東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜   作:文才の無い本の虫

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作者「前回の時系列があれだったので補足説明」

日本神話:黒の修行開始

三国志期:神医ウォンの活躍

江戸時代:冥界での剣の修行

中世西洋:クロードの埋葬機関での活躍

現代?日本:今ココ


8「懐かしい国へ」

 

 

「ふぅ・・・・・やっと着いた」

 

 

黒――クロード――が埋葬機関を引退してから数年。

 

死徒や魔術師の追手を躱し、時には叩きのめしながら、黒はようやく日本にたどり着くことが出来た。

 

黒は知らないことだが、今は西暦1999年。

 

もう少しで時代の節目だ。

 

 

「うーん、広域探知は使えないし・・・・・取り敢えず歩いて探すしか無いか」

 

 

『はい、その方が良いかと』

 

 

黒に梅からの念話が届く。

 

黒がクロードとして活動していた間、【仙界】の管理を手伝っていた梅は、今は自身の定位置(黒の斜め後ろ)に居る。

 

 

「梅は右と左、どっちが良いと思う?」

 

 

『・・・・・守谷神社の位置が変わってないのなら右ではないかと』

 

 

「よし、じゃあ右に行こうか」

 

 

『はい』

 

 

黒と梅は歩いて行く。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「うーん。日本も発展したんだなぁ・・・・・」

 

 

「凄まじい発展速度ですね。このままなら数千年あれば『都』にも追い付けるかもしれませんね」

 

 

有り合わせのカソック&コート姿の黒と予備の――色々あって持っていたシエルの――修道服を着た梅は周りの視線を気にせず街中を歩く。

 

 

「ここらへんじゃ、無さそうだね」

 

 

「はい。記憶通りならもう少し西の方では無いかと」

 

 

「うーん。お土産でも用意して置こうかな」

 

 

「はて、早くないですか?」

 

 

「いや、もうすぐ逢える気がするんだ」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「・・・・・懐かしいなぁ」

 

 

「ようやくですね」

 

 

幽々子の所で舌仕立てもらった着物に身を包んだ黒と梅は――少し古くなっているが――見慣れた石段(・・・・・・)を見上げる。

 

黒は「色々あったなぁ」と昔の――千年以上前の守谷神社がまだ諏訪神社だった頃の――記憶を思い出す。

 

石段は千年以上前と殆ど変わっておらず、今でも美舞達の声が聞こえてきそうだと黒は思う。

 

ギシリ、と黒の中から魂が軋む音がする。

 

 

「かふっ」

 

 

「主様?!」

 

 

 ――指切りげんまん(諏訪子の名に於いて)帰って来なかったら(私のモノにならなければ)、黒をぐちゃぐちゃにして(祟って)私のモノにしちゃうからね(食べてしまうよ)

 

黒は吐血する。

 

 

「・・・・・あれ?もしかして無意識に時間制限が付いてた?」

 

 

「主様、大丈夫ですか?!」

 

 

「うん、こふっ・・・・・永琳に助けられた形だね」

 

 

「取り敢えず肩をお貸しします」

 

 

「ありがとう・・・・・血の始末も、頼んで良いかな?」

 

 

「はい。ルーミア、主様の血を」

 

 

「りょーかいなのだー」

 

 

永琳が黒に渡した試作品の『蓬莱の薬』、黒の性質により変質したそれは黒の魂に強い強度を与えていた。

 

能力に制限がついている黒は梅に肩を貸して貰いながら石段を登る。

 

 

(弱った主様・・・・・可愛いですね)

 

 

(梅姉様から駄目な感じの匂いがするのだー・・・・・あ、王様の血が美味しいのだ)

 

 

梅は・・・・・とても下らないことを考えていた。

 

 

(身体能力は五割減、能力も使用不可、魔力が辛うじて使えるかな?・・・・・この状態だと本気の紫(・・・・)に負けるかもなぁ)

 

 

可愛いし(作者:メインヒロインですしお寿司)、ある意味諏訪子が最強では?と下らないことを考えていると石段の終わりが見えてきた。

 

 

「ふぅ・・・・・やっと登りきった」

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「うん。大分落ち着いたし、一人で歩けるよ」

 

 

「そうですか。では、私は此処で待っています。馬に蹴られたくは無いので」

 

 

「ははは、ありがとう」

 

 

梅を境内の入り口に残して黒は神社の方へ歩いて行く。

 

黒の耳には神社の中からとたとたと誰かの足音が聞こえる。

 

がらりと神社の障子の一つが勢いよく開かれる。

 

黒はその障子を開けた女性に片手を上げて声をかけた。

 

 

「やあ、諏訪子。約束通り逢いに来たよ」

 

 

