インフィニティダンガンロンパ6 ようこそぼくらのコロシアイ強化合宿 作:M.T.
(非)日常編①
……あれ?
ここは…どこだ?
教室……?
俺は今まで、何をしていたんだっけ…?
「東野……くん…同じ…クラス……だね…改めて…よろしく……」
山脇…?
お前、どうしてここに…
「おい東野!お前、何ボサっとしてんだよ。運動会近いから特訓してくれってお前が言い出したんだろ?」
「な、内闘くん…僕も、一緒にいいかな…?…僕も、あんまりカッコ悪いとこ…見せたくないし…」
「あたしダンスなら教えてあげられるよ!ねえヒガジュンも一緒にどお?」
内闘、暗野…殉前…
お前らまで…どうして…
お前らは、確かに死んだはず…
…ああ、そっか。
全部夢だったんだ。
本当はお前らは死んでなくて、俺はお前らと一緒に希望ヶ峰学園に入学して、平和な日々を送っていたんだ。
俺はずっと、悪夢を見続けていたんだな。
…本当に、酷い悪夢だった。
でも、悪夢はもう覚めたんだ。
これからはずっと、こいつらと一緒に………
「いやっ…いやだ!!いやだいやだいやだ!!死にたくない!!ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!ゆるして…ゆるしてよぉ!!」
…………え?
気がつくと、俺の目の前には、4人が血を流して横たわっていた。
何だこれは。
違う。
嘘だ。
これは夢だ。
本当は誰も死んでなくて、俺はこいつらと…。
でも、何で。
いやだ。
嘘だ。
違う。
何で何で何で。
やめろ、やめてくれ。
もう許してくれ。
ごめん。
ごめんなさい。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
「うわぁあああああああああっ!!!」
俺は、寝ていた布団から飛び起きた。
ここは…俺の部屋とは違う、粗末な寝室だ。
どうなってる…?
あいつらが死んだのは、夢だったはず…
…いや、違う。
本当はもう、わかってるんだ。
あれは紛れもない現実だ。
今更どんなに悔いたって、もうあの4人は帰ってこない。
あいつらは、もう……
「…うっ」
あれから、どれくらいの時間眠っていたんだろうか。
寝たはずなのに、心は全く癒えた気がしない。
当然だ。
人が死んだんだから、心が癒えるわけがない。
大切な友達を4人も失ったんだ。
「………はぁ」
…もうやめよう。
俺の悪い癖だ。
今は、状況を整理しないと。
…薄い布団で寝たから身体が痛い。
あれ?
そういえば、的凪がいない。
…いや、あいつの事はできればもう思い出したくないけど。
「っざけんな!!」
今の、樺戸の声だよな。
何かあったのか…?
「オメェ、何でリキヤの部屋で寝てんだよ!?」
「うるさいな…静かにしてよ樺戸くん。ボクに怒鳴っていいのは千春ちゃんだけなんだよ」
的凪…!
何であいつが内闘の部屋にいるんだ…?
「うるせえ!!オメーのせいでリキヤが…!!くそッ、チクショオ…!!」
「何言ってるのかわかんないよ樺戸くん。せっかく空き部屋ができたんだから、少しくらい使わせてもらってもいいだろ?どうせ誰も使わないんだし、その方が東野くんだって部屋を広く使えるしさ。それとも何?ボクなんか地べたで寝てろって事?」
こいつ…
どこまで内闘等の死を弄べば気が済むんだ…!
