仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

113 / 193
みなさんお待ちかねかもしれませんが、新アームズ登場――しかし、不穏な影が。


EP113.控えおろう

「うぷ……まだだ、まだ負けちゃいねぇ」

「ああうん、わかったから……(帰りたいなぁ)」

 

 結局、コイツ食べきれなくてアウトだったわけだけど……どうしたものか。

 猛はグロッキーだし、放っておくわけにもいかないけど帰りたいし……

 僕としては……うーん――捕獲?

 

(いや、それはそれでめんどい…………本当にどうするべきでしょうか、教えて教えて束さん)

 

 メール送信。受信。

 

『知るか。いいから人目につかないところでフルボッコしろよ…………あと昨日のことでお話があります』

(やべぇ……まだ怒ってる……人目につかないところでフルボッコとか。うん、言うと思った…………じゃあ信二)

 

 実は昨夜、興奮した束をなだめるためにやり過ぎてしまい……帰るに帰れないため地上に降りてきただけだったり。とりあえず信二にメールを書こう。

 送信――ちょっと時間たってから受信。その間猛は胃袋を活性化させようとしていた。

 

『何でもいいから早く帰ってきてくれ! 一人じゃ抑えきれないんだ!!』

(ほかのクルーなにしてんだ……いや、僕が帰ればいいんだろうけど)

 

 一抹の不安を覚えつつ……次にジョニーにメールを送る。

 猛は胃液が逆流を初めて――苦しみだした。

 ほどなくして、返信が来た。

 

『HAHAHA! スマン…………今ミシェルが――しまっみつか――ぼすけて』

(何があった!?)

 

 本当に何があったんだ!? かなり不安だが……今すぐ帰るわけにはいかない。いや、そのオーバーロードが腹抱えて苦しんでいるけど……

 

「に、煮卵はダメなんだ…………おぐっ」

「へーそーなんだー」

 

 至極どうでもいい。

 ええい、次は……ミシェルにダメもとで送信――受信。

 

「はやっ!?」

「?」

「いや、こっちの話……」

 

 メールを開くと……

 

『ごめん、取り込み中――うふ』

(やばい、なんか怖い)

 

 いったい何があったんだ…………

 次に相談するべきは……かおりさんかな?

 メールを書いていると――猛が口から緑色の液体を垂らし始めているのが見えた。とりあえず、一般人にグロシーンをお見せするわけにはいかない。口から卵を産むとか怖いわ。

 

「俺は……宇宙人、か」

「似たようなもんだろ、人間やめてんだから」

「だとしても……卵なんて産むわけないわッうぷ」

「はいはい、向こうにいこうねー」

 

 なんかその液体怖いんだけど。どうして地面溶けてんだよ……

 あ、受信。

 

『被害が出ないところで戦ってください』

「ですよねー」

 

 とりあえず、いつもの海岸でいいか?

 その方に誘導すると……受信。あれ? 送ってないんだけど……って、百花さん? なんだろう嫌な予感しかしないんだけど。

 

『英さん、なんでわたくしには送ってくれないんですか!? かおりには送ったくせにわたくし、わたくしには――ええい、帰ってきたらひん剥いてラッピングして――メイド服で……あら、鼻血が…………まあいいですわ! こちらの用意は既にできています! メイドが女主人を調教するというプレイでどうでしょうか?』

「――うわぁ」

 

 案の定。色々な意味で終っているなぁ……っていうかいい加減諦めてください。

 

『ならせめて、跡継ぎ産むのだけ手伝ってください』

「宇宙空間から心を読んだ!?」

 

 生々しくて怖いし……お見合いでもセッティングして――いや、やめておこう。暴走でもされたらかなわない。

 

「ぐぬぬ……おぶえ」

「きたねぇ……っていうかなんで地面が溶けてんだよ」

「俺の胃袋を、舐めるな」

「しゃべるなまき散らすなシャキッとしろ」

 

 あー……面倒くさすぎる。

 とりあえず、いつもの海岸――そこで決着をつけるとしよう。

 すでにあたりは暗くなっており、僕らのほかには誰もいない……片方は、グロッキー。それに対する者は……気だるげ。

 

「お前――やる気あるのか」

「ねえよ……っていうか君に言われたくない…………こっちはどうやって束の機嫌なおすかとか、変態をどう処理するのかとかで頭いっぱいなんだけど」

「……苦労してるんだな」

「君も苦労する原因の一つだけどね……仕方がない、ちゃっちゃっと終わらせよう」

「流石に――作業ゲームみたいな言い方はむかつくんだよッ!!」

 

 猛は吠え――その姿を変化させる。以前とは違い、騎士の様な鎧をまとったオーバーロードに。黒がベースだったのは同じだが……体の各部にラインが存在し、紫色に淡い光を放っている。

