東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜   作:文才の無い本の虫

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作者「ブリュンスタッドに関してルーレット回した結果。やっちゃった☆」(懲りてない)

作者「今回、ニャルとその相棒が出るよ☆」

作者「次は何時になることやら・・・・・」



8「(後半から)博麗での一日」

 

 

博麗神社。

 

此処、幻想郷のバランサーを担う通う博麗の巫女の住処であり、『柏手様』を祀る――少し前まで幻想郷唯一の――神社でもある。

 

黒は少し前に霊夢に預けた『朱い月』の様子を見に来ていた。

 

 

「やぁ、霊夢」

 

 

「あら、(神様)。どうしたの?」

 

 

「霊夢が引き取ってくれたアレ(ブリュンスタッド)の様子を見に来たんだ」

 

 

黒は「あ、これお裾分けね」と畑で採れた野菜を霊夢に渡しながら言う。

 

グリンと黒の育てる野菜はとても美味しいと云うことを知っている霊夢は野菜を見てご機嫌だ。

 

 

「ああ、何時もありがとう。ブリュンスタッド(変態)は石段を掃除してるわ」

 

 

「・・・・・彼奴が?」

 

 

黒はあの『変態』が掃除をしているのを思い浮かべられず、怪訝そうに首を傾げる。

 

 

「ええ。取り敢えず文句を言ってたから三回挽いてあげたら素直に成ったわよ」

 

 

霊夢はサラリと言う。

 

黒は霊夢の巫女服が汚れていないことに気付き、戦慄する。

 

 

「・・・・・(霊夢は怒らせないようにしよう)」

 

 

すると、当の本人が石段の方から歩いて来た。

 

 

「博麗、石段の掃除を終えたぞ・・・・・む?そこに居るのは愛しのクロードではな「五月蠅い」(ちゅぴん☆)・・・・・」

 

 

黒の存在に気付き、彼女は黒に飛びつこうとした――瞬間、『朱い月』の頸から上が吹き飛び、首無し死体は勢いのまま後ろに倒れ込んだ。

 

※効果音は「ちゅぴん☆」でお送りします。

 

 

「・・・・・えーっと、ブリュンスタッド、大丈夫か?」

 

 

黒は後ろに倒れ込んだ首無し死体に近寄り、声をかける。

 

 

「くぁwせdrftgy・・・・・、大丈夫だ。ふむ、偶には美少女に殺されるのも悪くないな。一番は貴様に殺されることだが」

 

 

即座に頸から上を再生した『朱い月』――ブリュンスタッドは何時もの様に言う。

 

黒はその様子にため息を付き、近状を聞くことにした。

 

 

「はぁ・・・・・ブリュンスタッド、此処で何か問題を起こしてないよね?」

 

 

「ああ。ワタシは敗者だ。それぐらいはわきまえている・・・・・博麗の下につくのは些か気に入らんがな」

 

 

「・・・・・そう言えばお前って吸血鬼のまとめ役だった筈だけど、大丈夫か?」

 

 

「む?・・・・・ああ、大丈夫だ。もう既に後継は居る。それにワタシが居ないだけで死ぬならそれ迄の奴だったということだ」

 

 

「・・・・・(吸血鬼がバラバラに暴れそう・・・・・シエル、頑張ってくれ)」

 

 

黒は自身の後輩(年齢的に)のことを思い浮かべる。

 

因みに彼女は今、その後継と一人の青年を奪い合っていたりする。

 

※ブリュンスタッドやユーリは幻想入りする際に時間のズレが生じている。

 

 

 

 

「さぁ!!愛しのクロードよ!!久しぶりに愛し合お(殺し合お)「神様に迷惑掛けるな」(ちゅぴん☆)・・・・・」

 

 

「掃除、しなきゃなぁ・・・・・(紫、ウチの霊夢は順調に成長してるよ・・・・・最恐暴力系巫女に)」

 

 

本日二回目のヘッドショットによって起きた惨状――肉片が飛び散り、血塗れの境内――を見て、黒は考えるのをやめた(目が死んだ)

 

 

・・・・・絵の具をでこぼこしたところにぶち撒けた時の掃除って死ぬ程大変なんだよなぁ(本の虫談)

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「・・・・・と、言う訳でだ。クロード、いや、黒。ワタシに名前を付けてくれ」

 

 