神社の中から出てきた女性――諏訪子は黒の方に走り、その勢いのまま黒に抱き着いた。

 

 

「くろ・・・・・黒!!逢いたかった、逢いたかったよぉ!!」

 

 

「うん。僕も逢いたかったよ、諏訪子」

 

 

黒は勢いを殺す為にくるりと回りながら諏訪子を強く抱き締める。

 

二人は確かめるように、強く互いを抱き締め合う。

 

 

「黒、約束通り黒は私のモノ。もう勝手に離れないでね?」

 

 

「諏訪子、約束するよ」

 

 

「うん・・・・・黒、だーい好き!愛してる!!」

 

 

諏訪子の笑顔に釣られて黒も笑顔を浮かべた。

 

二人は暫くそうして抱き合っていた。

 

・・・・・周囲を気にせず。

 

 

「ねーねー梅姉様。王様達どうするのだ?」

 

 

「・・・・・放置しておけば数時間で戻ってくるでしょう」

 

 

「・・・・・すみません、えーっと諏訪子様のお知り合いですか?」

 

 

「ああ、美舞の子孫ですか。名は?」

 

 

「え?あ、はい。私は東風谷早苗と言います」

 

 

「ふむ、早苗。八坂神奈子のところへ案内してもらっても良いですか?」

 

 

「えぇ・・・・・案内はしますけど、あれ放置して良いんですか?」

 

 

「はい。何時ものことですので」(梅は【夢現】の百年を知っているため)

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

守谷神社の中。

 

黒の膝の上に居座った諏訪子は餌を待つ雛のように口を開ける。

 

 

「黒〜、あーん」

 

 

「はいはい。あーん」

 

 

黒は少し前に用意した土産――買うのを諦めて自分で焼いた保存が効く焼き菓子――を諏訪子の口元に運ぶ。

 

諏訪子は幸せそうに黒の焼いた菓子を頬張る。

 

その幸せそうな諏訪子を見て気まずそうにしながら緑髪の巫女――早苗が声を発した。

 

 

「・・・・・えーっと諏訪子様、その方は?」

 

 

「うん?ああ、ごめんごめん。早苗には紹介がまだだったね。彼は八雲黒。早苗には『柏手様』って言った方がいいかな?」

 

 

「僕は八雲黒。よろしくね、美舞の子孫」

 

 

「え、・・・・・ええぇー!!貴方が柏手様なんですか?!ていうかそんな完璧超人いたんですか?!てっきり諏訪子様の妄想かと思ってました!!」

 

 

小さい頃から諏訪子に柏手様のこと(並の神より強い、家事完璧、大体何でも出来る、等)――美化されてはいるが大体本当――を聞いていた為、そんな完璧超神いるわけがないと思っていた早苗には黒が諏訪子の妄想じゃないことに衝撃を受けた。

 

その早苗の物言いに目尻に少し涙を浮かべて諏訪子は黒に抱き着いく。

 

 

「・・・・・黒ぉ、早苗が酷いよぉ」

 

 

「あーうん。よしよし」

 

 

黒は「美舞もキツイ時はこんな感じだったなぁ・・・・・」と早苗に美舞を見ながら諏訪子を慰める。

 

暫くそうしていると黒達が居る居間に神奈子が入ってきた。

 

 

「ははは。久しぶりだな、八雲の」

 

 

「ああ、久しぶりだね神奈子。仕事はちゃんとしてた?」

 

 

「当たり前だ。与えられた仕事を熟せないなど神が廃る・・・・・まぁ最近は信仰も国も無くなり、仕事なぞ殆ど無いがな」

 

 

肩を竦めて神奈子は言う。

 

そんな神奈子を見て諏訪子は黒を見上げる。

 

 

「ねぇ黒」

 

 

「ん?」

 

 

「――忘れ去られた者の最後の楽園、『幻想郷』って知ってる?」

 

 

『幻想郷』と言う単語に黒は一昔前の()と交わした会話を思い出す。

 

『あと数百年後に幻想郷を外と隔てる結界を創るわ。だから父さんにはこれを渡しておくわね』

 

『このリボンは?スキマに似た気配を感じるけど』

 

『父さんが幻想郷に来たくなったり、幻想郷へ移り住みたい者を見つけたらソレに魔力を込めて欲しいの。そうしたら私が迎えに行くわ』

 

『僕が勝手に連れて行くのを決めて良いのかい?』

 

『だって父さんは名義上は幻想郷の賢者・・・・・創設者の一人よ。それくらいの権利はあるわ』

 

『え?僕は何にもしてないよ?』

 

『いえ、幻想郷の土地は『柏手様』を祀る神社と国から貰い受けたものなのよ』

 

『・・・・・あの村、国になってたの?』

 

