仮面ライダー冠 インフィニット・ライジング   作:アドゥラ

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カオス過ぎる話ですいません。
言うほど推理物じゃないです。


EP69.謎解きはホームルームの時間で

 もう3年にもなるとクラス内には見知った顔ばかりなわけで、特に自己紹介とかもなく普通に平凡で平和な日常は過ぎていくのであった。

 といっても、特にトラブルがないわけでもないのだけど。

 これは昼休みに起きたとある事件が発端の話です。

 

「誰だ俺のプリン食べたやつはあああああああああああああああ」

 

 ほら、中沢君が荒れているよ。

 いつもは割と温厚な人だったのに……

 

 ◇◇◇◇◇

 

「えー、では今から中沢君のプリンをおいしくいただいたのは誰なのか事件の取り調べを行いたいと思います」

 

 そう言うのは1年の時に同じクラスだった田中太郎君。眼鏡をかけていて男子の平均の体つきという、名前もあって逆にレアな存在として親しまれている方である。

 こういう時のまとめ役に向いている。ちなみに、今現在はホームルームの時間です。

 

「っていうかー、いちいち事件として取り上げることー?」

 

 そう言うのはギャル風の格好をした宮野さん……先生、アレは校則違反じゃないんですか? え、自己責任? いやあんたいつも思うけど結構無責任だよな……

 

「たかがプリン、されどプリン。これは立派な盗難事件です。しっかりと話し合っておかねばいけないんですぞ!」

「委員長相変わらず堅物ねー」

 

 反論するのは我がクラスの学級委員、藤堂君。いかにもな堅物男である。

 

「…………静かにしてほしい」

「でもでも、こういうのって盛り上がらない?」

 

 寡黙な方の女子は藤咲さん。おかっぱで小柄。いつも静かな人だけど……単に静かなのが好きなだけなのだろうか?

 もう一人は噂大好きな白樺さん。

 

「良いだろどうでもよぉ……なあ」

「う、うん……」

「いいえ! これはしっかりと話し合わねばなりません!」

「だ、だよね……」

 

 藤堂君と言い争っているのは中島君。不良っぽい人だけど、僕は知っている。彼がマザコンであることを……前に病院に行ったときに見てしまったんだ。リーゼントっぽい頭しているのに、彼が母親のことを……いや、やめておこう。

 二人の間で、意見が流されているのは飯島君。流されやすい男。以上。

 

「デスカラー、こういう時こそ冠様に来てもらうのデース!」

「……お前、流石にそれはないだろ」

 

 片言の女子は、菊池アリア。特撮マニアで、冠の目撃例とかにやたらと詳しい……バレないようにしないとなぁ…………

 もう一人はもうおなじみ、篝火ヒカルノである。

 

「ちーちゃん、プリンってどんなやつだったの?」

「……御影堂のデラックスプリンだそうだ」

「許せない奴だね!」

 

 ああ、あそこのプリンか……学校に持ってくるなよ、そんなの。

 

「家に帰ると妹に略奪される」

「ああ、そうなんだ……もう結局は奪われる運命だったってあきらめないか? なんか面倒になってきた」

「そんなこと言わないで犯人探してくれよぉぉぉぉぉ! 俺の小遣いでまた買うなんてしばらく無理なんだ!」

 

 あれ一個だけでも結構なお値段するからなぁ……僕と束は自分で稼いだ金で買えるけど。千冬は倹約はできるから買わないだろうけどね。

 しかし、ここまで頼まれたら犯人を捜さないってのもなぁ……

 

「まずは容疑者を絞るか。どこに置いてあったんだ?」

「昼休みに食べようと思っていたから、かばんの中」

 

 休み時間に奪われた可能性もあるが……いや、今日は移動教室なかったから基本的に教室内から出ていった人はトイレに行くとか、ちょっとした用事とかそこらへんか。

 

「人のカバンを触るなんて行為目立つし……っていうかプリンが入っていることを知っていたのって?」

「…………たしか、委員長と飯島は知っていると思う。俺が朝一番で買っているの見ていたし」

「なるほど、二人ともアリバイは?」

「本日はずっと教室内で予習復習をしておりました」

「証明できる人は……教室中にいるか。後ろで物音とかは?」

「いえ……勉強に集中すると周りが見えなくなるので」

「なるほどねぇ……飯島は?」

「う、うん……ちょっとトイレによったぐらいだよ…………中島君と一緒に」

「そうなのか?」

「ああ、そうだぜ……っていうかさ、そういうお前こそどうなんだよ、アリバイあるのか?」

「残念だけど、僕の席は中沢君の隣。トイレも休み時間に同じタイミングだったからお互いにアリバイはあるわけだ」

「……そうかよ」

 

