あと、私事ですがゴッドイーターがアニメ化と聞いて体調崩しているのに興奮したので体調がテラヤバス。
EP49.イカイカパニック
千冬が国家代表に選ばれたのはすぐのことだった。今後は千冬も競技場などを使って訓練することが増えていくだろう。一夏君との時間を大切にしたいからと、いろいろ頑張っているけど……疲れ知らずなのはさすがである。普通倒れるだろうに……
「まあちーちゃんだからねー」
「その一言で何でも許されると……案外、アイツはそういう奴か」
束もだけど。
「……血反吐をマジで吐いているのに動ける人には言われたくないよ」
「あー……あー、うん。反論できないね。ごめん」
そんな風に、軽口を叩きあっている今日この頃……葉っぱも落ちてきて冬が近くなってきた。アレから政府の人と話し合ってインベスへの対策を考えたり、更識家を通じて各地にクラックの発生ポイントがないか調べたり。怪しいところだと、遺跡とかそんなところ。南米だとマチュピチュやナスカ、イースター島あたり。欧州だとストーンヘンジあたりか……あとはピラミッドとかね。結論から言うと、普通の都市よりは時空に歪みはできやすいけど、クラックが発生するレベルではない。
リヴァイアサン、正式にはレヴィインベスと名付けられたアイツは動きを見せていない。その方が良いけど……まだ対策もできていないんだよなぁ…………やることが多すぎる。
チェリーエナジーの試運転も行ったけど、まだ課題が多いし、年末も近いし北欧へ行く準備も進めないと……大掃除は早めにやっておくか。
「……それにしてもつれないねー」
「なー」
「「……」」
ちびっこズも黙っているし……どうしたものか。
本日はたまの休みにどこかに遊びに行こうと思ったところ、千冬が色々データを取らないといけないらしく一夏君を預かることになり、せっかくだから釣りに行こうということになった。ちなみに場所はいつもの海近くのところ。見た目的には、人魚がつれそうな気もする場所である。いや、冗談だけど。
束も一緒に来ることになり、連絡することと渡す資料があった楯無さんが簪ちゃんをつれてやって来て、これから別の案件があるからと預けられた。ちなみに、箒ちゃんは本日女子剣道の遠征試合である。束、見に行かなくてもいいのか?
「いやぁ、束さんが応援に行って騒ぎになったらまずいし……そんなことになったら箒ちゃんに嫌われる。でも応援にいかなかったから後ですねちゃう。どうしよう?」
「もうどうすることもできないだろ……というか別に大会じゃないんだしすねないだろ」
「それもしうなんだけどさ……」
何だろう、三人の子守りをしている気分。いや、一夏くんは静かに糸を垂らしているし簪ちゃんもぼーっと海を眺めているだけだし……束が一番手のかかる子供みたいになっている。
そのまま静かに糸を垂らしているけど……静かだなぁ……
「なあ英のにーちゃん」
「なんだ?」
「つれないなー」
「……わかってるよ」
この調子だと釣れるのはいつになることやら……
と、簪ちゃんが持っていた竿に動きが現れた。
「あ……ッ」
「束、手伝ってあげな」
「まあ、いいけどさ」
やれやれと手を添えるけど、なんだかおっかなびっくりだなぁ……と、こっちもかかった。
一夏君もかかったようで頑張って引いているけど……手伝うか。
「英のにーちゃん片手で竿もってるけど大丈夫なのかッ!?」
「楽勝楽勝」
僕もう半分ぐらい人間やめている気もするしねー……洒落じゃすまないかもだけど。
とりあえず引き挙げると……なんだろうこれ?
「イシガキダイかな?」
「一夏君知ってるの?」
「たぶん食用……だったと思う」
「じゃあ捌くか」
「え?」
束にまな板と包丁を出してもらおうと頼むかなと思ったが、あっちはあっちで白熱している。うん、とりあえずバケツに入れておくか。
その後、再び釣り糸を垂らすけど……あとは小さい魚や食べられそうもないのが多かった。食べられるのはイカが多かったけど。なんでイカばっかり……
「束、そっちはどうだ?」
「うーん……あんまり」
「……残念」
簪ちゃんも少々落ち込んでいる。まあ、そううまくはいかないか。
とりあえずバケツを持って家へと帰ることにする……だけど、一夏君が必死に竿を握っているのを見た。
「どうした?」
「な、なんかすごい大物が出た!」
確かに、ものすごい力で引いているな……
バケツを置いて僕も力を貸すが――え?
