東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜 作:文才の無い本の虫
トウマ「おい」
此処は博麗神社。
幻想郷を外界と隔てる博麗大結界の基点であり、幻想郷のバランスを保つ抑止力たる博麗の巫女の住処。
その博麗神社の境内で新たな住人を歓迎する宴が開かれていた。
「初めまして・・・・・いえ、
紅白の巫女服を身に纏った黒髪の少女が黒に話し掛ける。
黒は彼女の姿と口振りに驚きを隠せなかった。
「!!・・・・・うん、久しぶりかな?それとも初めまして?・・・・・まぁ、改めて。僕は八雲 黒。
黒のその言葉に微笑み、彼女は言う。
「ふふっ・・・・・私は博麗
初代博麗の巫女が予言した未曾有の危機に直面するとされる第十三代目博麗の巫女は奇しくも、初代博麗の巫女の生き写しであった。
「ああ、よろしく霊夢」
この時、黒は自身に刺さる
・・・・・気付けたとしても何かが変わることはないのだが。
「・・・・・ねぇ、黒。妙に仲が良さそうだけどこの女、誰?」
黒の左肩に諏訪子の手が載せられる。
否、諏訪子の手が黒の左肩を握りしめる。
ガシッ、ミシリ。
「えーっと、古い知り合い?」(冷汗)
黒は痛みと諏訪子の視線に冷汗をかきながら言う。
だが、霊夢は何かを察したのか黒の右側に回り込んで言う。
「・・・・・あら、酷いのね。二人っきりで『また会いましょう』ってあんなに熱く約束したのに!!」(ニヤニヤ)
「・・・・・黒?」(目のハイライトが完全に消える)
霊夢の言った少し誇張された事実に諏訪子の手に力が入る。
黒の左肩の筋繊維が悲鳴を上げ、骨に罅が入り始める。
メキメキ、ピシッ。
「霊夢君わかってて言ってるだろ。そろそろ巫山戯るの止めて諏訪子に弁解しないと僕の左腕が肩から千切れそうなんです」(早口)
「べつに勘違いを本当にしちゃうのもアリだと思わないかしら?」(ニヤニヤしながら黒の右腕に抱き着く)
「・・・・・」(無表情)
グシャリ。
ミチミチ、ぶちり。
黒の左腕は諏訪子によって捥ぎ取られた。
黒は目を閉じ、
「・・・・・えーっと。紫、助けて」(隻腕)
「ごめん父さん。私にも不可能はあるわ」(猟奇的な光景に後退る)
左腕が捥ぎ取られた父から数歩下がった紫は傍観を決め込む。
例え妖怪の賢者であろうと嫌なものは嫌だし、極力祟り神を敵に回す行動はしたくない。
というか紫だって父の為だろうと病んでる地雷原でタップダンスは踊たくは無いのだ。
「・・・・・治るかなこれ」(傷口には祟りがたっぷり)
傷口に諏訪子の――野良妖怪なら軽く死ねる濃さの――祟りが纏わりついているのを見て、黒は不安に思う。
そんな黒の右腕に抱き着いていた巫女はちらりと諏訪子を見てから猫撫で声で黒の耳元で囁く。
「あら、左腕の代わりにお世話してあげましょうか?今なら新居付きよ♪」(ニヤニヤ)
「くろぉ?」(祟り神)
「・・・・・はぁ。僕死ぬかも」(多量出血)
両手に華――片腕はもう無いが――の状態の黒は大きなため息をついた。
・・・・・これがさらなる修羅場に発展しようとしているのを黒は未だ知らない。
「・・・・・黒、強く生きろよ」(酒片手に)
「・・・・・エディ姉さんや純狐が来たら不味いわね」(死んだ目)
「・・・・・すみません紫。もう来てます」(諦め)
※色々修羅場ったけど黒は(辛うじて)死ななかったよ☆
◇◇◇◇
「・・・・・はぁ」
「・・・・・父さん、気持ちはわかるけどため息をつくと幸せが逃げるわよ」
「あら、紫。どうしたの?」
「霊夢、貴女が原因よ・・・・・」(胃痛)
宴を終え、夜が明けた博麗神社。
黒と紫、そして霊夢は博麗神社の縁側でお茶を飲んでいた。
霊夢は珍しく腋が露出していない袴姿、紫は紫色のドレスに日傘、黒は道士服を着ていた。
但し・・・・・黒の左袖は結ばれていた。
「いや、まぁ・・・・・そこまで不便では無いから気にしてないんだけどさ、重心がブレて調節がね」
「じゃあ神様、私と組手でもする?」
「・・・・・頼むよ」
正気に戻った・・・・・戻った?諏訪子は黒の左腕を何処かに仕舞い、祟りを取ったものの黒の左腕は再生しなかった。
エディ曰く強い祟りで黒の魂が歪んだそうな。
因みに黒は諏訪子が左腕を捥ぎ取ったこと自体はあまり気にしておらず、諏訪子の涙目による「嫌いにならないで」で即許した模様。
・・・・・そもそも「とっても重くて面倒くさい諏訪子の全部が好き」とか言ったのだから――あまり正常な価値観や感性を持たない――黒が諏訪子を嫌いになることは無いだろう。
