インフィニティダンガンロンパ6 ようこそぼくらのコロシアイ強化合宿   作:M.T.

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非日常編②(学級裁判前編)

コトダマ一覧

 

【モノクマファイル①】

被害者は【超高校級の絵本作家】山脇ゆか。

死亡推定時刻は午後23時27分頃。

死体発見場所は女子棟2Fの豪華な客室。

シャンデリアで胴体を押し潰されており、身体中に砕けたガラスの破片が刺さっている。

また、左手に黒く焦げた痕がある。

 

【モノクマファイル②】

被害者は【超高校級のプロレスラー】内闘力也。

死亡推定時刻は午後23時30分頃。

死因は心臓部を刺された事による失血死。

死体発見場所は男子棟2Fのラウンジ。

胸部に鋭利なもので刺された痕跡がある他、両手足に鋏を刺されている。

 

【手足に刺さっている鋏】

工作用、散髪用、調理用、園芸用とどれも形状も用途も違う。

どれも売店に売っているもののようだ。

 

【血文字】

内闘の頭上に血で『チミドロフィーバー』と書かれている。

何かガサガサしたもので擦り付けたのか、字が擦れている。

 

【遺体付近のガラス片】

遺体付近に赤いガラス片が落ちていた。

ラウンジの花瓶と同じもののようだが、出所は不明。

 

【樺戸の証言】

最初に的凪が内闘を見つけ、的凪の声を聞いた樺戸が現場に駆けつけ、その時に死体発見アナウンスが鳴った。

ちょうどアナウンスが鳴っている時に暗野が来た。

 

【酒蔵の証言】

以前内闘がモノクマとバトルした時、最後に駆け付けたのは暗野だった。

暗野曰くバトルの時の音が聴こえなくて、ちょうどトイレに行こうとした時に俺達を発見したらしい。

 

【小型シャンデリア】

トラッシュルームに捨てられていた。

粉々に砕け散って壊れている。

 

【捨てられていたガラス片】

ラウンジのゴミ箱で神風が見つけた赤いガラス片。

粉々に砕け散っており、ビニール袋に入れられている。

一枚だけ血のついた破片がある。

 

【大量の紙屑】

ラウンジのゴミ箱に丸められた紙屑が大量に捨てられていた。

どれも血がついており、厚めの紙のようだ。

 

【ジェノサイダー翔】

ジェノサイダー翔は、10代から20代の男性のみを狙った殺人鬼。

被害者は、決まって鋏で滅多刺しにされた後、四肢を同じ鋏で磔にされている。

犯人は小柄な女性。

 

【殉前の電子生徒手帳】

ロビーに置いてあったもの。

いつの間にか持ち出されていた。

 

【消えた食堂の花瓶】

梶野が食堂を探したら、なくなっていたらしい。

梶野曰く、目を引く赤いガラスの花瓶だったのでよく覚えているとの事。

 

【売店の購入履歴】

小型シャンデリア、小型タイマー、鋏4本、睡眠薬が殉前によってビニール袋付きで買われたという履歴が残っている。

 

【打田の発言】

打田は『シャンデリアのチェーンが切れて落ちた』と発言していた。

 

【リーゼの証言①】

打田以外の女子全員で大浴場に行っていた際、廊下から足音が聴こえたらしい。

 

【山脇の本】

打田以外の女子全員で大浴場に行っていた時、山脇の本が行方不明になっていた。

本は未だに行方不明のようだ。

 

【犯行予告】

『要警戒 ジェノサイダー翔が今夜お前の命を奪いに来る』という犯行予告が女子棟の個室の前に置かれていた。

犯行予告を受け取ったのは、神無月、山脇、リーゼの三人。

 

【リーゼの証言②】

最初に女子皆で大浴場に行こうと言い出したのは的凪。

夕食前の探索中に、的凪がリーゼに提案してきた。

 

【シャンデリアのワイヤー】

中心は自然な切れ方をしているが、外側数ミリはまるで故意に切れ込みが入れられたように断面が揃っている。

 

【時計】

山脇の遺体の近くに落ちていた。

シャンデリアで押し潰されたのか、壊れている。

時刻は23時33分で止まっている。

 

【二重底とタイマー】

豪華な客室の机の引き出しが二重底になっていて、二重底の中に小型タイマーが入っていた。

タイマーはちょうど23時30分に設定されている。

 

【充電ケーブル】

ケーブルがわずかに焦げている。

 

【強化合宿のルール】

男子棟に女子の電子生徒手帳で、女子棟に男子の電子生徒手帳で入室する事は禁止されている。

また、電子生徒手帳の貸与も禁止されている。

 

【六道の証言】

六道曰く、誰かが男子側のファイナルデッドルームをクリアしたらしい。

 

【薬師寺の検視結果①】

山脇は即死だったらしい。

遺体の損傷が酷すぎて死因は断定できなかったが、左手には焦げ跡があった。

 

【薬師寺の検視結果②】

内闘の死因は心臓を凶器で一突きされた事による失血死。

凶器は厚さ5mm程で平たく鋭いものらしい。

 

【東野の事件前後の状況】

昨晩、的凪と部屋で話している時に飲み物を渡され、それを飲んだ途端に睡魔に襲われた。

次に目が覚めた時には、他の全員がラウンジで内闘の遺体を発見していた。

 

 

 


 

 

 

エレベーターが止まると、扉が開いた。

目の前には裁判所のような部屋が広がっていて、席が環状に並べられていた。

その奥では、モノクマとモノルナが専用の席で偉そうにふんぞり返っていた。

 

『やっと全員来たね。それでは、全員自分の名前が書かれた席について下さい!』

 

そう促され、全員自分の席につく。

時計回りに、俺、山脇、暗野、殉前、神風、薬師寺、梶野、リーゼ、消灯寺、安室、酒蔵、神無月、樺戸、氷川、内闘、打田、的凪、六道の順だ。

俺の左隣には、天使の輪っかと翼を描かれた山脇の遺影が、暗野の左隣には顔を塗り潰された殉前の遺影が、そして氷川と打田の間には血文字でバツ印を描き殴られた内闘の遺影が置かれていた。

まるで、あいつらの死を嘲笑うかのようだ。

 

「おいテメェ…何だアレは!?」

 

樺戸は、怒りに打ち震えながら死んだ皆の遺影を指差した。

するとモノクマとモノルナが笑いながら答えた。

 

『うぷぷ、だって死んだからって仲間外れは可哀想じゃん?』

 

『キャハハ!そういうわけなので、死んだ皆の為の席も用意してあげたよ〜!』

 

「テメェら…!!」

 

「霊は、しばらくは自分が死んだ場所に留まり続けるんだよ?」

 

「そうなのですか?」

 

「今はどうでもいいわそんな事!貴様、リーゼロッテに妙な事を吹き込むな!!」

 

