仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

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シリアスさんがキャトられました。
もうクリスマスが明日だというのに、作中は夏です。


EP144.臨海学校

 臨海学校。IS学園では外に出て企業と直接実習を行ったり、俺たち専用機持ちは公開機体整備をおこなったりなど色々と予定が盛りだくさんの行事である。もっとも、初日は海で体育の実習――とは名ばかりの海水浴をするわけだが。

 忙しくなるのは二日目からというわけで――今日は先に待っていることを忘れて楽しむとしよう。

 

「さて、寝るか」

(おのれ、一夏の隣の席に座ることはできたというのに……なんて話しかければいいのかがわからないッ、しかももう寝ているし……くそっ、えっとこういう時にはどうすればよいのだ? たしか、『異性に話しかけるマニュアル』の135ページに……だめだ、これは雌豹のポーズが前提条件ではないか)

 

 なんだか隣が騒がしいきもするけど……だめだ、暖かい陽気が俺の眠気を促進させて――気が付くとバスが停車していた。

 となりで箒が落ち込んでいるけど……どうしたんだろうか。

 

「なんでもない、なんでもないんだ……」

「ならいいけど……しかしデカい旅館だなぁ」

「毎年使っているらしいよー、お嬢様から聞いた話だと」

「お嬢様? あ、そういえばのほほんさんってメイドさんみたいなもんだっけか」

「そうなのだー!」

「で、仕事はできているのか」

「……ほら、私が仕事すると逆に増えるから」

「ダメじゃん」

 

 はうっと落ち込んだ姿を見ていると――なんだかいけない気分になってくる。そして、そんな俺にはきっと天罰が下るのだろう。いまもクルクルと回転しながら俺の首を狙っている白い軌跡が――そうか、今日は白か。

 

「びぶるちゃ!?」

「あんたはなにしとんじゃぁ!!」

「おお、鈴りゃんが織斑君にマウントポジション!」

「そのままホールド! これは痛い!」

「織斑君タップしてギブギブと叫んでいますが……リコリン!」

「試合続行です!」

「よーし、顔が青くなっている! いけ、鈴ちゃんやったれ!」

「お前らは何をやっておるか!」

 

 ――しばらくお待ちください。

 

 なんだか意識が遠のいた後に、頭に隕石でも落ちてきたんじゃないかという衝撃が……何が起こったんだ?

 周りを見ると、他にも何人か頭を押さえているけど……脳内メモリーに焼き付いた記憶から後が思い出せない。

 

「まったくお前たちは……すみません、今年は特にバカばかりで」

 

 千冬姉も人のこと言えないような……口に出したら怖いから黙っておこう。

 それに、俺は知っているんだ――鞄の中に一張羅とか言っているアレが入っていることを。

 

「いえ、元気そうでいいじゃないですか……そちらが、噂の?」

「愚弟です」

「…………寮の部屋の掃除」

「いやぁ! 私にはもったいないぐらいの出来た弟ですよ!」

 

 ボソッと俺が言った一言をちゃんと聞き取るとは……さすが千冬姉。でもこれくらいは許されると思うんだ……あの腐海を掃除するのは重労働なんだし。

 正直インベスと戦ったときの方がまだ楽だった。

 

「それでは、まずは荷物をお部屋の方へ置いてそれから海へとということでよろしいですか?」

「ええ、わかっております――では各自事前に割り振った部屋に荷物を置いてから海に出ろよ。事情があって泳げない生徒は遠くにいくんじゃないぞ」

 

 その言葉を聞いた瞬間――女子たちは風となった。うん、みんな速すぎるぞ……ちなみに、俺は千冬姉と同室。一人部屋という手もあったのだが、それをすると女子が押し掛けるだろということでこうなったわけだ。まあ、千冬姉がいるのに押しかける人も……むしろ千冬姉目当ての人が来るだろそれ。

 

「安心しろ。そのような不届きものには私が作ったこの魔法少女養成――ああ何をする一夏!?」

「こんな危険物没収です! 許しません!」

「お前はお母さんか!? ええい後生だ! 見逃してくれ!」

「ダメなものはダメなんだ――うおっ!?」

 

 なんか頬のあたりに見えない何かが横ぎった!?

 

「渡さないというのなら、力づくで奪うまで!」

「くそっ――身内の恥はここで終らせる!」

「舐めるなよ……生身で私に勝てると思うなッ!」

「やってみなくちゃ――わからないだろ!!」

 

 その後、迎えに来た鈴が……テロ騒ぎの時より激しい戦いをしてんじゃないわよとの言葉を残した。うん、色々と反省している……

 まあ俺の着替えなんてすぐに終わるということで、あっというまに海に出たわけだが……

 

「いやぁ、夏の日差しが……さすがにこの天気ならあの人たちも来ないだろ」

「どういうことよ」

「あの二人は日光が苦手。海に行ったときはずっとパラソルの下にいるんだ」

「へぇ……ねえ一夏、あっちにいるのって」

「知らない。千冬姉となんか濃ゆい話題で話している人とか知らない」

 

 文化祭、ミスコン、山田リターンとか言っているけど知らない。なにか恐ろしい計画をしているみたいだけど俺には関係がないさ!

