東方黒雲録〜Traveling Black Monster〜 作:文才の無い本の虫
エディ「私がメインヒロインでもいいよね♡」
作者「すいません、自重してくらさい」
「ああああー!!エディのあほー!!僕のばかたれー!!あばー!!」
僕は今、咄嗟に作った円錐を盾に上空を音速で飛びながら錯乱しています。
言ってることに整合性がないし、真っ直ぐ飛んでいる自信もない。
エディの唇の感触が忘れられ無くて空中でのたうち回る。
成層圏ぎりぎりを飛んでいるはずなので誰かにこの醜態を目撃されることがないのが唯一の救いだろうか。
そうしてのたうち回りながら成層圏ぎりぎりを飛び数時間位が経った。
「ふぅ、落ち着いた」
落ち着いたのは良いが此処は何処だろう?
エディに態々意思疎通ができる存在の近くに送って貰ったのにその地点から数時間程飛んでしまったので現在位置がわからない。
「まぁ、気長に行こうか」
僕は地上に向かって飛行する。
久し振りの地上だ。
どんな風に変わっているのだろう?かと思いながらゆっくりと飛ぶ。
盾にしていた円錐を見ると無茶苦茶な飛び方をした影響か表面が変なふうに溶けている。
大気圏突入のときも溶けなかったのに、どんな飛び方したんだよ僕・・・・・。
そんなことを考えながら僕は周囲の状況を知るために空間把握の魔法を使う。
この魔法は空間の形を読み取る魔法だ。
音声や色は拾えない。
そのため並行して集音と千里眼の魔法を使う。
「うん?」
一kmも離れない森の中から悲鳴と霊力と妖力を感じる。
そちらの方に千里眼を向けると金髪の女性が鬼の妖怪に襲われていた。
――助けないと。
僕は羽を展開し、その女性に向かって飛ぶ。
危機的状況の様なので全速力で。
音速を超えて飛んだので少しヒリヒリするが1秒もしない内にその女性の前に辿り着くことに成功する。
「グルアアァ!!」
目の前の鬼の妖怪が
僕はその腕を急拵えの刀で斬り飛ばす。
・・・・・うーん、やっぱ刃物より拳とか蹴りのほうがやりやすいな。
「ガァアア?!」
鬼は自身の腕が斬り飛ばされたことに疑問を感じながらも間髪入れず残った腕で攻撃してくる。
この鬼少しは知能があるみたいだけど、ちょっと僕に倒されてもらおう。
僕は刀を消し、強化無しの2割弱の力で踏み込み、右脚を横に薙ぐ。
薙いだ右脚が肋骨を折り、鬼を蹴り飛ばす。
木に激突した鬼は死んだのかボロボロと崩れて穢れになって消えて行った。
僕は後ろに振り向き、金髪の女性に声をかける。
「大丈夫?」
「・・・・・」
すると彼女は気を失い倒れてしまった。
よく見ると傷だらけで限界だった様だ
・・・・・どうすればいいんだろう?
◇◇◇◇
あの後僕は『梅』を呼び出し、近くの洞窟まで彼女を運ばせた。
今は僕が作った布団に寝かせてある。
因みに僕の【虚と実を操る程度の能力】はイメージを実体化することが出来、僕の服や偶に作る刀、今敷いている布団は僕のイメージを実体化させたものだ。
僕は魔法や霊術を駆使して
傷には霊術で回復を、服は中身を見ないようにして魔法で復元する。
結構弱っているみたいだ。
エディのところで貰った食料があるから簡単な雑炊でも作るか。
妖術で火を起こす。
妖術の火は火力を調整出来るし、二酸化炭素を出さなくてエコだし、一酸化炭素も出さないから安全だ。
まぁ僕が一酸化炭素で窒息するかは知らないが。
そんな無駄なことを考えながら雑炊を作る。
能力で作った鍋に水を入れて火にかけ、水が沸いてきたら火を弱めて3、4分ほど煮て適当に下拵えした野菜に火を通す。
その後、エディに貰った米モドキ(炊かなくても食える謎の米)を投入し、ぐつぐつと煮る。
因みにこの野菜は【銀木犀の箱庭】にある僕が作った畑から持ってきたものだ。
何故かあそこの野菜は数カ月ぐらい保つし美味しいんだよな。
そうして煮えたら塩で味を整える。
うん、いい感じ。
妖術の火を消し、これで雑炊の完成だ。
そうして出来た雑炊を三つの器によそっていると布団から声が聞こえた。
「・・・・・此処は?」
「此処は君が襲われていた場所に一番近い洞窟」
「貴方は誰?」
彼女は警戒しながら問いかけてくる。
・・・・・心配しなくても食べたりしないのに。
僕はエディと予め考えていた設定を話す。
「僕は八雲 黒。旅の道士だよ。君は何で襲われていたの?」
「・・・・・私が霊物だからだよ」
「霊物か・・・・・なるほどね」
霊物とは精霊や妖精の一種で霊力の塊が意思を持ち、動物の姿を型どったもの。
神のように産まれたときから確固とした自我とある程度の知識を持つ『神秘』の一つだ。
霊物は妖怪や道士、仙人などからしたら最上級のご馳走。
だから道士服を着た僕を警戒しているのだろう。
人では無いとわかってたけど霊物だとはね・・・・・。
すると布団から飛び起きた彼女が僕に言う。
「・・・・・旅の道士、私をどうするつもり?」
「どうもしないけど?」
「へ?」
「あ、お腹空いてるでしょ?」
「うん・・・・・って私は霊物だよ?!道士や妖怪が欲しがるご馳走なんだよ?!」
「いや、そうだけどさ。そもそも君を食べたりするつもりだったら怪我の手当なんてしないよ。核は無事だったしね」
「確かに傷が無くなってる・・・・・」
「はい、今作った雑炊。毒なんて入ってないから」
僕は『梅』と彼女に雑炊をよそった椀と匙を渡す。
その椀を受け取った『梅』は僕に問いかけてきた。
「主様、これは?」
「雑炊」
「・・・・・私に食事は不要ですが」
「できるでしょ?」
「はい」
「じゃあ偶には食べてみなよ。いい経験になる」
「・・・・・わかりました」
『梅』は黙々と雑炊を口に運ぶ。
だが少し表情が柔らかく成っている気がする。
・・・・・これは、感情が芽生えてるのかも?