消灯寺が割とどうでもいい事を気にしているみたいだが…

あ、安室のツッコミのせいで機嫌悪くした。

二人が喧嘩ムードになると、六道が船を漕ぎながら二人を注意する。

 

「おまえら喧嘩すんなら表出ろ。時間の無駄…すぴぃ」

 

「全くもってその通りだ。さっさと議論を始めるぞ」

 

六道が注意すると、神風も指示を出した。

暗野は、涙を流しながら嗚咽を漏らしている。

神風は、腕を組みながら俺達全員に疑いの目を向けている。

薬師寺は、ギリッと歯を食いしばりながら正面を見据えている。

梶野は、いつものポーカーフェイスで顎に手を当てている。

リーゼは、悲しみと不安が入り混じったような表情を浮かべながら胸元で軽く拳を握っている。

消灯寺は、どんな表情をしているのかはわからないが数珠を握りしめている。

安室は、悔しそうな表情を浮かべながらモノクマとモノルナを睨んでいる。

酒蔵は、悔しそうに歯を食いしばりながら俺達全員を睨んでいる。

神無月は、涙目で敵意を剥き出しにしながら俺達全員を睨んでいる。

樺戸は、泣きじゃくりながらモノクマとモノルナを睨んでいる。

氷川は、涙を流しながら俯いている。

打田は、苛立ったような表情を浮かべながらモノクマとモノルナを睨んでいる。

的凪は、静かに地面を見つめている。

六道は、起きているのか寝ているのかはわからないがまっすぐ正面を見据えている。

 

俺は…目を瞑りながら拳を握りしめていた。

絶対に、真相を暴くんだ。

俺だけの為じゃない、皆の為に、そして亡くなってしまった二人の為に。

 

『キャハハハ!全員席につきましたね!?』

 

『それでは、始めましょうか!お待ちかねの学級裁判を!』

 

 

 

《学級裁判 開廷!》

 

 

 

モノクマ『ではまず裁判の簡単な説明をしておきましょう。学級裁判では『仲間を殺した犯人は誰か』について議論をし、その結果はオマエラの投票によって決まります!』

 

モノルナ『もし正解ならクロのみがおしおき!不正解ならクロのみが『卒業』、それ以外の全員がおしおきよん☆最初の事件の犯人が既に死んでいる場合を除いて、裁判でクロとなるのは最初の事件の犯人なので、そこら辺気をつけてね!』

 

消灯寺「どうしよっか…とりあえず、こっくりさんでもやってみる?それで決まった人がクロって事で…」

 

リーゼ「そ、そうですわね…消灯寺さんがそう仰るのでしたら…」

 

安室「いいわけあるかぁ!!」

 

梶野「流石に運任せはいかがなものかと…」

 

打田「何バカ言ってんのこいつら」

 

酒蔵「つってもよぉ…そもそもどっちの事件について話し合えばいいんだ?どっちが先に死んだのかもわかんねぇしよ」

 

えっと…

今回の事件で話し合う議題は…

 

 

 

A.殉前詩乃子の死因について

B.山脇ゆかを殺した犯人について

C.内闘力也を殺した犯人について

D.コロシアイ強化合宿の黒幕について

 

➡︎B.山脇ゆかを殺した犯人について

 

「そうか…!」

 

 

 

東野「モノクマファイルによると、先に殺されたのは山脇だったはずだ。山脇を殺した犯人について議論するべきなんじゃないか?」

 

酒蔵「あれ?そうだっけ?」

 

神風「生徒手帳に送られていたのを見なかったのか…」

 

打田「ま、そのファイルがあいつらの捏造じゃなけりゃ良いけど」

 

薬師寺「私が検視したから間違いないわ。確かに先に亡くなったのは山脇さんよ」

 

氷川「あ、あの…そもそも、山脇さんの事件ですけど…本当に殺人事件だったんでしょうか?」

 

神無月「は?」

 

暗野「えっと…じゃあ、まずは山脇さんが本当に誰かに殺されたのかを議論する必要がある…のかな」

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

樺戸「殺人事件じゃねえって…どういう事だ?」

 

氷川「えっと…山脇さんって、シャンデリアに押し潰されて亡くなっていたんですよね…だったら、《事故死》の可能性もある得るんじゃないかなって…」

 

暗野「いや…山脇さんは《殺された》はずだよ」

 

打田「シャンデリアのチェーンか何かが切れたんじゃないの?」

 

薬師寺「正確には《ワイヤーが切れて落ちた》のよね」

 

氷川「ええっと…だからきっと、《ワイヤーが勝手に切れて》シャンデリアが落ちてきて…それで山脇さんは不慮の事故で亡くなってしまったのかと…」

 

ワイヤーが勝手に切れた…?

いや、それはあり得ないはずだ!

 

 

 

《ワイヤーが勝手に切れて》⬅︎【シャンデリアのワイヤー】

 

  論

 

「それは違うぞ!」

 

      破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「氷川。あのシャンデリアは、間違いなく誰かが意図的に落としたんだ」

 

氷川「えっ…ど、どうしてですか…?」

 

東野「シャンデリアのワイヤーは、外側だけ断面が綺麗に揃ってたんだ。これって、誰かがあらかじめ切れ込みを入れておいたって事なんじゃないか?」

 

氷川「き、切れ込みですか…!?」

 

樺戸「えっと…よくわかんねえけど、じゃあそのシャンデリアをわざと落とした奴が犯人って事か?」

 

薬師寺「おそらくそういう事でしょうね。…迂闊だった。私達が本当に警戒しなきゃいけなかったのは、部屋の中だったのね」

 

的凪「でも、そんなに都合よくいくものなのかな?」

 

リーゼ「はい?」

 

的凪「えっと…だからさ、山脇さんが部屋の中にいても、シャンデリアの真下にいるとは限らないわけでしょ?犯人はどうやって山脇さんの頭上にシャンデリアを落としたのかな?」

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

氷川「えっと…《たまたま》じゃないですか…?」

 

薬師寺「見つかるリスクを冒してまでワイヤーに切れ込みを入れた犯人が、本当にたまたま山脇さんがシャンデリアの真下に来る事を期待してたのかしら?」

 

神風「いや…犯人が《山脇がシャンデリアの真下に来るよう誘導した》と考えるのが妥当だろう」

 

安室「もしくは山脇は、《魔の囁きによって唆された》のかもしれぬな」

 

リーゼ「えっと…つまり、《山脇さんを脅してシャンデリアの真下に立たせた》って事ですか?」

 

あいつの意見に賛同したい。

 

 

 

《山脇がシャンデリアの真下に来るよう誘導した》⬅︎【二重底とタイマー】

 

    同 

 

「それに賛成だ!」

 