俺が的凪に対して怒りを露わにしていると、樺戸が的凪に殴りかかろうとした。
酒蔵も、的凪を睨みつけて拳を鳴らしていた。
「テンメェ…!ふざけやがって…!!」
「ああ、俺も同意見だ樺戸。俺もこいつの事だけはどうもいけ好かねえんだよ…!」
「やめろ、樺戸!酒蔵!」
「なっ、止めんじゃねえジュン!!コイツがリキヤとキラ、ユカに何したか忘れたのかよ!?」
「そんな訳ないだろ!忘れられる訳…ないじゃないか…」
友達が一日で4人も死んだんだ。
忘れられるわけがない。
それでも俺は…これ以上誰かが死ぬとか殺し合うとか、そんなのは…もう、嫌だ。
俺が拳を握りしめて俯いていると、神風が口を開く。
「落ち着け。怒鳴ったところで、死人は戻ってこない」
「神風…」
「私も神風様と同じ意見ですね。確かにご友人が4人も亡くなったのは悲しい事ですが…これ以上争い合う事は、亡くなった方々も望んでいらっしゃらないのでは?」
神風が皆を説得すると、梶野も仲裁に入った。
するとその時、消灯寺が徐に口を開いた。
「暗野くんは…さっきからずっと怯えてる…君達が喧嘩してるせいじゃない?」
「っ…!」
消灯寺が言うと、樺戸はギリっと歯を食いしばった。
わかってる。
樺戸だって、好きで的凪に殴りかかってる訳じゃない。
それでも、何かに怒りをぶつけないと正気じゃいられなかったんだ。
それだけ、樺戸にとっては仲間を失った事がショックだったんだ。
俺だってそうだ。
もっと、あいつらと話しておけばよかった。
あいつらを、助けてやれればよかった。
どうして…こんな事になっちまったんだ。
俺達が俯いていると、酒蔵が口を開く。
「…悪い、熱くなっちまって。とりあえず、さ…朝飯食わねえか?食える奴だけでいいからよ」
「では私も、皆様に元気になって頂けるような朝食をお作りしますね」
酒蔵と梶野は、朝食作りの準備をするために食堂へ向かおうとした。
だがそんな中、的凪が空気を読まずに口を開く。
「それはありがたいね。ボクお腹すいちゃってさぁ」
「雑草でも食ってろよ」
「ボク、フレンチトーストが食べたいなぁ」
的凪がヘラヘラ笑いながら言うと、酒蔵が悪態をついたが、的凪は酒蔵を完全に無視して口を開いた。
的凪は完全にどこ吹く風だ。
すると消灯寺が深くため息をつきながら口を開く。
「…ねえ。この人どうすんの?流石にこのまま放置ってわけにもいかないでしょ?」
「そうだな…よし、俺に考えがある」
神風は、少し何かを考えてから提案を話した。
うーん…確かに、的凪の危険性を考えたらそうするしかないんだろうけど…
…大丈夫かな、これ。
◆◆◆
side R
ちはるは、ボロい部屋で目を覚ました。
……なんか床で寝たからからだ痛い。
やっぱあむろに部屋替えてもらえばよかったかも。
それにしてもこの部屋、S●ichすらないのか…
まあないものは仕方ない。
…はらへった。
メシ食いに行くか。
「…あ」
ちはるがドアを開けると、やくしじが立っていた。
すげータイミング。
何の用だろ。
「おはよう。六道さん…大丈夫?」
「なにが?」
「…いえ、何でもないわ」
「ふうん」
たぶん、やくしじが気にしてるのはまとなぎの事だと思う。
今回の件でまとなぎの事はきらいになったけど、気にしてるそぶりを見せるのも癪だしな。
ちなみにちはるは、やまわきが死んだのはちはるのせい…とは1ミリも思ってない。
強いて言うなら、ファイナルデッドルームの事黙ってたのは失敗だったかもしれないけど、不用意に喋ってたらちはるが殺されてた可能性もあったし、てかゲームのネタバレするとかちはるの信条に反するし、ちはる悪くないもん。
つーかあんなん誰が防げんだよって話だし。
「朝ごはん作ったんだけど、食べられそう?」
「食う」
「じゃあ一緒に行きましょう。皆待ってるから」
あさめし…ありがたや…
◇◇◇
《チュウオウトウ 2F ショクドウ》
めし…
めし屋…
メシア…
おなかすいた…
「お待たせ。連れてきたわよ」
「めし…あいむはんぐりー…」
「おはようございます六道様、食欲がおありのようで何よりです。早速ですが、和食と洋食どちらになさいますか?」
かじの…いつの間に目の前に…
てか今更だけど目ほっそ。
ちゃんと見えてんのかなアレ。
「しろめし…みそしる…ぐぅ」
「和食ですね。かしこまりました」
「そういやひかわとまとなぎいなくね?」
「ふぅん、あんたに人の事気にする神経なんかあったんだ」
かんなづきがなんか言ってるけど、ちはるそこまで図太くないもん。
太っ腹ではあるけどな。
「氷川さんは、昨日の事がショックでまだ立ち直れないみたい」
「ふんっ、あいつ大袈裟すぎんだよ。わざとやってんじゃないの?」
「打田さん」
「…わたくしもですわ。大切なお友達が4人もいなくなってしまうなんて…」
「…それで、的凪だが…」
「あいつなら、内闘クンの部屋に縛りつけたよ。人の命を弄ぶバカヤロウの顔なんざ二度と見たくねえからな」
まじか……
ざまあ。
でもトイレとかどうすんだろ。
まさかの垂れ流し?
