仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

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割と強化されている一夏の活躍をご期待ください。的な煽りで。

それと、Vシネマが出るっぽいですが流石にそこまでやるのはちときついかもです。


EP122.入学試験

 バトルスタート。その音声と共に、俺は一気に加速した。

 

「いきなり突っ込んで!?」

「真耶さん遠距離型でしょうが!!」

「あ――でも、甘いです! あと、新学期からはちゃんと先生って呼んでくださいね!!」

 

 雪片を右手に持ち、斬りかかるものの――ライフルで防がれて、軌道をそらされる。さすがに、そう簡単には通用しないか――でも!

 

(俺だって、負けたくないからな……いくら負けたからってIS学園の入学は決まっていると言っても――勝ちたいだろ!!)

 

 スラスターを噴かせ、体勢を立て直す……この数日、打鉄を動かしていたことと簪との戦闘でなんとなく動かし方は分かってきた。

 あとは今までのインベスとの戦いを思い出せ――スイカアームズこそあまり使わなかったが、この武装の組み合わせは大分使い慣れている。

 

(そうだ――俺は盾で防御するなんて感じじゃない。それに見たところ真耶さん――山田先生は実弾の遠距離主体。ガードしたとしてもチャージできるエネルギーは少ない……)

 

 零落白夜を一撃当てたとしても、簡単にかわされる可能性がある。

 ならどうする?

 

(最初から不利もいいところ――なら、やるしかないだろ!!)

 

 一気に加速して、銃弾を盾で弾きながら――光の突きを放つ。

 

「――甘いですよ!」

(かかった!)

 

 雪片弐型が展開されたことで、中から伸びた光は――確実にかわされてしまう。いや、かわさせたのだ。

 千冬姉の現役時代から、この人は零落白夜を見続けていた。なんで俺も同じ単一能力が使えるのかとか、そういう細かいことは分からないが――今はそれが俺にとってチャンスを産んでいる!

 

「ハァアアアア!!」

「な!? そんな無茶な動きをしたらエネルギーが――――キャッ!?」

 

 身体をひねり、盾で切り付ける。ブレードのような物がセットされているおかげで、武器としても使えるわけだ。メロンディフェンダーのデータを使用したって言っていたから行けると思ったけど、成功してよかったぜ。

 

「油断しました……まさか零落白夜を使わないなんて」

「そりゃ、貴女ならかわすでしょ。何度も見ているんだし」

「……そうですね――でも、ここからは手加減しません。さすが先輩の弟、まだ2ケタに届くかというほどの稼働時間しかないのにこの動き……末恐ろしいです。それでも――私にも矜持というものがあります。いきますよ――」

 

 まずは第一段階クリア――戦闘中は常に冷静であるべし。そして――相手が冷静さを欠いていれば、なおよし。

 

「そういば真耶さん――ミスコン、大学時代も連続トップで殿堂入りしたそうですね」

「――――ファ!? な、何故それ――あ」

「隙あり!!」

「キャァ!?」

 

 秘技、油断を誘う作戦。ちなみに今度は零落白夜をちゃんと使用しました。さすがドジっ子の異名を持つだけのことはある。こういう方法が有効すぎるだろ。

 

「うう……ずるいです。っていうかやっぱりごっそりエネルギー削られています……もう、許しません!!」

 

 でもやっぱ一回しか使えないよな……あわよくば一撃で倒せたらとは思ったのだが、どうもエネルギーが多いらしい。これは厄介だ……

 銃を盾で防ぎつつ距離を取るけど――いつまで持つかなぁ……

 

「行ってください!!」

「ミサイル!?」

 

 ヤバい。それはさすがにやば――ん?

 

(まてよ――いけるかも)

 

 距離をひきつけて、ビームの刀身を伸ばしてミサイルを切り裂く! そして突っ込むんだ!!

 

「なっ――(いきなりどうしたんですか!? やけになった? いいえ――あの顔は先輩と同じ、勝利を確信したときに見せる笑顔――ならば来る!)――そこ!!」

「――――やっぱ、一筋縄じゃいかない――よな!!」

 

 盾で突き刺そうとしたものの――巨大な盾が出現していて、俺の攻撃はばっちりガードされてしまった。

 仕方がない――

 

「――ハァアア!!」

「なッ!?」

 

 ――盾を放して、一気に後ろに回り込んで切り付け――ようとしたところで、いきなりいくつもの衝撃が俺を襲ってきた。

 

「ごふぅ!?」

「危ない危ない……油断大敵。えーっと、跳弾って知ってます?」

 

 知ってますけど……なんでそんな曲芸みたいに全方向から弾が襲ってくるんですか!?

 

「候補生止まりでしたが――これでも第一回モンドグロッソの候補生メンバーでしたから、操縦歴は長いですよ」

「そりゃそうだよなぁ……いてて」

 

 盾もないし、甘く見過ぎていたか――うーん……つんだ?

