仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

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たぶん、今までで一番一夏のキャラ崩壊が激しい回となっております。


EP159.それが若さ

 結局、学園祭当日まで千冬姉やバ……会長、リコリンが怪しい笑いをしたり、セシリアたちが挙動不審になったりでちょっと気になることもあったけど、とりあえず問題なくこの日を迎えることができた。

 学園祭は一般開放はしないものの、生徒が知人や家族を呼ぶのに使えるチケットが各一枚存在しており、その分ぐらいは一般の人も来る。まあ、企業の人間が多いらしいが。

 そんなわけで始まった学園祭だが――さっそく修羅場を迎えていた。

 

「織斑君一番テーブルよ! 今すぐに!」

「二番テーブルお嬢様とジャンケンゲーム! さあ行くのよ!」

「本音ちゃん、癒されタイム入ったわ!」

「お嬢様がしつけてアゲルが入ったわ。セッシーお願い!」

 

 そんなわけで、俺が5割。他にも何人か忙しい人がいるわけだが……そのほとんどは代表候補生たち。あと、のほほんさんも結構忙しいぐらいか。

 

「やっぱこうなったか……よし、厨房に――」

「逃がしませんわ!」

「逃がさないよ一夏!」

「嫁、逃げないでくれ――私たちが過労死してしまう!」

「おりむーみすてないでー!」

「ええい、放せ! 俺は――――俺はぁアアアア!!」

 

 こんなに忙しくなるなんて思わなかったさ――ああどうしてこうなったよ!

 しかしそうも言っていられない。客は回転するばかりで――ひっきりなしにやってくる。

 なんか長蛇の列ができているらしいし……ああ休憩に入りたい。

 

「思った以上に繁盛しているわね」

「あ、鈴ちゃん――VIPよ、VIPがやってきたわ!」

「誰がよ……ハァ、少しはこっちに客寄こしなさいよ……」

 

 どうも二組にはそれほど客が入っていないらしい。中華喫茶なのは予想通りだが、こっちに客が流れてしまったのだとか。まあ、喫茶店だしな――そこで、俺は鈴の格好をまじまじと見てしまう。

 赤く、龍の意匠や細かい刺繍。長くスリットが入った足元。正直ふとももがチラチラみえて――さらにその奥の物が見えそうで見えない。

 頭はいつものツインテールじゃなくて、たしかシニョンだったか? とてもよく似合っている。

 なにより、背中が眩しい――っていうかなんか下の割れ目の様なものが見え――――

 

「――――ガクッ」

「い、一夏ぁあああああ!?」

「織斑君が倒れた! 救護班、急いで!」

「ほら鈴ちゃん、これ羽織って!」

「ちょ、なんでよ!?」

「自分がどんだけ凶悪なことをしたのか鈴ちゃんにはわかっていないんだよ!」

「わたくしたちがメイド服を見せたときはこうはいきませんでしたのに……本当にむかつきますわ」

「ふふふ、ああもうどうしようか」

「これ、写真に撮っておけばあとで織斑君を買収できるんじゃ……」

 

 みんなが、何か騒がしかったけど……正直俺は鼻から垂れてきた熱いもののせいで意識が遠のいていた。

 鈴、色々言いたいことはあるけど、とりあえず一言――ありがとうございます。

 

 ◇◇◇◇◇

 

「えっと、大丈夫なの?」

「ああ問題ない。まったく問題はないから気にすんな」

「それなら、いいんだけどさ……」

 

 鈴が上着を羽織ってくれて助かった。しかし、下はそのままだから正直な話目の毒――ある意味保養だけど――なのには変わりない。

 

「それで……何にいたしますかお嬢様」

「……何よこのメニュー」

 

 言うな鈴。正直俺もツッコミどころが多すぎてどこからツッコめばいいのかわからなかった。

 執事にご奉仕セットとか、執事に責められるセットとか、執事とポッキーゲーム(拒否される可能性があります)とかあるんだぞ。

 

「これ、どうしたらいいんだろうなぁ……」

「断れなかったの?」

「断ったら、女装させられていた」

「そ、それはそれで見てみたいんだけど…………ダメ?」

 

 か、可愛く言ってもダメだぞ! そんな風に首をかしげてもダメだ。ちょっとか細い声で残念そうに「そう……」とか言っても無駄なんだからな。

 俺が女装をするなんてありえないだろ。英さんの二の舞にはならない――ならないったらならないんだッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は、無力だ……」

「やーん、可愛い」

 

 ははは、これが惚れた弱みか……

 

「織斑君……まさかここまで調教されていたとは」

「さすがVIP、私たちにはできないことをあっさりと」

「フィルムが足りないわ! 写真、もっと写真を撮るのよ!」

 

 これもう喫茶店として機能していないよな。

 それと、なんで俺のサイズのメイド服があるんだ?

 

「織斑先生が一晩でやってくれたわ」

「千冬ねぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!! やっぱりかぁああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 そうだと思ったよ! みんなのメイド服も明らかに特注っぽいのに、それほど値段かかっていないって聞いた時点で薄々予想はしていたよ! 千冬姉の裁縫スキルが近頃ますます向上しているからね!