…うぇ、きったね。
「お待たせしました、六道様」
「いただきます」
うん、うまい。
朝は何だかんだで結局白飯に落ち着くよね。
やっぱり米はひとめぼれですわ。
「米はゆめぴりかしか勝たん」
「それ、コシヒカリです」
知ってんだよオオォォッ!!
国語の教師かうう…うう…うおおおっおっオメーはよォォォォ。
『おや?何だかお通夜ムードですねえ』
『キャハハハ!ご機嫌麗しゅう生徒の皆さん!朝からアタシ達の顔見れて嬉しい?可愛さって罪よねぇ、萌え死にしちゃってもいいのよん?』
…うわ、出た。
「貴様ら、奈落に突き落とされたいらしいな」
「撃ち殺されたいの?」
「アレ、祓えるのかな…」
殺気立ってんなー。
おお、こわいこわい。
「いけませんわ皆さん、まずはお話し合いをですね…」
は、話し合いなんてそんな野蛮な…
「ここは穏便に暴力で…」
やはり暴力…!!
暴力はすべてを解決する…!!
「お前が一番不穏だよ」
ひがしの、ナイスツッコミ。
『全く、最近の若者はろくに話を聞こうとしないんだから。せっかくオマエラに学級裁判を勝ち抜いたご褒美をあげようと思ったのに』
「褒美だと?」
『キャハハ!食いついたね!見事殺人犯を暴いて排除した事だし、アンタ達全員この建物から出してあげる!』
…。
………。
……………。
…はい?
今、何て?
『てゆーか、実はもう玄関の鍵開けてあるんだけどね!オマエラったらあれだけ外に出たがってたのに、誰も確認しようともしないんだもん!』
…まじですか。
ちはる、一生の不覚。
「マジかよ…」
『大マジです!嘘だと思うなら、自分で確かめてみたら?』
モノクマが言うと、みんな一斉に玄関へと向かっていった。
おぉ、みんなすごい食いつくねぇ。
◇◇◇
《チュウオウトウ 1F ゲンカン》
ちはる達は、吹雪の中で外に出ても大丈夫なように、全員防寒着と食料を持って玄関に集まった。
ヒッキーことひかわも、みんなに連れて来られて玄関に来てた。
え?まとなぎ?
あいつは放置だよ。
「俺が開ける。お前達は下がっていろ」
かみかぜは、一番前に立ってドアに手をかけた。
その瞬間、ゴゴゴゴ…とドアがゆっくり開く。
入ってくる吹雪に備えて、みんな身構えた。
だが何もおこらなかった。
ドアの向こうに広がってたのは、灰色一色の通路。
通路の床は、動く床になってた。
「これは…?」
『うぷぷ、そのまま外に出たら皆凍え死んじゃうでしょ?そこでボク達完璧で究極の兄妹は考えたのです!オマエラをこの動く通路で運べばいいんだってね!』
モノクマは、笑いながらほぼ強制的にちはる達を動く通路に押し込んだ。
いたい、胸がつっかえる。
「どういう風の吹き回しだ…?あの薄汚い獣共が俺様達を俗世へ送るなど…」
あむろがなんか言ってる…
これに乗れば家に帰れる、ちはるは全くそんな気はしないけどね。
「…なあ。本当に俺達、ここから出られるんだよな?」
『キャハハ、クマに二言はありません!さ、行った行け』
ちはる達がみんな動く通路に乗っかると、通路が動いてどっかに移動した。
しばらく通路に乗ってると、目の前に金ピカの扉が見えて、動く床が止まる。
…着いたって事なのかな?
