仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

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IS5巻終わりです。
ようやく終わった……最終章まで行けそうだなぁ。このペースなら200話は流石にいかないと思う。


EP164.返事

 終わってみれば、案外あっけない幕引きだった。

 俺たちは戦いが終わった後、疲れとかで体が動かなくなってしまい、千冬姉たちが来たときにはかなり驚かれた。まあ、外傷はほとんどなかったから注意とかを受けただけで済んだ。

 ただ、ここで何があったのかは結構な人数の人に聞かれてしまい――色々と後始末とかが起きてしまったわけだけど。

 

「まったく、お前たちは……それに英のやつも鈴とオルコットのISに仕込みをしおって…………なあ、そこのバカ二人よ」

「学園の修復とか諸々の後始末に来たってのにこの仕打ちはあんまりだぁああ!!」

「ちーちゃん許してー!! 簀巻きの上逆吊りとか鬼畜の所業だよ!!」

「黙れ。私は怒っている」

 

 そう、英さんたちはIS学園の修復のために来てくれたんだ――ただ、ここには鬼がいたわけで。

 二人ともオシオキをされている。助けたいのは山々なんだが、下手なこと言うと俺も何かされそうだしなぁ……

 

「まったく――それで、弾までいつの間に……」

「あー、一夏と同じくらいの時に……別件で」

「頭が痛い……」

「千冬は鈍感だからな」

「そうだよねー」

「うるさいぞお前ら……しかし、困ったな」

「えっと、何がですか?」

「いや……事情が事情とはいえ、正体が割れてしまったということはそのままにしておくのは厳しいということだ。どうしたものか……」

「俺、どうなるんだろう……」

「千冬さん! お兄は、お兄は解剖とかされませんよね!?」

「蘭!? ちょ、怖いんだけど!? 発想が凄く怖いんだけど!?」

 

 さすがにそれは無いと思うが……俺も解剖させてくれとか言われたことあるしなぁ……ISを動かせるってことがわかった時に。

 俺よりかは可能性は低いとは思うのに、なんか危ない気が……

 それと、あっちはどうしたらいいんだろうか……

 

「いいもん、私だけ事件が終わった後に全部気が付いた愚か者だもん」

「仮面ライダーが増えた……一夏め、羨ましい…………でも、だからって自分がなるのは……」

 

 生徒会長と一年四組のクラス代表の姉妹がブツブツなにか言っているんだけど……ちょっと怖い。

 鈴とセシリアに目線を向けても――目をそらすなよ。

 

「無茶言わないでよ、流石姉妹だわ……根っこが似ているのよ」

「ですわね。ネガティブになっている時がそっくりとは、嫌な部分が似ていますわね」

「いや、そうだけど……」

 

 そこは言わないでおこうぜ。

 と、そんなことを考えていると――千冬姉が何かを思いついた顔をした。しかし、大体その顔をしたときって俺が後始末とかしないといけなかったような記憶が……いきなり料理を始めたときとか。

 だから――嫌な予感がするかとも思ったわけだけど……なんだろう? 別種の危険な空気を感じた。最近、こういうトラブル察知能力が高まっているような……

 

「よし、弾――お前、学園で預かる」

「――ええ!?」

「ちょ、千冬姉!?」

「千冬さん何を考えているんですか!?」

「長くても一か月ぐらいだ。食堂の息子なんだし、ここの食堂で住み込みのアルバイトでもさせておけば体裁は整うだろ。勉強の方も通信制の物を一時的にやればなんとなる。幸い、ここも学校だから手の空いている教師を一日一人当てるぐらいはできるしな」

「やべぇ、千冬姉がちゃんとフォローも含めて考えてやがる」

「明日は雨かしら」

 

 ――ごあああ!?

 

「無言で頭を掴まないでくれぇええ!?」

「痛い! 痛い!」

「お前たちは私をなんだと……まあいい。しかし、部屋がないな…………職員用の寮に空き部屋は無いし、空いているのは女子寮だが二人部屋しか……む? そういえば更識――アレはどうなった?」

「アレですか? 誰かが取ったんじゃないですかね。一夏君の頭に乗っていませんし」

 

 頭? ああ王冠……そういえば、どっかいったみたいだな。誰かが拾ったのか?

