仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

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今日は界放祭ですね。
こちらは、ついにシリアスさんが仕事をし始めました。


EP161.友の声

 二人の会話も落ち着いたようだし、この後どうするか考えないと……

 あのわけわかんないシンデレラも聞きださないとなぁ、なんて思っていたんだが、このバカ騒ぎで忘れていた奴がいたのを――ようやく、思い出したんだ。

 あいつが、俺たちの目の前に現れたことで。

 

「どうにかして接触を図ろうと思っていたけどよ……IS学園ってのはバカの集まりなのか?」

「……オーバーロード!」

 

 前に英さんが撃退したやつ……あれから、5年ぐらいたっているけど…………やっぱりここにいたのか!

 

「一夏、アイツって……」

「鈴、セシリア、お前たちは下がってろ――もしかしたら、他にも潜入している奴がいるかもしれない。一般人の避難を頼む」

「わかりましたわ……一夏さんは」

「今こいつを相手にできるのは俺だけだろ――ッ!?」

 

 突然、糸が俺たちを襲おうと飛んでくる。体をかすめるけど――凶悪すぎるだろ! 一瞬でオーバーロードの姿に変化しているし、昔より強くなっているかもしれねぇ……

 何とか回避できた俺たちは、それぞれのするべきことのために動き出す。

 とりあえず――

 

【メロンエナジー!】

「変身!」

【ソーダ! メロンエナジーアームズ!】

 

 ――こいつを倒すことに専念しないと!

 

「なっ!? エナジーロックシードだと!?」

「特訓の成果、見せてやる」

 

 糸をかわしながら、懐に潜り込む。こんな狭い場所じゃ、思うように戦えない――それに、攻撃の物量から考えても相手の方が有利。

 だったら、アイツの能力が生かせない場所で戦うまで!

 

「でりゃああ!!」

「くそっ、近すぎて狙いが――何!?」

 

 壁にそのまま激突し、外へと飛び出す。生徒たちや一般客は――よし、いない!

 地面へと落ち、もみ合った俺たちは距離を取ってにらみ合う。開け場所の方が、蜘蛛の糸をくっつけるところが少ない。本当はグラウンドとかの方が良いんだが……校舎の中よりはマシと思うことにしよう。

 

「こんなちゃちな作戦で、このオータム様を止められると思うなよ人間!」

「お前こそ、人間を舐めてんじゃねぇ!!」

 

 ソニックアローと、奴が高質化させた糸で作り出した剣がぶつかり合う。金属同士がぶつかるような甲高い音と共に、つばぜり合いが始まるが……コイツ、どんな力をしているんだよ!?

 重いなんてレベルじゃない、足を踏ん張らないと押しつぶされそうだぞ!?

 

「ハハハ! 弱い弱い! 弱すぎるぞ織斑一夏ァ!!」

「クソッ――だったら、これならどうだ!」

 

 狙いを定めて――矢を放つ! 確実にヒットするコース。これならいける、そう思ったのだが、体をくるりと回転させて奴はかわして見せた。

 正直、知覚できるスピードを上回っていたと思うのだが……動体視力も人間より圧倒的に上。目も、蜘蛛のようになっているから視野が広いのか?

 奴の見た目は下半身は蜘蛛の様な姿。上半身に人型――だが、その体も顔も、人の物ではない。蜘蛛のように複数の眼球が蠢いているし、手もおどろおどろしい。

 かなりグロイ見た目だけど……

 

「厄介だなッ――これで!」

「甘い! ほらほら、ガキはとっととおねんねしな!」

 

 迫る糸の波――これにからめとられたら、アウトだよな――――スライディングの要領で、アイツの下の潜り込む。スパーキングを発動したうえで。

 驚くような声が聞こえてきたが――もう遅いぜ。

 下っ腹、蹴りあげてやるよ――――!

 

「オラ!!」

「オグッ!? こ、このガキィ!!」

「逆ギレとか、みっともないぜおばさん」

「だれが――誰がおばさんだこのガキャァアアアア!! 少なくともテメェの姉よりかは年下だっつーの!!」

「そっか……それは、悪かったな」

 

 そう言いながら、相手の動きを分析する。結構短気で、挑発に乗りやすいタイプ。

 こういうのは、他に冷静な奴がいると相場が決まっているんだが……

 

(そんな奴は見えない。ってことは、他の場所か? それとも演技なのか――)

「っとっとと死んで白式を寄越せよッ!」

(無いな。目的をあっさりとしゃべりそうだし、可能な限り情報を引き出さないと)

 

 メロンエナジーアームズのおかげで、なんとかかわすことには成功しているけど――これは長期戦も覚悟した方が良いか? ISを使う手もあるわけだが……

 

(ISとドライバーの同時使用に対策を練られていないとも限らないし、使うための隙を作らないとな)

「らちが明かねぇ……二ヒヒ」

 

 そこで、彼女は嫌らしい笑い声を漏らす。なんだ? 何を思いついた?