「はい?」

 

 

「・・・・・あんた、この数ヶ月で頭でも腐ったのかしら?いっぺん死んでみる?」

 

 

霊夢は最近長くなったお祓い棒をブリュンスタッドに突きつけて言う。

 

 

「いや、そう云う訳では無い。ワタシは『朱い月』(ブリュンスタッド)である限り此処の異物で、世界から排斥される。少し前までは滅ぼしてやろうと思っていたが、些か疲れたのさ」

 

 

「・・・・・お前らしくないな」

 

 

そのしおらしい様子に黒は調子が狂う。

 

 

「ふっ・・・・・博麗、いや、霊夢と黒と過ごしていて少し思ったのだ。もしワタシが『朱い月』(ブリュンスタッド)のままならどうなるであろうかとな。ワタシの平穏は今しかない。砂上の楼閣と言うやつだ。ワタシは初めてこの生活が悪くないと思った」

 

 

ブリュンスタッドは語り始める。

 

彼女の過去を。

 

この世界の始まりを。

 

 

「・・・・・この世界には幾つかの星が存在する。それらを創ったのは『龍神』。奴はそれぞれの星に生命を撒いた。それから生まれたのが動植物や人、そしてワタシ達アリストテレス、アルテミット・ワン」

 

 

「アリストテレス?それって学者の名前じゃなかった?」

 

 

「ああ。人間達はワタシ達をそう呼ぶ。俗称と言うやつだろう」

 

 

「ワタシ達ってことはあんたみたいなのがまだまだ居るってこと?」

 

 

「そうだ。ワタシが知っているだけでも水星と火星、それに地球。ワタシ達は"今の"世界にとっては異物だ。水星のに至っては神さえ殺す程だ」

 

 

「・・・・・?あんたそこまで強く無いじゃない」

 

 

「・・・・・それを言われるとつらいが、ワタシ達にも得手不得手がある。ワタシは何方かといえば非戦闘型だ。ワタシが万体居て漸く水星のと拮抗出来るかどうか・・・・・其れ程の差がある。まぁ、それは置いておいてだ。異物であり、しかもワタシ達の中では其処まで強く無いワタシは排斥され続け、何時か無為に滅びるだろう。だから黒、貴様にワタシ(ブリュンスタッド)を終わらせて欲しいのだ」

 

 

「・・・・・はぁ。ネーミングセンスには期待しないでくれよ?」

 

 

「黒、良いのか?」

 

 

「ん?ああ。良いんだよ。紫の言葉だけど、幻想郷は全てを受け入れるってね」

 

 

そう言った後、黒は「うーん」と彼女の新しい名前を考える。

 

 

(あけ)の月・・・・・緋月(ヒゲツ)なんてどうかな?」

 

 

「ふむ。良い名だ。して、そのこころは?」

 

 

「だって君は(内面を除けば)月のように綺麗で、苛烈で炎の様だから」

 

 

「・・・・・(神様、今サラリと口説いたわね。まぁ、内面を除けばって言ってるしね)」

 

 

「・・・・・貴様、口説いてるのか??」

 

 

「はい?」

 

 

「・・・・・まぁ、良い。これからワタシは緋月だ。宜しく頼むぞ、黒、霊夢」

 

 

「・・・・・不本意だけど、これから宜しく」

 

 

霊夢がそう言い、黒は緋月に右手を差し出して言った。

 

 

「宜しく、緋月」

 

 

「ああ」

 

 

緋月は黒の右手を握り返し、夕焼けを背に微笑った。

 

思わず霊夢でさえ見惚れる程の美しさだった。

 

・・・・・中身はアレだが。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

――マスター

 

 

「・・・・・『銀の比翼()』、どうした?」

 

 

――この世界線に『観測者』の干渉を感知しました

 

 

「何時ものことだろ」

 

 

――いえ、世界が滅ぶかもしれないレベルの干渉です

 

 

「・・・・・まじ?」

 

 

――はい。本当と書いてマジと読むほうです

 

 

「あー。一応準備はして置くか。『銀』、場所は?」

 

 

――此処の付近の『冥界』です

 

 

「・・・・・きな臭くなってきたな」

 

 

――『観測者』の干渉では何時ものことです

 

 

「そう言や、そうだったわ。取り敢えず、行くぞー」

 

 

――Yes,Master.『Silvery Wings(銀の比翼)』ready!!

