今回は今までのアームズのまとめかなぁ……ほとんどダベるだけ。
3月。あと一年で高校も卒業だと思うと感慨深いものがある。
ホワイトデー? 普通に束にはケーキあげました。喜んでもらえてなによりである。百花さんにはシュークリームを……なんかものほしそうな顔だったけど、僕は知らない。ホワイトなのにホワイトじゃないとか言っていたけど知らない。
あと、一夏君がクオリティの高いものを千冬にあげて泣かせていたけど、アレはうれし涙なのかそれとも悲しいからなのか……両方だな。うちの姫は喜んで貰っていたけど。そういえば一夏君に義理チョコ渡していましたね、あなた。
そして、学校も春休みに入って、僕と束は新ロックシードの開発や、対インベス装備などの開発の集中していた。
「……ふぅ、とりあえず試作品は完成」
「こっちも新しいエナジーロックシード完成したよー」
そう言って束が投げ渡してくるのは、桃の形をしたロックシード。
「ピーチエナジーか?」
「うん。とりあえずジンバーで試してみてくれる?」
「わかったよ……変身!」
【ミックス! ジンバーピーチ!】
見た目はいつものジンバーアームズと大差ないけど……ん?
なんだか騒がしくなってきた…………
「なんか騒がしいけど、どうしたんだろう?」
「え? 別に静かだけど……」
「いや、そんなはずは……ちょっと外に出てみるよ」
外に出ると、さっきよりハッキリと聞こえる。ああ、たくさんの声が頭の中に響いて――――
「オバァアアアアアアアアアアアアアア!?」
「ちょ、英!? 英ぅぅぅ!?」
ジンバーピーチ、感覚強化に特化したアームズ。
◇◇◇◇◇
「ひどい目にあった……」
「ごめん……負荷がかかり過ぎないように調整しておくね」
「ああ、頼む」
「あはは……そういえばさ、英の作っていたのってどんなの?」
「ああこれだよ」
取り出したのは、深い青の果実の意匠をしたロックシード。
「えっと……ブルーベリー?」
「水中活動用のアームズを作ろうと思ってね。まあ、決定力に欠けるんだけど」
「どれどれ……あー、そっかレヴィインベスがいるから水中用はあった方がいいんだよね」
「そうなんだよなぁ……まあこれは暴走リスクとか負担もないしいいんだけどね」
とりあえずディスプレイ上でのモデルを展開しておく。うん、空間ディスプレイっ便利だね。
「武器兼、ボード?」
「ああ……水上よりの性能になっちまった」
「……英、泣きたい時は泣いていいんだよ?」
「ち、ちがやいッ」
ただ、目が熱いだけだ!
……この際だから今までのデータをまとめておこう。
まずは基本のシルバーアームズ、能力的にはどれかが突出しているってわけじゃないけど、対インベス相手だと効率よくエネルギーを削り取れる性質を持っている。まあ、最初のころは僕の方がパワー負けすることも多かったんだけどね。
「なんで、杖なの?」
「そこら辺はよくわからないなぁ……金のリンゴに対しての安全装置的な目的で作ったとは思うんだけど…………まだ、謎があるってことか? いや、でも普通に武器としてしか使ってないし……」
「束さんもよくわからなかったしねぇ」
それ、調べるの大変なんだけど……束でもわからないって相当だよ。
「あとは他の通常アームズ……まあ最初から存在する13種類だな」
「ヒマワリは?」
「あれはアームズ展開できないから……まあ今更説明する必要もないけど、大体3種類に分けられる」
「和風、中華、洋風?」
「それもあるんだけど、それはただのデザインとかの問題だろ。設計者だよ」
「設計って……戦極博士と英のお父さんでしょ」
「ああ、だけどロックシードは二人がそれぞれ半分ぐらいで担当していたっぽいな……和風は基本父さんが、他のは戦極博士が作ったみたいだ……ヒマワリとスイカは合作だったみたいなんだけど、スイカは完全には完成しなかった」
「それを英が完成させたと……つまり、戦極博士設計と、蜂矢博士設計、あとは合作ってこと?」
「ああ……僕が和風アームズの方が使いやすいって思っていたのは、父さんが作ったからだろうなぁ…………クセが似てるし」
「そっか……でもなんで今頃それがわかったの?」
「ああ、データに設計者の名前入ってた」
「……先に調べろよッ!」
「あいたッ!? って僕のハリセン!」
こんなに痛かったんだ……いや、実際のダメージより精神的にくるものがある。