「お、重ッ!? なんだコイツ――ッ」
「英? えっと手伝おっか?」
「頼むッ! こいつどんどん強くなってる!」
束と簪ちゃんも竿を持ち、一緒に引くけど……予想以上に力がある。しかもどんどん強くなっているぞ…………腰を落として力を込めていく。
束も全力で足を踏ん張っている。ここまで来たら、負けられないッ!
「いっせぇーの!」
「「「せっ!」」」
四人で力と呼吸をを合わせて、一気に引き上げると――なんだかあっけなく引き上げられた。
いや、むしろ向こうが流れに逆らわなかったというか……そして、その全貌が現れた。
巨大な体躯、たくさんの触手、鋭い眼光……タコの様なイカのような姿。だけどその体の特徴、いや外殻は見慣れている。
「なっ!? インベス!?」
僕たちは巨大なインベス、クラーケンインベスを釣り上げてしまった。
さすがに唖然として、声も出ない……いつかの外道体よりは小さいけど……
「……束、とりあえず二人をつれて下がれ」
「う、うん……」
ちびっこ二人は目が点になって放心状態だけど……無理もないか。
とりあえず、バケツをもって僕もゆっくりと後ろに下がる。下手に刺激したくないし……
「……オオォ!」
突然、怒ったかのように触手を振り上げて僕のいる場所が暗くなって――マズイッ! 慌てて横に跳んで攻撃をかわす。触手がぶつかった場所は砕けているし……単純な重さがかなりの威力を持っている。
「英、大丈夫?」
「大丈夫だけど……ああもうっ! なんでこんなに厄介に巻き込まれるかなッ」
一夏君にバケツを預けて後ろに下がってもらう。できれば巻き込みたくはなかったんだけどなぁ……簪ちゃんもいるし、どうするか悩むけど……後ろを見せて逃げるより、見える場所にいてもらった方が良いか?
「二人とも、これから見ることは内緒な」
「え?」
「……変身!」
【シルバー!】
インベスとの戦いは久々だけど……まあ大丈夫。いざってときに頼もしいやつが後ろにいるし、守るべき人が後ろにいるときの男は強いもんだからね。
【シルバーアームズ! 白銀ニューステージ!】
「悪いけど、たこ焼きにしてやるよ!」
◇◇◇◇◇
「仮面、ライダー」
簪は茫然と呟いていた。ヒーロー博士って印象しかなかった人が、仮面ライダー本人だったことに驚いているのだ。
隣にいる男の子は目を輝かせているだけだけど、自分はそれ以上に驚きが勝っている。
その後ろ姿はあこがれたヒーローそのもので、その輝きが眩しくて――
「頑張れー!」
男の子が――織斑一夏が応援している。あの有名な篠ノ之束博士も何も言わないけど、応援しているのがわかる。その姿を見て、ヒーローを見たならどうするのか思い出す。
ヒーローを応援する。それは当たり前のことだった。
「が、頑張れッ!」
こっちを見ていないけど、黒い腕輪をつけた右手を横に突き出し、親指を立てたポーズ――サムズアップをする。
何も言わないけど、それが凄くカッコよく見えて、私の言葉が届いたんだって嬉しさがあふれてきて、ただ胸がいっぱいだった。
◇◇◇◇◇
まったく、応援されたら負けるわけにはいかないよな。
だけどこいつが厄介なインベスなのも事実。
「見た目以上に速いなッ」
巨大な体躯に合わず動きは俊敏。束たちは結構離れた場所にいるから良いけど……こいつの触手のばねとしなやかさ、その力を使って向こうに跳んだら止められないな……
それに重い上に速いから一撃の威力も半端ない。
「ウグッ!?」
蒼銀杖で攻撃を受け止めるが……ミシミシと嫌な音が鳴っている……こいつはまずいな。
素早い上に、触手は攻撃と防御両方に使える。
と、そこで口らしき場所に光が集まっているのが見えた。
「マズッ!?」
慌ててブレードを一回叩いて【シルバースカッシュ】の音声と共に右足に力を集める。そして、口のあたりを蹴り上げて上へと向けた――その瞬間だった。
ゴウッ! という音と共に光の柱が空へと登ったのは。
「ヤバい、威力がヤバい……攻撃を喰らわず、懐の柔らかそうな部分を狙うしかない……一つ、方法があったな」
まだ完全じゃないけど、仕方がない!