    意

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「おそらく犯人は、山脇がシャンデリアの真下に来るよう誘導したんだ」

 

消灯寺「誘導…どうやって?」

 

東野「タイマーだよ。机の引き出しが二重底になっていて、その中にタイマーが隠してあったんだ。犯人は、シャンデリアが落ちるであろう時間にタイマーをセットして、タイマーの音で山脇をシャンデリアの真下に誘き寄せたんだ」

 

暗野「僕の部屋の引き出しは二重底になってなかったから…引き出しの二重底も犯人がやったんじゃないかな」

 

的凪「でも、どうして二重底にする必要があったのかな?」

 

神風「それはおそらく時間稼ぎだろうな」

 

リーゼ「じ、時間稼ぎ…?」

 

神風「犯人も、シャンデリアが落ちる時間を秒単位で予測できたわけじゃなかった。だから誤差が生じてもいいように、山脇がタイマーを探すのに時間をかけなければならない仕掛けを作ったんだ」

 

酒蔵「いやいや、分単位でだって予測できねえだろ!?」

 

的凪「確かに…予知能力でもない限り、シャンデリアの落ちる時間を予測するなんてできっこないよ。犯人はどうやって予測したっていうの?」

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

消灯寺「犯人も《霊能力を持ってた》のかなぁ」

 

安室「そんなわけないだろう!!貴様、八つ裂きにするぞ!!」

 

薬師寺「《シミュレーション》でもしたのかしらね」

 

的凪「えっと…どうやって?」

 

樺戸「思い切って《勘でタイマーをセットした》んじゃねえか!?」

 

梶野「流石に雑すぎませんか?」

 

あったはずだ。

犯人がシャンデリアの落ちるタイミングを予測した方法が…

 

 

 

《シミュレーション》⬅︎【小型シャンデリア】

 

    同 

 

「それに賛成だ!」

 

    意

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「犯人は、あらかじめシミュレーションしておいたんだよ。似たような形状のシャンデリアを使って、ワイヤーが切れる時間を計っておいたんだ」

 

的凪「あっ…そういえば、豪華な客室のシャンデリアにそっくりな小型シャンデリアが売店に売ってたね…」

 

神風「厳密には密度が一定ではないから落ちる時間に誤差が出るわけだが…あらかじめ小型のシャンデリアでシミュレーションをしておけば、どれくらい切れ込みを入れれば落ちるまでに何時間かかるか計算できるというわけか」

 

樺戸「マジか!考えた奴頭良いな!」

 

氷川「でも…その時間に山脇さんが部屋にいるとは限らないんじゃ…」

 

暗野「それも多分、犯人が山脇さんが部屋に引き篭もるように仕向けたんじゃないかな」

 

氷川「え…?」

 

暗野「ねえ東野君、あったよね。山脇さんが部屋に引き篭もる原因になったものがさ」

 

あいつが部屋に引き篭もった原因…

アレしか考えられないな。

 

 

 

コトダマ提出

 

【犯行予告】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「犯行予告だ…!犯人はジェノサイダー翔の犯行予告を書いて、それを部屋の前に置いておく事で山脇を部屋に引き篭もらせようとしたんだ!」

 

リーゼ「ええっ!?じゃ、じゃあ、アレを置いたのは犯人だったのですか!?」

 

暗野「多分そうじゃないかな…豪華な客室は、密閉性に優れていて内側からかけられる鍵も二つあるから…外敵から身を守るには最適だよね。普通なら、そこにずっといれば安全なはずだって思っちゃうよね…」

 

薬師寺「確かにね。私達は、まんまと犯人の罠に嵌って山脇さんを彼女を殺す為の部屋に閉じ込めてしまったって事ね…」

 

安室「しかし…カタストロフィをもたらされたのは山脇だけだぞ。リーゼロッテと神無月は今も無事だ。犯人は何故殺す気がない二人の部屋にも犯行予告を置いたのだ?」

 

暗野「多分、犯人の狙いが誰なのかを分からなくする為だと思うよ。三人に犯行予告が送られてるんだったら、見張りを分散させるしかなくなるしね。必然的に一人一人への警戒は分散されるから…犯人はそれを狙ったんじゃないかな」

 

梶野「なるほど…」

 

氷川「で、でも、誰がそんな酷い事を…?」

 

神無月「はーい、あたい怪しい奴知ってるよー!」

 

神風「誰だ」

 

神無月「清美ちゃんだよ!そうとしか考えられない!」

 

打田「…は?」

 

打田が犯人…?

本当にそうなのか?

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

神無月「だってだって、清美ちゃんは殺人のプロでしょ?きっと清美ちゃんが《ゆかちゃんを殺した》んだよ!」

 

打田「馬鹿馬鹿しい…証拠はあんのかよ」

 

神無月「その言い方がもう犯人だよね〜!」

 

安室「そういえば貴様は、《ずっと単独行動をしていたな》。疑われても仕方ないのではないか?」

 

神無月「お風呂にも行かなかったしね〜!どうせ一人になった時にゆかちゃんの部屋に忍び込んで、《シャンデリアのワイヤーに切れ込みを入れたんでしょ》?」

 

いや…

それは不可能だったはずだ…!

 

 

 

《シャンデリアのワイヤーに切れ込みを入れたんでしょ》⬅︎【打田の発言】

 

  論

 

「それは違うぞ!」

 

      破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「いや、打田は犯人じゃないはずだ」

 

神無月「は!?何でよ!」

 

東野「打田は、シャンデリアが落ちたのはチェーンが切れたせいだと思っていた。つまりさ、豪華な客室のシャンデリアの構造を知らなかったんだよ。だから犯人とは言えないんじゃないか?」

 

暗野「た、確かに…打田さんは中央棟を調べてたから…シャンデリアを調べてなくても無理はない…よね」

 

神無月「そんなのわざと間違えただけかも知んないじゃん!絶対こいつが犯人だって!だって、あたい達がお風呂入ってる間に犯行予告だって部屋に置かれてたんだよ!?きっとその時に罠を仕込んでゆかちゃんを殺したんだよ!!」

 

暗野「え、えっと…打田さんは、ずっと中央棟のラウンジにいたはずだよ…僕が直接見た訳じゃないから確証はないけど…」

 

神無月「じゃあ黙ってろ!」

 

暗野「ひ、ひぃ…!あ、あるよ根拠…東野君、君なら知ってるよね?打田さんは、ずっとその場に留まっていないとできない事をしてたはずだよ…」

 

ずっと打田がラウンジにいた根拠…

それってアレだよな。

 

 

 

ーーー 閃きアナグラム開始! ーーー

 

 

 

じ ゅ う の メ ン テ ナ ン ス

 

【銃のメンテナンス】

 

「わかったぞ…!」

 

 

 