 でも俺の分まで作っているってどういうことだ!

 

「リコリン、こうなるって思っていた」

「……あははは、そうか…………俺の行動なんて、筒抜けかぁ」

「その、一夏……似合ってるわよ」

「正直嬉しくない」

「ああうん、なんとなくわかるけど…………」

 

 良いよ。鈴の笑顔が見れただけで俺は満足だから……

 だから後悔なんてしていないさ――これ以上の辱めなんて無いだろうし。

 

 

 

 

「一夏、その……お前、そんな趣味があったのか」

「可愛いんですけど、いろいろ複雑です」

「……織斑さん、ちょっと見損ないました」

「うわああああ!? まだ下があったよ!?」

 

 弾と蘭と、のほほんさんのお姉さんに見られてしまった――ああもう、泣きたい。

 結局、誤解を解くのに少し時間がかかったけど――白い眼で見られたのは言うまでもない。鈴に言われただけで着替えたんだから仕方がないだろうけどな……

 

「いや、俺としては……あの一夏がそこまで変わるとかって話なんだが」

「鈴さん、勝負は……勝負は…………うう」

「あんたが邪魔さえしなければもっと早く決着ついていたわよ!」

「っていうかその服装は何ですか! 下はチャイナ服ですよね! 露出で誘惑したんですか!?」

「そんなつもりはないわよ! あたしのクラスは中華喫茶なの!」

 

 なんか、阿鼻叫喚としてきたな……クラスメイトの一人に、収拾がつくまで適当に回って来いと言われてしまったし。セシリアたちは休憩いいのかと聞いたら他にもやることがあるとのことでそのまま残ることに。

 のほほんさんは普通に休憩に入ったけど。珍しく頑張ったからか、お疲れのご様子。

 

「で、なんであんたらもついてくるのよ」

「監視です。一夏さんに変なことしないか」

「なんであたしに対して!?」

「一夏、お前も苦労しているな……しかし見事に女の子ばかり」

「言っておくが、かなり気を使うぞ…………マジで」

「一夏がそこまで言うって相当だよな」

 

 結局、弾と蘭を含めた四人で回ることに。俺の服装はちゃんと着替えさせてもらった。

 宣伝になるからと燕尾服――かと思っていたら普通に制服を。代わりに鈴がメイド服を着ることとなったが、似合っているので良しとしよう。

 

「お前、ダメな方向にいってないか?」

「そうだろうか……まあ、色々あったってことで」

「なんだよ色々って」

「何度、死にかけたんだろうなぁ……」

「ゴメン、俺が悪かった」

「行事ことに事件が起こるからな」

「ちょっと待ってくれ、そういうことを言うのはフラグなんだぞ」

「ツッコまれたから、もう大丈夫!」

「だといいけど……」

 

 やめてくれ不安になる。

 それと、後ろの二人。

 

「なによ! 大体やることが陰湿なのよ蘭は!」

「鈴さんこそがさつすぎます! もっとお淑やかにできないんですか!」

「みんなが見ているからやめてくれ! 周りも修羅場? 修羅場なの? とか騒がないでくれ頼むから!」

「お前、胃とか大丈夫なのか? 虚さんも胃薬常備しているって言っているけど」

「…………最近、買い始めた。クラス代表って色々と仕事が多くなってきて」

 

 あまり語ることではないので言わないのだが……一組には個性あふれるメンバーが数揃っているし。一番平和な三組が羨ましい……

 

「ホントよね……とくに、一年寮長のあの人が厄介なのよ」

「わが姉ながら……いつかクビにならないだろうな?」

「一体千冬さんはなにをやらかしたんだ」

「……聞きたいような、聞きたく無いような」

 

 なんなんだろうなぁ……クラス代表は消灯時間前の見回りとかもするんだが、一番厄介なのがリコリン。その次が千冬姉……おい担任。酔って徘徊などまだいい方。怪しげな勧誘をしているのを止めなくてはいけないのだから。

 とりあえずどこかのクラスにでも……

 

「あそこなんてどうだ?」

「美術部かぁ」

「なにやっているんだっけか?」

 

 たしか――中から聞こえてきた爆発音で思い出した――爆弾解体ゲーム。

 

「え゛」

「あの、一夏さん……IS学園ですよね?」

「IS学園だぞ」

「何を言っているのよ蘭。IS学園なんだから爆弾ぐらい解体するわよ」

「…………ああ、あの頃のお二人はもういないんですね」

「一夏……お前、随分とたくましくなったな」

「そ、そうか?」

 

 そう言われると、照れてしまう。

 しかし、ここはお気に召さないらしい。

 だったらと色々な場所を紹介するも――喫茶店系以外はそれほど受けが良くなかった。

 

「わがままばかり言わないで、もうちょっと妥協してくれよ」

「変なところばっかりじゃないか!」

「私、IS学園の受験は絶対にしません」

「その方があたしも助かるけど……蘭、それでいいの?」

「色々と危険ですよ! 定食屋の娘にはきついです!」

「あたしも中華料理屋の娘よ――――もう、過去のことだけどね」

「自分で言っていてブルーにならないでくださいよ……」

 