いい傾向だ。
まだ僕が組んだ
彼女はどんな風に成長するのだろう?
少し楽しみだ。
一方、霊物の女性は僕から受け取った雑炊をじっと見つめている。
彼女はなにを考えているのだろう?
「ねぇ。雑炊、冷めるよ?」
「・・・・・旅の道士。君は何故私を助けるの?」
「助けたかったからだけど?」
「何の打算もなく只の善意で私を?」
「そうだよ。僕はただ、助けないとって思ったから君を助けた。・・・・・ある人の言葉を借りれば、『助けることに理由は必要か?』ってやつさ」
「・・・・・いただきます」
僕が彼の昔言った言葉を伝えると彼女は黙って雑炊を掬って口に運ぶ。
「・・・・・美味しい」
「それは良かった。おかわりもあるよ?」
彼女は余程お腹が減っていたのか雑炊をパクパクと食べていく。
暫くして彼女が自分のお椀を僕に突き出した。
「おかわり」
「はい、どうぞ」
僕はそのお椀に雑炊をよそい、彼女に渡す。
それを受け取った彼女は、小さな声で言った。
「・・・・・ありがとう」
「どういたしまして」
何となく胸がぽかぽかする。
彼女が元気になって良かった。
◇◇◇◇
ある日、木の実を拾いに森に行っていると妖怪に襲われた。
ああこれは死んだなと思った。
白い大蛇の霊物である私は産まれてから狙われてばかりだった。
妖怪には襲われ、人には怖れられ、動物には嫌われた。
カエルと蛇だけが私の味方だった。
今日の妖怪は鬼の妖怪で強かった。
体中傷だらけで、満身創痍だった。
相手は私をいたぶって嬉しんでいたんだろうとわかった。
悔しかった。
もう逃げる体力もなくなり、相手も私に止めを刺すために腕を振り上げた。
「グルアアァ!!」
ああもう駄目だとそう思った。
でも、痛みは来なかった。
「ガァアア?!」
目の前には道士服をきた黒髪の青年が立っていた。
その青年はあっという間に鬼の妖怪を倒してしまった。
「大丈夫?」
私にはこれが都合のいい夢だとしか思えなかった。
そして、疲れ果てていた私は意識を手放した。
これは夢じゃ無かったみたいだ。
目の前には先程鬼の妖怪を倒した青年がいる。
私は布団に寝かされていた様だった。
青年は旅の道士だと名乗ったが、不思議なやつだった。
道士の、人間のくせして私を怖れず、私を襲わ無かった。
彼は只の善意で私を助けたらしい。
私はそれが嘘だと思ったが、傷の手当はされているし食事もくれた。
――初めてのことだった。
落ち着いて食事を出来るのは。
温かい食べ物を食べるのは。
人から優しくされるのは。
私が助けた理由を聞くと彼は「助けることに理由は必要か?」と言った。
今の私には彼らが言った言葉を嘘だとは思えなかった。
私はこの時、彼に――八雲 黒に恋をした。
『八雲 黒』
:刃物より喧嘩殺法のが強い主人公。正義の味方では無いが手の届く範囲は出来るだけ助けることにする。理由は無い。彼の言葉を借りれば『助けることに理由は必要か?』とのこと。大多数の為に生きるつもりは無い。只の気紛れ。
『諏訪子』
:白いバケモノよりラブコメらしいラブコメをしている気がする。霊物故に孤独であり傷ついていた。黒の、彼が黒に遺した『無償の善意』によって救われた。命の危機を助けられ、初めて優しくされたことで黒に恋をした。
『梅』
:着々と自我が成長している。疑似人格は補助輪の様なもので彼女自身の我を確立すれば補助輪は外れる。今はまだ「美味しい、嬉しい」といった程度の感情しか持たない。
『作者』
:家事スキルはBランク。出てきたレシピは謎米を古い米にすれば作者が偶に作る昼飯のレシピになる。展開に悩んでギャグ小説を読んで気分転換してたダメ人間。
バッドエンド見たいですか?
-
見たい!!(旧作の様にEX√として書く)
-
見たくない!!(旧作に載せるかも?)
-
メリーバッドエンド!!(諏訪子ルート)
-
ラブラブ天驚拳!!(超ハッピーエンド)
-
個別!!(コメント下さい。書きます)