東野「打田はずっと、銃のメンテナンスをしてたんだよ。俺は、風呂上がりにラウンジで打田が銃を分解してテーブルに広げてるところを見たんだ」

 

神無月「それがどうしたのよ!」

 

東野「打田は銃をきちんと細かく分解して、しかもオイルを使って入念に部品を磨いてたんだ。あれだけ念入りに手入れをしていたんだから、山脇の部屋に細工をしてる時間なんてなかったはずだ!」

 

神無月「うぐぅ…!」

 

梶野「ええと、他の女性陣は皆様アリバイがあるのですよね?」

 

安室「俺様はリーゼロッテと一緒にいたぞ」

 

神風「俺は療香と一緒にいた。女子が風呂に入りに行く前の話だがな」

 

神無月「ねえねえみるくちゃん、あたい達ずっと一緒にいたよね?」

 

六道「ちはるはちょっと調べ物してたから、アリバイ無い…」

 

薬師寺「でも六道さんは、皆でお風呂入った時一緒にいたし、犯人の可能性は低いと思うわ」

 

梶野「そうですか。打田様が犯人でないのであれば、犯人は男性という事になってしまいますが…」

 

東野「ああ、そう考えるのが妥当だと思う。犯人は……」

 

 

 

         反

 

樺戸「ワキがガラ空きだぜ!!」

 

     論

 

 

 

樺戸「犯人が男子!?んなワケねーだろ、フツーに考えてよぉ!!」

 

東野「え…?」

 

樺戸「だから、犯人が男子だなんてあり得ねえっつってんだよ!オレが今から証明してやるぜ!!」

 

 

 

ーーー 反論ショーダウン 開始 ーーー

 

 

 

樺戸「ジュン!オメー、合宿のルールを忘れちまったのか!?男子棟には男子の、女子棟には女子の電子生徒手帳が必要だって書いてあっただろうが!」

 

東野「それはそうだけど…でもアリバイから考えたら、女子には犯行は不可能なんだぞ?」

 

樺戸「誰かが嘘ついてんのかもしれねえだろうが!!だって、《女子棟には女子しか入れねえんだぞ》!?フツーに考えて、犯人は女子以外に考えられねえだろ!!」

 

 

 

《女子棟には女子しか入れねえんだぞ》⬅︎【強化合宿のルール】

 

   論

 

「その言葉、ぶった斬る!」

 

        破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「いや、男子でも女子棟に入る事はできたんじゃないか?ルールの穴を突けばな」

 

酒蔵「穴?その穴って一体どんな穴なのかな?是非とも詳しく教えてほしいね」

 

神無月「うわキモっ!」

 

打田「最悪」

 

酒蔵「ゴミを見るような目!?そ、そんな目で見られたら…おじさんクセになっちゃうよぉ!」

 

東野「…話戻すぞ。つまりだな、ルールで禁止されてるのはあくまで『女子棟に男子の電子生徒手帳を使う事』であって、『男子が女子棟に入る事』は禁止されてないんだよ」

 

リーゼ「では、男性でも女性の電子生徒手帳を使えば…!」

 

酒蔵「けど、電子生徒手帳の貸し借りはダメじゃなかったか?」

 

東野「禁止されてるのは、電子生徒手帳を『貸す事』だけだ。無断で拝借する分にはルール違反じゃないはずだ」

 

打田「……話がまとまってきてるとこ悪いんだけどさ、その可能性は無いと思う」

 

東野「えっ?」

 

打田「だって、女子棟の出入り口は中央棟のラウンジから丸見えなんだよ?もしそんな事するゲス野郎がいたら、あたしが見過ごすはずがない」

 

暗野「あっ、そういえば……」

 

樺戸「ほら!犯人はやっぱり女子なんじゃねえか!」

 

消灯寺「幽体離脱でもしたのかな…」

 

薬師寺「流石にそれはないんじゃないかしら」

 

安室「これぞまさしく黒魔術か…」

 

犯人は女子…?

本当にそう決めつけていいのか?

何か、あるはずなんだ。

打田の目を掻い潜って女子棟に侵入する方法が…!

 

 

 

六道「方法はなくはない、と思う」

 

的凪「六道…さん?」

 

六道「おまえら、ファイナルデッドルームっておぼえてるか?」

 

樺戸「あっ、そういやそんな部屋あったな」

 

六道「ちはるはファイナルデッドルームのゲームをクリアした。そしたら面白い事がわかった」

 

暗野「えっ…?」

 

六道「ファイナルデッドルームは反対側にも入り口があって、クリアすると反対側の入り口が開くんだよ。一応、入り口から撮った写真送っとくぞ」

 

六道は、寝ぼけながらも俺達に写真を送ってくれた。

そこに写っていたのは…

 

東野「……え?」

 

水色の壁。

そして、その奥に佇む青い遊具の数々だった。

これってまさか…

 

東野「男子棟の三階…だよな?」

 

六道「うん。女子棟からファイナルデッドルームに入れる扉は一つだけ。そんで、それは男子棟も多分一緒。つまりさ…どういう事かわかるよな?」

 

六道の言葉が本当だとすると、男子棟のファイナルデッドルームと女子棟のファイナルデッドルームは…

 

 

 

A.隔離された全く別の部屋

B.渡り廊下で繋がってる

C.実は同じ部屋

D.隣接している

 

➡︎C.実は同じ部屋

 

「そうか…!」

 

 

 

東野「男子棟のファイナルデッドルームと女子棟のファイナルデッドルームは、実は同じ部屋なんじゃないか?」

 

神無月「はぁ!!?」

 

東野「両棟からファイナルデッドルームに入れる扉は一つずつしかない。そして、女子棟からファイナルデッドルームに入ってゲームをクリアすると、男子棟に入れるようになる。つまり、両棟のファイナルデッドルームは同じ部屋なんだよ!」

 

安室「何ぃ!!?」

 

酒蔵「でも、その二つの部屋が実は同じ部屋だったとしてよ。何か事件と関係あるのか?」

 

暗野「それが大有りなんだよ。ねえ東野君、その事について六道さんが証言してくれてたよね?」

 

六道の証言…

ひょっとしてアレの事か?

 

 

 

コトダマ提出

 

【六道の証言】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「実は、男子棟の側からファイナルデッドルームをクリアした履歴が残っていたんだ。男子の誰かが、六道と同じようにファイナルデッドルームをクリアして、女子棟と繋がってる事に気付いたんじゃないか?」

 

リーゼ「えっ、そうなのですか!?」

 

六道「まあ…そう考えるのが妥当だな。すやぁ」

 

暗野「ねえ東野君。今の推理が当たってるなら、犯人がどうやって女子棟に入ったのかわかるはずだよね?」

 

東野「………」

 

考えろ…

犯人はどうやって女子棟内に入ったんだ?