 

【シルバーアームズ! 白銀ニューステージ!】

 

 対する僕は……まあ普段通りシルバーアームズ。

 っていうか、ノロシ使いすぎると負担が大きいし……一応、ヤエザクラタイフーンは持ってきているからなんとかなるかなぁ……なんて。

 

「舐めた真似を――オラぁ!!」

「吐いてたわりには――いい攻撃だね!」

 

 ガキンッ――拳と、杖がぶつかり合い激しい金属音があたりに響く。お互い、驚愕するけど――以前より技のキレが上がってる。拳も大ぶりじゃなくて、狙いが正確だな……

 

「よっ!」

「チッ――通常アームズのくせになんてパワーだ……」

「そりゃどうも!」

「――ハア!!」

 

 3年前のモンドグロッソの時以来、シルバーアームズはその力を増した。

 おそらくは僕が成長したことで、シルバーアームズもより大きな力を引き出せるようになったんだろう……元々、強力な力を有していたのは分かっていたし。

 

「でも――流石に君相手は厳しいか」

「これでも――喰らえ!!」

「なっ」

 

 口らしき場所から――紫色の炎が吹きあげてッ!?

 

「ホント化け物染みてるよ!!」

「そりゃ化け物だからなッ」

「なら――我に秘策あり!」

 

 シルバーアームズがその力を増したことで新たに使えるようになったアームズ、初お披露目と行こうじゃないか!!

 

【エナジーフルーツ!】

 

 取り出したのは、四種のエナジーロックシードの果実が紋所のように描かれた印籠型のロックシード。レモン、チェリー、ピーチ、メロン、それぞれの力を抽出し構築の力で整えたジンバーアームズ用アップグレードロックシード。

 スイッチを押すことで、接続用端子がスライドして出現――それをフェイスプレートの位置に取り付ける。前々から考えてはいたのだ。直接戦極ドライバーに接続するアップグレードアイテムを。

 ブレードを下ろすと――シルバーアームズは飛び上がり、空中に開かれた四つのクラックから飛び出した鎧と混ざり合い、虹色に輝きながら再び装着された。

 

【ミックス! ジンバァア! エナジィイ!! ヒカエオロー!!】

 

 手に持っているのは変わらずに蒼銀杖。しかし、その腰に装着されているのは無双セイバーとソニックアロー。その二つ。

 ジンバーラングは四枚それぞれが違う模様をしており――レモン、チェリー、ピーチ、メロンの力を宿している。

 

「エナジーアームズを……4つも合成しただと!?」

「生憎と……僕も強くなるために前に進んでるんだ…………さあ、いくぜ」

「――いいだろう、こちらも本気で行かせてもらう!!」

 

 加速――ジンバーチェリーの加速力で、敵の背後に――しかし、その後の攻撃を防ぐかのように黒い霧が発生する。

 

「ぐっ!?」

「俺だってなぁ……負けっぱなしじゃねえ!!」

「ならッ!!」

 

 知覚能力の解放。ISのハイパーセンサーをも上回る知覚能力――距離では負けるが、拾う情報量の多さで上回っている――で猛の体の動きから次の攻撃を予測。周囲のエネルギー濃度の感知、グラフ化、さらに加速能力で処理能力を高速化。ジンバーメロンと同様、筋力の超強化、防御力の超強化を解放。

 制御のためにオールマイティなジンバーレモンを組み込めなければまともに動けなかっただろう――だが、成功した。だからこそ――

 

「はああ!!」

「何ッ!?」

 

 ――届く!

 猛は、僕を殴り飛ばそうとその拳を突きつけていたが――当たったのは蒼銀杖だけ。

 僕自身はまるで、変わり身の術のように――猛の首筋に無双セイバーを当てていた。

 

「――フィニッ――――あがっ!?」

「俺はお前に何度もやられた――だからこそ」

 

 ガキンッ――そんな音が響いたが、とても嫌な感触が腕を伝わる。横目で見ると――無双セイバーはぽきりと、折れて――拳が、迫る。

 

「硬くなることだけに、全力を注いだのだ!!」

「――アガッ!?」

 

 地面を何度も転がり、砂が巻き上がる――くそっ! 想定以上のパワーアップ……いや、スピードは上がっていないことを見ると……本当に硬くなるために全力を注いだのか…………厄介だな……僕が万能を目指したのなら、アイツは一点特化……どうにかして弱点を見つけないと勝てないかも。

 

「ハアアア……フン!」

「――――はば!?」

 

 空間が、割れて――体が弾き飛ばされる。猛の腕からも血が噴き出ていたが……なんだあの技は!?

