東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜 作:文才の無い本の虫
作者「評価してくれた方々、読んでくださっている方々へ感謝を」
早朝の守谷神社。
神社の境内には黒と諏訪子の間延びした歌声と三線のような開放弦の音色が響いていた。
屋根の上に座っている二柱――黒と諏訪子――は左右に揺れながらあまり中身のない歌を歌う。
・・・・・黒は左腕が無いのにどうやって演奏しているのだろうか?
「「けーろーけーろーうーたーがー、きーこーえーてーくーるーよー」」
ベーベーべーべーべーべーべー、べーべーべーべーべーべーべー
「「くわーくわーくわーくわー、けろけろけろけろ、くわーくわーくわー」」
ベンーベンーベンーベンー、ベンベンベンベン、ベーべーべー
境内の掃除をしていた守谷の巫女――風祝である早苗は手を止めずに屋根の上の二柱に声をかける。
「・・・・・諏訪子様に柏手様、何で歌を歌ってるのですか?」
「「気分」」
早苗のふとした質問に黒と諏訪子は気分だと答える。
事実は歌を歌っていた諏訪子を見つけた黒が楽器を用意し、即興で諏訪子に合わせただけだ。
まさに以心伝心・・・・・いや、二柱とも何も考えていないだけだった。
「・・・・・というか柏手様、その三味線?は何処から出したんですか?昨日はそんな楽器は無かった筈ですが」
黒は首を傾げて「作った」とあっけらかんと言う。
因みに原材料は道端の木と謎肉――食用植物――の皮を乾燥させたものだ。
因みに肩から掛けられる特殊な形の紐が付いており、音程を変えずに弾くだけならば右手だけでも出来るように所々に工夫が凝らされている。
神社の備品も管理している早苗は楽器がそんなに早く出来るものではないことを知っていたが、此処――幻想郷ではその常識はあまり役に立たないようだ。
「・・・・・幻想郷では常識に捕らわれては行けないのですね」
早苗は「ははは・・・・・」と乾いた笑いを漏らす。
対して黒と諏訪子は中断していた歌を楽しそうに歌っていた。
「「けろけろけろけろ〜♪」」
ベんベんベんべん〜
「朝っぱらから喧しいわ!!少しは静かにしろ!!」
しびれを切らした神奈子が神社の中からズカズカと歩いて出てきて・・・・・
「「あ゛?」」
「(ひぃぃっ)・・・・・ほどほどにな」
流石に神奈子にもトラウマ――祟りで胸をブスリ――というものは存在する。
兎に角、諏訪子を怒らせてはいけないのだ。
「(神奈子様から娘に逆らえない父親感が・・・・・)」
「「けろ〜♪」」
べん〜
神奈子を気にも止めずに黒と諏訪子は歌い、早苗は石段の方に掃除に赴く。
・・・・・今日の守谷神社は平和です。
「あれ?初めまして、参拝ですか?」
「む?・・・・・あぁ、貴女が黒が言っていた美舞とやらの子孫か。私は純狐。黒の妻だ」
「?!・・・・・柏手様はこちらです(もしかして・・・・・修羅場?)」
「ああ、ありがとう」
訂正。
今日の守谷神社は修羅場です。
尚、純狐が「私は正妻じゃなくて良い」と言ったため黒の残っている方の腕が捥がれることは無かった。
貧血にはなった模様だが。
◇◇◇◇
守谷神社の屋根の上で黒と諏訪子が空を、紅い霧に包まれた風景を見上げている。
未だ早苗は寝ている時間だ。
諏訪子はその霧を見てポツリと一言。
「・・・・・赤いね」
「うーん。赤と言うより朱か紅、かな?」
そんなことを言いながら黒はふと『朱い月』を思い出す。
『さぁ、さぁ!愛しのクロードよ!ワタシの奴隷になるが良い!』
『嫌に決まっているだろう?!この変態がぁ!!』
『良い、イイ!もっとだ!もっとワタシに貴様を魅せろ!!』
『気色が悪いっ!・・・・・この変態め!黒鍵でドツキ回してやるっ!!』
『ふむ、貴様に貫かれてみるのも又一興!さぁ、ワタシを貫くが良い!』(洗礼詠唱が効かない)
『・・・・・もうヤダこいつ』
「・・・・・流石に無いな」
「どうしたの?」
「何でも無いよ。少し過去の宿敵を思い出してただけだよ」
黒はその『朱い月』と同じ容姿の『後継者』が近い将来、メガネの青年とラブコメを繰り広げるのを知ることになる。
