詳しく第何章とか自分でも明確に分けているわけじゃないですが、たぶん第8章ぐらい。
裏話を昨日一つ投稿しました。
宇宙空間に到達してから一週間が過ぎた。その間、ロックシードの開発やらドライバーの調整などをしていたり、謎の大陸――便宜上ムー大陸と名付けた――を監視したりと、それなりに忙しい日々を送っていた。
重力発生装置を内蔵しているため、艦内はそこそこ快適である。ちなみに、アームズの展開は世界樹の苗木を持ち込んだことで可能となっているが、本来ならば宇宙空間に置いてアームズを展開できない。
「百花さん、大陸のようすは?」
「変わりありませんわねー……シールドの様なものが張られているので、こちらからどうにかできるわけでもありませんし」
「アイツらは地上に拠点を作ったってことなんだろうけど……まさかヘルヘイムに大陸がもう一つあるとは思わなかったわ」
「ムーやアトランティスのような伝承はアレが元になっていると考えるべきでしょうか……そういべば束さんは?」
「寝てる。さすがに連日徹夜はきつかったみたいだな。あの子のこともあるし」
「あの赤子ですね……命は無事でしたし、どうなるかはこれから次第ですか」
「何とかしてみせるよ。そう決めたんだから」
「ですわね……そういえば、地上から大陸には入れないんですか?」
「無理。思えばハワイあたりでクラックが開いたって言う話を聞いたことないような気がする」
クラックについても本格的に調べているけど……うーん…………
「艦長、航行スケジュールの確認をお願いします」
「ああわかったよ、谷川さん…………やっぱ、宇宙ステーションの物資補給とかしなきゃいけないか」
「でしょうね。一度、グラニで地上に降りますか?」
「まだいいや。パンサーと連絡つけて、先に種子島あたりまで物資を運んだ方がいいかな」
「かしこまりました」
「あ、瀬田君呼んできて。ちょい頼みがあるんだ」
「わかりました」
さてと、データをまとめておかないと。
クラックモニターから観測された地球のデータを定期的に地上に送る予定なのだが、これがなかなか興味深い。
「雲のように自然発生クラックの開きやすいポイントが移動するとは思わなかったなぁ……まあ、一部は特殊な環境だけど」
「篠ノ之神社周辺は安定していますから、今のところ開く様子はありませんが……中国の山岳地帯、ギアナ高地、オーストラリアの中央、その他いくつか常時空間が歪んでいるポイントがありましたね」
「まあ、そこに何かあると仮定してもいいんだけど……バミューダと同じで、歪みが溜まりやすいだけかもしれないし。調査するにしても準備してからだな」
と、そこでやってきた瀬田君に研究データを預けて、送信してもらうことにする。
僕はまだやることいっぱいですよッと……書類の整理とか多いんです。ハンコが必要なのもあるし。
「はぁ、なんで宇宙にまで来てこんな仕事があるんだ」
「各国から予算引っ張りましたからねぇ」
「百花さん、これ」
「……申し訳ありません、わたくしちょっと用事が」
「まてい」
「あんっ!?」
「逃げないでくださいね……貴女あてのメールがいっぱいですから」
「そんなぁ」
いつの世も、こういう仕事ほど嫌なものはない。
◇◇◇◇◇
何とか仕事がひと段落して、食堂で昼食――時間設定は日本標準時間に合わせている――を食べている。
ふむ、フロンはまた腕を上げたな……いつか追い抜かれそうで怖いわぁ。
「えへへ」
「うぼわぁ」
「束……眠いならまだ寝てていいぞ」
「そうも言っていられないよ。ゲネシスドライバーの量産を目指しているんだし……まあそれも限界が見えてきちゃったかなぁ」
「そりゃまたどうして?」
「装着者に負担がかかり過ぎるからねぇ……ある程度、個人のデータがあるならともかく、現状じゃちょっと厳しいものがあるよ」
「そうか……信二は?」
「あー……ボロボロ過ぎて、いまかおりんが治療中」
「大丈夫なのかアイツは……フロン、おかわりくれ」
「はーい」
ちなみに、オレンジジュースです。
「ウィー……つかれました」
「ジョニーか……どうした?」
「某世界の警察や、色々な諜報機関のハッキング対策ですよ」
「あーそれもあったか……本当面倒だな」
束もセキュリティの面では頑張っていたが、まさか想定以上のことをしでかしてくるとは。
「束さん、いま頑張ったら倒れる」
「さっきと言っていること違うし……で、どうなった?」
「今ミシェルが頑張っておりますが……まあ、向こうはTHE・END的な」
「大丈夫なんじゃないか」
「ええ、アクセスがばれたら開き直って開示しやがれってメールが届いて……ミシェルがキレまして、止められませんでした」
「あ、そっちなのね」
ミシェル…………暴走すると怖いからね。