 

 

「・・・・・英語の必要ある?格好いいけどさ」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

『朱い月』が緋月に成ってから早くも2ヶ月が経とうとしていた。

 

緋月はドレスを捨てて着物を着るようになり、口調も柔らかくなり、今では『博麗神社の不思議なお手伝いさん』として有名だ。

 

噂では偶に『柏手様』と『博麗の巫女』と人里で歩いていることがあるとか。

 

そんなある日のこと。

 

 

 

「諏訪子、行ってきます」

 

 

「うん。いってらっしゃい、黒」

 

 

諏訪子に挨拶をした黒はグリンに少し多めに野菜を新聞――天狗達が趣味で発行しているもので、黒はちゃんと読んでから使っている――で包んでもらい、博麗神社へと向かう。

 

週3日ほど博麗神社にお裾分けと仕事――霊夢と一緒に幻想郷を見回る『柏手様』としての仕事――に行くのがここ最近の黒の一週間の生活となっている。

 

黒はゆっくりと音速に到らない程度の速度で博麗神社に向かう。

 

 

「あやややや、柏手様じゃないですか!!おはようございます。して、博麗神社に向かうので?」

 

 

「おはよう、射命丸。うん。今からね」

 

 

横に並んだ鴉天狗、射命丸文に挨拶を交わす。

 

人里に向かう彼女は黒に言う。

 

 

「途中まで同行しても?」

 

 

「いいよ。人里に新聞を配りに行くんでしょ?」

 

 

「はい。いやぁ〜最近は一定の購読者ができましてね」

 

 

その言葉で黒はふと前の宴会で天魔が言っていたことを思い出す。

 

 

「へー。そう言えば人里の門番とはどうなの?」

 

 

「あやややや?!も、護人さんとは何にもありませんよ?!」

 

 

「・・・・・(僕、一言も護人なんて言ってないんだけど・・・・・天魔が言ってたのは本当っぽいなぁ)」

 

 

因みに人里の門番は数十人程居る。

 

護人というのは幸薄そうな青年で、射命丸文のひとめぼれだったそうな。

 

 

暫くして黒は人里の近くで射命丸と別れ、博麗神社に向かう。

 

黒がちらりと人里の門の方を見ると、射命丸文と幸薄そうな青年が話しているのが見えた。

 

少し気になったので黒は魔法を使う。

 

 

「――Gather(拾音)

 

 

黒の耳に二人の会話が聞こえる。

 

 

『ねぇ、護人さん。知ってますか?』

 

 

『何をですか?』

 

 

『天狗は人を攫うらしいんですよ?』

 

 

遠目に射命丸の目が病んでるのを見て、黒は即座に聞くのを止めた。

 

黒は何も聞かなかったことにして博麗神社に進路をとる。

 

・・・・・黒は天狗の人攫いで霊夢が動かないことを祈るばかりだ。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

黒は石段を登り切り、博麗神社の境内を進む。

 

日光を浴びながら箒で掃除をしている吸血鬼の真祖は黒に気付くと、箒を動かすのを止めて黒に挨拶をした。

 

 

「黒、おはよう」

 

 

「緋月、おはよう。霊夢は?」

 

 

黒はその紅白の着物を着た美女――緋月に挨拶を返し、この神社の巫女のことを聞く。

 

緋月はニヤリと笑って言う。

 

 

「霊夢なら縁側で寝ているぞ。眠り姫を起こしてこい、彼奴の神様(白馬の王子様)?」

 

 

「ははっ。僕は白馬の王子様って柄じゃないよ。起こしには行くけどさ」

 

 

黒は苦笑する。

 

その後に緋月にお裾分けの野菜を渡し、黒は博麗神社の縁側へと向かう。

 

縁側では紅白の巫女服を着た美少女――霊夢が手足を投げ出して寝息を立てていた。

 

 

「すぅ・・・・・」

 

 

「・・・・・少し寝かせてあげようかな」

 

 

黒は霊夢の側に音を立てない様に座る。

 

霊夢はすやすやと寝ている。

 

黒は霊夢はどんな夢を見ているのだろうと思いながら寝癖がついた彼女の髪を梳く。

 

 

「・・・・・きもちいい」

 

 

「(寝惚けてるのかな?)」

 

 

