仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

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すいません。この話一度予約失敗で上げていたり。見た人は少ないと思いますが。
……またやってしまった。


EP54.大玉ドライブ

 スイカアームズ相手には、同じスイカアームズかジンバーホオズキで戦いたいところだけど、アームズを変える隙が見つからなかった。

 何度も攻撃をかわし、須郷の猛攻から逃れる。

 

「悪羅悪羅! どうしたどうした! 逃げてばっかりかぁ!」

「ああもう面倒だなぁ!」

 

 ソニックアローなら、ある程度ダメージは見込めるけど須郷がそれで止まるような性格じゃないのが厄介だ。ダメージを気にした様子もなく突っ込んでくる。

 攻撃を何とか買わせているのは須郷がスイカ双刃刀ではなく、拳に集めたエネルギーで殴ってくるからだ。それでも動きが速いからかわすことに集中しなければいけないが。

 まったく、仮面ライダーナックルとはよく言ったものだ。近接、それも殴り合いならかなり強い。

 

「最初から殴り合いで戦えばいいものをッ」

「そんなんで勝っても面白くねぇし、お前相手に真正面からは危険だってのはいい加減わかっているんだ」

「そうかい! ならコイツもわかっているのかな?」

 

 なんとか、攻撃の隙を見つける。弓を限界まで引いて矢を複数雨のように降らせて足止めを行って――須郷の足元に落としておいたヒマワリロックシードを炸裂させる。

 

「なっ!?」

「物は使いようだからな!」

 

 食料としてもってきていたのが、こんな形で役に立つとは……ロックシードはそれ単体で膨大なエネルギーを内包している。少なくとも、人が一日問題なく動けるだけのエネルギーを供給できるほどには。成人男性に必要なカロリーが大体2000キロカロリーより多いくらい。ロックシードにはその倍以上のエネルギーが内包されていると言っていいだろう。

 実際数字にすると少なく感じるが、正確ではないが大体1キロカロリーとTNT爆薬1グラムの爆発が大体同じエネルギー量として扱われている。

 つまり、ロックシード一つが爆発したときはおおよそ5000キロカロリー分ぐらいが爆発したと仮定したら? 比較することはできないし、爆風などで威力は変わってくるので正確とは程遠い考えなのだが、あくまで目安として考えると、ロックシード一つが5キロの爆弾に相当するわけである。実際は普通の爆発とはだいぶ異なるから比べられないけど。それでも威力は無頼キックを上回る可能性を秘めている。

 なら、それが複数同時に爆発したのなら? たとえ一番ランクの低いヒマワリロックシードでもどうなるかはわかるだろう。

 閃光と爆発、それが幾重にも重なってナックルの姿を塗りつぶした。

 

「……まあ、硬いスイカロックシードなら大丈夫だろうけど…………」

 

 複数の爆発で威力が上がっても拡散されちゃうし。

 案の定、それでも動いている。ならば僕も、とことんまでやってやる。弓を引き、狙いを定める。

 向こうはまだこちらを視認していない。爆風の中にいるのは分かるが、油断してはダメだ。轟ッ、という音とともに刃が爆風から躍り出る。そのタイミングに合わせて、地面にもう一度矢を放つ。

 エネルギーが弾けて、ナックルの足を止めた。すかさず横にステップし、スイカ双刃刀をかわす。まだ使っていなかったし、持っているとは思っていたが……

 と、そこでナックルは飛び上がって形を変えていく……ジャイロモードか!

 

「まさか、あんな方法に出るとはな……だが、空からなら!」

「浅はかだぞ! ジンバーアームズのポテンシャルをなめるなッ!」

 

 お互い遠距離からの射撃戦へと切り替わる。こちらはソニックアローで、向こうはガトリングを使い互いに攻撃を当てようと動く。

 しかし、同時にかわしもするためお互いの攻撃は外れる一方だった。

 

 ……この時、僕たちは大事なことを忘れていた。アームズとして使用しているロックシードにも当然、持続時間はあるのだと。

 スイカロックシードはエネルギーの消耗が激しい。僕もシルバーは酷使し続け、レモンエナジーも大分使っていた。ならば、これも必然だったのだろう。

 

「――なっ!?」

「しまっ!? 時間切れかよッ」

 

 奇跡的といってもいいタイミングで、お互いの変身が解けてしまった。

 幸いと言っていいのかわからないが、シルバーは回復が速いけど……レモンエナジーはしばらく使えそうもない。これは、ピンチか? いや、まだもう一つ手はある!