暫く霊夢との組手をすることによっと黒はある程度重心を整えることに成功した。
「・・・・・うん。あと数日でどうにか成りそうだ。ありがとう、霊夢」
「ええ、神様の役に立てたのなら良かったわ」
「じゃあ、そろそろ僕は帰るよ。諏訪子を待たせてるしね」
「あら、此処は私を含めて神様のモノなのよ?」
「はいはい。また来るよ」
「週3は顔を見せに来るわよね?さもないと・・・・・」
「「と?」」
黒と紫が(胃を痛めながら)声を揃えて聞く。
霊夢は妖艶に、それこそ人を破滅に導く類の笑みを浮かべて言った。
「私との関係は遊びだったの?!・・・・・って修羅場が起きてしまうかもしれないわ♪」
「・・・・・何処で教育を間違えたのかしら」
「・・・・・まぁ、できるだけ顔は出すよ。一応僕は此処の神様だし」
「それで良いわ」
霊夢はニッコリと微笑んだ。
尚、その会話を聞いていた――霊夢に昼ドラ系の書物を貸した事がある、ある意味の元凶――白黒の普通の魔法使いはドン引きしたとか。
◇◇◇◇
守谷神社の縁側で黒が月を見上げて古い友人を思い出していると、ふらふらと諏訪子が歩いてきた。
「ねぇ黒ー」
「どうしたの諏訪子?」
「膝枕してー」
「良いよ。ほら」
黒は自身の膝をぽんぽんと叩く。
諏訪子は頭を黒の膝の上に載せて、ごろんと転がる。
「黒の膝枕は寝心地が良いねー」
「諏訪子酔ってる?」
「うー?何か神奈子が寝ちゃったから来たのー」
「・・・・・神奈子って確か結構強かった気がするんだが?」
「もー。だらし無いったらありゃしないよ〜。早苗は匂いだけできゅぅ〜って寝ちゃうし、神奈子は樽10個ぐらいで寝ちゃうんだもん」
「・・・・・十樽って相当だよ?」
「あーうー。黒、抱っこー」
脈絡が無い諏訪子を抱き抱えながら、黒は明日は二日酔い確定だなと思いながら右手で諏訪子の頭を撫でる。
諏訪子の目は次第にとろんとしたものになって行き、諏訪子は夢の世界に旅立って行った。
「えへへ、くろ、もっとなでて・・・・・すぅ」
「うん、おやすみ諏訪子。いい夢を」
黒は諏訪子の頭を撫でたあと、諏訪子を起こさない様に左腕が無いので、右手に展開した『黒纏万手』――紫命名。要するに黒が作ったシンビオートモドキ――で寝室まで運ぶ。
ここ最近、よくある日常となっているこの行動に黒はくすりと小さく笑う。
「・・・・・幻想郷に来てからもう二週間かぁ」
色々あったなぁと振り返るも、最初の一週間の出来事――修羅場と左腕の喪失――であまり気に留められるほど大きな出来事は無かったなと黒は思う。
「・・・・・どうか、もう少しこの
――平和は、戦争と戦争の間にある準備期間のことである。
物語はもう既に動き始めている。
『黒』
隻腕になったとか。神医ウォンと名乗って活動していた時期に自身の血を材料に作り出したシンビオートモドキ――『黒纏万手』(紫命名)を最近多用(鈍器にしたり、左腕の代わりにしたり)している。本来の用途は万能医療器具。
『諏訪子』
あれ、浮気かな?と黒の左腕をもぎ取ったヤンデレ祟り神。酒には強い。酒に酔うと肉食系諏訪子様か甘えん坊諏訪子ちゃんの何方かに成る。黒の左腕は何処の胃ぶ・・・・・どうやって処理されたんだろうね。
『霊夢』
人を破滅に導く類の笑みを浮かべる博麗の巫女。初代の生まれ変わり。豊富な戦闘経験に化物級の霊力で歴代最強とされている。最近は黒を揶揄するのが愉しみ。神様に歪な感情を抱いている模様。
『紫』
胃が痛い幻想郷の管理者。何処で教育を間違えたのかしら・・・・・と悩んでいる。最近嫌な予感しかしない。
バッドエンド見たいですか?
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見たい!!(旧作の様にEX√として書く)
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見たくない!!(旧作に載せるかも?)
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メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
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ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
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個別!!(コメント下さい。書きます)