 

「お前を倒すためなら腕の一本や二本、軽いものだ」

「ぐぅ……ならッ!!」

 

 ソニックアローを構えて――猛が足を振り上げて自分の身を隠す。砂埃――

 

「俺の勝ちだ――あぐあ!?」

「だから知覚強化してんだって……お前バカだろ」

 

 いや、ジンバーチェリーの能力は知らないんだっけか? うーん……まあいいや。姿を隠したところで、あらゆる情報から位置はすぐに割り出せる。

 まあ常に解放していると頭に負担がかかり過ぎるんだけど……

 

「くそ……ならばこれなら!」

 

 猛が取り出したのは――青色の薔薇を模したロックシード。いや、ビークルか?

 

「ブルーローズブレイカー……」

 

 開錠――そして巨大化。ロックビークルになったかと思えば、すぐに変形してハンマーに変化。

 

「これが、俺の作った新たな力……どうだ、声も出まい」

「…………ああうん、そうだね」

 

 とりあえずヤエザクラタイフーンを開錠……斬馬刀形態で手に持つ。

 あちゃ……ビークルを武器に変形させるって発想、被ったのね。

 

「――なんだと」

「まあエネルギー内臓量とか、回路の効率化とか、かさばらないようにするためとか、色々な面で考えたらこうなるんだよなぁ……」

「……?」

「理解しないで作ったのかい」

 

 どうしよう……なんかいたたまれない。っていうか、なんでこんな変な空気になるんだ。

 

「――いいだろう……お互いの技をぶつけあうとしようか」

「そうなるんかねぇ……じゃあ、遠慮なく――」

 

 ヤエザクラタイフーンに、スイカロックシードを取り付けて……エネルギーをチャージさせる。

 

【スイカチャージ!】

 

 対する猛も、同様に……ザクロロックシードを取り付けて、準備を完了させた。

 

【ザクロチャージ!】

 

 お互い、エネルギー容量の大きいロックシード……その力を、この一撃に――

 

「はあああああ!!」

「があああああ!!」

 

 ――放つ!

 

 二人が動き出した瞬間だった。二つのエネルギーはぶつかり合い、爆音と共に――二人の体を吹き飛ばした。

 そして、あたりが凍り、僕の体は空中でキャッチされ、猛も水中から出てきた何かに捕えられる。

 

「「――え」」

 

 なんか、水中から潜水艦――その上に、氷の鎧を着こんだオーバーロードが立っており、おそらく奴があたりを凍らせた――が浮上した。前に見たクラーケンインベスもいるな……アイツが猛を捕まえたのか。

 そして、中からなんか小さい女の人が現れて……あ、猛をしばいた。それで、中に連れ去り…………すぐに水の中に消える。驚異のステルス性能だな……感覚強化してもジャミングされて追えないぞ…………たぶん、亡国機業の仲間なんだろうけど……そうか、アイツら水中を移動しているのか……たぶんヘルヘイムの森も使っているな。

 さて……現実逃避はやめよう。

 

「束さん、お久しぶりです」

「うん、久しぶりー」

 

 ああすでに変身完了してるのね……しかもIS同時使用とか始めて見たよ……完成したんだ、同時使用のためのプログラム。

 

「色々手間取ったけどね……で、何か言うことはない?」

「……鳴くのも可愛いですよ」

「そっかぁ……うん束さんは可愛いのは当然だよ――でもね、英も可愛くなれるよ」

「――――やめて女装は、女装は嫌だぁああああ!!」

「ええいおとなしくしろ。すでにホテルは取ってある!」

「いきなり何いって――そうだ! フロン! フロン! 通信に応答してくれ! 助けて――」

『――ごめん、あと私は弟が欲しい』

「嫌アアアア!? 今そんな状況じゃないってわかってますよね!」

「安心して、流石に作らないから――でも、ももちゃんは作る気満々だったけどね」

「それこそ勘弁して! っていうか浮気はするつもりないです!」

「うん、したら殺すから」

 

 やべえ……声がマジだ。

 

「だから――今回は英のファッションショーで手打ちにする。さすがに皆の前だとかわいそうだから……観客は束さんとももちゃんだけだよ」

「だとしても恐ろしすぎます――あ、まって連れて行かないで――――うぼわああああ!?」

 

 その後のことは語るのもはばかれる……ただ、大事なものをまた一つ、失ったんだ――

 




こんなオチでいいんだろうか。

数年経ったので人間関係が若干変化しとる。
しかし……色々とアウトじゃないんだろうか。

ジンバーラングを見て思っていたことをついにできて良かったかな……
印籠型なのはもちろんモチーフはアレ。


残りのゲージ……あとはトドメだけや…………E-3攻略に、旗艦であるアイツを倒すだけなんや…………だから、お願いだから……奴に集中砲火してくれ……頼むから…………
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。