 鈴、落ち着け――ほらいい子いい子。

 

「あたしがそんなので落ち着くなんて――あふぅ」

「落ち着いてるじゃないか」

「瞬殺じゃないですか」

「ちょ、違うのよ! これは条件反射というかなんというか――あふぅ」

「イチャイチャしないでください! 燃やしますよ!」

「おわ!?」

「――あっ」

「なんですか鈴さん、そのもっと欲しかったみたいな声は」

「なななな、なんでもないわよ!」

 

 正直、俺ももうちょっとやっていたかった……

 鈴も嫌がっていなかったし。

 

「これはこれでむかつくな」

「弾、お前まで……まあいいか。じゃあ次は我が部に行こう」

「――――え」

「鈴さん、どうかしたんですか?」

「いや、一夏の部活って…………アレよね」

「なんだよ鈴、待ちきれないのか?」

「いやいやそうじゃなくて――あの部活って、一際異彩を放っているというか……来客あるの?」

「そういう問題じゃないんだ――ただ、俺たちの成果をみせる。それだけなんだから」

「なんだかおもしろそうじゃないですか」

「そうだぞ、一夏が何をやっていたのかも気になるし」

「……後悔しても知らないわよ」

 

 

 その後、我が部の盆栽展示会を見せたんだが……あまり楽しんでもらえなかった。なんか、老人会とか言われたけど……そこまで言うかなぁ?

 

 ◇◇◇◇◇

 

「まったく、一夏は時々じいさんみたいになっていたけど、本格的に枯れたんじゃないか? 男として」

「何言ってんだよ……それに枯れてもいねえ!」

 

 弾が来る前だって――おっと、あの事を思い出すのは学園祭が終わってからにしよう。色々な意味で危ない。

 とりあえず、教室に――――そこで、俺はある人影を見た。あの顔はまさか?

 

「――ッ!?」

「ちょ、一夏!?」

「一夏さんどうしたんですか!?」

「一夏――あの顔、鬼気迫る表情だったぞ」

「まさか――――誰か危険な奴でもいたんじゃ」

「一夏だけじゃ心配だ――行くぞ!」

「言われなくても! 蘭は一組に避難していて!」

「は、はい――あれ? でもそっちって一組の方向じゃ……」

 

 後ろで三人が話していたが、俺はそれどころじゃなかった。アイツは、たしか――――思い出すのは第一回モンドグロッソ。そういえばあの時は鈴もいた。鈴も顔を見たら思い出す可能性がある……

 あいつが行った方向を進んでいくと――俺たちの教室に行きついた。

 

「い、一組に?」

「一夏、どうしたのよ……」

「気のせい、ならいいんだけど……ちょっと会いたくない顔を見つけてな」

「緊急事態か?」

「見間違いじゃなかったらな……なんか、雰囲気が異質になっているから気をつけろよ。嫌な予感がする」

「ええ、瘴気みたいのが見えるようだわ」

「……ここまで背筋が寒くなったのは初めてだ」

 

 三人、顔を見合わせて突入の準備を行う。弾はドライバーもセットしていて準備万端って感じだ。

 そして――突入!

 

「――――――は」

「え?」

「おい、なんだこれは」

 

 そこにいたのは――色とりどりの衣装。カラフルでフリフリで、ステッキとか持っていて――なんか髪型も色々とすさまじい。

 というか、クラスメイト達が魔法少女になっていた。そして、その中心にいたのは……

 

「ふふ、決まったな」

「こ、これで一夏さんも悩殺です!」

「うむ、嫁もこれで喜ぶことだろう」

「なんか嫌な予感がするんだけどなぁ……」

「ついつい、口車に乗せられたけど……まあいいかな」

「素晴らしい、素晴らしいです織斑先生!」

「…………断れば良かった」

 

 千冬姉、セシリア、ラウラ、シャル、簪、リコリン、そして箒までもが魔法少女の姿に――っていうか魔法少女喫茶になっていた。

 ああ、嫌な予感ってこれ……そして、あの人影のことなんて頭からすっぽりと抜け落ちて、俺は倒れた。

 

「――――魔法少女、怖い」

「い、一夏ぁあああ!? あんたたち! 一夏が魔法少女苦手にしているの忘れていたの!?」

「ええ!? そのものがダメだったのですか!?」

「なん、だと」

「やっぱりなぁ……」

「面白かったから…………私は満足している」

「あっはっはっはっはっはっはっはっは!」

「………………なんで私は、このような格好をしているのだろうか」

 

 ――――再び、鈴のひざまくらによる回復が行われたが……今度はダメージも大きかったらしく、しばらく倒れたままだったらしい。

 もう、魔法少女は勘弁してくれ……




ひとつ弁解させてもらいたいのは、原作でも一夏は会長の尻を揉んで鼻血を出していたことです。
全く興味がないわけでもないのよさ。



界放祭では気軽に声をかけてください……と言いたいところですが、利用規約に引っかかるのかどうかが…………

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