束も思い出したくないのか、震えているし。
「束さん、ちょっと自室にこもっているね」
「はいよー」
「自室っていうか、あっち寝室……昨晩はお楽しみでしたか?」
「んな暇あるかい。っていうか、あの赤ん坊の延命とかで僕も束もベッドに入ったらバタンキューだよ」
「でしょうねー……そういや、あの子の名前は決めないんですか?」
「それなんだよなぁ……フロンは何かいい案あるか」
「――――マルチーズ」
「犬じゃねぇよ」
「じゃあ、シロ」
「だから犬じゃねぇよ」
残念、と一言つぶやいてフロンはうつむいてしまった。うん、なんで? っていうか犬の名前を付けるなよ。
「ジョニーは……一応聞いてやる、なにかあるか?」
「エリザベスフランソワクリスティーナ――以下長いので略――ペルメチルフォロンゲルニウマミルクです」
「却下」
「なぜだ!?」
「「当たり前だよ」」
ほら、フロンまであきれているじゃないか。名前言うだけで三十分かかるってどういうことだよ。
ハァ……かおりさんあたりにでも聞いた方が良かったな。
とりあえず、研究室に行っておこう……
食堂を出るとき、ボカッという音が聞こえたけど僕は気にしない……研究室には誰もいないかぁ……手が足りなくなった時のために、追加クルーを探した方が良いかな。
「新しいロックシードだけじゃなくて、エネルギーチャージできる機械も必用かなぁ……スイカアームズの強化もしておかないと……一応、宇宙での戦闘を考慮して」
新作も一応完成したけど……これは意味があったか悩みどころである。
まあ、使う日が来ることを祈ろう。
「――あ、英」
「信二か、身体の方は大丈夫なのか?」
「ああ問題はないよ。補給物資の調達の護衛には参加できる」
「そっかぁ……スマンな、大変なことに巻き込んで」
「いいさ、自分で選んだんだし。それに、大学行くよりかよっぽどいい経歴になるよ」
そういうと、信二はにやりとわらう。まあ、それもそうか。
「あんがとな。で、こいつをどう思う」
「……不穏なこと言ってんじゃねぇよ…………新作か?」
「ああ、マロンロックシードだ」
「栗ね……普通のロックシードなんだな」
「ランクはB+ってところか」
「武装は?」
「ない」
「……は?」
「ないんだってば。しいて言うなら、籠手がトゲトゲ」
「それって意味あるのか?」
「肉弾戦特化ですよ」
「いや、しらねぇよ……物好きだなぁ」
「物好きで悪かったね。まあ、ランクが低くても、高い運動性能を発揮できるにはどうしたらいいかって考えた結果かな。エナジーロックシードに迫る運動性能だぞ」
「そりゃまた凄そうだけど……俺にはまだ違いがよくわかんねぇよ」
「それもそうか。一応、ゲネシスでも今までのロックシードを装填して使うことは可能だから試作品を一つ渡しておこう」
「開かないんじゃないのか?」
「開かないが、アームズの展開はできるし、エネルギー供給も可能。ただ、出力は低いけどね」
「まあ一応貰っておくよ……」
そういえば、何しにきたんだ?
「ああ、これ持ってきたんだった」
「スペースデブリの塊……レアメタルとか再利用しないとなぁ…………そういえば回収始めていたっけ」
「じゃ、俺は昼飯食べてくるわ」
「またあとでなー」
さてと、作業しますかね……
機材はイイもの揃っているし、まあ数時間あれば終るだろ。
そんなことを考えながら、作業を進めていた。まだ平和な昼下がりである。
◇◇◇◇◇
夜になると、業務を終えて当番以外は寝ている。フロン以外は当番があります。まあ、フロンに夜間の仕事は無いわけで。
僕と束は部屋で日誌やら、今日中にまとめておきたいデータをまとめている。
「とりあえず終わりかなぁ」
「だね。テレビでも見る?」
「……あまり、興味をそそるようなものは…………あ、千冬だ」
「そういえばモンドグロッソも近いんだっけか。5月ぐらい?」
「だったと思う」
テレビでも引っ張りだこみたいだが、本人は乗り気じゃないな、アレ。
とりあえず、僕と束はあの映像が流出しないことを祈ろう。
「……よし、魔法少女は映らなかった」
「なんでこんなことに緊張しなくちゃいけないのかなぁ……っていうか、ちーちゃんも公共の電波だし自重――するかな?」
「してほしいな。うん」
後で一夏君に魔法少女が生まれそうになったら、全力で止めてくれって頼もう。というか、もうすぐ19だろアイツ……少女ってのもキツイなぁ…………
その時、背筋が一気に冷えた。それは束も同様で……一通のメールが届いた。
「……束、これって」
「あははははは……何だか嫌な予感がするから自分の部屋に帰るね」
「お前の部屋はここだよ」
「英の部屋でしょ」
「一緒の部屋にしたのはお前だろうがッ!!」
とりあえず、確保!