すると黒に諏訪子が正面から抱き着いた。
「ねぇ、黒・・・・・それって女?」
黒の発言に女の影を感じた諏訪子が――ドロドロとした視線で――黒の顔を見上げる。
今回の諏訪子は前の出来事――左腕捥ぎ事件を反省して逃げられないように抱き着くに留めている。
・・・・・無意識で鋭く変化した爪が食い込んでいるが。
「・・・・・うーん、アレは女と言えるのかな?」
黒の知る『朱い月』を一言で言えば「変態」、それに尽きる。
ぶっきらぼうな喋り方に高慢、さらにサディスト、美しさのために自身の身体を1から組み直した両性。
度々クロードの前に現れては自身の奴隷にしようとしたり、様々な嫌がらせを仕掛けて嗤っていたり、その身体(中身0点)を使って誘惑(笑)してきたり・・・・・。
「・・・・・何かごめん」
思い出していく内に目が死んでいく哀愁漂う黒の様子に流石に諏訪子も罪悪感を抱いた。
暫くして持ち直した黒は立ち上がる。
「・・・・・うん、大丈夫。それにそろそろ紫か霊夢が来ると思うよ」
「博麗の巫女と妖怪の賢者ってことは・・・・・異変?」
――異変、それは幻想郷を揺るがす事件の総称、博麗の巫女が解決するもの。
そして異変解決は・・・・・名目上は幻想郷の賢者であり、博麗の神である『柏手様』――『八雲 黒』の役目の一つ。
「多分ね」
黒はこの紅い霧が異変に成りうると感じ取っていた。
「大当たりよ。流石父さんね」
黒がそう予想を口にした瞬間、まるでタイミングを測っていたかのようにスキマが開き、道士服を着て日傘を差した妖怪の賢者、『八雲 紫』が現れた。
「あ、紫。どんな感じ?」
「湖の向こう側が発生源ね。今、霊夢が博麗神社から飛び立ったところよ」
紫は片目を閉じながら言う。
閉じている方の目でスキマを覗いているのだろう。
「行くの?」
「うん。仕事だしね。紫、送ってくれるかな?」
「良いわよ。近くに繋げるから、先に向かった霊夢を(色んな意味で)頼むわ」
紫はそう言って黒の前にスキマを開く。
・・・・・因みに紫は心を限定的に読むことが出来る。
「了解。じゃあ、諏訪子。行ってきます」
「うん!行ってらっしゃい!」
諏訪子の声を背に、黒は
「あら?」
「・・・・・紫、どうしたの?」
「少し、結界に弛みが・・・・・父さんの知り合い?」
「女?」
「(こわっ・・・・・)いえ、男よ。父さんが現世で祓魔師のようなことをしていた時の同僚のようね。名前は確か・・・・・『ユーリ・ホールド』」
紫はユーリに気を取られて気付けなかった。
もう一つ、紛れ込んで仕舞った
「む?此処は何処だ?・・・・・確かワタシはゼルレッチと戦っていた筈だが」
「・・・・・ほぅ、クロードよ。見つからないと思ったら別の世界に居たのか。待っていろよ、今逢いに行く・・・・・あぁ、愛しのクロード。数年来の貴様は一体どんな顔を見せてくれるのか?クックック・・・・・」
「うん?此処は何処だ?」
(青年状況把握中・・・・・)
「・・・・・ったく、説明位しろやあぁあぁぁ!!」
「
・・・・・尚、黒がスキマを潜り抜けた先は
そうして、黒が異変解決へ向かうのはもう少し後になることになる。
「あら?・・・・・今、神様の声が聞こえた気がしたのだけど・・・・・まぁ良いわ。さっさと異変を解決して褒めて貰いましょうか♪」
『黒』
隻腕の神様。只今水中。
『諏訪子』
可愛い。神社で待機。
『早苗』
常識人…な筈。名言。
『神奈子』
最下位。逆らえ無い。
『純狐』
諏訪子はタジタジ。
『ゆかりん』
困ったちゃん。
『朱い月』
変態。
『ユーリ・ホールド』
埋葬機関の良心。
『霊夢』
I LOVE 神様。
バッドエンド見たいですか?
-
見たい!!(旧作の様にEX√として書く)
-
見たくない!!(旧作に載せるかも?)
-
メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
-
ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
-
個別!!(コメント下さい。書きます)