 

「あのー、それってこれですか?」

「……鈴…………それを取るということはどういう意味か分かっているか?」

「さぁ? みんなが必死にとろうとしていたということぐらいしか……聞いても教えてくれませんでしたし」

「…………というかいつ取ったのですか」

「あの蜘蛛女が現れたとき。思わず拾っちゃったんだけど、後で返せばいいかなって」

 

 ああ、その時に落ちたのか。ただ、みんなはなんで何とも言えない顔をしているんだよ……

 

「……これも、さだめか」

「噂には聞いていましたが……凄いですね」

 

 なんだろう、なんでみんなはそんなに驚いて――そこで、千冬姉は鈴の肩に手を置いた。

 

「お前、今日から一夏と相部屋な」

「――――ファッ!?」

「千冬姉ぇええええええ!? 教師がいいのか!? 男女を一緒の部屋とか!?」

「元々、そういうことになっていたのだ――お前の王冠を取った者を相部屋になる権利を与えるという」

「なんでそんな権利――まさか会長」

「――――ヒュー」

「口笛吹いてごまかさないでください。魔法少女騒動をスムーズに出来たのは――千冬姉を買収しましたね」

「……反省はしているわ。後悔はしていない」

「この外道!」

「一夏と相部屋一夏と相部屋一夏と相部屋一夏と相部屋……」

「鈴! 帰って来い! さっきから同じことを呟いているぞ!」

 

 っていうか、なんでその話が今関係あるんだよ!

 

「で、弾をお前が使っていた部屋にいれる。そうすれば部屋の問題は解決する」

「だったら俺と弾が相部屋ならいいじゃないかよ!」

「――そうですよ! (かなりもったいないけど)一夏と相部屋になるよりその方がモラル的にもいいですよ! (第一、恥ずかしくて死んじゃう!)ね、そうしましょう千冬さん!」

「弾、お前の意見は?」

「……面白そうなので、俺が一人部屋の方向で」

「と言うわけだ――諦めろ。それとも、男同士の部屋になって――冬の新刊のネタを提供してくれるというのなら私はそれでもいいんだが」

「「「男女の方でお願いします」」」

 

 俺と弾だけでなく、鈴の心まで一つとなった。俺たちとしてはそれは得しないのである。というか、そんな精神的苦痛を味わうよりはと考えてしまった……

 というわけで、俺と鈴のどうせ…………共同生活が始まることとなってしまった。なんか最近流されてばっかりなような気がするなぁ……

 

「覚悟決めて――なんて言っていたのに、覚悟とか関係なくなってきたような気がする」

「……世の中、そんなものなのかもね」

 

 かもなぁ……

 と、そこでようやく逆吊りの二人がおろされた……ああ大分辛そう。

 

「千冬、流石に死ぬかと思ったぞ」

「ちーちゃん容赦ないんだから」

「うるさい……ハァ、それでいつまで滞在するつもりなのだお前らは」

「今日は徹夜で作業したらすぐに戻る。まだ上にやり残した仕事が残っているし――色々と準備もあるし。あと、今日はこれを弾君に渡すつもりだったんだよな……すぐに簀巻きにされたから忘れていたわ」

 

 そう言って、英さんが取り出したのは――ゲネシスドライバー!?

 

「ちょ、それって負担が大きいから普通の人には使えないんじゃないですか!?」

「まあ普通はな」

「危ないものを渡されても困るだけっていうか……」

「大丈夫。君は数年もドライバーを使ってきていたし、今までのドライバーのデータから設計したから君が使う分には負担もそれほどじゃないよ」

「そうなんすか……っていうかなんで俺に…………」

「うーん、保険。ここがまた狙われないとも限らないし。あと、マツボックリエナジーロックシードも渡しておくな。武器は、今までのバージョンアップ版みたいなもんだからそれほど難しく考える必要はないから」

 

 弾は困惑しているけど、素直に受け取った。っていうかまだ襲われ――そうだなぁ……

 

「それじゃあ、僕らは作業始めるから引っ越しとかするなら早めにしておくんだぞー」

「じゃあねちーちゃん。今度は娘連れてくるから」

「――――まて!? 娘ってどういうことだぁあああああ!!」

 

 あれ? 千冬姉ってリリーのこと知らなかったのか?

 俺も鈴も知っているし、弾だって……

 

「千冬姉って、もしかしていじられているのか?」

「…………ああ、それで」

「織斑先生って、もっと怖い方というイメージが――あら? なにかが違うような」

「教官…………」

 

 ラウラまでちょっと困った顔しているじゃないか。

 しかし、あと関係者なのに知らなそうなのは――そうだよ、箒だよ。

 箒も狙われそうな立場なんだし、無事だったんだろうか? 少し離れた場所にいるけど――ちょっと話ぐらい聞いておくか。

 

「おーい、箒。お前は大丈夫だったのか?」

「…………ああ、問題はないさ……」

 

 あれ? なんだかいやに落ち着いているけど……まあ、この前みたいな怖い印象じゃないし、大丈夫かな。

 しかし、こんなことがあったのに落ち着いているというのも気になるが……

 

「一夏、姉さんが娘と言っていたが……子供が生まれていたのか?」

「違う違う。いろいろあって引き取った子だよ。正式な娘ってわけじゃないんだけどな」

 

 そういえば、リリーだけじゃなくてフロンやクロニクルさんもそんな感じなんだよな……結婚したら正式に養子にするんだろうか?