 

「いや、女装がどうとか……」

「あのみなさん何を計画しているんでしょうかねぇ!?」

「気にしないでくれ。それじゃあ、僕らは部屋に戻っているわ」

「じゃあまたあとでねいっくん!」

「まったく、海だからとはしゃぎおって……まだまだ子供だなぁ」

「ごめん、今日の千冬姉は真剣に一発殴りたいんだけど」

「落ち着きなさい一夏。シスコンが大分治ってうれしいけど、色々とアウトよ」

「はっはっは! それでは私も着替えてくるかな」

「まって! なんでそんなに機嫌よさそうなんだ――一体なにを画策しているんだ!?」

 

 恐怖でちょっと腰が引けてしまった夏のある日であった。

 まあとりあえず泳いで忘れよう……

 水はちょうどいい温度で気持ちいい。鈴も隣で浮き輪にのってぼーっとしているが……ああ、なんか色々疲れたなぁ……このまま、流されるままになっていようか……

 空はあんなに青いし、風も吹いて気持ちがいい。そうだ、あの雲みたいに漂うだけってのも悪くはない――と、そんなとりとめもないことを考えていると、水をぶっかけられた。

 

「あぼっ!?」

「ちょ、一夏!? セシリアなにすんのよ!」

「若い男女がある意味不健全ですわ! なんでさっきからぼーっとしていらっしゃるのですか! なんかここだけ老夫婦の余生みたいな感じでしたわよ!」

「ふ、夫婦……」

「そこ! 赤くならないでくださいな!」

「……溺れたらどうする」

「だったらこちらに来てビーチバレーでもしませんこと?」

 

 ……まあそれもいいか。ただ、あれはドッジボールじゃないのか? リコリンが集中砲火されているんだけど。

 

「ああ、あれは突然水着を脱ぎだそうとした者に対する報復です」

「……相変わらず何がしたいのかよくわからないんだが」

「男性がいるというのに何を考えているのでしょうね」

「まったくだ。むしろそこまでする人は引くぞ俺」

 

 あ、リコリンが沈んだ……そして近くにいたシャルに抱き着きだしたぞ。足蹴にされてもめげない彼女は本当に何がしたいんだろか。

 しかし、シャルも気まずくなるかと思ったが……うまい具合に溶け込んだな。

 

「さてと、そろそろあっちも触れてやるか……ラウラ、一体それはなんなんだ?」

「ラウラ? 知らない子だな……私はただのミイラだ」

「……えっと責任者は?」

「あーごめんごめん、ラウラったら直前になって恥ずかしがっちゃって」

「お前たちは恥ずかしくないというのか!? こんなもの、ち、ち……痴女じゃないか!」

 

 ……ええぇ…………水着だけでそこまで言うか? 周りをみると、流石にその発言にはびっくりしたらしい。リコリンだけは感銘を受けた顔をしているけど。

 

「…………仕方がない。伝家の宝刀を使うか」

「伝家の宝刀?」

「向こうに千冬姉がいるぞー」

「なに!? 教官が!?」

 

 ばっと、身体に巻いていた――バスタオルだったのか――を外したラウラは千冬姉がどこにいるのかあたりをきょろこよろ見回しているが……残念、それは嘘です。

 

「なっ――だましたのか!?」

「お前が変な格好をしているからだ……それよりも、水着にあっているぞ」

「――――う、うわあああああ!!」

「ちょ、ラウラ!?」

「あー……追いかけておくね」

「た、頼む」

 

 その後、ビーチバレーやオイル塗り騒動など色々とあったが、まあ楽しかったとだけ言っておこう。しかし……箒は結局どこに行ったんだ?