 いや、まだ方法は…………あ、あるかも。

 でもかなり分の悪い賭けだし、流石にそこまでドジっ子じゃないと思いたい。

 

「……それしか方法ないかなぁ」

 

 零落白夜はかわされるし、刀だけだと意味がない。盾を戻そうにも……だめだ、まだ武装の展開とか慣れていないからタイムロスで負ける。

 だったらやるしかないか……

 

「それじゃあ――最後、行きます!!」

「ふふ――これで終わりです!」

 

 いくつもの銃弾が、俺を狙う。しかし――俺はその全てを置き去りにして一気に加速した。

 

「なっ――瞬時加速!? いきなり成功させるなんて!?」

「千冬姉の操縦はずっと見続けていたんだ――これぐらいできなくてどうするよ!」

「なら、追いかけるまでです!」

 

 よし――第一第二の関門突破。

 加速力をどうするかが最初の賭け。その次に、追いかけてくるかが重要だった。

 

(そして、このドッグファイト状態からが最大の関門!)

 

 二つの鉄の塊が、音速を越えてぶつかり合う。ここまで速いと銃撃戦も満足には行えない。

 それを分かっているのか、山田先生も若干困った顔をしている――そして、その手にナイフが握られているのが見えた。

 

「近距離武器は、苦手なんですけど――それでも私の勝ち――――え」

 

 俺は――賭けに勝った。

 

「なっ!? いきなり後ろに――しまっ!? 壁――――キャン!?」

 

 地面に近づき、雪片を地面に突き刺してそこを軸にする。軸を中心に遠心力で受け流すように体を回転させ、山田先生がつっこんでくる方向に飛ぶことで回避。それを山田先生も当然躱すだろう。

 あとは止めを刺せればいいと考えていたんだが――予想以上にうまくいってしまった。さすがドジっ子……

 

「うう……目が回ります~」

「あちゃぁ……伸びてるよ」

 

 山田先生は、壁に激突して――目を回していた。

 うん……どうしてこうなったし。

 

「これは自爆なのか、俺の作戦勝ちなのか……」

 

 バトルエンドの声が、むなしく響いた…………なんだろう、勝ったんだけど勝った気がしない。

 

 ◇◇◇◇◇

 

「うん、一夏君……勝利は勝利だ。おめでとう」

「なんだかあまりうれしくないんですけど」

「そりゃぁ……半分は真耶ちゃんの自爆だからね…………今頃千冬に油断し過ぎだって怒られていることだろうよ」

「ちーちゃん怒ると怖いから」

 

 それには同意する。っていうか束さん、貴女も昔怒られまくっていましたよ?

 

「思い出させないでよ……今でも怖いんだから」

「まあ、一夏君……これから大変だろうけど頑張れよ」

「う……わかってます」

「よろしい。クロエ、とりあえず例の物を」

「はい――ここに」

 

 何だろう? 入学祝とか? しかし――その期待は無駄であった。

 出てきたのは電話帳並みの厚さの参考書と同等か、それよりも上回る物……え?

 

「専用機を使うにあたっての禁止事項とかのマニュアル。ちゃんと読めよ」

「う、うれしくねぇ……」

「分かっていると思うが、基本的に個人的な目的で使うのは禁止されている。あと、整備はなるべくこまめにしろよ。ほい、マニュアルと簡単な作業用のキットだ」

「重い……」

「束さんからはね――これどうぞ」

「……なんですかこれ?」

「制服だよ。IS学園のね。ちゃんといっくんのサイズに仕立てておいたから」

「そういえば……束さんって裁縫得意でしたよね」

 

 むかしから服を自作していたからなぁ……変な装飾とかつけてないですよね?

 

「そんなわけないじゃん」

「……」

 

 自分の格好を見てから言ってほしい。

 でもまあ、人には強制しないと信じよう。それにしても……カレーうどんを食べるときはどうすればいいんだ? 驚きの白さじゃないか。

 

「あ、それと――ハニートラップには気をつけろよ」

「え?」

「ほら、唯一の男性操縦者なんだから遺伝子情報欲しさに言い寄ってくる人がいたり、あの手この手で手籠めにしようとする人がいるだろうし」

「は、はい」

「まあいっくんなら大丈夫だと思うけど……心配だなぁ」

「他に男性操縦者も現れないだろうから、周りは全て女子だ。変な気起こす……一夏君に限ってないか」

「なんか嫌なな言い方ですね……でも変な気って?」

「……うん大丈夫だな」

 

 なんだろう? バカにされた気がする……

 しかし、そうなると誰も信じられないんだが……

 

「とりあえず、簪ちゃんと本音ちゃんは平気だろ。あとはそうだな……入学者の名簿を見たけど、面白い人がいるぞ」

「面白い人?」

「ああ……まあ、その子も大丈夫だな。あとは、自分で判断しろ」

「はい」

 

 なんだろう面白い人って……俺の知っている人か?