『ええ。土地の持ち主が父さんになってて助かったわ』

 

『・・・・・うん。まぁ、僕の存在が紫の助けになったなら良かったよ』

 

今はその会話から数百年が経っている。

 

黒は手首に結んでおいたリボンをちらりと見て言う。

 

 

「うん。知ってるよ」

 

 

「本当?!」

 

 

「本当か?!それなら行き方を知っていたりしないか?」

 

 

神奈子は諏訪子と相談していた計画のために黒にそう聞いた。

 

 

「成程、向こうで新しい信仰を得ようとしてるって言うわけだね」

 

 

「そうだ」

 

 

「もちろん知ってるよ。何せ名義上は創設者の一人だしね。諏訪子達なら喜んで招待するよ」

 

 

「え?黒が創設者の一人なの?!」

 

 

「名義上はね。で、どうする?」

 

 

「・・・・・頼めるか?」

 

 

「いいよ。けど、早苗はどうするの?」

 

 

黒は早苗の方に顔を向ける。

 

早苗は少しだけ考えて顔を上げた。

 

 

「私も連れて行ってください。友達は居ませんし、大切なものは諏訪子様や神奈子様だけですから」

 

 

「・・・・・そっか」

 

 

黒はその言葉に頷き、「少し待っててね」と諏訪子を膝から下ろして外に出る。

 

梅は何時も通り黒の斜め後ろに立って居る。

 

黒は手首に結んであるリボンを解き、魔力を込める。

 

暫くして、黒の眼の前にスキマが開いた。

 

 

「父さん、久しぶりね」

 

 

「うん。紫、久しぶりだね」

 

 

黒が昔創った日傘を差しながらスキマから出てきた紫は黒に言う。

 

 

「ようやく幻想郷に来る気になったのかしら?」

 

 

「うん・・・・・と言いたいところなんだけど今回はこの神社のみんなも連れていきたいんだ。あと出来れば神社と湖も」

 

 

「成程ね。話はわかったわ。この神社一帯ごと幻想郷に連れて行けば良いのね?」

 

 

「頼める?」

 

 

「うーん。父さん、少し魔力をもらえるかしら?」

 

 

「良いよ」

 

 

黒から魔力を受け取った紫はスキマと魔法を併用し、境内を含めて神社を結界で覆っていく。

 

暫くすると転移が始まり、結界の外の景色が変わり始めた。

 

景色が完全に切り替わり、結界が解かれる。

 

 

「ふぅ・・・・・到着よ」

 

 

「ありがとう。また腕を上げたね」

 

 

「ええ。修行したもの。でもまだ父さんには追いつけそうも無いわね」

 

 

「・・・・・応援してるよ(・・・・・能力面では結構ぎりぎりなんだけどなぁ)」

 

 

すると紫は衣服――前掛けが黒の道士服とデザインが似ている――を整え、ドヤ顔で言った。

 

 

「改めて、父さん。幻想郷へようこそ。歓迎するわ――盛大にね」

 

 

※何も起こらなかった。

 

 




『黒』
いつの間にか幻想郷で信仰されている。幻想郷の土地の設定に関しては1日ぐらい悩んでルーレットで決めた結果こうなった。もっと諏訪子とイチャイチャさせるつもりだがエディも参戦するよ。

『諏訪子』
黒を手に入れた。【夢現】の百年は結構甘かった模様。紫については軽く聞いている。もっとイチャイチャを増やすつもり。地味に強くなっている。

『ゆかりん』
割りと困ったちゃん。今話だけでも2〜3個やらかしている。因みにドヤ顔のあと魔法に集中していた何も仕掛けをしていないことに気付いて涙目になったとか。

『梅』
黒の斜め後ろで待機してた。その後、涙目になった紫を慰めていたとか。ちゃんと従者してる。因みに諏訪子の『祟り』は神を余裕で殺せるレベルの劇物。

『ルーミア』
黒の血をちゃっかり舐めている。ほぼほぼ梅の影の中で寝ている。

『早苗』
両親が他界してたり友達が居なかったりとか結構苦労してる少女。




『シエル』
未登場。というか登場する予定は無い。梅と黒におしゃれについて教えてもらったことが在る。後で服が一着無くて泥棒騒ぎが起きたとか起きなかったとか。

『八雲藍』
未登場。後でちゃんと紫を連れ戻しに現れる予定。紫がいきなり「父さんが呼んでるわ!」とか言ってほっぽり出した仕事を代行しながら紫を探していた。苦労人の匂いが・・・・・。

バッドエンド見たいですか?

  • 見たい!!(旧作の様にEX√として書く)
  • 見たくない!!(旧作に載せるかも?)
  • メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
  • ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
  • 個別!!(コメント下さい。書きます)
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