 

「そういえば、あの女どもは一般人を逃がそうとしているみたいだが……出来るのかねぇ」

「…………どういう意味だ?」

「すでに、別働隊も動いているってわけよ。ちゃんと警備の手薄なところとか、弱点とかは伝えてあるし、これだけの人間をすべて守り切れるかな? お前ひとりでな……仮面ライダー」

「…………出来るさ」

「なに?」

「仮面ライダーは俺だけじゃないし――ドライバーなんてなくても、頼れる仲間たちがいる。俺は、みんなを信じている」

 

 俺がそう宣言したとおり、空に飛んでいた大型インベスを巨大なスイカの鎧が切り裂くのが見えた。

 教師たちも、ザコ相手なら対処できるどころか瞬殺だろうし――

 

「見通しが甘いんだよ!」

「テメェ…………なら、こいつならどうだよ!」

 

 空から――黒い蝶が舞い降りた。

 鎧、いやISのバイザーによって顔は見えないが、どこか懐かしい雰囲気と、嫌な予感を併せ持っている。

 

「M! やれ!」

「お前に言われなくてもやるさ……お前は他の場所へ行け。織斑一夏は、私の獲物だ――変身」

 

 その腰には、ドライバーがセットされていた。そして、そこにはめられていたのは……ブドウロックシードに近いが、異質な雰囲気を放っているもの。

 昔、英さんに聞いた改造ロックシードの話が頭によぎったのは、間違いではなかったのだろう。

 

【レーズン】

 

 干し葡萄。ドライフルーツ系のロックシード。

 

「変……身!」

 

【レーズンアームズ 古龍砲ウーハー】

 

 その鎧は、ブドウアームズに近い。されど、禍々しい雰囲気を持っていて、そこにいるだけで威圧感を産んでいた。まったく、厄介すぎるだろう……

 

 ◇◇◇◇◇

 

 弾がその騒ぎに気が付けたのは偶然に近い。悲鳴のようなものと共に、その存在が空に現れたのだから。

 

「なっ!? なんだあのインベスは!?」

 

 巨大すぎるその存在――のちにシソチョウインベスと名付けられたそいつ――は空を飛び、こちらを狙っているかのようだった。

 

「虚! 至急、一般生徒と一般客をシェルターに避難させるわよ!」

「分かりました! 五反田さん、あなたも速く――――なっ!? 何をしているんですか!?」

「悪いけど、あんな奴がいるのに貴女を見捨てるなんてできません。それに、化け物相手は慣れていますから!」

 

 ドライバーを装着し、眼前の敵を睨む。

 一夏がIS学園にいた間、クラックの開きやすい街を守っていたのは弾なのだ。

 彼には及ばないものの、修羅場はくぐってきている。

 

「蘭のこと、よろしくお願いします――――変身!」

 

 空へと飛び上がり、大きなスイカを纏う。

 巨大なインベス相手なら、コイツで対処する。すでに、その鎧を使いこなしているのだ。

 

【スイカアームズ! 大玉ビッグバン!】

 

 ジャイロモードで空へと上がり、インベスを打ち抜いてゆく。その光景をみて、虚は驚くばかりだったが、彼女がやってきたことで自分の仕事を思い出す。

 

「虚! 早く行くわよ!」

「わ、わかりましたわお嬢様!」

「誰だか知らないけど、助かったってことなのかしらね」

 

 まだ安心はできないけど……楯無も暗部に身を置く存在。緊急時にはそのスイッチが切り替わる。

 とりあえず、自分がする最優先事項はみんなの命を守ること。

 そのためにできることをするのだ。

 

 

 

「コナクソッ、どんだけ硬いんだよこのインベスは!」

『ガアアア!!』

「うるせええ!!」

【スイカスカッシュ!】

 

 赤い軌跡を描きながら、インベスの体を真っ二つに引き裂く。

 爆風を防ぎながら、上空に再び飛び立ち飛行中のシソチョウインベスに肉薄する。

 

「数が多すぎるだろッ」

『ゴグガァ!!』

「とりあえず、まとめて相手してやるから――かかってこいや!!」

 

 ジャイロモードで打ち抜き、全てのインベスをかく乱するが、なかなかに厳しいものがあって弾は焦ってしまう。この状況、どうすればいいのか――下に見えたのは一夏の姿。

 

「仮面ライダーは俺だけじゃないし――ドライバーなんてなくても、頼れる仲間たちがいる。俺は、みんなを信じている」

 

