仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

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高校生編、開幕ッ!


第3部・不可思議のハイスクール
EP19.そしてめぐり合う


 春、桜が満開……とまではいかなくても、日本では新しい始まりの季節。

 気候は穏やかで、思わず眠くなるような暖かい陽射し……まあ、僕は陽射しは苦手だけど。

 そんな僕だけどただいま……絶賛遅刻中です。しかも入学式。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 事の始まりは、入学式の準備も終えて、さあいくぞと家を出た瞬間である。黄金の騎士との戦いから力を増したように感じる腕輪が、思いっきり反応を始めたのだ。あたりに活性化したインベスが出現するときにも反応を示してくれているのである。正直、これはこれで反応してほしくないときにも反応するからごまかすのが大変である。

 まあ、インベスは初級が少しと、上級が一体だけだったのですぐに片付いたのだが、マスコミや警察も近くにいて、撒くのに苦労した。早く誕生日が来てほしい……そうしたら免許取りに行けるのに。

 で、結局遅刻したというわけである……今は体育館の入り口前で担任になるらしい先生と

 

「初日から遅刻とはどうしたんだい? 一応、君のことは先生たちからも評価高かったんだけど」

「すいません、緊張で睡眠時間がおかしなってしまって(嘘ついてすいません)」

「まあ、初日だし大目に見るけど……入試トップの篠ノ之さんは舞台挨拶が嫌でサボっちゃったからいま織斑さんが壇上にいるんだけどさ、後で二人とも覚悟しておけよって言っていたよ」

「……ヤバい、それはマジでヤバい」

「自業自得だと思ってあきらめてね」

「…………篠ノ之の家に行ってバリケード……だめだ突破される。アイツを生贄にする……無理だな、争っている間にターミネートされる」

「なかなか面白い関係だね」

「……そうですか? ところで、クラス分けって」

「君たち三人は一緒にしないと、後悔するらしいね?」

 

 やっぱり今年も三人一緒なんですね……もうこれ卒業まで分かれないパターンだわ。

 

「じゃあ改めて、君たちの担任になる工藤烏龍だ。よろしく」

「……蜂矢英、よろしくお願いします」

 

 なんだか変な願いを叫びたくなる名前である。

 こうして、僕の高校生としての生活は幕を開けたのだった。

 

 ◇◇◇◇◇

 

「さて、二人とも覚悟はできているんだろうな?」

 

 時刻はすでに夕刻。僕と篠ノ之は逃げようとするも、織斑に捕まって道場の床に正座させられてます。

 

「僕は学年二位だし、関係ないよね、織斑が新入生代表なのと関係ないよね!?」

「おい……束にできるわけないから、お前の担当なんだが知らなかったのか?」

「いや聞いてないよ!?」

「おかしいな……中学の佐々木先生が伝え忘れるハズもないんだが……お前とも接点が多かったし、あの人が連絡役だと聞いていたが?」

「…………さ、佐々木ー!? 最後の最後で復讐のつもりかぁあああああ!?」

 

 信じていた先生に裏切られた。まだ根に持っていたのか、脅迫まがいのことしたの。

 

「さてと、蜂矢の罪状は読み上げた。次は束だ」

「えっと、束さんがそんな面倒なことしたくないのちーちゃんだって知って――ピッ」

 

 変な奇声を上げて、篠ノ之は地面に倒れた……一瞬のことで見えなかったが、なんか首筋に叩き込まれてなかったか?

 そして、見る者が見惚れそうな笑顔なのに、ものすごく恐ろしいという顔をしている織斑は僕の方を向いて、一言だけ言った――さあ、お前の罪を数えろ――そこから先の記憶はない。

 

 ◇◇◇◇◇

 

「……なんだか恐ろしいものを見た気がするんだけど」

「…………初めておばあちゃんの顔をみたよ」

「お前ら失礼だな」

 

 いくらなんでも、記憶が吹っ飛ぶほどのことをすることはないと思うんだ。そのあと、ちょっと稽古に付き合えと竹刀を渡されて軽く打ち合う。

 無双セイバーを使い慣れたせいか、片手で持つ癖がついたけど……さすがに織斑相手じゃキツイな……

 

「なぁ、二刀流にしてもいいか?」

「構わないが……なぜ、左手は短い竹刀なのだ?」

「んー……この方が持ちやすいから」

 

 ブラッドオレンジアームズも前よりは疲れなくなったから、使用頻度が上がったし。正直言えば、右手の竹刀より無双セイバーの方が短いから、重心に違和感があるけど、まあちょうどいい長さが他にないし、仕方がない。

 そのまま打ち合うが、さっきよりは拮抗しかけるものの……まあ、攻めきれない。というか動体視力高すぎるだろこいつ。

 