 

【ブラッドオレンジ!】

【クルミ!】

 

 未改造のクルミ? この状況でそれは間違った選択だと思うが……何か考えがあるのか?

 けど、このままではいけないと僕らはロックシードを装着し、変身を――

 

「に、にげてぇぇ!」

 

 ――そんな時だった。束の声が聞こえてきたのは。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 インベスは基本的に人型をしている。理由は謎であるが、生物は進化していくと自然とその形になるのだろうか? しかし、インベスが巨大化したりした際はその限りではないし、結局のところ正解は分からない。

 ただ一つ言えるのは、巨大化しても人型を保つインベスなど聞いたこともないということだ。

 

「なんじゃありゃあ!?」

「口より手を動かした方が良いんじゃないかなッ」

 

 束はダンデライナーで空中を飛行しながらサイクロプスインベスを牽制し、僕はジンバーホオズキアームズに変身して切り付けている。

 そして、須郷はクルミアームズで応戦していた。

 

「畜生ッなんでクラックが開かねぇんだよッ」

「あのデカブツのせいだろ……アイツ自体が空間に影響を与えてクラックが開かないようにしているのか…………解析できれば世界各地のクラック対策に使えるか?」

「こんな時になに分析しているんだ!?」

 

 須郷が殴りかかってくるが、僕はそれを足で止めてはじく。

 まったく、そういう状況じゃないってのに。とりあえず、転がしておいたロックシードを起爆する。

 

「オガガアアアアアアアアアア!?」

「あの巨体だ……しばらくはえぐれた地面に足を取られているだろ……束! 作戦会議だ!」

 

 束が降りてきて、須郷を警戒するように僕の後ろに隠れる。まあ、無理もないけど。

 

「チッ……で、アイツどうするんだよ?」

「このまま逃げてもいいけど、どこまで逃げればクラックが開くかわからない以上、アイツを倒すしかないだろ」

「でも、どうするの?」

「……須郷、一時休戦だ。お前もアイツを倒さないと帰れないんだろ?」

「…………仕方ねぇ手伝ってやるよ。だがな、妙なことすんじゃねぇぞ」

「それはこっちのセリフだ。なら、とっとと片付けるぞ」

 

 とんだハプニングから、一度限りの共闘が始まったのであった。

 まず、束はISを展開してダンデカノンを装着してもらう。あらかじめ、ロックシードを装填して後方から援護。また、無人スイカアームズの遠隔操作もしてもらう。

 

「英、大丈夫なの?」

「見たところ、特殊な攻撃はなさそうだ。あの棍棒に気を付ければどうってことない」

 

 サイクロプスインベスの身長は約20メートルってところか? 大体某機動戦士ぐらいの大きさだ。実際かなりデカいけど、対処できないサイズじゃない。

 まず、束はスイカアームズのジャイロモードとダンデカノンによる遠距離からの射撃をしてもらい、僕と須郷で足を狙う。

 

「足?」

「インベスだって人型の生き物だ。足にダメージを負えば立てなくなる」

「なるほどな……あの巨体ならなおさらか」

「問題はあの棍棒を潜り抜けなきゃならないことと、巨体だからね……走られたりしたら厄介だ」

 

 もしそうなったら……いや、それは実際に起きてからの方が良い。最初からそのフォーメーションをするにはリスクも高い。

 まずは、相手の機動力を奪う方向から攻める。

 さっきの戦いで強力なアームズが使えなくなったのが痛いけど……ジンバーホオズキだけでどこまでやれるか。

 

「さてと……足引っ張るなよ」

「誰に言ってんだ……てめぇこそ俺のバックダンサーをこなしやがれってんだ」

「上等!」

 

 さあて、作戦開始だ!