ちはる達が立ち止まると、金ピカの扉が開いた。
いや、上下に開くんかい。
ちはるが目を向けた、その先には…
「な…何じゃこりゃあ!!?」
全部金ピカのホテルのロビーが広がっていた。
…うわ、眩しっ。
配色センスクソかよ。
「どういう事だ…!?どこもかしこも黄金ではないか!」
「どうなってんだよこりゃあ!?俺達を家に帰してくれるんじゃなかったのかよ!?」
『うぷぷぷ、誰がオマエラを家に帰してあげるなんて言った?』
「まさか…」
モノクマが笑うと、やくしじがハッとする。
…うん、薄々そんな気はしてたよ。
『そう!そのまさかです!コロシアイ強化合宿はまだ続いてるんだよ!』
『新しく開放したここは、その名も『ホテル・エルドラド』!どこもかしこもギンギラギンの黄金郷なのです!』
エルドラド…
確か南米の黄金郷伝説、だったと思う。
そーいや、よく見たら内装とか南米チックだし。
ペンションはアジアンな感じだったけど、ひょっとしたら他にも建物があって、それぞれが大陸をイメージしてたりして。
ザナドゥとか確かモンゴルだし。
……なーんて。
『マップとルールも更新されてるから確認してね〜!』
『じゃ、バイバ〜イ!』
そう言って、モノクマとモノルナはどっか行った。
「ふう、やっとどっか行った」
「クッソ…!あいつら、ぬか喜びさせやがって…!」
「ホントだよ!外に出られると思ったのに!」
さかぐらとかんなづきは、激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームだった。
モノクマがここから出してくれる気がない事くらい、ちょっと考えればわかる事だったと思うんだけどなぁ。
「ええと…これからどうしましょう?」
「決まっている、このホテルの探索だ。まずはマップを見て分担を決めよう」
かみかぜが言うと、みんなマップとルールを確認し始めた。
ちはるも確認しないとな、くっそねみ。
ん…と、行けるのは、トラッシュルーム、宿泊施設、レストラン、温泉、マーケット、診療所、娯楽施設、パーティー会場、図書館か。
宿泊施設と温泉は、やっぱり男女で分かれてる。
地下2階が温泉とトラッシュルーム、地下1階が娯楽施設、1階がロビーと診療所、2階がレストランとパーティー会場、 3階がマーケット、4階が図書館、5階と6階が宿泊施設…みたい。
ルールは、『十五、異性の更衣室、浴室、トイレに入室する事を禁じます』って項目が追加されてた。
ペア分けは、ちはるとやくしじ、ひがしのとかみかぜとかばど、さかぐらとかじの、しょうとうじとリーゼ、うちだとひかわ、あむろとかんなづきになった。
ちはる達は、1階を調べる事になった。
「よろしくね、六道さん」
「…ぐぅ」
ペアと担当場所が決まった後は、お昼の1時までにレストランに集合してみんなでおひるごはんと探索の報告会をする約束をして解散した。
診療所か…確かに、やくしじが調べた方が良さそうな場所だね…
…さてと。
エ ロ 本 探 す か 。
◆◆◆
side HG
《ホテル B2F》
俺は、樺戸と神風と一緒に地下2階の男湯を調べる事になった。
「おっしゃ、んじゃ調べてくか!」
「ああ。まずは温泉からだ。調べるぞ」
樺戸の掛け声で元気付けられた俺は、二人と一緒に温泉に向かった。
…にしても、このホテル、ホントどこもかしこも金ピカだな。
ずっとこんな所にいたら目が疲れそうだ。
ふと見上げると、男湯と女湯の扉の真上に無骨にガトリングガンが設置されていた。
…多分、女湯に入ろうとしたらアレで蜂の巣にされるって事だろう。
流石に、何も言われなきゃわからない程俺も馬鹿じゃない。
大人しく男湯を調べるか。
《オトコユ》
「うっわー!!すげー!金ピカ!!」