集中して考えるか……

 

 

 

ナレーション『そろそろ新しい遊びがしたいとお考えではありませんか?ここでニューゲーム、『シンキングライド』の説明をします。シナプスの雪道をスノーバイクで駆け抜けて真実を導き出してください。障害物に当たったりコースアウトしたりするとダメージを負います。選択問題が出てきますので、正しいと思った方のコースを選んで駆け抜けてください』

 

 

 

ーーー シンキングライド 開始 ーーー

 

       3

   

       2

 

       1

 

ーーー RIDE START!! ーーー

 

 

 

QUESTION.1 男子棟と女子棟は別の建物?それとも同じ建物?

 

1.別の建物

2.同じ建物

 

➡︎2.同じ建物

 

 

 

QUESTION.2 男子棟と女子棟の位置関係は?

 

1.横並び

2.縦並び

 

➡︎1.横並び

 

 

 

QUESTION.3 犯人はどこから女子棟へ移動した?

 

1.中央棟1階の入り口

2.ファイナルデッドルーム

 

➡︎2.ファイナルデッドルーム

 

 

 

東野「謎は全部解けた…!」

 

ーーー COMPLETE! ーーー

 

 

 

東野「いいか。男子棟と女子棟は、実は同じ建物だったんだ」

 

樺戸「ええ!?」

 

東野「男子棟と女子棟の浴室が仕切りで仕切られてたのがその証拠だ。別々に描かれたマップに惑わされて違う建物だと思い込んでいたが、実は分厚い壁で仕切られてるだけで、どっちも同じ別棟の中の部屋にすぎなかったんだ」

 

暗野「基本的に二部屋間の行き来は出来ないけど、ひとつだけ男子棟と女子棟を橋渡しする部屋があった」

 

神風「それがファイナルデッドルームだった、という事か」

 

安室「では、犯人はただ別の通路を使って普通に移動しただけだったのか…!?」

 

薬師寺「まあ、命懸けのゲームをクリアしないと通過できないわけだから、普通とは言えないけれどね」

 

六道「ちなみにゲームに一回でもクリアすれば、何回でも出入りできるらしいぞ。犯人は事前にファイナルデッドルームをクリアして、別棟の構造を知ってから犯行に及んだと推測できる…ぐぅ」

 

リーゼ「でも、誰がそんな事を…?」

 

東野「ある程度絞る事はできると思う。あの証言があるからな」

 

 

 

コトダマ提出

 

【リーゼの証言①】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「実は、リーゼが風呂から一度上がった時に犯人の足音を聴いていたらしいんだ」

 

神無月「はぁ!!?」

 

リーゼ「ええと…断定はできませんが、今までの情報を整理すると、そうだと思いますわ。確かスニーカーの音でしたわね」

 

消灯寺「へえ…何にせよ、お手柄だねぇリーゼさん」

 

梶野「となると、犯人はスニーカーを履いている男性…という事になりますね」

 

東野「……!」

 

暗野「その顔は…犯人が分かったんだね、東野君」

 

スニーカーを履いている男子…

あいつしかいない…!

…でも、本当に言っていいのか…?

正直、俺はいまだにあいつが犯人だなんて信じられない。

でも、言うしかないんだ…!

 

 

 

ーーー 怪しい人物を指名しろ ーーー

 

 

 

ヒガシノ ジュン

 

ヤマワキ ユカ

 

アンノ キラ

 

ジュンマエ シノコ

 

カミカゼ ヤマト

 

ヤクシジ リョウカ

 

カジノ サダメ

 

リーゼロッテ

 

ショウトウジ レイアン

 

アムロ アスナ

 

サカグラ ヒロキ

 

カンナヅキ モミジ

 

カバド ラムジ

 

ヒカワ ミルク

 

ナイトウ リキヤ

 

ウチダ キヨミ

 

マトナギ コズエ

 

ロクドウ チハル

 

 

 

➡︎マトナギ コズエ

 

東野「お前しかいない…!」

 

 

 

東野「的凪…お前なのか?」

 

的凪「えっ…?」

 

東野「男子でスニーカーを履いてるのはお前だけだ」

 

的凪「だ、だからって…他の人が、ボクに罪を着せる為にスニーカーを履いてたのかもしれないでしょ?」

 

東野「いや、お前が犯人なんじゃないかっていう根拠ならまだあるんだ」

 

 

 

コトダマ提出

 

【リーゼの証言②】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「リーゼが言ってたんだよ。お前が女子全員で大浴場に行くよう提案してきたって。お前は、女子全員を女子棟の2階から追い出して、その隙に山脇の部屋に細工をしようとしてたんじゃないのか?」

 

的凪「ち、違うよ…!ボクはただ…」

 

暗野「あの…正直言いにくいんだけど、内闘君を殺したのも君だよね…?」

 

的凪「え…!?」

 

暗野「東野君、君ならわかるはずだよ。的凪君が内闘君を殺したっていう根拠。僕達が調査をした情報の中に、二つの事件を結びつける情報があったはずだよね?」

 

二つの事件を結びつける情報…

ひょっとしてアレの事か?

 

 

 

コトダマ提出

 

【売店の購入履歴】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「売店の購入履歴だ…!シャンデリアや小型タイマーと一緒に、内闘に刺さっていた鋏も買われていた」

 

氷川「ふぇえ!?そ、そうなんですかぁ!?」

 

打田「…ん。でも待って、それ買ったのって確か殉前じゃなかった?」

 

安室「何ィ!?馬鹿な、奴にはカタストロフィがもたらされたはず…!」

 

消灯寺「幽霊の仕業かなぁ…」

 

酒蔵「んなワケねーだろ!!」

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

消灯寺「《殉前さんの幽霊》でもいたのかな…」

 

神無月「そんなわけないって言ってんだろ!!」

 

樺戸「誰かが《シノコのフリしたんじゃねえのか》?」

 

暗野「そうだったとしても、電子生徒手帳には本人の履歴が残るよね?」

 

梶野「あの、普通に考えて《殉前様の電子生徒手帳を使った》のでは?」

 

酒蔵「マジか…!」

 

あいつの意見に賛成したい。

 

 

 

《殉前様の電子生徒手帳を使った》⬅︎【殉前の電子生徒手帳】

 

     同 

 

東野「それに賛成だ!」

 

     意

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「的凪。お前はロビーから盗んだ殉前の電子生徒手帳を使って、シャンデリアや鋏を買ったんだ。違うか?」

 

暗野「うん…そう考えるのが妥当だね。他人の電子生徒手帳を使えば足がつかないもん。さっき、他人の電子生徒手帳は使えるって話になったわけだし…どう思う、的凪君?」

 

的凪「ち、違うよぉ…!ボクじゃないよ!ボクが殉前さんの電子生徒手帳を使って犯行の道具を買ったっていう証拠が無いだろ!?証拠もないのに人を疑うのはやめて!」

 

神風「いや…今までの議論の流れからして、お前なのは間違いない」

 

的凪「そんな…違う、本当に違うんだよ!」

 

 

 

ーーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

的凪「本当に《ボクは何も知らないんだよ》!お願い、信じてよ!」

 

消灯寺「そう言われてもね……」

 

的凪「あ、あれだよきっと!ジェノサイダー翔の仕業だよ!ほら、《被害者には皆鋏が刺さってた》でしょ…!?」

 

暗野「本当にそうなのかな…」

 

六道「じゃあ《電子生徒手帳の履歴》はどう説明する気?」

 

的凪「知らないよ!ボクがやったって証拠が無いじゃないか!大体、《内闘くんに鋏が刺さってた事と売店で鋏が買われた事は関係があるとは限らない》だろ!?」

 

関係がない…?