 

 飛び出す、二人のライダー。

 束は後方に跳び、スイカアームズを呼び出してガトリングを放つ。ダンデカノンからはエネルギー弾が放たれ、サイクロプスインベスの注意をひきつける。

 その隙に、二人は足元へとびかかる。最初の一撃は難なく届いた。だが、予想以上に堅い。

 

「グッ!? なんだこの硬さは!?」

「それだけ進化したインベスってことなんだろうよ。どれだけの果実を食べたらここまで」

 

 圧倒的。人が戦うには厳しいどころの問題ではないが、英はもう一度切り付ける。かかと……それもアキレス腱を重点的に。

 

「これだけ人の形を再現しているんだ! 弱点は人と同じと思え!」

「……なるほどなぁ…………なら、こいつだッ!」

 

【ドライバナナアームズ ナイトオブスピアー】

 

 一応持っていたドライバナナアームズを装着し、須郷――ナックルは英――冠が攻撃しているのとは逆のアキレス腱を切り付ける。

 それでも煙が出るだけで、あまり効果は見込めない。

 

「硬すぎ――うおわっ!?」

 

 とっさによけたから良かったものの、棍棒が先ほどいた場所を通り過ぎていった。サイクロプスインベスはじっとこちらを見つめている……その時、目が光った。

 

「え?」

「マズッ!? 緊急退避!」

「あ、うおわっ!?」

 

 ビーム。簡単に言えば、その一言だろう。目から放たれたビームは地面にぶつかり、地面が赤く発行した次の瞬間、爆発を起こした。

 

「誰だ特殊能力ないって言ったのは!」

「いや、クラックが開かなくなるだけで、他の能力はないかなーって」

「てめぇ先に潰してやろうか?」

「まて、次来るぞッ」

「後で絶対にぶっ潰す!」

 

 二人とも、間一髪のところでかわし続けるが、突破口が開けない。

 冠は考える。必要なのは攻撃力と機動力。その両方を満たすには?

 

「……トドメは考えがあるけど、機動力がな…………あれしかないか」

「なんだ? 今度こそまともな案だろうな?」

「…………シルバーアームズは回復が速い。すでに、1分の戦闘なら使えるレベルまで回復した」

「それがどうしたんだよ……この状況じゃ意味ないだろ」

「いや、チェリーエナジーはまだエネルギー切れじゃないから、高速戦闘が一分は可能なんだ」

「……それで、俺はどうすればいい?」

「足元で狙い続けろ。上に棍棒を向けなければそれでいい。束も聞こえるか?」

 

 右手の腕輪はIS技術も応用して作られている。そのため、束のタタラと通信が可能である。

 

『大――ザザッ――夫、こっち――――も援護――』

「通信が悪いな……この世界でも大丈夫なように、プログラムを入れたけど、アイツの影響か……それでも通信不能じゃない分マシか」

 

 大体なに言っているかわかったし、後は度胸だけ。

 この作戦で一番危険になるのはやっぱ僕だしなぁ……

 

「じゃあ、改めていくぞ。しっかりやれよ!」

「俺に命令するなッ」

 

 だけども、律儀に作戦を成功させようとしてくれるあたり、なんだかなぁと思ってしまう。

 それよりも、まずはアームズチェンジだ。時間もないし、とっととけりをつける!

 

【ジンバーチェリー! ハハーッ!】

 

 一気に駆け出して、須郷を追い抜く。そして、地面を蹴り上げてサイクロプスインベスの膝、腰、腹、胸、肩へと飛び上がっていく。圧倒的なスピードで動けるからこそ、このような芸当もできる。

 棍棒が何度もかすめて、ピンチになるけどその度にビーム砲のようなものが助けてくれた。まったく、ナイスアシストだよ束!

 サイクロプスインベスの足元では、黄色い閃光が見える。ナックルがうまくやってくれているらしい。おかげで、サイクロプスインベスの注意は散漫して僕に向いていない!

