今話から数回にかけて、同じような描写が続く可能性があります。極力そのような事態は避けようと思っていますが、そうなってしまった際は、申し訳ありません。
最善は、尽くします。
「───!」
「くっ…!やはり、一筋縄ではいきませんね……!」
「ゴメン、皆。でも、どうか踏ん張って欲しい!」
生徒が漏らす苦痛を聴く度、自分の不甲斐なさを痛感する。
ビナーをホシノ達に任せ、こちらに来たのだが、先程と比べて指揮が覚束無い。自分で分かる程、疲れているのだろう。いつもなら、ポーカーフェイスを貼り付けて「何て事ないよ。」って言いながら耐えるんだけど。
身体が、それを許してくれない。悲鳴を上げながら。
「せ、先生!フラついてる!休まないでこっちに来たの!?」
そうは言っても。こんな非常時に、呑気に休んでいられない。休めば万全を期せるだろう、とはよく言うが。こんな状況で、しかも、一秒も惜しい今は、そんな事を言える訳も無く。
休めるなら、そうしたい。その方が、皆をより傷付けずに事を運べるだろうし。でも、無い物ねだりは意味が無い。少なくとも、今この瞬間は。
「そうは…言っても。事態が事態だから……休めないよ。」
「っ!で、でも……」
「いや、休むべきだと思う。…正直、立っていられてるのがおかしい位。」
私の言葉にたじろぐヒフミと、異論を呈するアズサ。……そうか、アズサからそう言われる程、酷い姿をしてるのか、私は。……意識してしまったせいか、より一層体調が悪くなった気がする。
…一番良いのは、援軍が来る事。ミレニアムに近いここであれば、ユウカ達が来てくれるかもしれない。しかし、近隣地域の避難を指示した為、来るとしてもかなり遅くなるだろう。どの道、耐えねばならない。
やれる、だろうか。
瞬間。大量の爆撃音。けたたましく音を上げるソレは、逞しい獣の咆哮を彷彿とさせる。そう考えていると、今度は鉛の雨。しかし、こちらには降り注ぐ事はない。
後ろを振り向く。見慣れた人影が、三つ。……いや、それ以上。
「にははは!もっと投げてやる〜!!」
「先生!アリス達が援軍に来ました!緊急クエスト、開始です!」
「ホントはハッキングの方が…….って、言ってる場合じゃ無いね。先生、私達も協力するよ。」
セミナーにゲーム開発部、ヴェリタスの皆。
思わず、涙が出そうになる。よく、無事でいてくれた。そして、よく、臆せずに来てくれた。強い、生徒達だ。
これなら、勝てる。まだ大きく優勢ではないかもしれないけれど。皆は、強い。だって、こんなに頼もしいんだから。
「先生、後は私達に任せて下さい。」
いつの間に側に来ていたのか、ハナコがそう言う。
……いいのかな。生徒はこんなに頑張ってるのに。対する私は、慌ただしく奔走しながら、拙く指示する事しか出来ていないのに。まだ、休むのには、早すぎる気もする。
「……もう!どうしてここまで無理したんですか!大人しく、休んでいて下さい!アレは、私達が片付けますから!」
ユウカに、叱咤される。……いつも、ゴメンね。
…………ホントに、立派になったね。……やばい。瞼が…………。
─意識が沈む前に見えたのは、大きな生徒達の背中だった。
──────
先生の意識が、夢に落ちる。とても深く、寝息を立てている。余程、無理をしていたのだろうか。
先生にああ言ったのはいいものの、これだけの人数がいても確実に勝利出来るビジョンが、見えてこない。どうする。考えなさい、私。
今は、各々のグループが各々の判断で動いている。それはつまり、連携力の不全を意味する。そうした意味で、先生がいないのは、デメリットでもある。しかし、これからの戦闘に備える為、必要な事。
……どうする。
─あら、随分と苦戦していますわね?
その声と共に、ペロロジラが怯む。誰かの銃撃がヒットしたのか、それを確認するべく、私は声の方を見る。
「貴女達、それでも先生の期待に応えられるとでも?」
狐のお面を被った彼女が、そこに立っていた。
──────
「アコ!危ない!」
「っ!」
突如として現れた目の前の敵。私達は、その対応に追われていた。たまたま飲食店にいた美食殿と協力して、何とか善戦しているものの、こちらの疲労が募るばかり。
そろそろ、何かしらの転機が欲しい。かと言って、援軍は見込めない。……他の地域に、戦力を行かせたのは間違いだったかもしれない。
「っ!委員長!」
イオリの声。気付けば、眼前には敵の攻撃の嵐。先程まで意識が戦闘に向いていなかった私に、避けられない程の、夥しさ。咄嗟に、落とせるだけ落とす。
しかし、限界があった。半分も、落とせず。残り過半数が、私目掛けて飛んでくる。
……今日は、どうも調子が優れない。
…………?痛みが、来ない。それどころか、被弾した感覚も、無い。どういう事か。
「あ、あれは……!?」
誰かのそんな声を機に、上を見上げる。
「何、あれ……。」
私は、そんな声を出していた。あんなモノ、見た事無い。神秘的で、どこか無機質な雰囲気を漂わせるソレ。私達と同じ、そして見た目の違う、どこか異質な翼を備えている。
そんなソレは、私達を見やる気配も無く、ただ目の前のホドを見つめているようだった。
次の時には、圧倒的な数の光を浴びせていた。盛大な轟音を響かせ、装甲が破壊されていく。その様子を、私達はただ、見届ける事しか出来なかった。
ホドのヘイトが、ソレに向く。攻撃が、全て私達を過ぎる。しかし、ソレに攻撃は効いていないようで。攻撃を浴びる前と同じ様に、悠然と佇んでいる。
─そこから先は、覚えていない。
あまり生徒に喋らせていないのは、私の勉強不足です。口調やどういった言葉の使い方をするのか、学びきれていないのです。
未熟の極み、大変申し訳ないです。