ゲネシスコアを接続して新たなロックシードを手に取る。
「チェンジ!」
【チェリーエナジー!】
一度閉じられたシルバーロックシード。そして、鎧も上に飛び上り空中に浮いたサクランボの横に並ぶ。
【ミックス! シルバーアームズ! 白銀ニューステージ! ジンバーチェリー! ハハーッ!】
空中で二つの果実が一つに合わさり、黒い鎧へと姿を変える。
そして装着されたそれは見た目的にはジンバーレモンと差はあまりないが、胸部装甲であるジンバーラングについているエネルギーパネルがサクランボの模様に変わっていた。
「さあ、ついてこれるかな?」
駆け出すと同時に、世界がスローモーションに見えだす。いや、正確には僕のスピードが大幅上がることで周りの景色が遅く見えているのだ。
そのため、インベスの攻撃も目で見てかわせるほどに。
「――ッ!」
「遅いッ!」
ソニックアローを懐に一度たたきつけて、インベスの動きを硬直させる。後ろに回り込み、再びきりつける。それを繰り返すこと数十回。時間にして十秒にも満たない。
そして、ブレードを三回たたきエネルギーを矢の先端に集める。
【シルバースパーキング! ジンバーチェリースパーキング!】
インベスの口に矢を突っ込み、弓を引いていく――そしてさらに弓を絞り、複数の矢が装填される。
タイミングを計り、放った。
「――ガッ!?」
海中に飛んでいき――爆発を起こして水が巻き上がった。
……ふぅ。変身を解いて一息つくけど……あんな厄介なのが海の中にいたとは…………っていうかレヴィインベスよりは大分小さいし、まさか他にもいるんじゃ……いまはやめておこう。
「英、お疲れ様」
「まああのぐらいなら大丈夫だったけどね」
「よく言うぜ、束さんの作ったチェリーエナジーが無かったら苦戦したでしょ」
「あはは……本当ありがとうございます」
「うんっ」
それはそうと、茫然としているちびっこたちに言わないといけないことがある。
「二人とも、今日見たことは内緒な」
「ええ!?」
「……」
「だって、ヒーローってのは内緒にするもんだぜ?」
「あーうー」
一夏君は若干困り顔だけど、簪ちゃんは言う必要なかったかな……ちゃんとわかってる顔しているや。
その後、一夏君も少し時間たってから頷いてくれたけど……大丈夫かな?
まあ結局千冬が言及することもその後なかったから大丈夫だったんだけどね。
その日は家で魚をさばいて、楯無さんや千冬がちびっこたちを迎えに来てお開きになった。まあ楯無さんには説明しないといけなかったから色々怒られたけど……
こうして、今年最後の戦いは幕を閉じました。
◇◇◇◇◇
「終業式ってなんでこんなにめんどくさいのかなぁ」
「そんなもんだろ」
「二人とも、私語は慎め」
本日は終業式、クリスマスも間近の本格的に寒くなっている季節である。
校長の話が長いし、束も眠気がヤバそうだなぁ……
そんなこんなで終業式が終わり、家に帰宅しようと思ったら千冬が話しかけてきた。
「お前たち、冬休みはどうするのだ?」
「クリスマスはどっか出掛ける……あと年末年始は家にいないな」
「婚前旅行か」
「いや違うからね!? ちーちゃん変な風に言うのやめてよッ」
「しかし二人で出かけるのだろう?」
「あー……そういう甘い感じのじゃないから」
「――なるほど、からかってすまなかった。クリスマスも返上して準備するほどなのだな」
「いやそれは普通にデート」
「私の配慮を返せ!」
いろいろあったけど、こういう風に軽口を言い合えるってのもいいものである。願わくば、こんな日常がなくなりませんように。
シリアスさんとコメディさんがいったりきたり。
一夏と簪にばれました。この二人にはバラすつもりでしたけどね。イノシシの時点で。
一言でいうのなら、ジンバーチェリー無双。
さて、シドのロックシードはどうするか……詳しい設定とかよくわからないんですよね。
誰もツッコミ入れなかったけど、簪は目悪くないんですよ……だから父親が持たせた眼鏡型の端末なんです。
次回のデート回はさんだらついに北欧ですよ北欧!
資料を集めないと……
…………皆さんは、テレビの番組表などで鎧武の次回の番組内容を見ていないことを信じています。
見ていない方は、絶対に見るなよ。フリじゃないぞ。後悔するぞ。
オイラはこの前後悔したッ