30の彼岸花君影草 1の外の秋桜   作:テネブラエ

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12月25日 クリスマス

ついに今日世界各国(日本を除く)が望んだ戦争が始まる

のちに第三次世界大戦と呼ばれる最も短いとされたたった1日の戦争である

 

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コツンコツン

とも音を出さずにファーストリコリスの少女が廊下をゆっくりと歩く

普段なら他のリコリスと行き合ったり追い越されたりもするがそんなことは一切ない

ふと少女が窓の外を見ると誰かしらいるであろう中庭は風に揺られた葉っぱがないでおりその場にも誰もいない

 

世界から宣戦布告をされて2ヶ月と少し経ちクリスマスは来てしまった

それまでの間には殆どの電子情報および紙媒体は排除されラジアータも国外にDA職員の手で持ち出されている

当然ながらカバンを重くしていた銃すら今は外国に向かった

そうやって証拠は殆ど消えDAとしてリコリスとして残ったのは成人にすらなっていない少女達だけだ

 

そうして全ての人も物も消えると少女達に残ったのはわずかな時間の自由だった

 

少女達を鍛えた教官も

 

少女達に教えた先生も

 

少女達を使っていた司令官も

 

普段見ることがある人は誰もいない

いくらリコリスとしての仲間がいようと寂しくは思うだろう

 

そうして棚ぼたのように落ちてきた自由であったのだが

教えのためか自由の使い方を知らない少女が殆どであり大半は部屋に籠りルームメイトとの会話しかすることがなかった

もしくはこの少女のように最後の思い出として適当に歩くかくらいである

そんな暇な時間を潰すように歩く

 

模擬戦訓練用のキルルーム入り口を素通りし

 

「・・・」

 

射撃訓練場入り口を素通りし

 

「・・・」

 

司令官室に続く曲がり角を反対に進み

 

「・・・」

 

勉強に勤しんだ教室入り口を素通りし

 

「・・・」

 

作戦会議室入り口を素通りし

 

「・・・」

 

玄関の噴水を超え

 

「・・・」

 

DA東京支部入り口前を素通りし

 

「・・・」

 

そうして適当にぶらついているのだがふと少女は思う

「何も考えずに歩いたことなんてなかったな・・・」

 

普段はこの少女もファーストリコリスとして色々な事を考えながら行動している

が今はそんなことは一切ない

 

そうして歩いているとまた別れ道に当たる

すると何かいい匂いが片方の向こう道から香ってきた

 

「向こうは食堂か・・・」

 

その匂いを知った少女は少しお腹を触ると

 

「そういえば朝から何も食べてなかったな」

 

本能に従って進んでいく

そうして進んでいるのだが如何にも騒がしいみたいで多くの少女達の声が聞こえ沢山の物音が少しずつ大きくなる

食堂入り口が見えたところで向こうから数人の少女達が数人がかりでなにかを持って食堂に入る

横向きにはしていたがなんとなく見えた形で察する

 

「あれはテレビか?」

 

なんとなくいやな予感はしながらも食堂の中を覗くと

 

「・・・」

 

なんということでしょう普段なら多くの少女達が座る椅子も食事を取る机も部屋の端っこに綺麗に追いやられているではありませんか

空いた空間には多くの少女達がそれぞれに持ち寄った座布団やクッションでくつろいでいつではありませんか

そして壁際を見ると大きなテレビが5つ並べられそれぞれに東西南北そして国内と書かれた紙が貼られているではありませんか

次調理場を見ると20歳に近い少女達が料理をしており次々とフルーツの盛り合わせや手作りのポテトチップスなど普段ならDAの大人達によって止められる食べ物が並んでいくではありませんか

 

「・・・」

 

そんな少女達の中心には彼女と同じファーストリコリスが支持を出しており

バカバカしい光景に頭を抱えながら少女はききます

 

「おい千束この騒ぎはなんだ?」

 

「あっ、フキも見に来たの?」

 

「何をだ?」

 

「ガンダム観賞会」

 

「・・・はぁ・・・」

 

なぜこんな事になっているかを知った春川フキはため息を吐くとそこにいるリコリスの顔を見ていくのだが入ったばかりであろう若いリコリスは別としてそれ以外のリコリスは見たことのある顔ばかりでした

 