男湯の扉を開けると、やはりと言うべきか、黄金に輝く内装に、南米チックな装飾品や家具が置かれた脱衣所が広がっていた。
よく見ると、壁には古代文字っぽい模様が彫られていた。
…こういうの、歴史系の才能持ちがいたら解読できたりとかしたんだろうけどな。
それ以外はロッカーがあったり、鏡があったりと、ホテルによくあるレイアウトだ。
ロッカーや鏡、椅子なんかは、それぞれ10個ずつあった。
俺達は的凪も入れて7人いるから、全員で入ってもちゃんと使えるようになっている。
まるで俺達の為だけに建てられた施設みたいだ。
俺が内装を眺めていると、神風は脱衣所をくまなく調べ始めた。
「…何してんだ、神風」
「見ての通りだ。何か凶器になるようなものが置かれていないかチェックしている。昨日はあんな事があったからな」
確かに、凶器が隠してあったりして、それを誰かが見つけたりなんかしちまったら…なんて、考えたくないな。
一応ロッカーの中も調べるか。
…うん。
特に怪しいところはなかったな。
強いて言うならメダルが何枚か見つかったくらいか。
「よし。次は風呂場を調べるぞ」
そう言って神風は、躊躇いなく風呂場の扉を開けた。
神風って割とガンガン行くとこあるよなぁ。
そんな事を考えながら風呂場の扉を潜ると、これまた金ピカの内装が目に飛び込んできた。
金の延べ棒を模した壁に床。
全部黄金色のサウナや岩盤浴、露天風呂(露天風呂風に見えるだけで実際は室内だが)、ウォータースライダー、ドクターフィッシュ、あとプールみたいなやつなんかもある。
ペンションにも大浴場はあったが、こっちの方が断然広いし種類も多い。
まるで大江戸温泉だ。
今更だけど、やっぱりこのホテルって黄金郷がモチーフになってるんだな。
温泉は効能ごとに分かれていて、一番大きな温泉には巨大な黄金のモノクマ像が建っていて、モノクマ像の口からは温泉が滝のように流れ出ていた。
「………オェ」
汚物を見せられた気分だ。
周りが金色なせいで、モノクマが吐き出している温泉まで金色に輝いているのが却って宜しくない。
衛生を保つ場所のはずなのに、精神的に不衛生極まりないな。
「うわぁ、広え!!泳げるかな!?」
「真面目に探索をしろ、樺戸」
樺戸がはしゃいでいると、神風が注意をした。
俺も何か手掛かりがないか探さないとな。
俺が浴室内をくまなく探していると、神風が上を見上げて呟いた。
「…やはりな」
「どうした?神風」
「ここにも監視カメラが無いと思ってな。やはり、湯気がある場所だと監視カメラを設置できないんだろうな」
ああ、そういやペンションの浴場にも監視カメラは無かったな。
神風の奴、よくそういうのすぐ気付くよなぁ。
俺も少しは肖りたいもんだ。
「次はランドリーか…」
俺達は、温泉と隣接したランドリーの探索をしに行った。
《ランドリー》
ランドリーには、洗濯機が10個置かれていて、他には洗剤とかが置かれていた。
ここら辺はペンションと同じだな。
ペンションの方がいくらか広いけど。
「ここの調査はこの辺でいいか…では、次に行くぞ」
「おう!」
《トラッシュルーム》
トラッシュルームは、巨大な金色の焼却炉が建っていて、稼働しているのか中では炎が黄金色に輝いていた。
あとはゴミの種類ごとに分別されたゴミ箱があるくらいで、特にこれといって怪しいところはなかった。
調査を終えた俺と樺戸は、神風の指示に従ってエレベーターで上の階に上がった。
次は…っと、マーケットの探索だったよな。
◆◆◆
side U
あたしは、氷川と一緒に地下2階の女湯と娯楽施設を調べる事になった。
何であたしがこんな泣き虫なんかと…
「よ、よろしくお願いしますね、打田さん…」
「よろしくする気はない」
「ひぃっ!ご、ごめんなさい!許してくださいぃぃ…!」
…はぁ。
ほんっとうるっさい。
こんなんでどう探索しろっていうわけ?