 ……ちょっと怪しいけど、証拠はないか。

 あとは女子も聞いてみるか……

 

「っていうかアリバイは基本全員あるか……菊池さん、怪しいものとか見なかった?」

「? 冠様は見ておりませんゼイ」

「オイコラ、怪しいのか? 怪しいやつなのか?」

 

 特撮が好きってことで話が合う貴重な人だったんだが……たまによくわからなくなる。

 

「っていうかさー、こういう推理に意味あるのー?」

「うーん……束、なんか便利アイテムないかい?」

「私は猫型ロボットじゃないんだけど……自白剤でも飲ませる? 一週間ぐらい本当のことしか話せなくなる強力な奴だけど」

「まって篠ノ之さん、なんでそんなもの持っているの?」

「……英が浮気したときのお仕置き用♪」

 

 ――ゾクッ

 

「……愛されてるな」

「時々、愛が重いです」

 

 できれば一生使いわせたくないです……しかし、自白剤は最後の手段としておこう。っていうかリアルに社会的抹殺アイテムじゃないか……というかそんなのあるなら政府に渡しておけよ。捕虜のことも……ああ、今更遅いか。

 

「他には?」

「うーん、箒ちゃん探知機と、ISコアと、あとはポータブルスーパーコンピューターしかないなぁ」

「何気に凄いもの入っているな。っていうかコアを持ってくるなよ」

「……なんか私たち聞いちゃいけないことを聞いた気がする」

「あの鞄の中身だけで一体いくらの価値が……」

「むしろ、盗むならそっち盗めよ」

「いや、盗難防止で何が起こるかわからないじゃない」

 

 確かに、とんでもないものがありそうだな。

 

「いや、普通のトラバサミだよ。私と英とちーちゃん以外の人が手を突っ込んだら作動するんだ!」

「怖いよッ」

 

 っていうか腕が引きちぎれる。

 

「もう少し穏便なのにしようね……ほらみんな引いている」

「……あれ?」

「はぁ……英、束に関しては私が言っておく。あと、私たちは佐々木――いや我毛先生に頼まれごとをしていたから外にいた」

「わかった。千冬が教室にいたら気配で気づくしなぁ……」

「…………ミス武士道」

「藤咲、聞こえているぞ」

 

 さてと、じゃあ後は……ん? ふとプリンのパッケージを見てみると…………なるほど、使える。

 あとは周りに聞いてみるか。

 

「とりあえず、この中で例のプリンを食べたことがある人は?」

 

 ちらほらと手が上がる。犯人がここで嘘をついている可能性もあるけど……

 

「実は、このプリンって甘くない」

「いや食べたことある人は知っているだろ」

「だよね……あ、食べたことない人はびっくりするか」

 

 そう。食べたことがある人は知っているけど、見た目ほど甘くないんだ。おいしいけど。

 だからてっきり甘いと思っていた食べたことがない人はびっくりすると思ったんだけど……ビンゴ。ただ、食べたことない人の中でびっくりしなかった人はいなかった感じなんだよな。

 いたらその人が犯人である可能性は高いんだけど。

 

「となると、食べたことない人に犯人はいないかな」

「っていうかさーもう面倒くさいんですけどー」

「そういうなって…………サクラ味ってどんな味だろうな?」

「は?」

「きっとしょっぱいんだろうなぁ」

「そんなわけないじゃん。ほのかに甘いんだよ」

「…………サクラ味の期間限定プリン、今日発売って知ってたか?」

「――――あ」

「確保! 犯人は宮野だ!」

「い、いやあああああああああああああ!?」

 

 ◇◇◇◇◇

 

「こ、今月メイク代使いすぎて……どうしてもプリン食べたかったんだけど、お金なくて……藤堂と飯島が中沢がプリン買っていたって話しているのきいて、たまたま誰も見ていなかったからそれで……あはは、ゆるして?」

「どうしますか親方」

「誰が親方だ。中沢君や、どうする?」

「弁償したら出るところ出なくていい」

「温情が出た。良かったな」

「だから、お金ないんだって!」

 

 その時、動かなかった男が動いた。

 

「先生? た、助けて!」

「宮野、親に連絡は済ませておいた。良かったな、中沢に弁償するのは心配しなくていい。後のことは親御さんにお任せしたから」

「――――」

 

 これが絶対的な絶望した少女の顔か……

 終わってみれば実にくだらない事件だった。っていうか、最初からか。

 

「……むなしい、こうして事件は終わるのか。結局藤堂が怪しい感じだったのは、疑われたくなかったからか……まったく不良っぽいなら最後まで通せよマザコン」

「だ、誰がマザコンだ!? お前はどうなんだお前は!」

「……親は中学の時に死んでますけど何か?