黒は霊夢を優しく撫で、少し微笑う。

 

暫くそうしていると、霊夢がのそりと起き上がり、目を開けた。

 

 

「・・・・・うーん、かみさま?」

 

 

「やぁ、霊夢。おはよう」

 

 

寝惚け気味の霊夢は黒の言葉で完全に目を覚ます。

 

自身が寝惚けて髪を梳かれていたのが夢では無かったことをを理解した彼女は顔を真っ赤に染めて声にならない悲鳴を上げる。

 

 

「〜〜!!」

 

 

霊夢が羞恥心で悶えていると、そこに人数分のお茶と茶請けを持った緋月が現れた。

 

 

「黒、霊夢、お茶が入ったぞ?・・・・・タイミングが悪かったな。出直そ「――夢想封印!!」(ちゅぴん☆)」

 

 

「緋月?!」

 

 

黒は霊夢の八つ当たりを食らった緋月を心配する。

 

夢想封印による爆発が晴れると、着物がボロボロになった緋月が現れた。

 

しかし、彼女自身とお茶と茶請けには傷一つ付いていない。

 

 

「・・・・・霊夢、八つ当たりはヤメロ。洒落にならん。茶が溢れるところだっただろう」

 

 

緋月の格好――袖付近しか残っていない。要するに素っ裸――に黒と霊夢は無言になる。

 

 

「「・・・・・」」

 

 

「む?どうした?」

 

 

「「服を着ろ」」

 

 

「霊夢、貴様が原因では?」

 

 

「てか少しは恥じろ」

 

 

「ワタシの躰には何の問題もないはずだが?」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「ほー。ぽかぽかしてていい天気ね」

 

 

縁側に座った霊夢は、緋月が淹れた茶を啜り、息を吐く。

 

その隣で同じく茶を啜り、黒は頷く。

 

 

「うん。お茶も美味しいし、偶にはこうやって過ごすのも悪くないね」

 

 

その二人の様子に緋月――推定数万歳の真祖――が一言。

 

 

「ふむ、まるで老人のような会話だな」(推定数万歳)

 

 

「・・・・・僕、億は生きてるからなぁ」(推定数億歳)

 

 

「・・・・・お茶が美味しいわね」(冥界で過ごしていた時間を換算すると数千歳位)

 

 

そうして老人達(平均数千万歳の集い)が寛いでいる縁側にスキマが開く。

 

そのスキマからひょこりと上半身を出した紫は黒と霊夢の様子を怪訝そうに見る。

 

 

「おはよう・・・・・って父さんに霊夢、そんな遠い目をしてどうしたの?」(自称永遠の19歳)

 

 

「いや、ちょっと歳について話してたんだ」

 

 

その言葉に(結構歳を気にしている乙女な)紫は目を泳がせながら汗をかく。

 

 

「・・・・・わ、私は永遠の19歳だからっ」

 

 

「・・・・・紫、まだ何も言ってないわよ?」

 

 

「ギクリ・・・・・最近藍に「紫様ババ臭いですよ」って言われたのを気にしてるわけじゃないもん!!」

 

 

「・・・・・(「もん」って言ったわね)」

 

 

「・・・・・(紫がギクリって口で言うの久しぶりに見たなぁ)」

 

 

「・・・・・貴様、此処の管理者のくせして偶に馬鹿だな」

 

 

「失礼な!!」

 

 

「何時ものことね」

 

 

「霊夢が酷い?!」

 

 

「まぁ、それも紫の良いところだと・・・・・思うよ?」(途中で紫のやらかし――3「異変は唐突に、紫のうっかり」参照――を思い出した)

 

 

「疑問形?!」

 

 

「ふむ、まるで道化だな」

 

 

「いいわ、その喧嘩買ってあげる。表に出なさい『緋月(クソ真祖)』!!」

 

 

「ふ、良いだろう!!」

 

 

「二人とも夕飯迄には戻って来なよー」

 

 

「・・・・・お茶が美味しいわ」

 

 

 

以外ダイジェスト☆

 

 

 

「おーい霊夢ー飯たかりに来たぞー」

 

「帰れ」

 

「まあまあ、良いでしょ霊夢」

 

「・・・・・良いわ、入りなさい」

 

「ってことで、いらっしゃい魔理沙」

 

「おう、お邪魔するぜ」

 