これだから群れるのは嫌いなんだよ。
「………はぁ」
「ひっ!?す、すみませんすみません!わたし、何か打田さんの気に障る事を…!?」
「違えよ」
扉の上に無骨に設置されたガトリング砲…見たとこ、M134か。
蜂の巣にする気満々じゃん。
…こわ。
でも設置の仕方が雑だし、手入れもなってない。
ここにあたしらを閉じ込めた奴は、銃火器の扱いに関しては素人らしい。
まあ、そう思わせる為の罠…って可能性は捨て切れないけど。
……中、調べてみるか。
万が一にも何か手掛かりがあるかもしれないし。
《オンナユ》
「……っ」
女湯の脱衣所も、見渡す限りどこもかしこも金色だった。
南米チックな装飾品が置いてあったり、かと思えばレイアウトは普通の脱衣所だったり、よくわからん部屋だ。
あークソ、目痛くなってきた。
配色センスクソすぎんだろ。
こんなとこで一生暮らすとか、絶対嫌なんだけど。
しかも、裁判ゲームでしくじったら殉前や暗野みたいな悪趣味な殺され方するなんて絶対に嫌。
さっさと手がかり見つけて、こんなとこすぐに出てってやる。
「えっと…わたし、こっち調べますね…」
「好きにしな。あ、くだらない事は報告しなくていいから。それから…」
あたしは、さっき売店で買ったルーズリーフタイプのノートから紙を一枚取って氷川に渡した。
脱出の手掛かりとか見つけたらすぐにメモできるようにノート持ち歩くようにしてたけど、流石に一人だと手掛かりを探し切れないからな。
「ここに備品メモしてって。何があるか把握しとくに越した事はないだろ」
「は、はいっ…」
あたしが紙を渡すと、氷川は紙を受け取ってペコペコ頭を下げた。
歳近いんだし敬語とか使わなくていいんだけど…まあ、いいか。
氷川は洗面台を調べるみたいだから、あたしはロッカーを調べた。
ロッカーは全部で8個…部屋の面積に対して数が少ないし、まるであたしらを監禁する為だけに用意されたように見えなくもないな。
何かめぼしいものは…クソダサいデザインのメダルしか落ちてないな。
まあ、ここにいる分には持っておくに越した事はないし、拾っとくか。
「洗面台も、備品も、全部ちょうど8個ずつ置かれてますね…す、すみません…どうでもいい事でしたね…」
8個…
ちょうどロッカーの数と同じだ。
あたしらを閉じ込める為に用意した施設ってのは、あながちただの思いつきじゃないかもな。
でも、まだまだ全然手掛かりが足りない。
次は風呂場を調べるか。
「氷川。次、風呂場調べるぞ」
「…………」
「……何?」
「あ、あの…わたし…打田さんと一緒にいていいんですか…?す、すみません…わたしなんか、図体ばかり大きくて、度胸がなくて役立たずですし、打田さんの邪魔に…」
「は?一緒にいないと探索にならないから言ってんだけど。何でもいいから早く来てよ。時間がもったいない」
「すみません…わたし、わたしぃ…!」
は…?
意味わかんない。
今の、どこに泣く要素あった?
あたしにしてはだいぶ言葉選んだつもりだったんだけど。
…って、何であたしがこいつに気ぃ遣わなきゃいけないんだよ。
ホンットめんどくさっ。
浴室の扉を開けると、真っ先に目に飛び込んできたのは金ピカの内装だった。
…やっぱり、ここにも監視カメラは無い。
湯気で見えなくなるから設置できないって事か。
温泉はいくつか分かれてて、一番大きい温泉には、無駄にデカい金ピカのクソルナの像が建っていて、クソルナの像が持ってる金の壺から温泉が滝みたいにドバドバ溢れていた。
「………はぁ」
浴室に汚物を置くな。
不愉快。
あたしは、腰に差した愛用の銃に手を伸ばしてスライドを引いた。
ガシャッと音を響かせると、氷川がいきなり飛び出してきた。
「え!?ちょ、ちょちょちょ、う、打田さん!?何してるんですかぁっ!?」
「無駄にデカくてウザい像だと思って」
「だっ、ダメですよ!そ、そんな事したら…!モノクマさんやモノルナさんに何をされるか…いえ、そうじゃなくても撃っちゃダメです!」
氷川は、いきなりあたしの腕を掴んで止めてきた。
…うわっ、力強っ。
つーか割とマジで痛い。
鍛えてるようには見えないのに、何でこいつこんな強いわけ?