 そろそろ帰らなければいけないらしく、英さんたちはグラニに乗り込み、スレイプニルへと帰還の準備を始めた。今度会えるのは、しばらく先かな。

 

「とりあえず、元気にやれよー! 男装の令嬢が襲ってくるかもという気構えで行け!」

「流石にそれは無いと思いますけどねー!」

「あ、一つ言い忘れていた」

 

 その時、束さんが顔を青くしてヤバいという表情に……どうしたんだ?

 

「いっくん! たぶん箒ちゃんも入学すると思うんだけど――気を付けてね!」

「? いや、それってどういう……」

「たぶん、昔のままだから……」

 

 それだけ言い残すと、彼らは再び宇宙へと戻っていった……あ、英さんい早く怪我治してくださいって言うの忘れていたけど……あの人のことだし、大丈夫だよな。

 それにしても――束さん、一体どうしたんだろうか?

 

「なんで箒に気をつけろなんて……溺愛していたのに、なんかあったのか?」

 

 転校の理由とかもよくわかんないし……なんか、俺の知らないところでとんでもないことがあったんじゃ……

 でも箒のことが嫌いとかじゃないよな――うん、心配する感じの顔だったし。

 

「気にしていても、仕方がないか……」

 

 右腕を見ると、ガントレット型になった白式がキラリと光った――気がした。それにしても普通は待機形態ってアクセサリーになるらしいのに、なんで俺は防具?

 

「あれか? 防具を武器として使う俺に対する皮肉か?」

 

 ガントレットだけど武器だぞという。いや、ガントレットは武器だっけか?

 

「……まあいいや。とりあえず、一度家に帰って荷物の準備しないと…………」

 

 そういえば、卒業式は出席できるのか? 俺、色々と顔出し辛いんだけど。

 ……後で個別に証書わたされるとかありそうで嫌だなぁ…………

 家に帰るまで、写真とか取られるんじゃないかと戦々恐々していたんだけど普通に帰れて安堵したのは、仕方がないことだと思う。

 それにしても――ああ、散らかっている。千冬姉……やってくれたぜ。

 

「よし! まずは掃除だ。ピカピカにするんだ」

 

 ああ、癒される……

 なんか違うよなぁと思ったのは、キラキラと輝いた床を見ているときだった。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 翌日、腹も減ったし――五反田食堂に顔を出そうということもあって、弾のところに来ていた。さすがにマスコミとかも引いたのか静かで良かったよ。うん。

 

「うんじゃねえよ、連絡もろくに取れなくて心配したんだぞ」

「はははは……すまん、流石にそう何度も連絡を取れる環境じゃなくてさ、山の中だと電波悪いし」

「そうだよな……しかし、お前が女の園に男一人突撃だと? 爆発しろ」

「頼むから本気の殺気を込めないでくれ、怖いだろ……」

 

 弾、そんなに羨ましいなら変わってやりたいぐらいだ。色々死ねるぞ。

 

「ところで数馬は?」

「いや、よくわかんないんだけどな、おしのびで来日していたお姫様を拾って大立ち回りをした挙句に、クラスメイトの女子たちと鉢合わせて修羅場になって、そのまま疲れて寝たとか言っていた」

「……それ、なんて夢?」

「だよなぁ……だけどほら――」

 

 テレビには、なんかお姫様が映っている。あと、勇敢な少年ありがとう。またプライベートでお会いしましょうって……

 

「アイツ、モテないって嘆いていなかったか?」

「今頃寝ているんだろうなぁ……ザマァ」

「おい……そっか、だからマスコミがいなかったわけか。数馬には悪いけど助かった」

 

 そんなビッグニュースがあればそっちに行くよな。幸いなのか不幸にもなのか、数馬の名前は出ていないから身バレとかはしていないだろうけど――なんかまたありそうだよなぁ……

 

「数馬もモテるってことなのかねぇ」

「一夏、お前そのセリフだけは言っちゃダメだろ」

「え? どうしてだよ」

「……たぶん一生わかんねぇよ」

 

 ? いったいどうしたんだろうか、苦虫をかみつぶした顔をして。

 まあ気にしても仕方がないんだろうなぁ……

 とりあえず業火野菜炒め定食くれ。

 

「あいよ」

 

 ああ、久しぶりだから楽しみだなぁ……

 




本人は本来の入試では勝たなくてはいけないと思い込んでいます。
そこらへんの齟齬がどう関わるかも料理しないと。

ライダーとして戦っていたため、素のスペックがさらに高く、身体も鍛えているため原作よりだいぶ強い状態です。
あと、山田先生の弱点も見抜かれていますので、こんな感じに……それに、やっぱり最後はこんなオチ。

御手洗数馬くんについては、背景でなんかとんでもないことが起こっているよというぐらいの感じでやっていきます。特に本筋とは関係ないので掘り下げませんが。
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