「これでも、私と同い年でここまで食い下がるものなどいないくらい強くなったと思ったのだが……どうやら、まだまだ私は強くならなければいけないようだな」

「って、これ以上目指すのかよッ……こっちは食いつくだけで精いっぱいだっつの」

「まだまだ無駄口をたたく余裕があるようだな……なら、本気で行くぞ!」

「軽くじゃなかったんですか織斑さん!?」

 

 その日は軽く地獄を見た。篠ノ之がそのあと優しく声をかけてきたあたり、織斑はかなり本気だったらしい……

 

 ◇◇◇◇◇

 

 翌日からは授業……ではなくオリエンテーションなどがあるだけ。まあ、最初のうちはそんなもんか。

 さすがに篠ノ之もサボっていなくて、学校に来ているけど……いや、頭を押さえているあたり織斑が無理やりにでも連れてきたか。

 

「それじゃあ、まずは自己紹介といこうか。私は工藤烏龍、君たちの担任だ。もっとも、昨日来ていない人以外は知っているだろうけどね」

 

 少し筋肉質で名前が変わっていること以外にはあまり特徴のない、昨日顔を合わせた工藤先生が前に出る。

 

「じゃあ出席番号一番から……名前と、趣味、あとは一言何かあれば言ってください」

 

 なんというか、業務連絡っぽい感じで淡々と進めてくるな……昨日はもうちょっと気さくな印象だったけど、場面に応じて変わるタイプなのか?

 と、そこですぐに織斑の番になったので耳を傾ける。

 

「織斑千冬です。趣味は剣道、目標は日本一だけでなく世界一だ。これからよろしく頼む」

 

 うん、織斑らしいし、それほど問題もない。さすが模範的な生徒である。ただし、時々ブレーキが壊れるけど、大丈夫だろうか?

 まあそんなことを考えているとにらまれるけど……アイツ、心の声まで聞こえるようになったのか?

 ちょっとビビってしまった……

 そこで、織斑の次の人をみたら……なんだ、あれ?

 

「篝火ヒカルノです。趣味は……ちょっと言えません。……なんでみんなはこっちを凝視しているんですか?」

「そりゃあ一人だけセーラー服なら凝視するだろ。うちブレザーだぞ」

「……すいません、私服と間違えました」

「あとで職員室にこい」

 

 それ、私服なんだ……もしかして趣味ってコスプ――よそう、人様の趣味にあまり口を出すものじゃない。とりあえず、他のことを考えた方がいい……そんなこんなで篠ノ之の番が来たんだが……不安だ。

 

「えーっと、天才の束さんだよー……趣味は、なんか作ること。あと、気安く声をかけないでください」

 

 …………それでいいのか、いや本人はいいんだろうけど……織斑が頭を抱えているぞ。まあ、教師たちも腫れもの扱いだろうし注意はされないだろうけ――「わかった、最低限は声をかけるから無視したら反省文だからな」――ど……って先生ッ!? いきなり注意したというか警告出した!?

 

「先生はどんな人にも同じように接します。場合によっては態度変えますけど、それは場面に応じてなので気にしないでくださいね。だから、どん何偉い人であろうと私は容赦なくいきますよー」

 

 見た目の印象でだまされた。この人変な人だ。というか変な人多いな。

 他にも若干個性が強そうな人が多い。大丈夫かこの学校? というかここなら篠ノ之もなじめるんじゃ……

 

「えっと、田中太郎です。趣味は読書。一年間よろしくお願いします」

 

 ……めっさ普通の奴がいた。なんだあれ、普通すぎる。見た目……普通。背丈、普通。というか普通の要素をすべて合わせたらこいつになるんじゃってくらい普通だな……逆にいないだろこんな奴。しいて言うなら眼鏡かけているぐらいか?

 そして、僕の番が回ってきた……適当にやっとくか。

 

「蜂矢英。趣味は……料理。あとはレシピの収集です。これからよろしくお願いします」

 

 よく考えたら、趣味って言ってもいいのか悩んだけど……いいよね、趣味でも。というかインベスとの戦いが続いていて、趣味という趣味がないような……いや、一応ゲームはやってるけどね。メジャーなの。

 そこで、僕が座ると後ろの人が立ち上がった……どうやら女の子のようだ。

 

「花村花梨ですー。趣味はガーデニングですー。みなさん、これからクラスの仲間としてよろしくおねがいしますねー!」

 

 語尾が少し伸びるのが特徴の子。花の咲くような笑顔とはこういうことを言うのだろうか……クラスの男子、わかりやすいなぁ…………

 その後も、つつがなく進行していくが……やっぱちょっと変な人多い。むしろ変人だけをこのクラスに集めたとかないよな?

 

 ◇◇◇◇◇

 

「それにしても、なんか変わった人多かったな」

「お前もその一人なんだからな」

「自覚はあるって……」

 

 というか仮面ライダーが同じクラスにいるってどうよ?