「あ、皿を並べる位はしてね?」

 

「当たり前だぜ」

 

「む?魔理沙か。少し手伝え」

 

「げ、藍。何でお前が居るんだ?」

 

「紫様の御父上である柏手様の手伝いだが?どうせ飯をたかりに来たのだろう?働かざる者食うべからずだ」

 

「ちょ、私は黒と魔法談義を」

 

「良いから行くぞ」

 

「魔理沙、また後でね〜」

 

 

 

 

 

「――弾幕結界!!」

 

「――緋符・緋色の月!!」

 

「ねぇねぇ、私もいーれーてっ!!――破魔・洗礼詠唱改!!」

 

「「吸血鬼が何故その技を?!」」

 

「ユーリに教えてもらったの!!どっかーん!!」

 

「あー!!私の家が?!」

 

「ふっ。愉悦!!」

 

「愉悦愉悦☆ってやつだね!!」

 

「殴りたいその愉悦顔」

 

 

 

 

 

「フラァーン、どこ行ったんだ?!」

 

「妹様、何処にいらっしゃるんですかー?!」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「・・・・・何だよ急に呼び出して」

 

「今回の介入、少しきな臭い」

 

「お前が原因だろうが?!」

 

「それがな、今回の介入は私ではなんだよ」

 

「は?・・・・・『観測者』はお前だけじゃないのか?」

 

「ああ。分類上はお前も『観測者』だ。全てで『観測者』は7人・・・・・いや、『観測者』の椅子は7つ存在する」

 

「はい?」

 

――Ms.トルロックダウン、それは定員があると言うことですか?

 

「ああ、そうだ。条件さえ満たせば無機物でも『観測者』に成れる。『銀の比翼』、お前もその一例だ。まぁ、今のお前を無機物と呼ぶかは意見が分かれるがな。アルティメットガンダム三大理論とか舐めとんのか・・・・・っと本音が」

 

――ガンダムは素晴らしい文化だと思います。参考になりますし

 

「なぁ、脱線してるぞ?」

 

「面白そーな話だね!!混ぜてよ!!」

 

「む?世渡り上手のか。今回の介入はお前ではないみたいだな」

 

「うん☆でもエディ、君は相変わらず硬いね〜。此処のエディの方が親しみやすいよ?」

 

「む・・・・・此処のエディならやりかねないな」

 

――ですから、機動武闘伝Gガンダムの技術力は素晴らしいのです!!

 

「ええい!!もう少し内容を統一しろやぁ!!」

 

「やだ☆」

 

「無理だな」

 

――もう少し語りたいです。具体的に72時間程

 

「・・・・・寝る。『銀』、話が一段落したら起こしてくれ」

 

――むぅ・・・・・了解ですマスター

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「では、手を合わせて」

 

 

「「「「「いただきます」」」」」(多いため「」省略)

 

 

黒の音頭に合わせて博麗神社の広間に幾つもの手を合わせる音が響く。

 

広間は術や能力によって拡張され、黒が用意した大きな長机に大量の料理が並べられており、それを囲むように何個かの長机が配置されている。

 

立食というよりはバイキング形式だ。

 

 

「何か結局宴会みたいになっちゃったわね」

 

 

「うん。守谷の皆や八雲一家・・・・・って僕もか。まぁ、それに紅魔館の面々まで来たからね」

 

 

「事前に連絡位はしなさいよ全く。黒と藍に負担を掛けちゃったじゃない」

 

 

「そういう所が霊夢が慕われる理由だと思うけどね」

 

 

「な?!何言ってんのよ!・・・・・って私の春巻きが!!」

 

 

突然の黒の発言に混乱していた霊夢の隙を突き、霊夢が取ろうとしていた春巻きが横から掠め取られる。

 

黒と霊夢が横を向くと、其処には勝ち誇った様な魔理沙が。

 

 

「へへーん!早いもん勝ちだぜ!」

 

 

「春巻き・・・・・」

 

 

「・・・・・霊夢、また後で作ってあげるから」

 

 

そうして黒が落ち込んだ霊夢を慰めていると隣に紫が座り、肩をちょんちょんと突く。

 

 

「ねぇ父さん、この揚げ物は何ていうのかしら?」

 

 

「ああ、それはシュニッツェルって言ってね。肉を叩いて薄く広げてパン粉で揚げた料理だよ」

 

 

「へぇ。相変わらず父さんは料理が上手ね」

 

 

「ははは、下手に長生きしてないからね」

 

 

黒はエディの【銀木犀の箱庭】やパチュリーの【二人の世界】等で料理を作っていた為、数万年もその道を歩めば誰でもたどり着ける領域・・・・・というのが本人の弁である。

 

・・・・・無理ではないだろうか?