 その隙に、ブレードを三回たたく。サイクロプスインベスの肩の上でしっかりと足を踏ん張り、狙いを定めている。でかすぎるから、足場にできる。巨体も考え物だな。

 

【シルバースパーキング! ジンバーチェリースパーキング!】

 

 チャンスはこの一度きり。時間も残り少ない。フェンシングのようにソニックアローをサイクロプスインベスの目に向けて突き刺す。

 一瞬の静寂。そして、大地を振るわせる咆哮が鳴り響いた。

 

「ゴガアアアアアアアアアアア!?」

「う、ば、ああああああああああ!?」

 

 その声だけで僕ははるか高くに吹き飛んで――――ダメだ。意識を飛ばすな。すぐさまロックシードを取り換え【ジンバーホオズキ! ハハーッ!】束に通信をつなぐ。

 

「大玉モードで僕の方に射出しろォォォォォォ!!」

『えっ!? で、でも』

「いいからッ!」

『ああもうどうなっても知らないよッ』

 

 空中に浮いていた束が、ダンデカノンを使って大玉モードになったスイカアームズを射出しているのが見えた。角度、速度共にクリア!

 僕もブレードを叩いて準備を終わらせてある。

 

【ブラッドオレンジスカッシュ! ジンバーホオズキスカッシュ!】

 

 さあて、一世一代の大技受けてみな!

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 右足に限界を超えてエネルギーを収束させて、飛んできたスイカを蹴るッ、足にダメージが入っていく。予想以上の衝撃だが、それを超えて大玉にエネルギーが入り込んで炎を纏い始めた。

 そして、限界を超えたことで大玉はインベスへと飛んでいく。時間にして一秒にも満たなかっただろう。だが、僕にはその一秒が長かった。

 

「とどけえええええええええええええええ!」

 

 そして、思いは届いた。

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

 

 爆発と閃光、下から巻き上げられた爆風で僕の体は再び上に飛んでいった……だけど、体をしっかりと受け止めてくれる人がいた。

 

「英、お疲れ様」

「ありがとな」

 

 ゆっくりと地上に降りて、力を抜く。周囲の異常な感覚は既に消失していて、空気が元に戻っていた。

 

「これでひとまず……危ないッ」

「きゃっ!?」

 

 とっさに束をかばう。いきなり飛んできたのは、ピック――須郷か!?

 

「……なるほど、篠ノ之束が持っていたのか」

 

 須郷が拾っているのは、束のポーチ……その中にあった、宝石?

 

「あれって私がさっき碑文のところで見つけた……」

「反応があったから気になっていたが、やっぱそこにあったか…………今日のところは、これ以上やるつもりはない。じゃあな」

 

 追おうにも、体に力が入らない。思った以上に消耗している……そのまま須郷は、チューリップ型のビークルを展開し、クラックを開いて去って行ってしまった。

 楯無さんたちが気づいているといいけど……ポイントから大分離れているし、無理かもなぁ……

 

「くそっ……収穫なしかよ。遺跡もサイクロプスインベスのせいでボロボロだろうし」

「えっと、それなんだけどね。碑文はなんとか回収しておいたよ」

「本当か!? でかしたぞ束ッ」

「ひゃわわ!? い、いきなり抱き着かないでよッ」

 

 何にしても、少しは収穫があったのは幸いである。

 しかし……あの宝石、一体なんだったんだ?

 




最近の英が色々と手段選んでない気がする。
たぶん共闘するなんて思っていた人は少ないんじゃないかなぁ……
感想でつつかれる前に言っておきますが、共闘は必ず一回はさせるつもりだった。

英が最期に使った技は分かる人も多いでしょう。
今まで使った技もいくつか元ネタがあるものが存在します。

色々とロックシードの案を考えているけど、変わり種が多くなりそうだわ。

邪武の正体が判明したらしいので見に行ってみた。
…………よっしゃぁああああああ!! プロットの変更しなくて済んだッ
むしろなんと都合のいい展開。
ドライブにつながる的設定だったらヤバかった。いや、まだ油断はできない……
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