 授業説明とかが終わって、屋上で織斑と篠ノ之と共に昼食を食べている。と言うより、昨日のお詫びとして織斑に三人分作らされた。なんで篠ノ之の分まで作らされてるんだろう?

 

「……いや、いい。お前らはこういうのに鈍いからな」

「?」

「ちーちゃん、この束さんにわからないことなんてないんだよ、でもこの卵焼きは食べてみないと分からないかも」

「お前はどこの腹ペコシスターだ……」

 

 最近、織斑が俗っぽくなっているのはなんでなんだろう……ストレス…………溜まってそうだなぁ。

 

「おい束、私の分まで食べるつもりか?」

「この卵焼きが口に入ってくるんだよ! 私に罪はない――ピャぁ!?」

「まて織斑。ここではマズイ」

「ええい離せ! 一度痛い目を見ないとこいつは理解できないんだ!」

「だからって本気でやるなっ」

 

 そうやって騒いでいる間に昼休みも過ぎて行って、午後からは教科書の配布とか……結構量があってキツイ。おいこら篠ノ之、またIS使ってるだろ。

 

「使えるものは有効活用しなくちゃもったいないって、そんなこともわからないの?」

「……いや、楽しようとするやつは織斑が黙ってないかなと……前は一夏君が絡んだから見逃されたけど、今回は無理じゃね?」

「…………やっぱり自分の力で運んでこそだよね!」

「変わり身はえぇ……」

 

 ちなみに織斑は軽々と運んでいました。

 家の方角は同じだから、途中まで三人で帰っていると……目の前を通さないかのように現れる一人の男。

 

「まちな」

「すいません、セールスは間に合っているんです」

「どこから見たらセールスに見えるんだよふざけているのか!?」

 

 男の見た目は、改造学ランにリーゼント……あとは手にまいた包帯に、なんかじゃらじゃらしたアクセサリー……なんというかレトロな不良ですね。

 

「俺の名前は須郷(すごう)(たける)。お前たちの先輩だ」

 

 審議開始

 

「なあ、どう思う?」

「こんな人が進級できるのか?」

「うーん、さすがの束さんにもわからないことがあるって証明されちゃったかなぁ……」

「おいこら聞こえてるんだよ!」

 

 審議中断

 

「えっと、何か用があるんですか?」

「あああるとも……おいお前、俺と勝負しろ」

「……は?」

「いいから、勝負しろって言ってるんだよ……後ろの二人を賭けて、俺と決闘だ!」

 

 いや、決闘って……決闘罪に触れるんすけど……それに、二人を賭けてって意味が分からない。

 

「屋上でイチャコラしやがって……男として恥ずかしくないのかお前は!」

「いや、別にそんなことしてないし……しかもなんで二人を賭けてって話になっているんですか」

 

 いや、言わなくてもわかるけど……

 

「そんなの、男が戦うなら自分の女をかけて戦うに決まっているだろ!」

「そもそも僕ら付き合っているとかそういう関係じゃないし……というか、絶対あんたの個人的な理由だろ」

 

 二人とも見た目はいいからなぁ……中身は残念だけど。

 

「いいじゃないか。戦ってやれ。そうしたらお前が今考えたことを水に流そう」

「この天才の束さんに向かって残念って酷くない?」

「……スンマセン」

 

 そして、近くの河原に下りて戦うことになったのだが……体力と筋力があるだけで、なんというか強いという印象を受けない。喧嘩慣れしてるだけなら、こんなものなんだろうか?

 

「いくぜおらぁっ!」

「パンチは早いけど、読みやすい……」

「どうしたどうした? よけるだけで精いっぱいかッ!」

 

 何度も殴りかかってくるものの、この人……ボクサーでも目指したらいい線行くだろうにもったいない。まあ、殴られたくないし、時間もかけたくないので一発で終らせるか……

 腰を落とし、体重を拳に乗せて……覇っ!

 

「ゴフッ!?」

 

 そんな音だけが消えて、自称先輩は地面にキスをした。というか、やり過ぎてないだろうか?

 

「……息はあるし、今は夜でも暖かくなってきたから大丈夫だろう。さあ、帰るぞ二人とも」

「容赦ねぇ……」

「暖かいってちーちゃん基準じゃないか……さすがの束さんでもびっくりだよ」

 

 結局、僕たちの高校生活はこんな感じで幕を開けたんだけど……

 僕は……僕たちは知らなかった。これがある意味では始まりだったことに。

 




新キャラ続々登場。あと、新たに原作キャラ追加。
キャラがよくわからなかったので捏造ですけど。高校生の彼女のイメージはとある世界一のバカ。

他のクラスメイトや学校のイメージはフォーゼと、自分の高校時代を参考にしました。あとはバカテスとか。

ダブル好きだったから、ネタを挟みたくなる病気が……
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