そんなはずはない!

 

 

 

《内闘くんに鋏が刺さってた事と売店で鋏が買われた事は関係があるとは限らない》⬅︎【手足に刺さっている鋏】

 

  論

 

「それは違うぞ!」

 

      破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「いや、犯人が売店で買った鋏と内闘の身体に刺さっていた鋏は一致していた。売店で鋏を買って、それを刺したとみて間違いないはずだ」

 

打田「他に鋏を買ってる奴はいなかったし…決まりだな」

 

リーゼ「そんな…!では、本当に的凪さんが…!?」

 

消灯寺「これは流石に…言い逃れできないよねぇ?」

 

 

 

       反

 

的凪「それは違うよぉ」

 

   論

 

 

 

的凪「ボクが犯人だって勝手に決めつけて、皆ひどいよ…!そもそも、殉前さんの電子生徒手帳を使ったっていう証拠が無いじゃないか!」

 

東野「でも、状況的に犯行が可能だったのはお前だけなんだぞ」

 

的凪「それは犯人の罠だよぉ…!ボクは犯人じゃないよ!」

 

 

 

ーーー 反論ショーダウン 開始 ーーー

 

 

 

的凪「犯人はジェノサイダー翔に違いないよ!現場に血文字だって残ってたし…きっと、真犯人がボクを罠に嵌めようとしてるんだよ!」

 

東野「仮にジェノサイダー翔の犯行だったとして…どうしてそれがお前が犯人じゃないって証拠になるんだ?」

 

的凪「ボク、ファイルを読んだんだよ。そこには、確かに犯人は小柄な女性だって書かれてて…だから犯人はボクじゃないよ!」

 

東野「さっき犯人は男子だって話になったばっかりだぞ?まだそんな言い訳が通用すると思ってるのか?」

 

的凪「だって本当の事なんだもん!《ジェノサイダー翔が二人を殺してボクを嵌めようとしたんだよ》!」

 

いや、それはあり得ないはずだ。

今の的凪の発言には、確かに矛盾があった!

 

 

 

《ジェノサイダー翔が二人を殺してボクを嵌めようとしたんだよ》⬅︎【ジェノサイダー翔】

 

   論

 

「その言葉、ぶった斬る!」

 

        破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「いや、犯人はジェノサイダー翔じゃない」

 

的凪「え…!?」

 

東野「ジェノサイダー翔が殺すのは、男だけなんだ。山脇と内闘を殺した奴が同一犯なら、女子の山脇まで殺されてるのはおかしいだろ?それに、山脇だけ磔にされてないし、血文字も無いのは変だ」

 

的凪「そ、それは…最初は殺すつもりじゃなかったけど、口封じとかで…」

 

暗野「犯人がジェノサイダー翔じゃないっていう根拠ならまだあるよ。ねえ東野君、あったはずだよね?内闘君の事件と今までの被害者達との決定的な相違点がさ」

 

決定的な相違点…

もしかしてアレか…?

 

 

 

A.死亡時刻

B.被害者の体格

C.犯行動機

D.凶器

 

➡︎D.凶器

 

「そうか…!」

 

 

 

東野「凶器だ…!ジェノサイダー翔は、必ず自前の鋏を使って被害者を磔にするんだ。なのに今回の事件に使われた鋏は売店で売られていたもので、しかも形状も用途もバラバラだった」

 

薬師寺「それはおかしいわね。犯行手口を統一する事で自分の存在をアピールしたい犯人の心理とはかけ離れてるもの」

 

暗野「えっと…凶器の鋏の形状がバラバラだったのは、同じ鋏が一度に4本も買われたら怪しまれちゃうからじゃないかな?」

 

安室「苦肉の策、というわけか…」

 

東野「いないんだよ、この中には。ジェノサイダー翔なんて殺人鬼はな。的凪。お前は、奴の資料があったのをいい事に、奴の名前を利用して俺達の不安を煽ろうとしたんじゃないのか?」

 

的凪「う…ぐぅ…ま、まだだよ!大体、『アレ』の事だってまだ明らかになってないじゃないか!アレはどうやって書かれたっていうんだよ!?」

 

酒蔵「アレじゃわかんねーよ!わかるように言え!」

 

的凪が言っている『アレ』…

アレの事だよな。

 

 

 

コトダマ提出

 

【血文字】

 

東野「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「……血文字か?」

 

リーゼ「あ、そういえば…まだ血文字については触れていませんでしたね」

 

的凪「そうだよ!!ボクが犯人だっていうなら、どうやって血文字を書いたっていうんだよ!?あんなもの書いたら、血で汚れるに決まってるじゃないか!夜時間中は水が出ないんだよ!?大体、あんな血文字が書けるような大きな画材もないし!」

 

犯人がどうやって血文字を書いたのか…

それを解き明かさないと、先には進めなさそうだな。

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

樺戸「フツーに《手で書いた》んじゃねえの?」

 

梶野「それだと血で汚れてしまいますよね」

 

リーゼ「わかりましたわ!きっと《モップで書いた》んです!」

 

安室「夜時間中だぞ…そんなもの持ち歩けるわけないだろう」

 

消灯寺「もうわかんないから勘で言うけどさぁ…逆に《紙で書いた》って線はどう?」

 

打田「逆にって何よ逆にって」

 

氷川「えっと…《スプレー》とかは…」

 

神風「明らかに文字の形状が違うんだが」

 

ちょっと待てよ、今結構重要な事言った奴がいなかったか?