「ごめんなさい」

 

 見事な土下座であった。っていうか、マザコンっての実はみんな知っているんだからな。割と有名な話なんだからな。

 というか不良っぽいけど実はヘタレって……

 

「さて、事件も解決したしもう帰るか…………どうしたんだよ篝火」

「……私のスク水(私服)がない」

「――――緊急事件だ。全員動くな」

 

 わがクラスに変態が出現した。

 っていうか、盗難事件多すぎるわッ!

 

「さあ、おとなしく名乗り出たら篝火も許すって――え、抹殺? いいや変態だし」

「さあ早く名乗り出やがれ変態!」

「っていうか篝火に変態って言われたくはないよなぁ」

「ですよね」

「だよねー」

「デスネ」

「「「うんうん」」」

「お前らみんな嫌いだ!!」

 

 私服がスク水に白衣って女に何と言えと? お前が人の尻を触る趣味を持っているのも知っているからな。みんなの温情で通報しないだけであって、本当は変態なんだからな。

 束のはまだ奇抜なファッションで済ませられるが、こいつの場合は真性である。

 

「っていうか変態多すぎるな。いろんな意味で」

「オーウ、どういう意味デスカ?」

「菊池さんはいいや……あとは、委員長、たぶん犯人は男子――いや、同性愛者の可能性もあるから女子ってことも」

 

 その時、体をビクッと抱きかかえる少女が一人。

 …………事態を静観していた藤咲さんである。

 

「……あのーなんで体を抱きかかえているのでしょうか?」

「――――!」

「逃げたぞ追ええええええええええええええ!!」

 

 相変わらず動かない先生を置いて、僕たちは藤咲さんを追いかけ始める。っていうか足はやいな!?

 

「藤咲ちゃんがまさか……ドキドキですね!」

「白樺しゃべってないで足動かせ!」

「っていうかどこに行った!?」

「こういう時は屋上じゃない?」

「そうだ!」

「追い詰めろ追い詰めろ!」

 

 なんだか最高潮の盛り上がりを見せているけど……暴走し過ぎないようにしないと。っていうか、束と千冬まで興奮して……もしかして楽しんでる?

 だけど、さっきのプリンより質悪いし、とっとと解決して帰りてぇ……

 そして駆け上がること数分。屋上でみんなが集結していた。

 

「さあ、白状しろ!」

「――――ッ!」

 

 バッと藤咲さんは服に手をかけて、脱ぎ棄てて――って何も見えない!? 何だか背中にやわっこい感触がするんだけど! 結構弾力のある、なんだか覚えがあるような気もするけど!

 

「英は見ちゃだめだからね!」

「あ、うん。納得」

「お前らなにいちゃついて……いや、今はそれよりも藤咲、何故こんなことを!」

「…………篝火さんがいけないんだ」

「え、私? って言うか正直、ドン引き過ぎて何も言えないんだけど」

 

 

 一瞬の間があった。だけど僕たちにはそれがとても長く感じられて――

 

 

「…………あんなにお尻を揉みしだいて、私、私、あんなの初めてだったのに! もう後戻りできないッ」

 

 

 ――続く言葉に、魂が飛び出ていくかと思った。そしてその場を静寂が支配した。

 

 

 ようやく魂が戻ってきた後、サ――――ッっとみんなが篝火さんから後ずさりした。え、え、とあたりを見渡す彼女は事態が理解できていないらしい。

 っていうか、あまりのショックに束も自分の体を抱きかかえているし……あ、他の女子もだ。恐ろしいのは千冬まで同様であることであろう。

 

「え? なんでみんなドン引きしているんだ!? むしろ私がしたいんだけど!? あの子変態だよ!? 私のスク水着ているんだよ!?」

「変態なのはお前じゃああああああああああああああ! お前がセクハラしたから目覚めたんだろッ! 責任取ってやれよ!!」

「なんで私にはキツイの!?」

「篝火さん、いえお姉さま!!」

「い、嫌ぁああああああああああああ!?」

 

 その後、追いかけっこは逆転してしまい、止めるのに大変な苦労をしました。

 ちなみにですが、錯乱した藤咲さんは委員長が頑張ってくれたおかげで正常にもどりましたとさ。

 だけどしばらくの間篝火さんは女子たちと溝ができていました……まあ自業自得と言うことで。

 

 こうして、バカバカしくてくだらない事件は幕を閉じました。

 

 




こんなくだらない話で申し訳ありません。
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