「やめて! パンドラの箱を開けないで! シュレディンガーだよ! 開かなければ何が起こっているのかぁああああ開けちゃった」
「……千冬からだな」
「やっぱりぃ」
「…………不穏なことを考えたら、暮桜で飛んでいくだって。最近、三次移行したからいけるとかなんとか」
「オウ、流石だよちーちゃん……サードまでいくとは」
「本当に大気圏を一人で突破したりしてな」
「やめて! IS単騎でそれをできるのはまだいないハズなのに!!」
いつの日か、やらかしそうで怖いけどね。
奴が世界一になったら覚悟しておこう。
◇◇◇◇◇
そんな風に生活すること幾日、そろそろ宇宙での生活にもなれてきたかな? そんなことを考えていた矢先だった。唐突――予想通り――に警報が鳴り響いた。
「ポイントは?」
「今出ます……インドネシア付近です」
「ムーに近いけど、あそこは大陸内じゃなかったな」
「どうします?」
「グラニの準備を進めてくれ。僕が行く」
「――待ってください、もう一つ反応が……これは、中米!?」
「さらに北極海に巨大インベス反応出現しました!!」
「ああもう! 三か所同時かよ!?」
「どうしますか?」
「……北極海は僕が行く。インドネシア付近は敵の本拠地が近いから、いざというときにISで離脱可能だし」
少なくとも、速度は段違い。
となると中米はどうするか……
「そっちは俺が行くよ」
「信二……大丈夫なのか?」
「ああ、なんとか動かせるようになったよ」
「でも実戦は初めてだろうが」
「それでも、やらなくちゃいけないでしょ」
「……仕方がない。かおりさん、信二のバックアップ頼みます」
「了解! 二人も気を付けてね」
「大丈夫大丈夫。束さんにかかれば平気さ。それよりも英、巨大インベス相手なんだから油断しないでよ」
「こっちこそわかってる。それじゃあ急いでいくぞ!」
ハッチに置いてある小型宇宙艇グラニ、ISコアによってスレイプニルと連動しており、半自動で地球とスレイプニルを行き来可能である。
マニュアル操縦も一応可能だけど……今回はインベスの反応があった場所まで自動的にたどり着く。
【シルバーアームズ! 白銀ニューステージ!】
【ソーダ! ペアーエナジーアームズ!】
【ソーダ! ココナッツエナジーアームズ!】
念のために変身してから乗り込むけど――そういえば、ココナッツエナジーロックシードをメインに使う予定だったな信二は。
ココナッツエナジーは……まあ、空中戦闘のために束が開発していたエナジーロックシードだ。能力は僕も詳しくは聞いていないけど……見たところ、ソニックアローを使うらしい。
「発進準備完了、グラニ01発進!」
「グラニ02発進!」
「03発進!」
それぞれが、目的の場所まで一直線に飛んでゆく。
衛星軌道上ではちょうど太平洋上空だったため、三方向にすぐさま別れる。
僕は北極へ、束はインドネシア付近。信二は中米へ。
それぞれの戦いが、スレイプニルとして最初の戦いが幕を開けた。
最近書き溜めが無くなってきたので、本当に更新が止まるかもしれません。
色々リアルがピンチなのもありまして。
冬の映画までには完結させたかったんだけどなぁ……普通に続けても終わるか微妙な気がしてきた。
冬の映画、敵は宇宙人っぽいの出るみたいですね…………宇宙に飛び出しちゃったし、本編終ったら出した方が良いんだろうか……でもキャラとしての原作キャラは出さないつもりだし、悩みどころ。とりあえず本編完結しないと出しようもないわけですけど。