 

一応妖怪や神にも存在としての限界――個体差はあるが意志という魂の寿命――はあるのだが。

 

閑話休題。

 

 

「柏手様、今度この料理を教えてもらっても?」

 

 

「ん?ああ、別に良いよ。別に秘匿してるわけじゃないし、紫がお世話になってるしね」

 

 

「本当ですか?!よし、これで橙に「ぐらたん」なるものを作ってやれる!!待ってろよ橙!!」

 

 

「藍、気が早いわよ」

 

 

その藍の様子を見て黒は自身を見返してため息をつく。

 

 

「はぁ・・・・・(藍は僕とは違って式神思いだなぁ)」

 

 

『?主様には十分なほど私を大切にしていただいてますが?』

 

 

そんな主人の思考を盗ちょ・・・・・汲み取った黒の式神の梅は念話を介して言う。

 

 

「(そうかな?)」

 

 

『ええ。私は主様のモノであることが、主様の命令を遂行することが、主様と在ることが私の存在意義で、至上の喜びですから』

 

 

「(・・・・・全く。僕は良い式神を持ったよ)」

 

 

そう言って黒は感慨深く笑う。

 

梅はそんな黒の右側に現れ、黒の右腕を抱きかかえて黒に微笑む。

 

 

『ふふっ・・・・・何処までもついて行きますよ(死んでも離しませんよ)私の主様(私の愛しの御主人様♡)

 

 

「ねぇ、黒。何で一人で感慨深そうに笑ってるのよ・・・・・って梅?!何時の間に?!」

 

 

ちらりと霊夢を見た梅は小さく笑い、黒の口に黒の皿の料理を運ぶ。

 

 

「ふっ・・・・・主様、あーん」

 

 

「へ?」

 

 

「あーん」

 

 

梅の圧に屈し、黒は口を開く。

 

 

「・・・・・あーん」

 

 

黒はその料理を咀嚼し、飲み込む。

 

それを見た霊夢は悔しそうに自身の匙を握る。

 

 

「くっ・・・・・黒、私のあげる!!口開けなさい!!はい、あーん!!」(ツンデレ巫女)

 

 

「黒。私のもあげるよ。食べれ無いとか・・・・・言わないよね?」(見てた祟り神)

 

 

「むぐっ」(単純に苦しい)

 

 

「主様?!」

 

 

そうして賑やかに博麗神社の夜は更けていく。

 

 

 

 

〜幕間〜

 

 

「お、これ美味いな・・・・・ってか『観測者』の俺等が来てよかったのか?」

 

 

「ん?誤魔化してるから大丈夫だ。ああ、懐かしい味だな」

 

「要するにバレなきゃ犯罪モーマンタイってやつだね☆」

 

「・・・・・大丈夫なのかそれ?」

 

――むぐむぐ。とても美味しいです

 

「てかお前物食えたの?!」

 

――味覚を獲得しました。三大理論(ご都合主義)はやはり最高ですね!!

 

「おい」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

草木も眠る丑三つ時。

 

博麗神社の屋根では黒が梅を伴って月見酒をしていた。

 

 

「うーん。やっぱり不味いねこれ」

 

 

「主様、先程も同じことを言ってました」

 

 

「あー、まぁ、しょうがない」

 

 

「ええ、まぁ私もこれは不味いと思います」

 

 

雰囲気台無しである。

 

そんな二人は月を見上げて友を思う。

 

 

「・・・・・永琳様、元気でしょうか」

 

 

「・・・・・元気だと思うよ。まぁ、部屋は汚いかもだけど」

 

 

「ふふっ・・・・・容易に想像できますね」

 

 

驚くべきことに今の永琳の住居である永遠亭はきちんと整頓されている。

 

黒達がその事実を知るまであと少し。

 

その時に彼等はどのように思うのだろうか。

 

閑話休題。

 

暫くそうしていると、誰かが上がって来る。

 

 

「あら、黒。何をしてるの?」

 