 

 

 

《紙で書いた》⬅︎【大量の紙屑】

 

    同 

 

「それに賛成だ!」

 

    意

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「そうか…!犯人は、紙で血文字を書いたんだよ!」

 

酒蔵「はあ!?紙!?紙は書かれるモンで、文字を書くモンじゃねえだろ!」

 

消灯寺「ほんの思いつきだったんだけど…冷静に考えてみたら、ある程度の厚さのある紙なら丸めて血を染み込ませれば筆になるもんねぇ」

 

六道「ぐぅ…紙なら持ち運びも処分も楽だし、ついでに手についた血も拭えるからな」

 

リーゼ「二石一鳥ですわね!」

 

梶野「一石二鳥、ですよね」

 

的凪「か、紙…!?そんなもの、一体どこから…!?」

 

暗野「君は知ってるはずだよ…血文字を書いた紙の出所をさ…」

 

血文字を書いた紙…

アレしか考えられない!

 

 

 

コトダマ提出

 

【山脇の本】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「本だよ。お前は、山脇の本を使って血文字を書いたんじゃないか?」

 

安室「むっ、山脇が奈落の底へ落としたと語っていた書物か…」

 

リーゼ「そういえば、山脇さんの本がなくなったのはわたくしが足音を聴いた直後でした。あれは脱衣所から本を盗んで逃げる時の足音だったのですね」

 

的凪「ほ、本で文字を書いたって…冗談も休み休み言えよ!本でどうやって文字を書くって言うんだよ!」

 

東野「………」

 

考えろ…

考えればわかるはずだ。

的凪が山脇の本で血文字を書いた方法が…!

 

 

 

ーーー 閃きアナグラム開始! ーーー

 

 

 

や ぶ い て ま る め た

 

【破いて丸めた】

 

「わかったぞ…!」

 

 

 

東野「的凪、お前は山脇の本のページを破いて丸めて、それを使ったんじゃないか?」

 

的凪「……!」

 

暗野「あれだけの厚さがある本なら必要な紙を十二分に調達できるし、万が一見つかってもいくらでも言い訳ができるもんね。よく考えたよね……」

 

的凪「ぐ、ぐぅ…!で、でも!まだボクがやったっていう証拠が無いよね!?証拠がない事には…!」

 

暗野「証拠ならあるよ」

 

的凪「え…!?」

 

暗野「ねえ東野君。君は知ってるよね?的凪君が犯人だっていう根拠」

 

的凪が犯人だっていう根拠…

アレの事だよな…

 

 

 

コトダマ提出

 

【東野の事件前後の状況】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「的凪。俺は、お前から貰ったお茶を飲んだ途端に眠くなったんだ。そのせいで、死体発見アナウンスに気付かなかった。…これって本当に偶然か?」

 

打田「そういえば、シャンデリアや鋏と一緒に眠剤も買われてたよね」

 

的凪「ぼっ、ボクがお茶に睡眠薬を持ったとでも言いたいの!?そんな証拠、どこにも…!」

 

暗野「的凪君…ごめんね。実はその水筒、持ってきちゃったんだ…」

 

的凪「っえ…!?」

 

暗野の奴、いつの間に…

意外とちゃっかりしてるな。

 

暗野「その、東野君の発言がどうしても気になったからさ…えっと、六道さん…これ、調べてくれない?」

 

六道「いぇすゆあはいねす」

 

暗野は、六道に俺の飲んだお茶の水筒を渡した。

六道は、水筒を受け取るなりお茶を舐めて調べ始めた。

 

六道「ペロッ…これはトリアゾラム…睡眠薬の一種ですぞ」

 

神無月「って事は…!」

 

打田「……決まりだな」

 

的凪「う、うぅ…!うぅううう…!」

 

的凪は、泣きながら両手で顔を覆った。

全員から向けられる猜疑の目に耐えきれなくなったのだろう。

俺はほんの少し、的凪が可哀想に思えた。

俺にあんなに優しくしてくれた奴が、犯人だなんて思いたくなかった。

 

だが、それもたった数秒の事だった。

 

 

 

的凪「うぐぅっ…うっ…ふっ、ふふふ……」

 

東野「……?」

 

 

 

 

 

的凪「あははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」

 

 

 

 

暗野「まと…なぎ…くん…?」

 

的凪「いやぁ、さすがボクの愛する千春ちゃんだよぉ!ボクの用意した謎をこんなに簡単に解いちゃうなんてさ!千春ちゃんに真実を暴かれて死ねるなんて、ボクは何て幸せ者なんだ!」

 

六道「………」

 

リーゼ「的凪さん…本当にあなたがやったんですか…?」

 

的凪「ん?そうだよ?ボクがシャンデリアを落として殺したんだよ!ジェノサイダー翔のフリをして内闘君を磔にしたのもボクさ!」

 

的凪は、大袈裟な身振り手振りをしながら自分が犯行に及んだと主張した。

こいつはもう、あの優しかった的凪じゃない。

嬉々として犯行を自白するそいつは、まるで幼い子供のように無邪気な笑みを浮かべていた。

 

暗野「そんな…どうして……どうして山脇さんと内闘君を殺したんだ!」

 

 

 

 

 

的凪「山脇さん?あーーーー…………いたね、そんな人」

 

……………は?

 

今、何て言った?

こいつ、自分で殺しておいて、山脇の事を『そんな人』って言ったのか…?

 

……!

こいつ、まさか…

俺はその時、恐ろしい仮説に辿り着いてしまった。

その仮説から、的凪の悍ましい異常性に気づいてしまった。

そうだとすると、わざわざシャンデリアを落として殺すなんて方法にしたのも納得がいく。

でも、こんな事って……

 

東野「……みんな。わかったかもしれない。的凪が山脇を殺した動機が」

 

樺戸「えっ!?」

 

東野「普通、あれだけ手間をかけて殺した被害者が誰だかちゃんと覚えてないなんて事、あり得ないよな?つまりさ、的凪は……」

 

 

 

A.被害者ではなく別に目的があった

B.山脇ゆかに恨みがあった

C.殺すつもりじゃなかった

D.誰かに頼まれて殺した

 

➡︎A.被害者ではなく別に目的があった

 

「そうか…!」

 

 

 

東野「的凪。お前が山脇を殺したのは、『目的』じゃなくてただの『手段』だったんだな」

 

リーゼ「え…?」

 

東野「今思えば、シャンデリアが購入されたのは俺達がまだ女子の部屋割りを知らなかった時だった。つまり、誰でも良かったんだよ」

 

氷川「どういう事ですか…?」

 

東野「的凪の目的は山脇じゃなくて、あの豪華な客室なんだよ。だから的凪が殺したかったのは、山脇じゃなくて『豪華な客室の住人』だったんだ」

 

暗野「豪華な客室の住人を殺すって…何でそんな事を!?」

 

東野「的凪の動機は、あの客室を空室にする事だった。そしてそれは、()()()()()()()()()。違うか!?」

 