 その言葉が聞こえた。弾の心に力が戻ってくる。

 あんなこと言われて、諦められるかよ――気合を入れて、一体のインベスを叩き落とす。

 

「次はどいつだ――!?」

 

 爆風。インベスたちが、次々と爆発に巻き込まれて吹き飛ばされてゆく、いったいどういうことなのか? 弾が放たれたものが来た方向を見れば――そこにいたのは、ISを纏った女性たち。

 

「実弾なら効果があります! 私たちだって、いつまでも手をこまねいているわけではありません!」

「山田先生、南西の方角に出現しました!」

「北東では歩兵らしき者たちがいます!」

「そちらは織斑先生や代表候補生が向っています。私たちは、そこの彼と協力してインベスを大型撃退します!」

 

 どうやら、援軍らしい。

 ほっとする暇はないだろうが、ありがたかった。

 

「まあ、そういうわけだ――インベスになっちまったことは、残念だと思うし……かわいそうだと思うけど、そのままの方が苦しいよな」

『ガァ……』

「すまねぇとは思う――でも、俺たちだって逃げるわけにはいかないんだッ」

 

 ヨロイモードに戻り、一体のインベスを撃破。

 まだ、戦いは始まったばかり。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 鈴とセシリアは、一般生徒や客人たちの避難を行っていた。

 

「大丈夫! そとの騒ぎは直に収まるわ!」

「慌てないでください! 外では教師たちが対処しておりますわ!」

 

 自分たちも速く避難誘導を終わらせて一夏の加勢に行きたい。されど、これも大事なことなのだ。

 だけど、焦燥感はなくならない。

 

「ああもう、一体全体どういうことなのよ!」

「鈴さん、今焦っても仕方がありませんわ……今は皆さんの避難を優先しませんと」

「分かっているわよッ、それでも焦るんだから仕方がないでしょ――――うわ!?」

「鈴さん!?」

 

 いきなり、背中を押された。びっくりしてそこを見ると、そこには見慣れた金色の髪がいた。チャイナドレスを着ているのは、そのままの格好だったからか。

 

「ティナ!?」

「やっほー」

「わたしもいるよー」

「本音さんも……」

 

 少し微笑んで、ティナは鈴に向き合った。わかっている。そういうかのように。

 

「行ってあげて。織斑君の手助けに行きたいんでしょ?」

「ティナ……」

「避難誘導なら私たちにもできるけど、おりむーの手伝いは二人じゃないとダメだからねー」

「……ありがとうございます! 行きますわよ、鈴さん!」

「分かっているわよ! 二人とも、ありがとう!」

 

 少女たちは駆けてゆく。共に、一人の男を頭に思い浮かべながら。

 

「ふふ、やっぱ鈴はああいう風にまっすぐな方がらしいよね」

「セッシーも、色々あったみたい……それじゃあ、てぃなぽん、頑張ろう!」

「そのニックネームはどうなんだろう……ま、いいか。みなさーん! 落ち着いて進んでくださーい!」

 

 

 

 鈴とセシリアは先ほど一夏が戦っていた場所まで向かおうとして――厄介なことになっているのに気が付いた。

 

「……一夏が負けるとは思えないけど…………大方、逃げたか他の奴が足止めに入ったか」

「いかにも小物な感じですものね……で、シャルロットさんをどうなさるおつもりで?」

「ハハハ、今日は大量だな――インベスの素材とISが三つずつも手に入るんだからよッ!!」

 

 オータムと名乗っていた、蜘蛛の様なオーバーロードがシャルロット・デュノアを引きずりながら現れたのだ。いや、今まさに止めを刺すところだったのかもしれない。

 二人にとって一夏が負けるということはないと思っているが……これはかなりマズい事態だというのは分かった。

 

「セシリア、やれる?」

「誰に聞いていらっしゃるのですか……シャルロットさんも助けなくてはいけませんし、鈴さんことついてきてくださいよ!」

「分かっているわよ――それじゃあ、行くわよ!」

 

 二人、挟み撃ちになるようにオーバーロードを狙う。

 されど――人質だとでもいうかのようにオータムはシャルロットを糸でからめとり、掲げてしまう。

 

「テメェラ、こいつがどうなってもいいっていうのか?」

「なっ――この、外道!」

「…………やはり小物……小悪党ですわね」

「何とでも言え、勝った方が強いんだからよぉ…………ひひひ、ヒハハハハハ!!」

 

 状況は、最悪。

 




ついに戦闘開始。
IS学園教師だって戦えるんだ!



おそらく、今日は書かないのでしょう。
明日更新分は既に作ってありますが。

それじゃあ、界放祭行ってきます!
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