或る正義の先に   作:Cross Alcanna

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慟哭のショータイム

「チッ!連携取ってくんじゃ……ねぇ!!」

 

 

「リーダー!ゴズまで連携し始めた!」

 

 

遊園地地域にて。

 

私達C&Cは、先生の指示で遊園地地域に出現したゴズ、シロ&クロを討伐しに来た。シロ&クロが連携するのは知っていたけど、ゴズまで連携を取って来るとは思わず、苦戦を強いられている。

 

事前にこんな例は無かった(そもそも、同時に同地域に複数の個体が出現することすら無かったけど)。私達は、目まぐるしい情報の変化に、動揺を隠せない。

 

自分達以外に戦える人がいる訳でもなく、援軍は見込めないと想定して戦うべきである。そうすると、こちらの疲弊が先に来るのだが。

 

 

「…このままだと、ジリ貧。どうする?」

 

 

「私がアビ・エシュフを使用すれば、ある程度打開が出来ると思います。」

 

 

「ダメだ、ここで使うんじゃねぇ!次の敵が来たら、確実に詰むぞ!」

 

 

リーダーが、そう檄を飛ばす。トキの武装を使えば、確かに決定打になりうるかもしれない。けれど、あの武装も無限に使える訳では無い。リーダーの言う通り、次に何かと戦う事を想定すれば、悪手になりかねない。

 

とは言え、このままでは怪しいのも、また事実。恐らく、リーダーも分かっている。証拠として、自分達の状況を考えながら機嫌が悪くなるリーダーの姿。

 

 

「私達が手伝ってあげるわ!」

 

 

その声は、ゴズの方向から鳴る爆破音と共に、私達の耳に入ってくる。振り返れば、(色々な意味で)有名なあの便利屋とやらが。

 

 

「私達の独断で参戦したけど、良いよね。猫の手も借りたい状況でしょ?」

 

 

「わぁ〜!すっごい助かる〜!」

 

 

「あはは〜!素直だね〜!」

 

 

先程とは打って変わって、戦場とは思えない賑やかさが。ここが銃弾飛び交う戦場でなければ、好きに騒いでも良いのだが。

 

それは兎も角、増援は有難い。何より、分担して討伐が出来る。これは、かなり大きい。一個体だけならば、何とかトキの武装を切らずに押し切れるかもしれない。

 

 

「リーダー。私達でシロ&クロをやろう。」

 

 

「そうすっか。おい!ゴズは任せたぞ!」

 

 

「ええ、任せて頂戴。皆、行くわよ!」

 

 

便利屋の号令により、第二ラウンドが始まる。ここからが、正念場だ。

 

 

 

──────

 

 

 

「アルちゃん〜!ゴズが怯んだよ〜!」

 

 

「だから、こういう場では社長って呼んでって……コホン。分かったわ!全員、総攻撃!」

 

 

私の号令を機に、皆の最大火力が一点集中する。C&Cが持ち堪えてくれたのもあって、体力がそこまでないように感じた。そして、疲れているようにも。

 

でも、私達も疲れが溜まっている。ポーカーフェイスで隠しているけれど、ムツキも疲れ始めている。勿論、他の二人も。かく言う私も、疲れている。認めたくはないけれど。

 

C&Cの方を見る。あちらも疲弊が目立っている。肩で息をしている者もいれば、敵を睨んでいる者も。

 

 

「……いける、かしら。」

 

 

珍しく、弱音が零れる。余程の事がない限り、こうして弱気になる事は無いのだけれど。何だかんだ、皆がはっちゃけて事態が変な方向に進みがちなのもある。けれど、今はそんな場合では無い。

 

……珍しく、危機ね。詰みでは、ないにしろ。

 

 

「……?社長。あれ、何ですか?」

 

 

ふと、ハルカが私に訪ねてくる。もしかして、援軍かしら?だとしたら嬉しいけれど…………。

 

いえ、あれは。そんな生易しいモノじゃなさそうだわ。あんなに異物感が強いモノ、どう見たって敵側のソレよ。……となると、敵側の援軍?

 

……益々、詰みの状況が出来上がっていってる?冗談も程々にして欲しいわね。

 

 

「あれ〜?敵の方に向いてるよ〜?」

 

 

ムツキの一言を聞いて、私もすぐさまソレを見る。確かに、私達なんて見えていないかのように、ゴズの方と対面している。一触即発の空気が、漂う。

 

すると、閃光が私達の視界を白く染め上げる。思わず、目を隠す動作をとる。かなり、眩しい光だ。

 

少し長めの時間が経ち、私達は目の前の手を退ける。自分の目が捉えた映像には、その場で倒れ尽くしたゴズと、何事も無かったかのように立つソレの姿。

 

…………仲間割れ?どちらにせよ、チャンスだ。

 

そう考えた私は、皆に指示した。C&Cのサポートに入る、と。そうしてC&Cの方へと向かう。

 

両者共々、ボロボロであった。

 

 

「そっちの状況は……って、言うまでもなさそうだね。」

 

 

「アイツら、連携が桁違いになってる。めんどくせぇったらありゃしねぇ!」

 

 

ボス個体の連携は、特に厄介である。何せ、当たればただで済まない攻撃ばかりが、ひっきりなしに飛び交う。それを回避したりやり過ごすのでも精一杯なのに、相手を倒さねばならないとなれば、もう自明の理だ。

 

私達がこっちを引き受ければ良かったかもしれない。今となれば、後の祭りではあるけれど。

 

 

「やはり、アビ・エシュフを起動した方が良いと思います。こちらも消耗が激しいので。」

 

 

「リーダー!どうするの?」

 

 

「……チッ。準備しr…………」

 

 

C&Cが奥の手を使おうとした瞬間。再び視界が白く染る。直感で避けないとと感じた私達は、すぐさまその場を離れる。犯人は……やはり、アイツ。

 

撃破、とまでは行かないにしろ。シロ&クロは、かなり消耗していた。そして、損傷も甚だ激しくなっている。今は仲間割れをしている……ような気がするのでまだ良いけれど、これが私達に向けられたらと考えると……恐ろしい。

 

 

「っ!?」

 

 

()いた。

 

私達の誰かではなく、アイツが。叫び声にも聞こえる…雄叫びのような音を以て、哭いた。その声は、私達の鼓膜を劈く。どんな爆発音よりも、恐怖を煽る。

 

 

「…………何よ、アレ。」

 

 

圧倒的な存在に、私はその一言を零すのが精一杯だった。

 

 

 

──────

 

 

 

─アナタ、ジャない。

 

 

─私ハ、アソコに行きタイノ。

 

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