まあいいけど……とりあえず、ディスプレイにスイカアームズのデータを表示する。
「束に見せてもらったISの設計図を参考に、駆動系を調整したりして完成にこぎつけたんだけど……エネルギーをバカ食いするんだよなぁ」
「IS相手にも普通に圧勝できるぐらいだからねぇ……エナジーアームズにパワーでごり押しできるんじゃないの?」
「それやるにはかなりの経験値いるぞ。スイカ双刃刀だけじゃなくて、自分に適合した形にエネルギーを形成して武器を作れるから自由度が結構高いんだよ」
「うわぁ……改めてデータでみたけど、これって普通にヤバいスペック……」
「まあ戦闘用だしな。それでも勝てなそうなインベスはいるわけだけど」
「…………」
サイクロプスインベスとかレヴィインベスとかな。
「その代りにチャージに時間がかかり過ぎるのが難点だけど。まあ通常アームズについてはこのぐらいにしておいて……次はこれか」
データに表示したのはホオズキエナジーアームズ……試作品のエナジーアームズ。
「試作品だからか、戦極ドライバーでも使えるのはいいんだけど……規格を超えているから負担がバカにできない。僕もできれば使いたくはなかったんだけどねぇ……」
「本当だよ、体の中に還ってくる反動がどれだけだと思っているの?」
「いや、本当すいません」
そういや、異常がないかってこの前調べられましたね……特に危険だからって色々見られたわけだけど。
「……そういえば、こいつもあったな」
「ブラッドオレンジ……ナンバーは通常のオレンジと同じなのにね」
「強化型、使うと余計に疲れる……父さんはなんでこんなもの作ったんだか……まあ、ホオズキエナジーもこれとの併用を考えていた可能性もあるわけだが」
本当、これについては謎だらけだなぁ……シルバーは回復が速いけど、こいつがエネルギー切れになったことなんてあっただろうか?
「うーん……まあそこを考えていても仕方がないか」
とりあえず、あとは各種ジンバーアームズだな。
「二つのアームズを合成することで、ジンバーアームズとして展開するわけだけど、それぞれ強化される能力が違うんだよね」
「状況に合わせた換装ってところだね……ISの第二世代もそんな感じなんだけど、ここまで際立ってないよ」
「だなぁ……全体的に能力が上がるジンバーレモンはいいとして、他のがなぁ」
攻撃特化のホオズキ、スピード特化のチェリー、感覚特化のピーチか……
「こうしてみると、色々と増えたなぁ」
「束さん的には、もうちょっといろいろあると面白いなぁ……飛行能力とかどう? IS突っ込む?」
「いや男じゃ動かせないだろ」
「残念」
わかってて言っていますよね……だけど、飛行能力か。
「あとはイレギュラー系……スイカのジンバーと、カオスか」
「……本当、危険なことして」
「いやマジスンマセン。でも一応分析はしないとさ」
ジンバーホオズキ・エクステンドはエネルギー量の多いスイカアームズだからこそ、一時的にだがホオズキエナジーとの融合を可能とした形態。負担はホオズキエナジーアームズほどじゃないけど、結構なものだ。
いや、そもそもホオズキエナジーを戦極ドライバーで使うから負担が大きいわけで……
「まあこっちは束さんが何とかしておくよ」
「あれ?」
「ちょっと考えがあるんだよねぇ。エクステンドは何とかするよ」
「そっか……じゃあ次は問題のコレだ」
ジンバーレモン・カオス。体への負担を度外視したアームズ。っていうかドライバーにも負荷がかかり過ぎて音声までおかしかったしね。
ログから3Dモデルを表示するけど……右半身はホオズキのジンバーラング、左半身はレモンのジンバーラングになっているな……
「なんで武器を形成できなかったのかわかった?」
「あー、エネルギー量が大きすぎる。スイカアームズよりでかいぞ……しかも、処理落ちしかけているな…………アームズウエポンを展開しないことでアームズを保っていられたみたいだな…………一度オーバーホールしないとマズいな」
「……ハァ、どんだけ綱渡りなんだよ」
「ははは……本当、無茶ばっかりしてたなぁ」
自分でも乾いた笑いが漏れるほどには。
「で、次は束の作った方だけど……ペアーエナジーだっけ?」
「うん……はい、データ」
表示されるのはスカートをはいた仮面ライダーの姿……動きにくくないか?