「………」
「ひぃっ!?」
あたしが無言で氷川を見つめると、氷川はビクッと肩を跳ね上がらせて悲鳴を上げた。
何をそんなにビビる事があるんだか。
言われなくても撃たねーっつーの。
よく考えたらこんなクソ像如きに銃弾を無駄にすんのも馬鹿馬鹿しいし。
今はそんな事に時間を浪費してる場合じゃない。
さっさと手掛かり見つけないと。
あたしと氷川は、脱出の手掛かりを探したけど、それっぽいものは何も見つからなかった。
まあ、こんなとこで簡単に見つかったら逆にビックリだけどさ。
「結局脱出の手掛かりはナシか」
「す、すみません…」
…何だろう、わかった気がする。
あたしがこいつの事苦手な理由。
「あのさ、すぐに謝んのやめてくんない?鬱陶しい」
「っ…!すっ……」
あたしが言うと、氷川は慌てて口を塞いだ。
ああ、もう反射で謝る癖がついてんのね。
どんな環境で育ったらそんな風になるんだか。
…まあ、あたしも人の事言えないけどさ。
《ランドリー》
やっぱり、金色の洗濯機が8個置かれてる。
あとは…洗剤とかが置かれてるくらいか。
こっちの方が倍くらい広いけど、基本的にはペンションのランドリーとほとんど同じだ。
「ここも…特には何も無さそうだな。次行くぞ」
「は、はいっ…!」
あたしが呼びかけると、氷川は走ってついてきた。
あと残ってるのは、娯楽施設か。
《ホテル B1F ゴラクシセツ》
温泉の1階上は、一フロア丸々娯楽施設になっていた。
娯楽施設には、卓球やビリヤード、麻雀、カラオケ、あとはクレーンゲームなんかがあった。
あとは寛ぐスペースとかマッサージチェアとか、スパとか、エステサロンとか。
…待って、エステサロンって、あの薄汚いクマ供に身体マッサージされるって事?
不愉快なんだけど…
こっちは食べ物とかも注文できるみたい。
アレだ、温泉施設とかによくあるリラクゼーションスペースみたいだ。
あのモノクソの考える事はよくわかんないな…
ん?
あれは…
「ダーツもある…」
「えへへ…や、やっぱり打田さんってダーツ好きなんですか?ほら、【超高校級の狙撃手】ですし…」
「…………」
「ひっ、す、すみません!ダーツと銃は別物ですよね!わっ、わたし、早とちりしちゃって…すみませんすみません!」
は?
え、待って。
これもしかしてあたしが怒ったと思われた?
普通に答えんのがめんどくさかっただけなんだけど…
静かに探索させてよ、頼むからさ。
「…別に、嫌いじゃない」
「そ、そうなんですね…」
会話ってこれでいいんだっけ?
っとに面倒臭いな…
「そっち何か手掛かりあった?」
「いえ…特には……す、すみません…わたし、役立たずで…」
「ま、最初からすぐに見つかるとは思ってなかったし」
ここには特に手掛かりとか無かったな。
探索も終わってやる事ないし、集合場所に行くか。
ーーー 生存メンバー ーーー
【超高校級の小説家】
【超高校級の司令官】
【超高校級の軍医】
【超高校級のオルガニスト】リーゼロッテ・ベルゲングリューン
【超高校級の原型師】
【超高校級の心霊学者】
【超高校級のディーラー】
【超高校級のカルタ師】
【超高校級のグラシエール】
【超高校級のソムリエ】
【超高校級のカバディ選手】
【超高校級の狙撃手】
【超高校級の幸運】
【超高校級のゲームプログラマー】
ノコリ14人
ーーー 死亡メンバー ーーー
【超高校級のギャル】
【超高校級のプロレスラー】
【超高校級の絵本作家】
【超高校級のヒットマン】
以上4人
推しがいたら教えてくんなまし
-
東野潤_小説家
-
暗野斬良_???
-
殉前詩乃子_ギャル
-
神風大和_司令官
-
薬師寺療香_軍医
-
リーゼロッテ_オルガニスト
-
安室明日奈_原型師
-
消灯寺霊庵_心霊学者
-
山脇ゆか_絵本作家
-
梶野運命_ディーラー
-
神無月椛_カルタ師
-
氷川みるく_グラシエール
-
酒蔵飛露喜_ソムリエ
-
樺戸ラムジ_カバディ選手
-
内闘力也_プロレスラー
-
打田清美_狙撃手
-
的凪梢_幸運
-
六道千春_ゲームプログラマー
-
モノルナ_引率教師