 ちなみに、千冬姉と山田先生も水着に着替えてきたのだが……俺が山田先生の方をガン見してしまったために、千冬姉と鈴のダブルラリアットを喰らってしまったのは完全なる余談である。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 夜、ふむ――今日の料理は刺身か。これはいい鮮度だ……しかし鮮度ばかり良くても肝心の味が良くなくては意味がない。最近の冷凍技術は目を見張るものがある……果たして、これはどこまで行ける者なのか、楽しみだ。

 

「一夏、あんたまた顔が職人になっているわよ」

「一夏さん……何がしたいんですか」

「ほら、料理人の顔よ」

「……将来は料理人にでもなるつもりなんですか?」

「いや前に聞いたら職業としてなるつもりはないって」

「だったらなぜ……」

 

 なんか隣でごちゃごちゃうるさいが――俺の目にはこの刺身しか映っていない。

 

「そういえば、わたくしは隣の席をジャンケンで手に入れましたが……鈴さんはどのように?」

「普通に一夏に隣に座らせってって頼んだのよ」

「――そ、その手がありましたわ!」

「いや誰も気が付いていなかったの? ――って、あんたら全員気が付いていなかったわけ!?」

「あはは、ほらなんていうか……凰さんは別格みたいな意識があって」

「なんか二人の空気が自然とできていてズルいなって……」

「彼氏は欲しい。でもドロドロの展開は望んでいないからねー……誰か一人紹介してよ」

「いやあたしに言われても――っていうか彼氏じゃないし!」

「「「またまたー」」」

「これはチャンスですわ!」

「チャンスってなによ!」

 

 ご、ごちゃごちゃと……っていうかセシリア、チャンスって…………いかんいかん、集中をとぎらせるな。味覚に全神経を集中させろ。

 ――これは、なかなか……

 

「うう、ジャンケンで勝ったのに気が付けば鈴がいたという……ははは、色々借りがあるけどこれは堪えるね」

「は、はしが上手く持てないぞシャルロット!」

「……なんか手のかかる妹の世話をしている気分になるんだけど」

「? むしろ妹がたくさんいるぞ」

「え、初耳なんだけど……」

「みな同じ研究所出身だ」

「ごめん色々と重たい話をそうさらっと言わないでくれる!?」

 

 さてと、次はわさびをつけて食べようか……おお、これは本わさ、本わさじゃないか! まさかこんなところでお目にかかれるなんて……今日は良い日だ。

 しかし――そんな感動を邪魔する、無粋な視線が一つ。

 

「――――ッ」

 

 さっと目をそらしたが、なんか箒がものすごい顔で睨んでいた。怖ぇよ、めっちゃ怖ぇよ……俺なにかしたのだろうか? 何もしていないんだが……

 

「…………むしろ何もしなかったのが問題なのよ」

「なにか言ったか鈴」

「なんでもなーい」

「そ、そうか……これは、やはり本わさは違うな」

「はぁ、あんたは気楽でいいわね」

「そうでもないぞ……色々と考えていることもあるし、思い悩んでいることもおおい。誰にだって悩みぐらいはあるさ。それでも、悩み抜いて生きていくんだろ」

「……まさかあんたがそういうこと言えるようになるとわね」

「なんかバカにされているような……まあ、そんなわけでさ……セシリア、足がしびれたのならだれかと席を変わってもらえばいいんじゃないか?」

「べ、別に平気ですわ!」

 

 いや、見るからに辛そうだって……俺や鈴は慣れているけどセシリアにはきついだろ。外国人の体型に向いていないらしいな、正座って。足の長さ的に色々と厳しいんだとか。他にもあるらしいけど。

 しかし、そんな夕食も終わりを迎えるわけで……結局、箒がなんであんなに怖い顔をしているのかはわからずじまいだった。

 

 

 

 

 ちなみに、今日の箒さんの行動はというと――

 

「一夏の寝顔……ごくり」

「危ない顔をするなよ篠ノ之」

「ち、千冬さん!?」

「織斑先生だ」

「――痛ッ!?」

 

 

「い、一夏……この水着喜んでくれるかな――恥ずかしがってずっと出てこれなかったが――よし、いくぞ!」

「なに山田先生の水着をガン見してんのよバカ一夏! 胸か! やっぱ胸が良いのかッ!?」

「お前をそんな弟に育てた覚えはないぞ! おのれ、なんで私はガン無視なんだ!」

「ちょ、二人とも止めてください! 織斑君が色々とお見せできない顔になっています!」

「……くすん」

 

 

「こんどこそ一夏の隣の席を――なに? 行きのバスで隣りになったから今度は無しだと!? まってくれ、何もできなかったんだぞ!?」

「何もできないということは――それすなわち女子力の欠如!」

「――ハッ!?」

「女ならば視線だけでその気持ちを伝えるものよ!」

「き、岸原!」

 

 というわけで、最後には哀れにもリコリンにもてあそばれただけの箒であった。機嫌が悪いわけではなく、視線で気持ちを伝えようとしたら誤解されたというだけである。どつかれさん。

 




外国人体型で正座がきついのは俺ソース。リアルに顔が青くなってゆく……

バイトは大変じゃないけどキツイ……でもこれもバトスピのためだッ(去年一人でバトスピMAXに行った男&今年の関東予選一人で行った男のセリフ)

鎧武のVシネの情報が色々と出ていますね。また女性ライダーが追加なのか……
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