「意外とそうでもないよ」
「マジでか……能力は低め? いや、素のスペックからじゃそんなもんか……ジンバーレモンと同等スペックだけど、男女の違いからか筋力は低めだな」
「この束さんが低めってどういうことだい!」
「いや、鍛えていないからだろ」
「…………あー」
それなのに、ここまで戦えていたんだから凄いんだよ。こんな数のインベスを一人で撃破。合計10匹は超えているぞ。
そして、猛との戦いで使ったキック。
「キックって全部無頼キックなの?」
「どうだろう……名称はともかく、実質的にはどれも同じ……いや、ストライザーキックとか僕もバリエーションで呼び方変えてたな」
一応ベースは無頼キックなんだけど……
「もうライダーキックで良いじゃん」
「いや、様式美ってものが」
「……特撮好きもここまでくればすごいよね、ヒーロー博士?」
「うぐほっ!? わ、忘れてたのに……」
もう許してください……
「でも、こうして見比べると色々と面白いよねぇ……それぞれのアームズごとに特性があって…………単純なロックシードのランク差も覆せるし」
「なんでもそうだろ……実際の強さとかそういうのは簡単に逆転できる」
「…………簡単に、逆転できるか」
「どうかしたのか?」
「ううん、なんでもない……そっか、そうだよね」
よくわからなかったけど、束は少し落ち着いた表情になった。
まあ、すっきりしているっぽいからいいけど……
「まあペアーエナジーなんだけど……モデルは和梨?」
「うん。ナンバーは特殊ってこともあってE.L.S-EXね」
「ジンバーも無理なんだっけ……対インベスなら他のアームズより突出しているけど、対ライダーだと多少有利、対ISは……厳しくないか?」
「そういう時は換装するから。一応ほかのエナジーロックシードは予備あるから」
「そうですか……」
でもゲネシスドライバーだとエナジーロックシードごとの性能って差はあまりないんじゃ……
「まあ、そこは追々考えるよ」
「いいんだけどさ……」
しかし……決定力がもう一つぐらい欲しいなぁ…………レヴィインベスみたいな規格外を相手にするのに、何か強力な手札が必要なんだけど、なかなかうまくいかない。
僕もゲネシスドライバーを使う? いや、ジンバーがある以上そこまで必要性はない。むしろ状況に合わせて換装できる分、僕はジンバーの方が使いやすい。
「うーん……ハァ」
考えてもいいアイデアは出てこない。っていうか負担が大きいのが問題なんだよ。
いっそのこと新しいドライバーを作るか? いや、束でさえゲネシスドライバーの負担は結構きつかったんだし、無理だろ。
「考えていても仕方がないか」
「だねぇ……でも、そっか水中とかの活動も視野に入れないとダメか…………」
「束?」
「……うーん、ちょっと時間かかるかな」
「なんか頭ひねっているけど、どうかしたのか?」
「大丈夫、アイデアがナウしただけだから」
「そ、そっか……そうだ、久しぶりに五反田食堂にでも行こうぜ」
「そうだねぇ……そろそろおなかすいたし」
◇◇◇◇◇
「うん、相変わらず旨い」
「だねぇ」
しかし、相変わらず存在感を放つサインである……束のサインかぁ…………よし、ここは僕も冠に変身して!
「なにバカなこと考えているのかなー」
「……いや、スマン」
なんか今日は謝ってばっかりだな。
しかし……もう高校生活もあと一年だけど……
「どうしたものか」
「あら? どうかしたの?」
「蓮さん……いや、もうあと一年で卒業なんで」
「ですってねー……いやぁ、恵も結婚するし時間が過ぎるのは早いわねぇ」
「ですねぇ……束、どうするよ?」
「どうするって……アレ? どうしようっか」
「あら? 二人とも頭いいんだから大学に行くのかなぁって思っていたけど……なんか行く大学で悩んでいるって感じじゃないわね」
「いや……ちょっと予定を詰めているんですが…………どう説明したらいいのかなって」
「だねぇ……学校側に話を通しにくいんだよ」
「色々考えているのねー……うちの子たちもそのぐらい頑張ってほしいけど」
いや、二人ともまだ小学生じゃないですか……
「今のうちに遊べるだけ遊んだ方が良いですよ。じゃないと……ハァ」
「……ハァ」
「あらいやだ、マズいこと言っちゃったかしら」
良いんですよ、ろくな思い出無いなぁって思っただけですから。
「束、かくれんぼとかしたことあるか?」
「……あると思う?」
「…………ですよねー」
ちなみに、僕は学校でやったこと……やったこと?
「あ、日光ダメだから外で遊ぶってことがそもそも」
「……弾と蘭は素直に育ってくれてお母さんは嬉しいわぁー」
「逃げないで下さいよ……」
「ごめんごめん、でも二人の悩みなら何とかなるんじゃない?」
「「え?」」
「まあ新学期のお楽しみね」
……なんだろう、嫌な予感がするや。
ってことで、細かいところの説明回でした。