 しかし、箒は詳しい話を聞かなくても良かったらしく、そうかと言ってその話題を出すことはなかった。その後に別の話題を出したが。

 

「あの二人は――ドライバーとかいうものを手に入れたのか?」

「ああ、例によって英さんが仕込んだみたいだけど」

「――――よくわかったよ」

 

 それだけ言うと、箒は寮の方へと歩いていく――なんだろうか? なんかいつもより静かっていうか……

 

「まあ、何かあれば相談するだろ」

 

 ◇◇◇◇◇

 

 引っ越し作業がすぐに終わるってのはさすがだな。もう荷物を運び終わっているよ――束さんが用意した作業用ロボっぽいのが動いていたのを見たときはびっくりしたが。たぶんISだよな……ゴーレム君とか呼んでいたけど…………無人機とかいいのか?

 しかし、IS学園の修復作業もこれでしているみたいだし……細かいことは気にしないでおくか。疲れそうだ。

 むしろ俺にとってはこの状況をどうにかした方が良いと思っている――そう、頭にあるこの柔っこい感触。

 

「鈴さん、なんでいきなり部屋に入るなり俺にひざまくらしているのでしょうか」

「したいからじゃだめ?」

「いえ、滅相もない!」

 

 だけど俺も男というわけで、あまり無防備な感じになられると困るというか……

 

(襲っちまうかもしれないというわけで……っていうかそんなこと言えるかッ)

「…………別に、襲ってくれても……」

「? 何か言ったか?」

「な、何でもないわよ! ホラ、耳掃除してあげるからじっとしていなさい!」

「――――なん、だと」

 

 耳掃除? 千冬姉が恐ろしく不器用で結局物心ついたときには自分でやっていたあの伝説の? ひざまくらに耳掃除のコンボ?

 ――――素数だ。素数を数えるんだ。心を落ち着かせないと色々と頭がヤバい。

 

「ほら動かないの」

「はい」

 

 あれ? 無抵抗!?

 俺の心の中とは逆に体は正直だった。リラックスしたように動かなくなる――これが金縛りか!

 

「何をバカなこと考えているんだか……どう?」

「……こう、思った以上に落ち着く――――なんだろう、眠気がやってくるというか……なんだか懐かしい?」

「何を言っているのよ、千冬さんは不器用――――あ」

「どうしたんだ、鈴?」

「なんでもない――気にしても仕方がないことよ」

「そ、そうか……」

 

 でも本当になんか安心するっていうか――落ち着く。

 もっと緊張すると思っていたんだが……こんな風に落ち着けるっていうか、リラックスできるなら別にいいかな……相部屋でも。

 あーでも、シャワーとか色々気を使わないと……うっかり鈴が入っていて開けたりしたらマズいし――俺も暴走したらマズイ。

  別の覚悟が必要になっちまった。

 

「鈴、シャワーの時間だけど……」

「適当で良いんじゃない?」

「まずいだろそれは……」

「それとも、一緒に入る?」

「――――――」

「ちょっと、なんで無言になるのよ」

「なんか今聞こえてはいけないセリフが聞こえた気がしたから」

「別にさ、見られても困らないわよ」

「ちょっ!? 何を言っているんだよ!!」

 

 ふふ、と鈴は薄く笑って――こつんと俺の頭を叩いた。そして、自分のベッドに腰掛けると微笑みながらこういってきたのだ。

 

「あたしだって、月は綺麗だと思っているわよ――でも、死ぬんじゃなくて一緒に生きていたいわよ」

「――――」

「そ、それだけだから――――それじゃあお休み!!」

 

 それだけ言うと、鈴は布団をかぶって今日はもう話しかけてくるなという姿勢になってしまった。

 ……あの、この状況で眠れると思っているのだろうか?

 

 

 

 

 眠れるわけないだろ…………もぞもぞ動いているあたり、鈴も同じだが……色々と整理するために俺も布団を被ることにした。うん、もうちょっとゆっくり進んでもいいよな。お互いにまだ照れの方が上回っているし。

 疲れているけど――眠れない夜だった。

 




色々な伏線を残しつつ、やりたかったことができて良かった。

まだ回収していない伏線が色々とあるのが……最終回までに回収できなかったものは後日談で行います。
感想で指摘されたら番外編でやるかも。
とりあえず、完結まで頑張らないといけませんけどね。


ガンダムブレイカー2、ガンダムカフェ15が鬼畜過ぎる。
特定の組み合わせじゃないとキツイってのはどうなんだ……だが俺は自分の好きな組み合わせでクリアしちゃる。
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