 

「こんばんは、霊夢。月見酒かな」

 

 

「へぇ、交ぜてもらっても?」

 

 

霊夢は持って来た酒を軽く掲げる。

 

 

「良いよ。梅」

 

 

「・・・・・霊夢、どうぞ」

 

 

梅は盃を創り、霊夢に渡す。

 

霊夢はそれを受け取り、持って来た酒を注ぐ。

 

 

「黒達もどう?鬼から巻き上げた秘蔵の一本よ?」

 

 

「ははっ。貰うよ」

 

 

「ええ、いただきます」

 

 

差し出された二人の盃に霊夢は酒を注ぐ。

 

因みに酒を巻き上げられた鬼はガチ泣きしたそうな。

 

・・・・・まぁ、常日頃から酒を飲んでるし、霊夢に酔って喧嘩を売ったので自業自得なのだが。

 

 

「ほう、美味しいねこれ」

 

 

「そう?それなら良かったわ」

 

 

「・・・・・霊夢、感謝します」

 

 

そうして一人増えて三人になった彼等は月を眺める。

 

暫くして、黒は何処からともなくヴァイオリンを取り出し、左の義手を動かす。

 

それを見た梅はフルートを取り出す。

 

 

「久しぶりだし夜だからゆっくりと・・・・・少し、小さめにね」

 

 

「御意」

 

 

黒が弦を弾き、穏やかな音色を響かせる。

 

梅がそれを引き立てるように旋律を奏でる。

 

息をするように、ゆったりと。

 

染み渡るように、優しく。

 

黒と梅の奏でる小さな音色は幻想郷の隅々まで響いていく。

 

 

霊夢は様々な疑問が浮かんだが、それを忘れてその曲に聴き入る。

 

寝付けなかった普通の魔法使い、偶々起きていた式神の式神、月を眺めていた幻想郷の住人達。

 

彼等は、今だけ全てを忘れてその音色に聴き入った。

 

 

その夜、黒と梅の演奏は霊夢が自然と寝付くまで途切れることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




『黒』
料理めっちゃ沢山作った。楽器は暇つぶしに埋葬機関時代に梅と弾いていた。黒の奏でる旋律は能力の影響か、実体のない心や感情に強く響く。

『梅』
黒の料理を手伝っていた。最近出番が無かった。楽器は黒に合わせる為に影で猛練習した。彼女の奏でる音は他の音を引き立てる。

『霊夢』
博麗神社の素敵な巫女。様々な人妖に慕われている。実は料理を作るのを手伝っていた。神社の掃除は緋月にやらせている。

『緋月』
ずっとご飯を食べていた。食べ終わったらすぐ寝た。最近吸血鬼の真祖なのに早寝早寝ととても健康的な生活を送っている。

『ルーミア』
寝てる。眠いのだー。

『パチュリー』
実は留守番。飛ぶのだるいわ。

『藍』
八雲一家の料理人。






『ニャル(名前は未登場)』
『観測者』の一体。無貌の神。相棒は『銀の比翼』という喋る腕輪/鎧。様々な世界を渡り歩いている。

『銀の比翼』
『観測者』の一体(正確にはニャルのオマケなため『観測者』の七体の中には入らない)。ニャルの鎧。機動武闘伝の技術により最早生物。待機形態は銀のバングル。

『エディ(銀木犀じゃない方)』
『観測者』の一体。ニャルを召集した。様々な世界を見守っている。

『世渡り上手』
『観測者』の一体。誰か覗いてる?覗きはモテないよ☆





『観測者』
7体しか存在、及び発生出来ない。並行世界ではなく、"単体で"世界樹の移動できることが条件。今のところ空席があるらしい。観測者の中にも階位があり、
一番目は『■■■』、
二番目は『世渡り上手』、
三番目は『白と黒(二人でセット)』、
四番目が『覚醒ゆかりん』、
五番目が『俯瞰する編集者』、
六番目が『無貌の神(オマケ付き)』、
七番目が『銀木犀』。


例外として実は『ギャグったおぜう』が資格を有している。
ギャグキャラだからしょうがないね。

バッドエンド見たいですか?

  • 見たい!!(旧作の様にEX√として書く)
  • 見たくない!!(旧作に載せるかも?)
  • メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
  • ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
  • 個別!!(コメント下さい。書きます)
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