30の彼岸花君影草 1の外の秋桜   作:テネブラエ

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苦しい・・・

いつ気を失うかわからないがそれでも現状を確認する

 

トンネルに閉じ込められてどれくらいが経っただろうか・・・

10分?1時間?それとももっと?・・・ダメだ確認すらできない・・・

 

一般人もリコリスも全員が呼吸困難で意識を失いコンクリートの地面や壁に寄りかかって気絶している

ファーストであるフキもセカンドであるサクラもヒバナもエリカも意識が無いのだろう先ほどからピクリとも動かない

 

相棒であるたきなも隣で壁に寄りかかり気絶しており長い黒髪が少し顔を隠してヒューヒューと異常な呼吸音をしていてとても危険な状態だ

 

もう誰も彼もが呼吸困難から死亡になってもおかしくない・・・

いつ誰が死んでもおかしくない・・・

 

周りの状況把握したところで今度は自身の状況把握を始める

目の前はぼやけておりモザイクのように形は理解できないが色はまだ若干だけ理解できる

腕と足はまともに動かないいや身体全体がもう死んでいるかのように力を込めることすらできずにピクリとも動かせない

後は自重によって地面に倒れ込むだけだろう・・・

こんな状況でもかろうじて意識がまだあるのは自身の心臓が電気で動く人工心臓だからだろう

 

ついに腕が冷たくなった事で自重にすら耐えられなくなり地面に倒れ込んだことがわかった

 

・・・もうダメなのかな・・・あ〜あもっと生きていたかったな〜・・・

 

そうナイーブな考えが出てくるが本能はまだ生きたいようで直ぐさま消え去る

 

ダメダメこんな事を考えちゃやりたい事最優先な私がこんなんでどうする!

 

そう強く思ってはいたものの現状をどうにかできる思いつきは酸素が無くまわっていない頭では出てこない

だからとりあえず意識だけは失わないようにしようと思った

痛みでもなんでもいいから取り敢えず意識を保つ方法を

そう思うも力が入らないからつねる事はできない下唇を噛むのすら厳しいそう知ったとき

 

目の前に緑色の何かが転がってきた事がぼやけた状態でしか色が判別できない瞳に映った

そしてピクリとも動かせない腕に鞭打って無理矢理動かしてそれを握る

石なのか鉄なのかガラスなのかすらわからないが硬いそれは私の手のひらに若干の痛みを与えてくれるだろう

そう思っていたけど自身の身体の状態は予想よりも遥かに悪く痛みすらわからなくなっていた

 

やっぱりここまでか・・・

そう思っているとトンネル内に人工的なライトとは違う自然の光が差し込みトンネル内を照らすと同時に酸素が身体に入ってくるのがわかり息苦しさが無くなる

 

「何が・・・おきたの?・・・」

 

意識が殆どないがそれでもトンネルの入り口を見ると

 

「天使?・・・」

 

薄緑の輪っかを幾つも作っては空に向かって広げ続けている大きな存在を確認したところで私は緊張が解け安心したのか意識が遠くなった・・・

 

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時は少し戻る

 

「今だに解決の方法は見つかっておりません、トンネル内に閉じ込められた人々の安否が心配されます」

 

大きな岩盤によって塞がれた入り口から少し離れたところには多くの人がおり作戦会議のための仮のテントや救急車パトカー自衛隊の装甲車そしてテレビの中継車が止まっていて空には幾つかのヘリコプターが飛んでいる

 

それでも現状から進むことのできない状況に多くの人が苦虫を噛んだかのように悔しい思いをしながらも解決策を求め模索しながら動き続けていた

 

とある番組のアナウンサーをしている私も空に飛んでいるヘリのうちの一つに乗っていて生放送で取材を続けており口ではこう言うもののこれはもう助からないなと諦めている

 

そうしてニュースキャスターへと返し

現場とテレビ局で話を返し続けていると急にイヤホンがザーザーとノイズを流し始めた

 

「もしもし!もしもし!」

 

どうなっているんだこれは!?