「・・・殆どがガンダムによって救われた奴らだな・・・

こんなにガンダムの隠れファンがいたとは・・・

いくら好きな事をしていいとはいえ・・・」

 

「問題はないでしょ?」

 

「問題はないが・・・はぁぁぁ」

 

も一回深いため息をフキがついているとひとりきり料理を終えたであろう少女達が調理場から出てきておりその先頭には

 

「「「「あ・・・」」」」

 

またよく見知った顔があったのです

 

「エリカにヒバナにサクラにたきなまで・・・全くほどほそにしろよ・・・」

 

そうとだけ言うとフキは適当に調理場からカリントウを持つと適当に空いたスペースに座ったのである

 

「なんだ見るんじゃん」

 

そういうと5人はフキの近くに座ります

そのうちテレビがつくのですが映ったのはなぜか自衛隊と各国の船が向かい合っているのを上空から撮っている様子だったのです

フキはその異常な映像の答えにすぐ辿り着きます

 

「おい!これってハッキング映像じゃねーか!」

 

ジト目でこの観賞会のまとめ役の千里を見ます

 

「いや〜普通の映像は加工していると思うし〜そもそも見ることができなじゃんだから電子類の情報収集が得意な子にお願いしたんだ」

 

「はぁ・・・」

 

なんとなく誰のことだかフキには予想ができています

少し前に起きたトンネル事件で情報を一番に手に入れた少女です

 

癖の強い茶髪のロングヘアーを紫のリボンでツインテールにしている赤い目をした少女です

 

テレビの設定とハッキングを終えたであろうその少女は全てのテレビを流し見て満足すると座っている少女達をかき分けながら移動し終え座ります

 

赤い瞳と黒髪のセミロングの少女

ハッキングをした少女とは違い紙媒体での情報収集が得意とされている少女

 

赤い瞳と白髪の短髪の少女

訓練されたリコリスの中でも1番視力が良く遠くまで見ることができる少女

 

赤い瞳と紺色とも黒色ともとれるロングヘアの少女

夜なら星空を見るだけで方角時間場所までも当てることができる少女

 

友達なのでしょう一緒になった少女達と話をしながらその少女はドヤ顔をしています

4人揃って特別な存在だと知るのは同族達だけの秘密です

 

そして少し経った頃ついに戦争は介入者を待たずして始まってしまいました

はじめは地味な砲撃戦です互いの砲撃は当たらず砲弾は海に沈んでいきます

続いて戦闘機を用いたドックファイトです日本に対して宣戦布告した各国のほうが本来なら多いはずなのに何故か出てきた数が少なく日本側が押しているではありませんか

その光景を見てリコリスの少女達はもしかしたらと希望が湧いてきますが次の瞬間には打ち砕かれます

打ち砕いたのは各国から出てきた何かです

 

「うそ・・・人型兵器・・・」

 

誰かが言ったように一つの画面ごとに数えて30機ほどの人型兵器が空を飛んでいるのです

そんな兵器達は自衛隊の戦闘機を軽々落としていきました

どんどんと戦場は押されていきついに人型兵器は自衛隊の船の前につき狙いを定めます

 

「あぁ・・・」

 

ですが横からきたビームが人型兵器真っ二つにし破壊

この場にいる少女達全員が待ち望んでいたピンクの光です

 

「「「「「きたぁぁぁ!!」」」」」

 

「「「「「待ってましたぁぁぁ!!」」」」」

 

「「「「「やちゃえぇぇぇ!!」」」」」

 

そして見えたその姿は

 

「「「「「っ!?!?」」」」」」

 

「「「「「新型だぁぁぁ!!」」」」」

 

見たことない姿だったのです

 

彼女達も戦場にいる物達さえも知らない

いや転生者達は話くらいは聞いているであろう機体達はそれぞれの戦場に介入は・・・しませんでした

その代わり

 

「「「「コチラハソレスタルビーイングデスコノバニイルゼングンニケイコクシマスセントウヲチュウシシテッタイシナサイテッタイガカクニンサレナイバアイブリョクカイニュウヲカイシシマス」」」」(こちらはソレスタルビーイングですこの場にいる全軍に警告します戦闘を中止し撤退しなさい撤退が確認されない場合武力介入を開始します)

 

さてさてこの撤退指示を各国は従うのでしょうか

 

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