的凪「ふふふ…そこまでバレちゃうとはね。そうだよ。ボクは千春ちゃんの為に殺ったんだよ。千春ちゃん、部屋割りのジャンケンで負けちゃって不機嫌そうだったからさ。千春ちゃんを差し置いて豪華な客室に泊まってる奴を殺して空き部屋にして、千春ちゃんにプレゼントすれば喜んでもらえるかなぁって。豪華な客室に泊まってる人さえ殺せれば、その後の事は別にどうでも良かった」

 

酒蔵「てめぇ…このクズが…!!」

 

的凪「まあ恨むなら、千春ちゃんの為を考えずにのうのうと豪華な客室に泊まろうとした自分を恨んでほしいね。えーっと、ごめん、名前何だっけ?忘れちゃった」

 

こいつ……

本当に、六道の為なら山脇の事なんて知ったこっちゃないとでも言いたいのか。

殺人をしたのは六道に部屋をプレゼントする為で、こいつにとって被害者は、すぐに名前を忘れてしまうくらいどうでも良い存在だった。

山脇は…こんな奴のせいで死んだのか。

 

的凪「内闘くんに関しては…まあアレだよ。あの人粗暴で考えなしだったから、千春ちゃんを傷つける前に排除しておこうと思ったんだ!」

 

樺戸「てめぇ……!」

 

的凪「どう?千春ちゃん。喜んでくれた?ボクのとっておきのプレゼントは」

 

六道「……………」

 

的凪「あははは!いいよその蔑むような目!千春ちゃんに見下してもらえるなんて、ボクは何て幸せ者なんだ!!ボクみたいなゴミクズが、千春ちゃんに真実を暴かれて、千春ちゃんに軽蔑されて死ねるなんて、こんなに幸せな事はないよぉ!!」

 

神無月「何なのよこいつ!キモッ!」

 

梶野「完全に正気じゃないですね…」

 

的凪「そういうわけだからさ、千春ちゃん!ボクに投票してよ!ボクを殺してよ!キミの手で、ボクを地獄に突き落としてよ!」

 

打田「怖っ……」

 

薬師寺「ここまで救いようがなかったとはね…」

 

的凪「ねえ千春ちゃん。ボクはこれから死ぬんだけど、死ぬ前にせめて言わせてよ。キミを愛してる」

 

的凪は、満面の笑みを浮かべながら言った。

的凪の目には、死への恐怖、後悔、憎悪、そういった負の感情は一切宿っていなかった。

 

俺はこの時、初めて、こいつを『怖い』と思った。

綺麗なんだ。

こいつには、迷いや疾しい感情が無い。

たった一つの純粋な愛だけで二人を殺した。

更生の余地がない、完全な異常者。

俺は、そんな奴と当たり前に笑い合って過ごせてしまった事が、ただひたすら怖かった。

 

こいつは、愛する人に暴いてもらう、その為だけに六道にしか解けないトリックを使って、わざとボロを出して暴かせた。

愛する人の為なら、死ぬ事でさえ嬉しいと思える。

それが的凪梢という人間の本性なんだ。

 

神無月「こいつ怖いよー!もう投票しちゃおうよ!!」

 

暗野「そう、だね……僕も、そんな理由で二人を殺した的凪君を絶対許せないし……」

 

酒蔵「モノクマ!こんな奴さっさと処刑しろ!」

 

モノクマ『うぷぷ、まだ投票も始まってないのに処刑しろとは、オマエラもせっかちですなぁ。ではでは、もう結論が出たみたいですし?投票ターーーーー……

 

 

 

 

 

六道「ちょっと待った!」

 

突然、裁判に待ったをかけた奴がいた。

そいつは、的凪……の隣にいる六道だった。

 

的凪「ん?なあに?千春ちゃん、こんな状況でもボクを庇ってくれるの?あははっ、嬉しいなぁ!ボクみたいなゴミクズが千春ちゃんに庇ってもらえるなんてさ!」

 

六道「ちげーよ。おまえはシンプルにきもい。ちはるおまえきらい。ボクが気になってるのは、山脇の事件だ。事件はまだ解決してないだろ」

 

安室「フッ…ちょうど俺様も同じ事を思っていたところだ」

 

六道「ボク達は、まだ大事な事を…もっと根本的な事を見落としてる…気がする。だから、もう一回考えてみたい」

 

六道は、いつもの眠たげな表情ではなく、真剣な表情を浮かべていた。

どうやら、完全に目覚めたみたいだな。

 

六道「眠気も覚めたし、今から本気出す。さあ、ラウンド2を始めようか」

 

 

 

《学級裁判 中断!》

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生存メンバー ーーー

 

【超高校級の小説家】東野(ヒガシノ)(ジュン)

 

【超高校級の???】暗野(アンノ)斬良(キラ)

 

【超高校級の司令官】神風(カミカゼ)大和(ヤマト)

 

【超高校級の軍医】薬師寺(ヤクシジ)療香(リョウカ)

 

【超高校級のオルガニスト】リーゼロッテ・ベルゲングリューン

 

【超高校級の原型師】安室(アムロ)明日奈(アスナ)

 

【超高校級の心霊学者】消灯寺(ショウトウジ)霊庵(レイアン)

 

【超高校級のディーラー】梶野(カジノ)運命(サダメ)

 

【超高校級のカルタ師】神無月(カンナヅキ)(モミジ)

 

【超高校級のグラシエール】氷川(ヒカワ)みるく

 

【超高校級のソムリエ】酒蔵(サカグラ)飛露喜(ヒロキ)

 

【超高校級のカバディ選手】樺戸(カバド)ラムジ

 

【超高校級の狙撃手】打田(ウチダ)清美(キヨミ)

 

【超高校級の幸運】的凪(マトナギ)(コズエ)

 

【超高校級のゲームプログラマー】六道(ロクドウ)千春(チハル)

 

ノコリ15人

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のギャル】殉前(ジュンマエ)詩乃子(シノコ) Prologue 見せしめ

 

【超高校級のプロレスラー】内闘(ナイトウ)力也(リキヤ) Chapter.1 シロ

 

【超高校級の絵本作家】山脇(ヤマワキ)ゆか Chapter.1 シロ

 

以上3人

 

 

 

 

 

推しがいたら教えてくんなまし

  • 東野潤_小説家
  • 暗野斬良_???
  • 殉前詩乃子_ギャル
  • 神風大和_司令官
  • 薬師寺療香_軍医
  • リーゼロッテ_オルガニスト
  • 安室明日奈_原型師
  • 消灯寺霊庵_心霊学者
  • 山脇ゆか_絵本作家
  • 梶野運命_ディーラー
  • 神無月椛_カルタ師
  • 氷川みるく_グラシエール
  • 酒蔵飛露喜_ソムリエ
  • 樺戸ラムジ_カバディ選手
  • 内闘力也_プロレスラー
  • 打田清美_狙撃手
  • 的凪梢_幸運
  • 六道千春_ゲームプログラマー
  • モノルナ_引率教師
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