そう今の急な現状に混乱していると

 

「おい!あれって!」

 

機材が動かないように押さてくれる役割をしている人が何かに気づいたのか窓の外を見ようとするとヘリの前を大きな物体が高速で横切りヘリが揺れる

 

そして揺れが治まり急いで現場の上空を見てみると

 

「ガンダム!」

 

大きなオレンジ色の戦闘機に捕まっているいや乗っているのかあれは上空に静止していた戦闘機からガンダムが手を離しゆっくりと降りていく

道路にいる人達は上を見ながらもトンネルからさらに離れる

 

「ガンダムです!ガンダムが現れました!」

 

マイクに向かってそう言うがイヤホンは未だノイズを吐き出し続けている

 

「無駄だ!急いで録画モードに切り替えろ!」

 

そう今回の取材のチーフが言うとカメラマンが急いで生放送から録画モードに切り替える

そういえばガンダムの出す光があると通信系統が一切使えなくなると聞いたことがある

さすがチーフだその判断力には恐れ入る

カメラの設定が直ぐに終わりチーフの手振りから取材の続きが始まる

 

「ガンダムです!ガンダムが現れました!いったいどうするつもりなのでしょうか!」

 

そしてガンダムは地上トンネルの前にあの巨体の足二歩分を残して降り立つと左足を一本踏み出し背負っていた大きな薄緑色をした長細い剣を右肩に担ぐように両手で構えた

 

・・・まさか!・・・

 

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急げ!急げ!

私は大急ぎでキーボードを叩き設定を変えていく急がないとこちらの目的が白紙に戻ってしまう

 

ヴェーダからの情報とここに来て実物とセンサーからの情報で角度の調整をする

 

ビームサーベルは引火の可能性があるから使えないビームライフルなんてもっての外

持ち上げる事は恐らく可能といえば可能だがその時にどっかのコンクリートと摩擦してもアウトだろうだからこうすることにする

私はこの武器を使った事は無いがそれはあくまでモビルスーツサイズのものであり人サイズなら凄腕から教わった事があるこれはその本人から手渡しで受け取った餞別だ使えない道理はない

 

キーボードを叩き続ける

GN粒子は駆動に最低限必要なだけを絞り残りは切れ味に!

 

彼は言った

「これは力尽くで無闇に振って斬れる西洋刀とは違う」

 

遠心力が足りないならGNドライブのリミッターを解除!

前方へと向かう分の運動エネルギーを踏み出すと同時に全て刃に乗せる!

 

彼は言った

「正しい斬れ味

正しい振り方

正しい心構えがあるから斬れる物だ」

 

心構えはどうだか知らないけども今は彼の言葉を信じるとしよう

 

彼は言った

「難しい武器だが使いこなした時の斬れ味に右に出るものはないだろう」

 

キーボードでの設定は終了したあとはダメ押しだけだ・・・

 

彼は言った

「彼と似ている君ならおそらく使いこなしどんな物でも斬れるだろう!

たとえその結果その刃折れようとも!

私は見ていなくても知る事ができなくてもその斬れ味とその結果を遥か遠くで楽しみにしているぞ!

少年!!」

 

「トランザム」

 

コックピットが赤くなり一気に操縦桿をいきよいよく動かした

 

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ガンダムは大きく変わった

背中のコーンが開くとそこからの見える薄緑色の衝撃波が出続ける

その時に後ろにあったパトカーが幾つか転がった

 

そして機体は赤く染まる

 

「あれって延空木の時の・・・」

 

マイクを持つ手は手汗で若干滑るがそんな事は一切気にならないほど見ているこちらも緊張している

 

そしてコンクリートを砕きながら右足を踏み下ろし振られた刃は岩を

 

キンッ

 

通過した

そう通過したのである岩盤に当たったのに火花一つ起こらず振り下ろされていたのである

練習の素振り

距離が足りなかったからスカッた

そうならどれだけ現実的だろうだが一切音も立てる事なく岩盤の上半分は斬られた所の岩模様をずらしながら高速道路の谷底に落ちていくこれが現実だ

 

「し、信じられませんあの岩盤を斬ったって言うの?!」

 

自分でもわかるほど震えた口と敬語を忘れた口調でマイクにそう言う

そこまでの驚きがあったから仕方ないと思う

 

そして谷底からの轟音が沈静していた現場に響くと同時に

 

バキンッ

 

振った剣が半ばからへし折れコンクリートに突き刺さるとガンダムは道路に両膝から崩れ落ち項垂れた

よく見ると両膝と両腕から電気が走っており限界を迎えているのは見てわかる

 

「ガンダムが!ガンダムがやってくれました!」

 

現場に喜びの声が上がり救助隊と警察そして自衛隊がガンダムにトンネルにと走って近づこうとした時

上空に待機していた戦闘機がガンダムの背後に降りてくると

 

「え?・・・」

 

戦闘機は変形しガンダムへと形が変わったのである

そしてオレンジ色のガンダムは青色のガンダムの両脇を抱えると持ち上げて緑の光を多く出しながら空へと消えていったのであった

 

ガンダムによる人命救助

新たな戦闘機に変形できるオレンジ色のガンダム

これは明日のニュースが楽しみだなそう思いながら岩を梯子などで超えた救助員達がトンネルへと入っていく様子を勇ましくなるように言葉を出していくのであった

 

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