

 

 

「ふふ、なら【仙界()】のことは任せておけ。それも妻の仕事だ」

 

 

「ああ、頼んだ・・・・・行ってくるよ、純狐」

 

 

「行ってらっしゃい、旦那様。愛してるぞ」

 

 

「うん、愛してる」

 

 

純狐を抱き締めた後、黒は自身の前に魔法によるゲートを開く。

 

そのゲートに向かって黒は歩いて行った。

 

黒はゲートを通り抜ける時にふと、銀木犀の香りと「頑張りなさいよ?」という言葉が聞こえた気がして苦笑しながら歩く。

 

 

「エディも素直じゃないなぁ」

 

 

 

 

――物語の舞台は現世へ・・・・・

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「だからぁ!僕は唯の医者だって言ってるだろ!」

 

 

「神医ウォン!!とても良い腕です!さぁ!もっと闘いましょう!!もっともっともっとぉ!!」

 

 

「しつこい!!くたばれ戦闘狂(バトルジャンキー)!!」

 

 

「褒め言葉ですが!私には!紅美鈴という名前があるんです!!」

 

「知るかぁ!!普通に仕事させろ!!」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「みょん」

 

 

「え?妖忌が手紙残して旅に出たって?!」

 

 

「みょん・・・・・」

 

 

「そうか、わかった。会ったらきっちり顔を出す様に言っておくよ。妖夢、それで良いかい?」

 

 

「みょん!」

 

 

「よしよし、妖忌が居ない間に強くなろうね」

 

 

 

 

 

「・・・・・幽々子、あれわかるかしら?」

 

 

「うふふーわからないわー。でも妖夢が可愛いからどうでもいいわね!」

 

 

「・・・・・はぁ」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「はぁ・・・・・諏訪子に会いたい」

 

 

カソックに黒いコートを着た黒――今はクロードと名乗っている――がため息をつく。

 

彼の足元には灰になっていく死徒の残骸が横たわっている。

 

するとクロードに向かって茶髪の青年が歩いて来た。

 

 

「おい、クロード。どうしたんだため息なんて吐いて。幸せが逃げるぞ?」

 

 

「ああ、ユーリ。そちらの方も終わったのか?」

 

 

「おう。死徒が三体程居たがそこまで強くは無かったなぁ」

 

 

大きな本を小脇に抱えた茶髪の青年が肩を竦める。

 

彼の名前はユーリ・ホールド。

クロードの同僚であり、優秀な退魔師だ。

 

そして・・・・・『聖堂教会』の抱える代行者の頂点、『埋葬機関』の一人でもある。

 

もちろんその同僚であるクロードも『埋葬機関』の一人だ。

 

 

「しっかし死徒は多いが弱い・・・・・わざわざ『埋葬機関(俺等)』を二人も派遣する必要があったのか?」

 

 

「・・・・・というか私とユーリは死徒狩りより祓魔が専門だ。死徒狩りはシエルに言えば飛んでくるのに何処で油を売ってるんだシエルは」

 

 

するとユーリがばつが悪そうに頭を搔きながら口を開く。

 

 

「あー。そういえばシエルは『カレーが私を待っています!』とか言ってインドに旅行に行ったぞ」

 

 

「嘘だろう・・・・・あのカレー狂い小娘?!」

 

 

クロードはカレー狂いの同僚を思い浮かべて――カレー狂いになった原因の一端はクロードにあるのだが――本日二度目のため息をつく。

 

 

「・・・・・ふう、取り敢えず帰ろう」

 

 

「そうだな」

 

 

そうして仕事を終えたクロードとユーリは帰路についた。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「いい?広域探知系、大規模魔法は使っちゃ駄目よ。あと神力は以ての外よ。捕捉されるわ」

 

 

「わかってる。霊術と中規模までの魔法と体術で対処するよ」

 

 

「よろしい。そうだ、試しに『聖堂教会』ってところに人間として加入してみればどうかしら?」

 

 

「どうして?」

 

 

「面白そうだからよ」

 

 

「はぁ・・・・・」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「でりゃあ!面倒臭ぇ!!」

 

 

「るあっ!!面倒臭いのはわかるがこれが仕事だ!」

 

 

「わかってるけどさ!!てい!!俺の専門は祓魔だっつーの!」

 

 

「私だってそうだ!!」

 

 

「いや、クロード何でもできるだろ?!」

 

 

「千年修行しただけだ!!」

 

 

クロードは蹴りと黒鍵で、ユーリは光を纏わせた(鈍器)と体術で死徒の群れに応戦する。

 

今彼らはとある死徒の罠により追い詰められていた・・・・・筈だった。

 

 

「うーん、手応えねぇな。量だけだったみたいだ」

 

 

「まぁ私達は祓魔が専門だが、それ以前に代行者の頂点だからな」

 

 

正しく死屍累々。

 

死徒の群れは二人によってあっという間に片付けられた。

 

その後、首謀者の死徒はクロードによって討伐された。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「そういえば今日引退するんだって?」

 

 

「む、言ってなかったか?」

 

 

「おう」

 

 

「すまんな」

 

 

「気にすんなよ。何時も言ってた好きな奴に会いに行くんだろ?さっさと安心させてやれよ?」

 

 

「ああ、言われなくとも・・・・・そうだ、これをやろう」

 

 

「なんだこれ?」

 

 

「日本の勾玉と言うやつだ。御守りだよ」

 

 

「そうか、貰っとく・・・・・元気でな」

 

 

「ああ、死ぬなよ」

 

 

「おう」

 

 




『黒/クロード/ウォン』
八雲黒。着々と強くなってる。元々スペックは高かったのだが何処かの戦闘狂①と②や【仙界】での修行、埋葬機関での日々により喧嘩殺法が一つの武術の域まで上達した。ウォンは医者兼変装の練習をしていた時に名乗っていた。

『諏訪子』
メインヒロイン。最近勘が鋭くなった。こっそりと修行中。嫦娥から監視がついているわけではなく、条件付き検索に引っ掛かる条件を半分満たしている状態。黒が【仙界】で寝ている時のみ【夢現】で会う事ができる。

『エディ』
最近喋り方が変わった。何故かはわからない、知ろうとしない。黒が何かの鍵なのは察しているが今の自分も悪くないと思っている。どんどん考え方が魔法使い寄りに成っていく。諏訪子の為に諏訪子の夢と【夢現】を繋げた。

『ユーリ・ホールド』
オリキャラ。もしかしたら彼が主人公の二次創作書くかも。彼は幻想入りして再会する予定。もしヒロインをつくるとしたら暫定でフランドールかな?埋葬機関内での総合的な強さは上から三番目。埋葬機関内では比較的常識人。

『紅美鈴』
戦闘狂②。神医ウォンの噂を聞き物珍しさに会いに来た。そしたら出来そうだったので闘ってみたら思いの外強くて数十年絡み続けた。彼女の黒歴史に・・・・・。

『みょん』
幼い妖夢。黒が始めて会った時はもう既に妖忌しか肉親が居なかった。黒と妖忌が剣の師匠。ナイフ投げ習得。

『妖忌』
戦闘狂①。黒の剣の師匠。幼い妖夢を置いて西行妖を切れるようになるための旅に出た駄目なお祖父ちゃん。

バッドエンド見たいですか?

  • 見たい!!(旧作の様にEX√として書く)
  • 見たくない!!(旧作に載せるかも?)
  • メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
  • ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
  • 個別!!(コメント下さい。書きます)
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